2010年発刊。
リピトール特許切れとトルセトラピブ失敗のファイザーショック、それにちょっと遡るワーナーランバート買収のファイザーモデル構築、日本での医薬業界合併とメガファーマ化、しかしハイスループットが一巡し旧来型の低分子化合物創薬が大失速、バイオ医薬勃興の研究費増大で医薬業界の大リストラ(医薬品クライシス)
・・・今思えばすごい時代です。著者はかなりしっかりしており、読みやすく、例も解りやすいと思います。
実は2011年ごろの読了していたのですが、佐藤氏の近作「世界史を変えた薬」(
世界史を変えた薬 (講談社現代新書)
)を読みながら、ふと見覚えのある名前と本書を読み返した次第です。
よく考えたら同じ著者のゼロリスク社会の罠も読んでました。三冊とも素晴らしくよくまとまっています。
バイオ医薬が大きな潮流となっている2018年現在となっては、ちょうどその成長期にあたる時代の記録として、秀れた歴史の教科書と思います。
2017年のレビューにバイオ医薬の記述が浅いから星1つとありますが、それは他書をあたるべきですし、2010年の情報を得てもしょうもないでしょう。
ある程度精通している読者には、サクサク読めると思います。
なお、万人向けではなく、また業界研究には今買うには古すぎます。
願わくばですが・・・科学コミュニケーションや世界史を変えた薬、国道シリーズも良いですが、佐藤氏には本著を3~4年おきに更新していただきたいところ。
業界誌への寄稿のまとめでも良いですので、本の形でしっかり残していただきたい。
医薬品は人類の財産ですので、誰かがきちんと書籍の形で残すべきです。
追記ー
佐藤氏、そろそろ新刊でないかなーと検索すると、謎の魔法少女ばかりでてきます。絞り込めばよいだけですが、なんかシュール。。
ちなみにご本人じゃないですよね?
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医薬品クライシス: 78兆円市場の激震 (新潮新書 348) 新書 – 2010/1/20
佐藤 健太郎
(著)
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購入オプションとあわせ買い
全世界で七十八兆円、国内七兆円の医薬品業界が揺れている。巨額の投資とトップレベルの頭脳による熾烈な開発競争をもってしても、生まれなくなった新薬。ブロックバスターと呼ばれる巨大商品が、次々と特許切れを迎える「二〇一〇年問題」----。その一方で現実味をおびつつあるのが、頭のよくなる薬や不老長寿薬といった「夢の薬」だ。一粒の薬に秘められた、最先端のサイエンスとビジネスが織りなす壮大なドラマ!
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/1/20
- 寸法11 x 1 x 17.5 cm
- ISBN-104106103486
- ISBN-13978-4106103483
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【新潮新書】佐藤健太郎 作品 | 開発競争が熾烈を極める一方で、新薬が生まれなくなったのはなぜか――。一粒の薬をめぐって、最先端の科学とビジネスが織りなす壮大なドラマ! | 郵便番号はどう決まる?交響曲マイナス1番とは?上野駅13・5番線はどこへ向うの?面白くてためになる、さまざまな番号のウラ事情を徹底調査。 |
商品の説明
出版社からのコメント
本書の著者、佐藤健太郎氏が著述を本業としたのは、ほんの数年前のことです。それ以前は十数年にわたり、某医薬品メーカーの研究者として新薬開発に携わってきました。研究者時代からHP「有機化学美術館」を運営するなど、化学の奥深い魅力を発信し続けてきた佐藤氏の持ち味はなんといってもその筆力。複雑で近寄りがたくもある化学の世界を、人物にまつわるエピソードや絶妙なたとえ話などをまじえ、興味深く伝えてくれます。
本書でも、ビジネス誌をにぎわす「2010年問題」はもちろん、創薬技術の変遷から薬の本質、薬が効く仕組みなどの基本までをわかりやすく解説。さらに、熾烈な新薬開発の最前線で流される汗や涙、飛び交う大金をめぐるドラマもたっぷり盛り込みました。一粒の薬に、こんな物語が秘められていたとは、と驚くことしかりです。
古巣である医薬品の世界を内から外から書きつくした本書は、佐藤氏の3冊目の著書にしてはじめての新書となります。新進気鋭のサイエンスライターの自信作を、ぜひご一読ください!
本書でも、ビジネス誌をにぎわす「2010年問題」はもちろん、創薬技術の変遷から薬の本質、薬が効く仕組みなどの基本までをわかりやすく解説。さらに、熾烈な新薬開発の最前線で流される汗や涙、飛び交う大金をめぐるドラマもたっぷり盛り込みました。一粒の薬に、こんな物語が秘められていたとは、と驚くことしかりです。
古巣である医薬品の世界を内から外から書きつくした本書は、佐藤氏の3冊目の著書にしてはじめての新書となります。新進気鋭のサイエンスライターの自信作を、ぜひご一読ください!
著者について
1970(昭和45)年、兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライター。2009年より東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教。著書に『有機化学美術館へようこそ』『化学物質はなぜ嫌われるのか』。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/1/20)
- 発売日 : 2010/1/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 207ページ
- ISBN-10 : 4106103486
- ISBN-13 : 978-4106103483
- 寸法 : 11 x 1 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 606,648位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,169位新潮新書
- - 29,302位医学・薬学・看護学・歯科学
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月6日に日本でレビュー済み
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「現代サイエンスの成果を最も小さく軽く煮詰め、結晶させた(p.12)」と著者が表現する「医薬の正しい理解に少しでも役立つ(p.5)」ことをねらいに書かれた啓蒙書。
前半は医薬・創薬そのものの、後半は医療産業・業界の解説。書名はその後半にかかわるのだが、私は前半が面白かった。本書が話題にしている「2010年問題」の2010年はとっくに過ぎ、また本書刊行時には世界経済に絶大な影響を与えていたリーマン・ショックも過去のものとなり、そのあたりの叙述が古びてしまっているためだろう。
説明は巧みで、何より比喩が多用されていて分かりやすい。
以下、特に興味深かった箇所。
「医薬品は、その開発の過程で……膨大なデータが蓄積されている。……医薬品の価格は形のある錠剤や粉末にではなく、その背後にある『情報』に対して付けられているものだといえる(p.111)」。なるほど。
「製薬メーカーの研究者は、入社から数十年毎日実験を繰り返し、新薬を一つも生み出すことなく研究の現場を去る者がほとんど(p.14)」。それは厳しい人生だなぁ。
「副作用に対するリスク意識は、やや過剰になってしまっているように思える(p.96)」。これには私も同感。
一番印象的だったのは、著者がかつて働いていた製薬会社で「一人で三つもの医薬を生み出した『伝説の男』」だった研究者が定年を迎えるときに行った講演が、時代遅れで、後輩である「我々にとって何の役にも立たなかった(p.152)」という箇所。創薬の進歩のすさまじい速さが想像できるだけでなく、こういうことは創薬の世界以外にでもあるのではないか、年寄りが後輩に教訓を垂れるのも問題だな、他山の石とせねばと思う。
前半は医薬・創薬そのものの、後半は医療産業・業界の解説。書名はその後半にかかわるのだが、私は前半が面白かった。本書が話題にしている「2010年問題」の2010年はとっくに過ぎ、また本書刊行時には世界経済に絶大な影響を与えていたリーマン・ショックも過去のものとなり、そのあたりの叙述が古びてしまっているためだろう。
説明は巧みで、何より比喩が多用されていて分かりやすい。
以下、特に興味深かった箇所。
「医薬品は、その開発の過程で……膨大なデータが蓄積されている。……医薬品の価格は形のある錠剤や粉末にではなく、その背後にある『情報』に対して付けられているものだといえる(p.111)」。なるほど。
「製薬メーカーの研究者は、入社から数十年毎日実験を繰り返し、新薬を一つも生み出すことなく研究の現場を去る者がほとんど(p.14)」。それは厳しい人生だなぁ。
「副作用に対するリスク意識は、やや過剰になってしまっているように思える(p.96)」。これには私も同感。
一番印象的だったのは、著者がかつて働いていた製薬会社で「一人で三つもの医薬を生み出した『伝説の男』」だった研究者が定年を迎えるときに行った講演が、時代遅れで、後輩である「我々にとって何の役にも立たなかった(p.152)」という箇所。創薬の進歩のすさまじい速さが想像できるだけでなく、こういうことは創薬の世界以外にでもあるのではないか、年寄りが後輩に教訓を垂れるのも問題だな、他山の石とせねばと思う。
2019年5月20日に日本でレビュー済み
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医師で現在大学院で基礎研究に従事しているものです。自分が興味がある領域ということもありますが、著者は非常に文章力が高く、引き込まれるように読めました。
本書を通じて、1つの薬を作り出すということがどれほど大変なことか、また製薬企業はハイリスクハイリターンの特殊な業界であることがよく分かりました。
癌、感染症(AIDSを含め)、生活習慣病など多くの領域で画期的な新薬が次々と開発されていますが、認知症に対する薬は各企業がことごとく開発に失敗しています。これから、超高齢化社会を迎える日本にとって、これら新薬によってどんどん寿命が伸び、認知症患者が溢れかえってしまうどうなってしまうのだろうと心配になります。
本書を通じて、1つの薬を作り出すということがどれほど大変なことか、また製薬企業はハイリスクハイリターンの特殊な業界であることがよく分かりました。
癌、感染症(AIDSを含め)、生活習慣病など多くの領域で画期的な新薬が次々と開発されていますが、認知症に対する薬は各企業がことごとく開発に失敗しています。これから、超高齢化社会を迎える日本にとって、これら新薬によってどんどん寿命が伸び、認知症患者が溢れかえってしまうどうなってしまうのだろうと心配になります。
2013年10月15日に日本でレビュー済み
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製薬業界を担当することになり、業界理解のために本を探してたらこの本に出会いました。
正直、ここに書かれていることが、ジャーナリストで元製薬メーカーで新薬の開発に従事していた著者の目や取材視点を通して部分もあるかもしれませんので、もう一冊くらい他の本も読んでみたいと思います。
でも、文体も非常に私には読みやすく。理解しやすく書かれています。ニュースや新聞記事で新薬の評価データの改ざんなどをみると、その裏側の事も理解出来たり、製薬メーカー様との会話も理解出来て、質問も出来る様になりました。
まずは、取っ掛かりとしてオススメです。
正直、ここに書かれていることが、ジャーナリストで元製薬メーカーで新薬の開発に従事していた著者の目や取材視点を通して部分もあるかもしれませんので、もう一冊くらい他の本も読んでみたいと思います。
でも、文体も非常に私には読みやすく。理解しやすく書かれています。ニュースや新聞記事で新薬の評価データの改ざんなどをみると、その裏側の事も理解出来たり、製薬メーカー様との会話も理解出来て、質問も出来る様になりました。
まずは、取っ掛かりとしてオススメです。
2019年2月22日に日本でレビュー済み
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願わくば出版からそろそろ10年経った今、製薬業界はどうなったのか?を医療クライシス2として出して欲しい。
蛇足ですが著者名で検索すると非常に沢山の魔法少女が表示されます。シュールです。
蛇足ですが著者名で検索すると非常に沢山の魔法少女が表示されます。シュールです。
2016年11月16日に日本でレビュー済み
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今となってはちょっと古いですが、基本を理解する上では分かりやすくまとまっていると思います。
2013年8月17日に日本でレビュー済み
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マーシャ・エンジェルの『ビッグ・ファーマ』直後に読みました。同じことを扱っていながら、医者であり米国の医学雑誌の編集者であったエンジェルと、この本の著者の視点は明らかに違うと思いました。米国と日本という差はあれ、門外漢としては「どちらの言っていることが本当なのか?」と常に問い続けながら読むことになりました。
薬の作り方、そのプロセスについてはこの著者の言うとおりだし、薬が効くか効かないかは賭けのような要素があることもわかりました。患者は100%助けてもらいたいけれど、医者は副作用の可能性を認識しているし、その意識の差もわかります。
この本は無駄なことは書いておらず、ほかの方も書いているように、文系の私にも創薬について上手に説明していると思います。
ただ「製薬会社の研究開発費が増えた」と言っているこの本と、そうではなく「マーケティング費」が膨れ上がっているのだ、と指摘するエンジェルの違いは、たぶん、研究開発者の立場であれば、自分の会社の(ダークな)金の流れを正確に把握するのは難しいのではないかと思いました。というのも「研究開発費が増えた」とこの本が主張しているものの、その根拠は特に示されていなかったからです。研究者の人たちは自分の専門分野の中で、会社に誇りを感じて、患者さんのために仕事をしているし、さらにMRと呼ばれる製薬会社の営業担当者も、自分の仕事に信念を持って医師に接待攻撃を繰り返していると思います。でも、それらが悪い面を出していることは、たぶんエンジェルの言う方が(日本と米国という差はあっても)正しいように思いました。
最後にiPS細胞など新規技術について触れ、新薬が出ない(古い体質、単純な病気は駆逐され難病だけが残っている)という暗い面に明るさを添えて終わるところは、この人が研究者に共感を持つ「サイエンスライター」であって実際に製薬会社で仕事をしていない人だと感じました。面白いし、無駄はないし、門外漢にもわかるように創薬について説明しているところは評価しますが、なんというか、感情的に創薬に心を寄せ、暗い面(エンジェルが指摘したような)にはあまり目が届いてないところはナイーヴに感じたので★4つにしました。
薬の作り方、そのプロセスについてはこの著者の言うとおりだし、薬が効くか効かないかは賭けのような要素があることもわかりました。患者は100%助けてもらいたいけれど、医者は副作用の可能性を認識しているし、その意識の差もわかります。
この本は無駄なことは書いておらず、ほかの方も書いているように、文系の私にも創薬について上手に説明していると思います。
ただ「製薬会社の研究開発費が増えた」と言っているこの本と、そうではなく「マーケティング費」が膨れ上がっているのだ、と指摘するエンジェルの違いは、たぶん、研究開発者の立場であれば、自分の会社の(ダークな)金の流れを正確に把握するのは難しいのではないかと思いました。というのも「研究開発費が増えた」とこの本が主張しているものの、その根拠は特に示されていなかったからです。研究者の人たちは自分の専門分野の中で、会社に誇りを感じて、患者さんのために仕事をしているし、さらにMRと呼ばれる製薬会社の営業担当者も、自分の仕事に信念を持って医師に接待攻撃を繰り返していると思います。でも、それらが悪い面を出していることは、たぶんエンジェルの言う方が(日本と米国という差はあっても)正しいように思いました。
最後にiPS細胞など新規技術について触れ、新薬が出ない(古い体質、単純な病気は駆逐され難病だけが残っている)という暗い面に明るさを添えて終わるところは、この人が研究者に共感を持つ「サイエンスライター」であって実際に製薬会社で仕事をしていない人だと感じました。面白いし、無駄はないし、門外漢にもわかるように創薬について説明しているところは評価しますが、なんというか、感情的に創薬に心を寄せ、暗い面(エンジェルが指摘したような)にはあまり目が届いてないところはナイーヴに感じたので★4つにしました。
2017年11月22日に日本でレビュー済み
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ダメ。この人は化学者であり在籍した会社も低分子中心だったので、低分子化合物中心のモノの見方しかできていない。後半バイオ品にも少し触れているが、全く浅い。低分子は、低分子リガンドー受容体の反応以外は、特異的な抑制はできないので、低分子中心では、限界(クライシス)であることは間違いないが、バイオ品の可能性について、あまりに不勉強。