少年の加害者家族や性犯罪の加害者など、社会から爪弾きにされた人々をサポートするNPO法人を描く社会派ドラマ。
巷には遺族感情という「虎の威」を借りた安直な復讐ものが氾濫しているが、加害者を叩いたところでだれも救われないし、加害者家族・被害者両方にわたって苦しみはずっと続いていく。こうした残酷な現実を本作は加害者叩きで溜飲を求める読者層には全く都合が良くないタッチで生々しく、容赦なく描いていく。
「犯罪者やその家族に対する村八分ってのは古今東西ずっと存在してきたものだが 現代社会ではその尺度が国家規模にまで拡大しちまっている」
「強姦ってのはその後も精神を繰り返し犯す心の殺人だからな」
だからこそ、過熱報道で日常生活が崩壊した加害者家族や出所しても再犯を繰り返す性犯罪者に対しての、冷泉さんの言葉が重くのしかかってくる。
因みに本作は最新エピソードが未完のまま打ち切りになっているようだが、どうしてこのような良作が？と思った。またどこかで続きが読みたい作品である。
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