めちゃくちゃ面白い
もうこの世にはいない人かもしれないけど、この作家はもっと評価されるべき
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海賊モア船長の遍歴 単行本 – 1998/7/1
多島 斗志之
(著)
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- 本の長さ393ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1998/7/1
- ISBN-104120028143
- ISBN-13978-4120028144
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
イギリス国王から海賊討伐の特命を受けたキッド船長の船に一水夫として乗り組んだモア。東インド会社の船の航海士の経験を持つ彼には、悲運な過去があった。やがてキッド船長の船も海賊行為に手を染めはじめ…。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1998/7/1)
- 発売日 : 1998/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 393ページ
- ISBN-10 : 4120028143
- ISBN-13 : 978-4120028144
- Amazon 売れ筋ランキング: - 789,567位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 208,084位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供の頃から、海賊の話はいろいろ読んだけれど、この作品は、当時の時代背景(17世紀末期から18世紀初頭)がしっかり調べられていて、今まで物語上の存在でしかなかった海賊が、初めて実際の歴史、地理と結びついた。インド洋を舞台に、東インド会社の船をねらっていたなど、世界史のあのあたりか、なるほど、なるほど、という感じ。黒地に白いドクロのおなじみの旗が実際に使われていたのは、わずかな期間でしかなかったなど、ふーんそうだったんだといろいろ雑学もあり、おもしろかった。話のテンポもよく、当時の海戦の様子が目の前に浮かぶようで、わくわくしながら、最後まで1日で一気に読んでしまった。
2010年1月4日に日本でレビュー済み
1998年に出た単行本の文庫化。
イギリスによくある海洋冒険歴史小説のパスティーシュ。
18世紀イギリスの船乗りがひょんなことから海賊となり、東インド会社やオランダ、他の海賊たちと争いを繰り広げていくという小説。
続編に『海賊モア船長の憂鬱』(集英社単行本2005年→角川文庫2009年)がある。
イギリスの海洋冒険小説(ホーンブロアーとか)を良く研究して書かれている本だ。当時の風俗習慣、政治状況なども詳しく調べられており、日本人が書いたイギリス海洋ものという不思議な位置づけでありながら、読んでいて違和感が少ない。
『不思議島』、『二島縁起』など日本・現代を舞台とした海洋もので冴えを見せてきた著者だが、本書も面白い。ミステリには向かない人のようだし、もっとこうした分野で活躍していくと良いのではないだろうか。
文の途中でいきなり改行するなど、かなり独特の感性の持ち主のようで、慣れるまではずいぶんと読みにくく感じた。
イギリスによくある海洋冒険歴史小説のパスティーシュ。
18世紀イギリスの船乗りがひょんなことから海賊となり、東インド会社やオランダ、他の海賊たちと争いを繰り広げていくという小説。
続編に『海賊モア船長の憂鬱』(集英社単行本2005年→角川文庫2009年)がある。
イギリスの海洋冒険小説(ホーンブロアーとか)を良く研究して書かれている本だ。当時の風俗習慣、政治状況なども詳しく調べられており、日本人が書いたイギリス海洋ものという不思議な位置づけでありながら、読んでいて違和感が少ない。
『不思議島』、『二島縁起』など日本・現代を舞台とした海洋もので冴えを見せてきた著者だが、本書も面白い。ミステリには向かない人のようだし、もっとこうした分野で活躍していくと良いのではないだろうか。
文の途中でいきなり改行するなど、かなり独特の感性の持ち主のようで、慣れるまではずいぶんと読みにくく感じた。
2006年4月6日に日本でレビュー済み
最初は見慣れない改行の仕方(改行をかなり多用しています)に戸惑いこそしましたが、世界背景がとても
しっかりとしていて、そのリアルさの余り次第に自分も登場人物と一緒に海賊船に乗り込んでいるような気分になりました。
特に、主人公のモア船長はとても親しみやすく、感情移入のしやすい人物です。
モア船長はよくある海賊物の主人公のように、命知らずなほど勇敢なわけでも、一騎当千の武力を持っている
わけでも、群がる敵艦隊を奇策で打ち破ってしまうほどの知略も、残虐非道さもありません。
ただ、船乗りとして経験豊富で、他の人よりもほんの少しだけ閃きが優れているだけ。
ただそれだけなのに、彼はアドヴェンチャー・ギャレーの船長として、数々の難関を潜り抜けていくのです。
彼の持つある種のカリスマ性により、どんどんと物語の世界に引き込まれていってしまいます。
世間一般に知られている海賊とは異なる、海賊の真の姿を垣間見られる物語。
読み終わり、モア船長の勇姿が見られなく(読めなく?)なってしまうのが残念でなりません。
しっかりとしていて、そのリアルさの余り次第に自分も登場人物と一緒に海賊船に乗り込んでいるような気分になりました。
特に、主人公のモア船長はとても親しみやすく、感情移入のしやすい人物です。
モア船長はよくある海賊物の主人公のように、命知らずなほど勇敢なわけでも、一騎当千の武力を持っている
わけでも、群がる敵艦隊を奇策で打ち破ってしまうほどの知略も、残虐非道さもありません。
ただ、船乗りとして経験豊富で、他の人よりもほんの少しだけ閃きが優れているだけ。
ただそれだけなのに、彼はアドヴェンチャー・ギャレーの船長として、数々の難関を潜り抜けていくのです。
彼の持つある種のカリスマ性により、どんどんと物語の世界に引き込まれていってしまいます。
世間一般に知られている海賊とは異なる、海賊の真の姿を垣間見られる物語。
読み終わり、モア船長の勇姿が見られなく(読めなく?)なってしまうのが残念でなりません。
2009年3月22日に日本でレビュー済み
海賊モノは海外作品が常套だが、日本人作家もなかなかどうして。
多島氏は好きな作家の一人だが、推理、ハードボイルド、ゾルゲ事件等の歴史等、モチーフの多様性は凄いと思う。
そして、本作は、カリブ海のバリバリの海賊。日本人が書いたの?と疑いたくなるほどの内容。モアは、Jディップのスパロウのような茶目っ気船長ではなく、冷静で生真面目な船長。どっちもカッコイイ。
多島氏は好きな作家の一人だが、推理、ハードボイルド、ゾルゲ事件等の歴史等、モチーフの多様性は凄いと思う。
そして、本作は、カリブ海のバリバリの海賊。日本人が書いたの?と疑いたくなるほどの内容。モアは、Jディップのスパロウのような茶目っ気船長ではなく、冷静で生真面目な船長。どっちもカッコイイ。
2010年3月11日に日本でレビュー済み
17世紀末イギリスを舞台にした、海洋時代小説。
元東インド会社の航海士モアはキッド船長率いる海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」の乗組員となる。
しかし、不本意ながら海賊行為に参加してしまったモアは「アドヴェンチャー・ギャレー」を譲り受け、7人の仲間とともに海賊となる。
持ち前の操船技術を駆使し、オランダ商船などから金銀財宝を奪う。
しかし、金品強奪は行えども、決して非道な行いはしないモアであった。
海賊船「タイタン」を操るブラッドレー船長との対決には胸踊りました。
薔薇十字団という組織が出てきた時には何か国家を巻き込んだ陰謀があるのではと期待してしまったが、不発でした。
まあ、私が勝手に期待しただけなのですが・・・
(実はフィクションとしての陰謀論が好きなのです)
コミック「ONE PIECE」尾田栄一郎著が好きな人にはおススメ!
元東インド会社の航海士モアはキッド船長率いる海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」の乗組員となる。
しかし、不本意ながら海賊行為に参加してしまったモアは「アドヴェンチャー・ギャレー」を譲り受け、7人の仲間とともに海賊となる。
持ち前の操船技術を駆使し、オランダ商船などから金銀財宝を奪う。
しかし、金品強奪は行えども、決して非道な行いはしないモアであった。
海賊船「タイタン」を操るブラッドレー船長との対決には胸踊りました。
薔薇十字団という組織が出てきた時には何か国家を巻き込んだ陰謀があるのではと期待してしまったが、不発でした。
まあ、私が勝手に期待しただけなのですが・・・
(実はフィクションとしての陰謀論が好きなのです)
コミック「ONE PIECE」尾田栄一郎著が好きな人にはおススメ!
2005年11月28日に日本でレビュー済み
こころの障害をテーマにした問題作『症例A』の作者多島斗志之が書いた、まったく趣を異にした海洋冒険ロマン。
時は17世紀末イギリス。元東インド会社の航海士ジェームズ・モアは国王の委任状を与えられたキッド船長率いる海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」の乗組員として雇われた。船は大西洋から喜望峰を越えてはるばる海賊たちの巣窟、マダガスカルへ到着するが、一向に海賊と遭遇せず、いたずらに時が過ぎてゆく。経費ばかりかかることに業を煮やしたキッド船長は、皮肉なことに自ら海賊行為に手を染めてしまう。やがて自分がしでかした悪事を認識しないまま、キッドは別の船で本国に帰ってしまう。
モアは「アドヴェンチャー・ギャレー」を譲り受け、7人の仲間を連れ独立する。海賊モア船長の誕生である。
アラビア海、インド洋からマレー半島、インドネシアのジャワ海、モルッカ諸島まで股にかけた海賊船「アドヴェンチャー・ギャレー」の海洋冒険活劇が全編にわたって展開される。
モア船長は悪事をなしても非道はせず、あくまで金銀財宝を奪うため、操船技術を駆使して戦うのだ。相手はオランダ商船、ムガール帝国の船から果てはライバルの海賊船「タイタン」のブラッドレー船長まで。
モア自身が背負う過去の謎、船員たちとの絆、海賊船同士の駆け引き、ムガール皇帝の孫娘の誘拐、そして自らも囚われの身となったり、波乱万丈のストーリーが息もつかせず続く。
今回は何も考えず、ただただエンターテイメントとしてこの荒唐無稽な海洋アドベンチャーを楽しんだ。
時は17世紀末イギリス。元東インド会社の航海士ジェームズ・モアは国王の委任状を与えられたキッド船長率いる海賊討伐船「アドヴェンチャー・ギャレー」の乗組員として雇われた。船は大西洋から喜望峰を越えてはるばる海賊たちの巣窟、マダガスカルへ到着するが、一向に海賊と遭遇せず、いたずらに時が過ぎてゆく。経費ばかりかかることに業を煮やしたキッド船長は、皮肉なことに自ら海賊行為に手を染めてしまう。やがて自分がしでかした悪事を認識しないまま、キッドは別の船で本国に帰ってしまう。
モアは「アドヴェンチャー・ギャレー」を譲り受け、7人の仲間を連れ独立する。海賊モア船長の誕生である。
アラビア海、インド洋からマレー半島、インドネシアのジャワ海、モルッカ諸島まで股にかけた海賊船「アドヴェンチャー・ギャレー」の海洋冒険活劇が全編にわたって展開される。
モア船長は悪事をなしても非道はせず、あくまで金銀財宝を奪うため、操船技術を駆使して戦うのだ。相手はオランダ商船、ムガール帝国の船から果てはライバルの海賊船「タイタン」のブラッドレー船長まで。
モア自身が背負う過去の謎、船員たちとの絆、海賊船同士の駆け引き、ムガール皇帝の孫娘の誘拐、そして自らも囚われの身となったり、波乱万丈のストーリーが息もつかせず続く。
今回は何も考えず、ただただエンターテイメントとしてこの荒唐無稽な海洋アドベンチャーを楽しんだ。
2002年1月24日に日本でレビュー済み
不可解な事件で最愛の妻を失い傷心にくれていたモアはかつての同僚に拾われ海賊討伐のための武装船『アドヴェンチャーギャレー』の水夫となる。そして紆余曲折を経て海賊船『アドヴェンチャーギャレー』の船長に。バロンやアカハナなど個性ゆたかな船員ともに順調に戦果をあげていくが・・・
海賊というと野蛮そのものというイメージがありますが、この本に描かれているモア一味は本当におもしろく良い男達です。モアは頭脳派で人望も厚く、様々な困難を機転や幸運で乗り切っていく様がこの本の醍醐味です。また海賊というと子供向けの冒険物のように感じるかもしれませんが、この本には当時の列強の関係や交易などもリアルに描かれており、大人が読んでも勉強になります(もちろん子供さんも冒険物として!!十分楽しめる)。隠れた名作
海賊というと野蛮そのものというイメージがありますが、この本に描かれているモア一味は本当におもしろく良い男達です。モアは頭脳派で人望も厚く、様々な困難を機転や幸運で乗り切っていく様がこの本の醍醐味です。また海賊というと子供向けの冒険物のように感じるかもしれませんが、この本には当時の列強の関係や交易などもリアルに描かれており、大人が読んでも勉強になります(もちろん子供さんも冒険物として!!十分楽しめる)。隠れた名作