今から9年前に出版された本だが、文化の違いが具体例を引いてユーモラスに紹介されているので、今読んでも十分面白い。当時と今では時代背景や雇用形態、M&Aの状況なども違うだろうが、突然外国人と一緒に仕事をしなければならない状況に置かれて生じる出来事はやはり似た様なものになるだろう。
著者は巻末に日本式経営を続けていくには限界が来ており、これから十年いかに悪しき慣習を捨て去り良き慣習を取り入れられるか、人間の実力を問われる時代がやってくると書いているが、非正規雇用者が就労者の3分の1を占める現在を想像したであろうか。著者が最後に書いた「企業は人なり」の言葉がむなしい。
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外資な人たち: ある日外国人上司がやってくる 単行本 – 1999/3/1
楡 周平
(著)
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1999/3/1
- ISBN-10412002881X
- ISBN-13978-4120028816
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商品の説明
商品説明
外資系企業の秘書は、着任したてで日本語をまったく解さないボスの世話をどこまで焼くのか。本国から乗り込んできたプロジェクトマネージャーに会議で通訳をするのは誰の役割?取引先のアメリカ人幹部にアピールするプレゼンテーションとは?外国人駐在員はなぜモテる?レイ・オフ通知はいつ来るか…。表題どおり、ある日突然外国人上司がやってくることに漠とした不安を抱いている人は多いのではないだろうか。米国企業に11年半勤務した著者自らの体験と外資系企業で働く人々のさまざまなエピソードを通して「外資な会社」 と「外資な人」を浮き彫りにしたのが本書である。家探しから道案内、果ては上司の息子のTシャツ購入まで頼まれる外資系秘書のマキ、3か月で日本語をマスターして会議に出席すると豪語しながら3か月後は商習慣を万事アメリカ流で通そうとするジョーンズ氏。ヘッドハンティングされて職場を移った半年後に転職を考える近藤さん、新しい所長の就任パーティーを行った3日後に当の所長から研究所閉鎖を言い渡されレイ・オフされた牧野さん。外資な人たちもやはり文化摩擦と商習慣のせめぎあいの中で、しかししたたかに生きている。ときに講談調の歯切れのよい語り口はリズミカルで全体にユーモラスな印象を漂わせる。著者は米国企業在職中の1996年に処女作『Cの福音』(宝島社)でデビューした。クライムノヴェルで見せるスピード感のある筆致は本書にも共通する。(松浦恭子)
メディア掲載レビューほか
ある日突然、自分の会社が外資系企業に買われ、オフィスのレイアウトから社内ルールに至るまでがらりと変わってしまう。そして、やって来るのは日本市場についてまったく知らない外国人上司――。こんな話はもはや絵空事とは言えなくなってきた。
しかし、一般的なビジネスマンが思い描く外資系企業と言えば、ゆったりとしたオフィスで派手な色のシャツを着た外国人従業員の姿だとか、性別・年齢にかかわりなく地位が決まる能力主義の厳しさなど、一面的でしかないのも確か。そこで、かつて自身も外資系で働いた経験を持つ著者が、外資系企業の日常の実態を見聞きしてまとめたのが本書だ。
「解雇」に対する日米の価値観の違いから、簡単に解雇を通告され呆然とする研究所員。巨大プロジェクトの納入業者選定に当たり、外国人上司と業者との板挟みになって苦悩する中間管理職。外資系企業の華やかな印象の裏にある、日本人社員の苦労が垣間見られる。
(日経ビジネス1999/4/12号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
-- 日経ビジネス
内容(「MARC」データベースより)
ある日突然会社の名前が変わり、名刺が変わる。オフィスのレイアウトも社内ルールも仕事の方法も全てが変わる。そして上司は外国人…。外資系企業で働く人々の姿を実際に著者が体験し、見聞きしたことをまとめる。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1999/3/1)
- 発売日 : 1999/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 263ページ
- ISBN-10 : 412002881X
- ISBN-13 : 978-4120028816
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,636,767位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,648位日本論
- - 33,221位社会学概論
- - 61,471位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年4月7日に日本でレビュー済み
勤務先の会社が外資の傘下に入り,あれよあれよと言う間にオフィスに外国人がやって来た。そして私自身も外国人ボスに仕える身となった今,ここに書かれた物語は将に「他人事ではない!」
しかもその勤務先は旧財閥系=旧態然とした典型的ニッポン企業。人事部門の外国人対応もできておらず,皺寄せは「多少英語ができる」社員そして,彼らの為に雇われた英語のできる派遣社員たちに・・・。毎日起こる「事件」は本書の通り・・・。
しかし本書に書かれている事にイチイチ頷いているだけでは仕事ははかどらないし,文句ばかり言っていては能無しと思われる。この本で再認識した「外国人の振る舞い」を頭に叩き込んで,また明日から闘おう!と決意を新たにしたのでした。
グローバル化が叫ばれ明日はガイシかもしれない会社にお勤めのあなた,読んでおく価値はありますよ!!
しかし,一番読ませたいのは,Tokyo Good Lifeを楽しんでいる外国人達。(「お前らのせいで,苦労してるんだぞ!!」)
ぜひ,どなたか英訳版を出してください。
しかもその勤務先は旧財閥系=旧態然とした典型的ニッポン企業。人事部門の外国人対応もできておらず,皺寄せは「多少英語ができる」社員そして,彼らの為に雇われた英語のできる派遣社員たちに・・・。毎日起こる「事件」は本書の通り・・・。
しかし本書に書かれている事にイチイチ頷いているだけでは仕事ははかどらないし,文句ばかり言っていては能無しと思われる。この本で再認識した「外国人の振る舞い」を頭に叩き込んで,また明日から闘おう!と決意を新たにしたのでした。
グローバル化が叫ばれ明日はガイシかもしれない会社にお勤めのあなた,読んでおく価値はありますよ!!
しかし,一番読ませたいのは,Tokyo Good Lifeを楽しんでいる外国人達。(「お前らのせいで,苦労してるんだぞ!!」)
ぜひ,どなたか英訳版を出してください。