D.T.マックスのこの1998年リリース文書を訳出した村上春樹の功績は大きい。村上自身も大好きで、本人自らその作品を翻訳している現代アメリカを代表する作家レイ・ガーヴァーの初期作品群に加えられた編集人による大幅な書き換え・削除行為の実態暴露である。文学事件!村上氏にとっても衝撃だったろうと思われるが、それはそれとして、オリジナル原稿の訳出も行っているので、これはアメリカ的で民主的じゃないだろうか。
レイの大親友の追悼エッセイも興味深いが、ティム・オブライエンなるヴェトナム戦争従軍作家、さらにはジョン・アーヴィングの短篇も面白い。
表題は、自称「天才!」トム・ジョーンズの短篇にも引用されているブルーズの歌詞から取っているようだが、村上は彼とある会合で出会い、お互いに意気投合したようで今回の訳出となった(?)・・・・
各作家の紹介およびオリジナル英文の解説等、村上の翻訳は相変わらず読みやすい。今後、これらの作家の作品を読むいい機会になりそうだ
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月曜日は最悪だとみんなは言うけれど 単行本 – 2000/5/1
誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか,グッド・レイモンド 他
- 本の長さ260ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2000/5/1
- ISBN-104120030059
- ISBN-13978-4120030055
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
リチャード・フォードによるレイモンド・カーヴァー追悼エッセイ、ティム・オブライエンのヴェトナム再訪記、ジョン・アーヴィング会見記など、村上春樹の訳によるアメリカ現代文学の短編・エッセイ・作家論を収録。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2000/5/1)
- 発売日 : 2000/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 260ページ
- ISBN-10 : 4120030059
- ISBN-13 : 978-4120030055
- Amazon 売れ筋ランキング: - 562,527位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,479位外国のエッセー・随筆
- - 5,264位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2000年11月20日に日本でレビュー済み
カヴァーがどうしてあんなに書き直したのかが不思議でした。あんなに長さが変わるなんて、普通の作家では考えられないことでした。リッシュの力というか、編集者の力の凄さが感じられました。 どこまでがオリジナルで、どこまでが新たな創作なのか、カヴァーの謎は深まるばかりです。 ところで、この題名の意味は?
2002年12月12日に日本でレビュー済み
レイモンド・カーヴァーの創作・人となりに関するエッセイ二つ、ティム・オブライエンのヴェトナム再訪記と短篇二つ、ジョン・アーヴィングのインタビュー記事に、トム・ジョーンズの短編、デニス・ジョンソンのエッセイの計8篇。「アメリカ」作家に関する雑多な文章を村上氏が翻訳、それぞれに短いイントロダクションを付けたもの。村上氏がいつか翻訳しようと溜めていたアメリカの雑誌のスクラップの中から、特に気に入ったものをチョイスしたとのこと。村上氏の関心の方向性、創作の源流がどこにあるのかが伝わってくるコンピレーションです。
死後10年経って、カーヴァーの創作の謎に迫るエッセイもなかなか良かったですが、ティム・オブライエンのヴェトナム再訪記にはへこみました。ヴェトナム戦争も過去のこととして、歴史の闇に葬られていますが、多くの人にとってはいまだ現在形なのでしょう。ちょっと背筋が寒くなる内容です。それから、ジョン・アーヴィングの人となりが伝わってくるインタビューと、トム・ジョーンズの説明の付かないエネルギーに満ちた短編(タイトルは "I am a... Genius!")もしびれます。
文中にもありましたが、ブルースの名曲、「ストーミー・マンデイ」の歌詞、"They call it stormy Monday, but, Tuesday's just as bad." からタイトルを取っています。
村上氏は、自分についての評論は読まないと言うことですが、他人に関してのものは読んでいるようです。他人事は、ただただ興味深いということなのでしょうか。いずれにせよ、どの文章をとっても一級の書き物で、それぞれに味わい深い、濃い内容の一冊です。現代アメリカ文学が好きなら、お勧めです。
死後10年経って、カーヴァーの創作の謎に迫るエッセイもなかなか良かったですが、ティム・オブライエンのヴェトナム再訪記にはへこみました。ヴェトナム戦争も過去のこととして、歴史の闇に葬られていますが、多くの人にとってはいまだ現在形なのでしょう。ちょっと背筋が寒くなる内容です。それから、ジョン・アーヴィングの人となりが伝わってくるインタビューと、トム・ジョーンズの説明の付かないエネルギーに満ちた短編(タイトルは "I am a... Genius!")もしびれます。
文中にもありましたが、ブルースの名曲、「ストーミー・マンデイ」の歌詞、"They call it stormy Monday, but, Tuesday's just as bad." からタイトルを取っています。
村上氏は、自分についての評論は読まないと言うことですが、他人に関してのものは読んでいるようです。他人事は、ただただ興味深いということなのでしょうか。いずれにせよ、どの文章をとっても一級の書き物で、それぞれに味わい深い、濃い内容の一冊です。現代アメリカ文学が好きなら、お勧めです。