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すばらしい新世界 単行本 – 2000/9/1
- 本の長さ591ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2000/9/1
- ISBN-104120030539
- ISBN-13978-4120030536
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2000/9/1)
- 発売日 : 2000/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 591ページ
- ISBN-10 : 4120030539
- ISBN-13 : 978-4120030536
- Amazon 売れ筋ランキング: - 705,606位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 130,044位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1945年、北海道生れ。埼玉大学理工学部中退。
二十代から世界各地を旅し、ギリシャ、沖縄、フランスで暮らす。現在は、札幌在住。公式サイトは[cafe impala]
http://www.impala.jp
1988年「スティル・ライフ」で芥川賞を受賞。詩、小説、随筆、翻訳(英・ギリシャ語)、書評と執筆は多岐にわたる。広く深い文学的教養と理系的知識を土台に、自然と人間の関わりについての示唆に富んだ作品を多く著している。
ワープロ原稿で芥川賞を受賞した初めて作家でもあり、9.11をきっかけに毎日メールマガジンを通じて意見を表明する(『新世紀へようこそ』に収録)など、早くからデジタル・メディアの活用に関心を持つ。2014年からは株式会社ボイジャーと共同で自身の著作の電子アーカイブ化にも取り組んでいる。
主な著書に『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)『ハワイイ紀行』(JTB出版文化賞)『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)『すばらしい新世界』(芸術選奨文部科学大臣賞)『イラクの小さな橋を渡って』『憲法なんて知らないよ』『言葉の流星群』(宮沢賢治賞)『静かな大地』(親鸞賞)『パレオマニア』等。2003年、著作活動全般について司馬遼太郎賞、「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」の編纂で朝日賞を受賞。
東日本大震災の後は被災地に通い、『春を恨んだりはしない』『双頭の船』『アトミック・ボックス』を執筆。震災をきっかけに日本と日本人について思索したいとの思いから、「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」に取り組み、2014年末から刊行開始。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「光の指で触れよ」を先に読んだのですが、特に問題無しです
大企業で風車の開発設計技術者である天野林太郎
途上国へのボランティア活動を主とするNGO団体で広報関係の仕事に携わっている妻・アユミ(離婚歴あり)
小学校五年生の息子・森介(不登校歴あり)
家族間では常に論理的、建設的な会話が交わされ、絶対的な信頼関係が築かれている
アユミを通してチベットのNGO団体から灌漑用の電気を起こすための風車を建ててくれないかという依頼が来る
ヒマラヤの奥地へ赴いた林太郎はそこの文化や習慣に触れ、そこで暮らす人々に深く惹かれていく
環境問題
途上国援助問題
民族問題
家族問題
すばらしい新世界は本当に存在するのだろうか
改めて考えさせられます
最後には林太郎と森介が、偶然発見されたテルマ(埋蔵経典)を中国の手に落ちる前にインドに亡命中の第14世ダライ・ラマ猊下に届けるというオマケまでついていて、ちょっと楽しめます
この作品では林太郎と森介が日本から飛び出しているのですが
光の指〜 ではアユミとその後に生れた娘がヨーロッパに行きます
「きみの方が仕事に夢中になって、ぼくが森介と一緒に待つという時期もいずれあるんじゃないか。ぼくが淋しい顔をする時期だってあるんじゃないか」
何度もチベットへ行く夫に淋しいと訴えるアユミに林太郎が語る言葉
続編を予感させますね
最も、アユミと下の娘がヨーロッパに向かったの理由は仕事ではなかったのですが…
日常生活を送っていると、ーーー特に生活が必要以上に便利になった日本という国に住んでいると、世界が小さくなってしまう。
情報は世界と繋がっている。でも、そこには深みがない。人の、土地の、臭いがない。
観念化された生活。
大きな不満がないから考えない。それは、しあわせな状態なのだろうか。
ほとんどの日本人のなかに神はいない。それはそれでいいと思う。僕の中にも神はいない。でも、自分より大きな存在がいないということはいいことなのだろうか。
人間のできるとこは、実はとても小さく僅かなもの。
そう思えることは幸せなことではないだろうか。
そんな思索にむかえるヒントがちりばめられている。
すばらしくて新しい世界が拓ける言葉が本書にはある。
この本に出会えたことは、しあわせ以外なにものでもない。
ただ、ヒマラヤの描写があまりにもきれいすぎて、実際に長く住んでいる人は違和感を覚えることは明らか。ちょっとした問題は出てくるがそれはすぐにきれいに済まされてしまう。しかし、実際はトレッカーにお菓子やお金をもらい過ぎた子供たちがもっとくれとねだり、あげなければ間違った道を教えるとか、NGOはビジネス、就職機会だと考えている人達は少なくなく、汚職や外国人に対する恐喝、窃盗、お金持ちになるために結婚を持ちかけるなどといった行為も少なくない。チベット仏教にしても、かつては僧院が最も上の立場にあったが、旅行者の増加でホテル業でお金持ちになった人たちが上に位置するようになってきた、と指摘している研究者もいる。確かに実在のNGOやホテル、人物を調べてそれと同じような形でかいているから、それなりに調べはしたのだろうけど、旅行者の域を脱していない。もちろん、ダークサイドばかりを書く必要もないのだが、あまりに話がきれいすぎて、『失われた地平線』を思い出してしまうような内容。これを読んでうっとりしてヒマラヤに行った人たちは現実を知って落胆するんじゃないだろうか。研究者の書いた論文を読むとまで行かずとも、山本真弓さんの本と読み比べてもらえば、ヒマラヤに行ったことが無い人でもこの違和感がわかるんじゃないかと思う。