下巻はペリーの2度目の来航から始まり、吉田松陰の下田密航事件に連座して松代藩で9年に及ぶ謹慎蟄居生活があり、謹慎が解かれてからは公武合体派として活動を開始するが、倒幕派からは「敵」と見なされて暗殺されるまでを描く。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」では坂本龍馬が「夷の術を以て夷を制す」戦略、つまり「究極の攘夷のための開国」を唱えているが、その思想は龍馬の師である勝海舟から受け継いだものであり、その勝も勝の師である佐久間象山から受け継いだもので、元は象山から出たものである。
象山は天皇の号令下に「日米修好通商条約」を勅許し、これによって公武の融和を行ない、「日本」という統一国家の形成へと向かうべきだという献策を行なっている。これは幕府=開国に対する朝廷=攘夷という幕末政治における対立構図を、天皇に「開国」を号令させるという荒技で乗り切ろうという企てだった。著者はそこに天皇機関説的なクーデターの匂いを感じ、「天皇ヲ奉ジテ」のクーデターという北一輝の「日本改造法案大綱」を連想する。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
評伝佐久間象山 下 (中公叢書) 単行本 – 2000/9/1
松本 健一
(著)
- 本の長さ313ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2000/9/1
- ISBN-104120030555
- ISBN-13978-4120030550
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
維新期を堂々の気概で乗り切ろうとした象山。だが、その壮図は暗殺剣によって阻まれる。時代を見晴らしたその遺産を、「近代日本」はどう活かしたか。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2000/9/1)
- 発売日 : 2000/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 313ページ
- ISBN-10 : 4120030555
- ISBN-13 : 978-4120030550
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,108,919位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 603位日本思想史
- - 1,052位明治維新
- - 1,548位日本の思想(一般)関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.3つ
5つのうち3.3つ
2グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。