レイチェルが歩んだこころの軌跡は、そのまま、現代の医療の隙間に零れ落ちてしまったこと、私たちが失ってしまったキッチンテーブルを囲んで過ごす時間を思い起こさせるものだった。筆者が医師として時代の最高峰の教育訓練を受けたこと、同時に難病を抱えて生きる一人の患者だったことが、たいへん説得力を持つ。一番印象的だったのは、著者が自らの病気のために受診したときの、権威といわれる医師の言葉に打ちのめされた体験だった。医師のことばは、患者にとって大変影響力があり、患者のあり方を規定してしまう。そこから解放され、自らの人生を取り戻すのが、語りの力、それを受け止めてくれる他者の存在なのではないだろうか。また、医療者側にとっても、自分自身の感情に気づくこと、患者の感情と交流することが、バーンアウトを防ぐことにつながるということも、本来的な医療の質を考えるきっかけとなると考える。翻訳にとても違和感があったので、星を減らしたが、翻訳があったことで、すぐに読めたので、その点では有難かった。

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役に立った

はなこ

癒されます

2009年4月17日に日本でレビュー済み

タイトルと表紙に惹かれ図書館で借りたのがこの本との出会いです。
がん患者とその家族にささげられる本のようですが
全く無縁の私もなんだか心穏やかに安らかな気持ちになります。
精神的に疲れがたまっているときに
やさしい気持ちを取り戻してくれる本だと思います。

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失われた物語を求めて: キッチン・テーブルの知恵 単行本 – 2000/12/1

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内容（「MARC」データベースより）

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レイチェル・ナオミ・リ−メン

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