翻訳のレベルが非常に高く、スラスラと読み進めることができます。
堅苦しい文章でなく、素晴らしい冒険小説を読んでいるような気分でした。
群狼作戦によって連合国軍船舶を何百隻も血祭に上げていた黄金期から、高性能レーダーやソナーの開発、護衛船団方式の採用によって徐々に劣勢となり、増え続ける損失によって圧倒的不利な状況に追い込まれ、狂気の沙汰としか思えないような作戦命令を受けても、祖国の勝利を信じて次々と出撃しては撃沈されていったUボート艦隊の悲劇を克明に記しています。
また、船団攻撃、対駆逐艦、対空戦闘の際にUボートはどのような戦法を取ったか、高温と湿気でカビだらけになったパンをどのようにして食べていたか、基地に帰還した後の休暇の過ごし方など、本当に様々なことが書いてあるので飽きることなく読めます。
ページ余白に作中用語に対する解説も記載されているので、Uボートや兵器に詳しくなくても問題はありません。
艦これやアズールレーンなど、擬人化されているとはいえ大戦中の艦船ものが流行っているようですから、そういったものに興味のある方には、当時の戦闘はどういうものか、艦長とは、海軍軍人とはどうあるべきかを知る上でも参考になると思うので、是非読んでほしい本です。
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鉄の棺: Uボート死闘の記録 単行本 – 2001/2/1
- 本の長さ580ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2001/2/1
- ISBN-10412003108X
- ISBN-13978-4120031083
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ドイツ海軍Uボートの指揮官として、第二次世界大戦を生きのびた数少ない士官の一人である著者による半生記。Uボートの実戦の模様を伝える貴重な記録。フジ出版社1974年刊の再刊。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2001/2/1)
- 発売日 : 2001/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 580ページ
- ISBN-10 : 412003108X
- ISBN-13 : 978-4120031083
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,152,239位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2019年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
50年前から読みたかった本でした。
Uボートは、大戦末期に活動を封じられたとしか書かれていない書物が多いが、実際には出港しても直ぐに探知されて片っ端から撃沈されていたことが良く分かります。
著者はナチス嫌いの優秀な艦長だが、強運だったので偶々生き残ったに過ぎない。
家族や恋人も空襲の犠牲になったことが書かれている。
連合国商船の乗組員とUボードの乗員に取って当時の大西洋は地獄だったに違いない。
Uボートは、大戦末期に活動を封じられたとしか書かれていない書物が多いが、実際には出港しても直ぐに探知されて片っ端から撃沈されていたことが良く分かります。
著者はナチス嫌いの優秀な艦長だが、強運だったので偶々生き残ったに過ぎない。
家族や恋人も空襲の犠牲になったことが書かれている。
連合国商船の乗組員とUボードの乗員に取って当時の大西洋は地獄だったに違いない。
2007年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「センチ波レーダー」とか、「リーライト」など、名前は知っていた。
知識として。
だが本書には、どういう風に使われて、どういう風にUボートが痛めつけられていったかが、
克明に記録されている。
1943年5月が転機だったようだ。
逆探の「ビスケーの十字架」を使っていたけど、反応なし。
しかし突然、敵機が現れた。
波長の短いレーダー波は、逆探で拾えなかったらしい。
夜も昼間と同じくらいの頻度で敵機に襲われ、急速潜航。
港は目の前なのに。
夜、突然強い光。飛行機から爆弾が四つ・・・。
リーライトの効果は抜群だ。
僚艦からは断末魔の信号が。
「飛行機の攻撃を受け沈没」
「コルベットから攻撃を受く」
これが現実なのか・・・。
知識として。
だが本書には、どういう風に使われて、どういう風にUボートが痛めつけられていったかが、
克明に記録されている。
1943年5月が転機だったようだ。
逆探の「ビスケーの十字架」を使っていたけど、反応なし。
しかし突然、敵機が現れた。
波長の短いレーダー波は、逆探で拾えなかったらしい。
夜も昼間と同じくらいの頻度で敵機に襲われ、急速潜航。
港は目の前なのに。
夜、突然強い光。飛行機から爆弾が四つ・・・。
リーライトの効果は抜群だ。
僚艦からは断末魔の信号が。
「飛行機の攻撃を受け沈没」
「コルベットから攻撃を受く」
これが現実なのか・・・。
2011年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Uボート乗組員,艦長として第二次大戦を戦い抜いた海の男ヴェルナー.その男の生き様に惚れました.記録からは一部がフィクションであるとの注釈が加えられているが,ほら吹きが多い海の男が語る真実の一端として受け止めたい.湿った艦内での腐った食物と尿の臭いにめげず戦果を上げ続ける栄光の日々から,僚艦が次々と撃沈される中,船団に護衛空母をつけた連合軍の執拗な攻撃をからくも逃れ,兵員の質の低下にもめげず戦いの指揮を執り続ける絶望の日々まで,迫真の叙事性には非の打ち所がない.分厚い本だが一気に読めた.翻訳も素晴らしく,日本語で書かれたかのように読ませます.大戦当時のUボートの運用,乗組員の生活の実相を知るために,また単なる読み物としてもおすすめの良書です.経験者が語る言葉は二番煎じものとはまるで違います.
2012年1月13日に日本でレビュー済み
H.ヴェルナー艦長は終戦まで戦い続けた数少ない潜水艦艦長です。北フランスでの状況も記載され、ヴェルナー艦長もパリに出かけ、普通のパリ市民と交流しています。Uボート艦内の記述も詳細で、カビ、ジメジメとした艦内、人間の発する臭い、艦橋での見張りの状況が記載されております。内容はフランス人テロ、マキ団による残忍な殺害状況、終戦末期の混乱に及んでます。ヴェルナーは故郷に帰ることができましたが、婚約者は爆撃で亡くなっており、戦争の哀しみを十分伝える書です。