著者泉麻人氏の、なんでもないほとんどの人の脳内認識感じられていない都内の無常に変わりゆく町の日常風景を感じ切り取る視点は鋭い。そして共感する。私自身、出身が京都市で、泉麻人氏と同じ感性で普通の光景の京都の町を散歩するのが好きであった。風俗の推移、地域文化の衰退変化、地域住民の変化を感じながら。現在、中年になり、移転した東京の名も知れぬ町歩き、なんと、奥深い味わいがある事よ。そして、泉麻人作品 東京23区物語の旧版と新版の町と風俗の一部残酷なまでの急速な新陳代謝、変化に驚嘆苦笑しつつ、星の数ほど有る東京の味わい深い(高尚な文化的でなくても)宿を訪ね歩く、一部過ぎ去った僧籍鴎外時代の東京市の面影も感じつつ泊まる。とても味わい深い行為だと思う。一般的に、自宅から2キロの宿に泊まることは誰も考えない。しかし、そのなかに、東京の町の持つ深遠な魅力肌合いを感じる邂逅があろうとは。
東京のノスタルジアに浸るだけの懐古趣味 昔は良かった感 論は否定したい。時代は日々進んでいる。では、生命力が感じられないので嫌いだが、この本の主張はそうではない。あまりに激しい東京の変化の中に過去の輝きを感じる、忘れずに、前に進むことも人間には必要である。
世間 おそらく、この本の支持舎は少ないかもしれぬが、興味深い本である。
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東京ディープな宿 単行本 – 2003/8/1
泉 麻人
(著)
- 本の長さ211ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2003/8/1
- ISBN-104120034178
- ISBN-13978-4120034176
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
オシャレなタウン情報誌の類いにあまり載らない、佇まいや屋号、立地が面白い、比較的リーズナブル…。そんな「ディープな宿」を15件紹介する。「近場旅」のススメ。旅行誌『TOKYOα』連載に書下ろしを加え、単行本化。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2003/8/1)
- 発売日 : 2003/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 211ページ
- ISBN-10 : 4120034178
- ISBN-13 : 978-4120034176
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,505,776位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,294位日本文学(日記・書簡)
- - 8,979位国内旅行ガイド (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
40年前に泊まり、今は廃業した宿のことを調べていてこの本に行きつきました。
記憶の中でした確認できなかったことが、目に浮かぶような文章に出合えて、とても嬉しかったです。
記憶の中でした確認できなかったことが、目に浮かぶような文章に出合えて、とても嬉しかったです。
2010年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個性的な15の宿の紹介だけでなく、その周りも散策していて、泉さん独特の観察眼が、とても楽しかった。特に「東京ステーションホテル」に泊まりたいと思いました。写真がもう少しあると良いと思う。ぜひ続編を出して欲しい。それと今回、載せられなかった特殊旅館だけの本も見てみたい。
2013年11月9日に日本でレビュー済み
読後感はそれほど良いとは言えない。
特に、宿が燃えたらいろんな国籍の人が飛び出してくるだろうとか、自分の本がロビーに置いていなかったから宿が気に入らないとか、作者の品性を疑う。
そう感じてしまうとエピソードの切り口がどうも気に入らない。
結局、読み通すのに結構、ストレスを感じた。相性の合わない相手というのは何にでもある。
多分、この作者の本を読むことはもうないだろう。
生活圏で宿を見つけて泊まることは社会人なら珍しくない。朝が早い仕事の時は職場の近くに会社が契約した宿に泊まる。
時間があれば仲間と夜の街に繰り出す。
あるいは昼間は定食を食べるこぎれいな洋食屋にディナーをとりに行く。
夜のとばりは町の表情を変える。生活圏のはずが知らない街のようだ。
だが、最初にこんな風に生活圏で宿をとったのはいつのことか。
しばらく、記憶をたどってみると、思い当るのは浪人生の時だ。
大学受験の時、親に頼んで宿をとってもらったことがある。
受験校が少し遠かった。家からだと3時間もかかるから、遅刻が怖かったのだ。
予備校がその近くの安いビジネスホテルを抑えてくれていたから手続きは簡単なものだった。
宿は受験校まで電車で15分ほどのあったが、歩きをふくめても40分で着く。
予備校までは2時間近くかかるから、普段より寝坊しても大丈夫だ。
家で夕食をとり、チェックインしたのは9時近かった。
繁華街の真ん中にあるから昼と夜で周囲の様子はまるで違う。
昼間は勤め人と買い物客が行きかうせわしない街が、夜間は酔客と水商売のお姉さんと客引きしかいなくなる。
駅から宿まで100mほどだったが、19歳の浪人生にはひどく心細かったことを憶えている。
同級生でも進んでいる者は、風俗店で初体験を済まして体験談を吹聴していた。
でも、この機会に一つ、という勇気もなく宿にまっすぐ入った。
あとはシャワーを浴びて赤本をチェックして、そして眠った。
翌日の試験は特に憶えていない。合格だったからだ。
そんなヘタレな思いでを掘り起こすきっかけにはなった。
でも、一度掘り起こして、ここに書いたらそれっきりの思い出だ。
これっきり、そんなところだ。
特に、宿が燃えたらいろんな国籍の人が飛び出してくるだろうとか、自分の本がロビーに置いていなかったから宿が気に入らないとか、作者の品性を疑う。
そう感じてしまうとエピソードの切り口がどうも気に入らない。
結局、読み通すのに結構、ストレスを感じた。相性の合わない相手というのは何にでもある。
多分、この作者の本を読むことはもうないだろう。
生活圏で宿を見つけて泊まることは社会人なら珍しくない。朝が早い仕事の時は職場の近くに会社が契約した宿に泊まる。
時間があれば仲間と夜の街に繰り出す。
あるいは昼間は定食を食べるこぎれいな洋食屋にディナーをとりに行く。
夜のとばりは町の表情を変える。生活圏のはずが知らない街のようだ。
だが、最初にこんな風に生活圏で宿をとったのはいつのことか。
しばらく、記憶をたどってみると、思い当るのは浪人生の時だ。
大学受験の時、親に頼んで宿をとってもらったことがある。
受験校が少し遠かった。家からだと3時間もかかるから、遅刻が怖かったのだ。
予備校がその近くの安いビジネスホテルを抑えてくれていたから手続きは簡単なものだった。
宿は受験校まで電車で15分ほどのあったが、歩きをふくめても40分で着く。
予備校までは2時間近くかかるから、普段より寝坊しても大丈夫だ。
家で夕食をとり、チェックインしたのは9時近かった。
繁華街の真ん中にあるから昼と夜で周囲の様子はまるで違う。
昼間は勤め人と買い物客が行きかうせわしない街が、夜間は酔客と水商売のお姉さんと客引きしかいなくなる。
駅から宿まで100mほどだったが、19歳の浪人生にはひどく心細かったことを憶えている。
同級生でも進んでいる者は、風俗店で初体験を済まして体験談を吹聴していた。
でも、この機会に一つ、という勇気もなく宿にまっすぐ入った。
あとはシャワーを浴びて赤本をチェックして、そして眠った。
翌日の試験は特に憶えていない。合格だったからだ。
そんなヘタレな思いでを掘り起こすきっかけにはなった。
でも、一度掘り起こして、ここに書いたらそれっきりの思い出だ。
これっきり、そんなところだ。
2009年11月5日に日本でレビュー済み
2003年に出た単行本の文庫化。
東京には、けっこう怪しい宿やホテルがある。といっても、犯罪と関係してるとか、ラヴホテルとかは本書からは除かれている。そうではなくて、やたらと古かったり、立地が面白かったり、変な歴史を持っていたりという宿が集められているのだ。
荻窪の旅館西郊は戦前の高級下宿屋が旅館になったもの、西池袋の昌庭之家は中国人が営む外国人向けの宿、東京駅のなかにある東京ステーションホテルなどである。
そういったディープな宿に泊まり、歴史を調べたのが本書なのである。なかなか珍しい本だ。
同時に、町歩きの本にもなっている。ホテル周辺の町を歩き、旨そうな店を探し、酒を飲む。
怪しい宿と町との関係も見えてくる。
東京には、けっこう怪しい宿やホテルがある。といっても、犯罪と関係してるとか、ラヴホテルとかは本書からは除かれている。そうではなくて、やたらと古かったり、立地が面白かったり、変な歴史を持っていたりという宿が集められているのだ。
荻窪の旅館西郊は戦前の高級下宿屋が旅館になったもの、西池袋の昌庭之家は中国人が営む外国人向けの宿、東京駅のなかにある東京ステーションホテルなどである。
そういったディープな宿に泊まり、歴史を調べたのが本書なのである。なかなか珍しい本だ。
同時に、町歩きの本にもなっている。ホテル周辺の町を歩き、旨そうな店を探し、酒を飲む。
怪しい宿と町との関係も見えてくる。
2005年5月9日に日本でレビュー済み
東京に泊まる、となれば超高級ホテルから駅裏のビジネスホテルと選択肢は無限大。しかし、そんな世界とは別の宿泊所が東京にはまだ点在している。
地元からも忘れ去られた宿に「泊まることを」目的に泉麻人がチャレンジする。著者独特の目の付け所が面白い。
地元からも忘れ去られた宿に「泊まることを」目的に泉麻人がチャレンジする。著者独特の目の付け所が面白い。
2012年11月13日に日本でレビュー済み
一年ほど前に友人と樋口一葉寓居を訪ねてた際、本郷の「鳳明館」前を通りかがり何も知らずに「おっ」と思い「泊まってみるべき宿」リストにカウントしていましたが、うーんやはり泉麻人のアンテナに引っかかってしまっていたか。彼のエッセイを読むとどこに行ってもいつも先回りをされてしまっていて、でもその分自分の趣味を再確認でき、「やはりここには行かなくちゃ」とついついその気にさせられてしまいます。池袋の中国人専用ビジネスホテルとその周辺の紹介も、今は無き西口カプセル「ロビー会館」を定宿にしていた私には、読んでいて「わかるわかる」とうなずかされました。泉さんのうろうろエッセイは川本三郎のそれほど優等生っぽくなく、つげ義春のそれほど人外魔境に引きずり込まれそうな怪しさが無く、また嵐山光三郎の温泉探訪のように「結局あんたは金持ちだよね」と反発を感じるところもなく、安心して「小市民の快楽」としてのうろうろ町歩きを読者に満喫させてくれるところに、その味わいがありますね。それにしても本書にも取り上げられている「九段会館」はそのすぐそばの「九段下ビル」とともに、今度の大震災でその命脈を絶たれてしまいました。地震国日本で耐震基準は大切だけど、それが地上げ屋やデベロッパーの再開発の錦の御旗に使われてしまうところが日本の悲しさです。今度は泉さんに東京カプセル巡りを企画してほしい。
2006年10月1日に日本でレビュー済み
まだまだ東京の穴場は沢山あります。カップルだけで使える空間。ラブホだけではなくビジネスホテルやブティックホテルも沢山あります。きっと2人だけの空間作りに役立ちます。