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光ってみえるもの、あれは 単行本 – 2003/9/10
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- 本の長さ327ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2003/9/10
- ISBN-104120034429
- ISBN-13978-4120034428
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商品の説明
商品説明
江戸翠(みどり)は、フリーライターの母と祖母との3人暮らし。「ふつう」である翠に少し不満を持つ母を筆頭にして、家族はみな、どこか浮世離れした人々だ。ときどき「翠くんの生き血を吸いたくなるのよね」などと言う祖母。そして、翠の遺伝子上の父親で、ふらりと家にやってくる大鳥さん。一方で、親友の花田は「ものすごくシミシミした感じで」世界に溶けこんでしまう自分が困るという。やがて花田は、セーラー服を着て登校しはじめる。
著者は、芥川賞受賞作『蛇を踏む』などで、「女に化けた蛇」「くま」といった異形のものたちを違和感なく物語に溶け込ませてきた。本書もまた、翠と花田が、長崎の小値賀(おぢか)島へたどりつくころから、寓話のような色あいを帯びてくる。ただし、本書で異質なものとされるのは、大人や女性といった現実に生きる人間たちだ。彼らに翻弄され、漂うように生きる翠は、著者の作品に共通した主人公像といえる。しかし、無人島の神社に参詣するという通過儀礼を経て、不器用ながらも世界と向きあう決意をした翠の姿には、円熟味を増した著者の新たな物語世界が芽吹いている。(中島正敏)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2003/9/10)
- 発売日 : 2003/9/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 327ページ
- ISBN-10 : 4120034429
- ISBN-13 : 978-4120034428
- Amazon 売れ筋ランキング: - 984,983位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 22,441位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1958年生まれ。1996年「蛇を踏む」で芥川賞。1999年『神様』で紫式部文学賞。2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞。2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞。2007年『真鶴』で芸術選奨を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 パスタマシーンの幽霊 (ISBN-13: 978-4838721009 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
「センセイの鞄」から一転、主人公が高校生…しかも男ということで、最初は「何故だろう?」と不思議だったのですが徐々にじんわりときましたね。
大人という生き物は、自分が思っているほどには大人じゃないっていうことにまだ気づいていない翠の心情が切ない。そして翠を取り巻く大人達…翠の母、父である大鳥さん、担任のキタガーくんも切ない。
光ってみえるもの、あれは…。その答えを知るためにも是非読んでみて下さい。
祖母と母と3人暮らし
母は結婚しないまま翠を産んだ
父親という人はたまに家にやってきて遠慮なく食事をしていったり泊まっていったりする
ちょっとだけ人と違う-この表現はよろしくありませんが-家庭で育っているものの、友も恋人もおりふつうに生活している現状に大きな不満があるわけではないけれど、早く大人になりたいと願っている
都会の暮らし、高校生活では、翠や友人の花田、恋人の平山のモヤモヤした感じが、何となくダルくてよほど途中で読むのを止めてしまおうかと思ったのですが
翠と花田が夏休みに長崎の小島に出かけるあたりから俄然面白くなってきました
ひと夏の体験が少年たちの心に少し変化をもたらします
その変化は少しのようで、実は後の成長に大きな影響を与えるものなのですけどね
川上さんには珍しく、主人公も、彼に大きな影響を与えるのも男性ばかり
女性は蚊帳の外です
本作、男性はどのような感想を持たれるのでしょう?
所詮、女性の自分には男性の本質を理解できるはずもありませんが
重要な役割を持つ男性の描き方が少し違うんじゃないかと思うところが多々ありました
人は大人になっても切ないものをたくさん抱えて生きている、という点には共感しましたけどね
翠の高校のキタガー先生が良かったな
私はもちろん、そりが合う人と付き合っている。そりが合わない人とは……。昔は、無理して付き合っていた。そりが合わない人とも付き合わなくちゃいけないって思って。いまは、仕事上の付き合いがほとんどだから、お互い、そりが合いそうになくても、無理やり合わせる。
私にとって、誰がそりが合って、合わないのか。社会の中では?友人関係の中では?家族の中では?
年齢を重ねるにつれ、凝り固まっていく意思。自分の価値観に対する奇妙な自信。それは他者を排除することでもある。本書は、そんな私のこころを、やさしく揺り動かしてくれた。
社会も、友人も、家族も、すべて人間関係のあり方は多様で、複雑で、でも、どれがどれよりも優れてるっていうことはなくて、人と人の間に、何かが存在するっていうことだけが、確かなんだって思った。
これを僕に勧めた教師は、「これが男子高校生のリアルだ!」と思っていたのでしょう。僕がこんな虚しいレビューを書いているのは、そういう勘違いのもと、この本を男性に、特に思春期の少年に読ませたがるような真似を、読者(とりわけ女性読者)の皆さんにしてもらいたくなかったからです。低評価レビューに対する評価を見ていると、どうもそういう悪しき勘違いをしている方が少なくないような気がしました。妄想は妄想として、人に押し付けず楽しんで下さい。お願いします。
「おやまぁ 川上弘美作品にしては珍しい」と思っていたら、
中盤を過ぎたあたりから突如、最初の遅れを取り戻すかのよーなものすごい勢いで
引き擦り込みにかかってきた。
あっさり搦め取られてしまい、気づいたら最後の頁だった。
特に夏休みに五島列島(だっけか)を訪れる辺りから、
物語は急転直下のクライマックスへと突き進んでゆく。
といってもやはり川上弘美節、
どこかゆるくてもやもやとしたクライマックスではある。
カテゴリとしては青春物語?川上弘美作品にしては珍しい感じ。
佐藤多佳子の青春モノほど清々しく突き抜けてもいないし、
山田詠美の青春モノほど大人びてもいない、
青春のはずなのにみょーに枯れ木の味わいが感じられる(川上節の真骨頂)、
それでいて「ちゃんと青春している」あたりがなかなか新鮮だった。
主人公は折り目正しくマジメな男の子だけれど、
周りにいたらあんまり面白くないタイプだと思う。
私はむしろ、親友の花田くんがすごくすごく好きだ。
あの一本気で筋が通った感じ、とてもいい。
翠の家族は母と祖母と彼の3人で、家族も変わってる。なにしろ江戸の日というのがあるのだ。「ひとつあれば七とおりに役立つっていうような、姑息なものが大嫌いなんですよ。そういうものは下品です」と言い放った祖母は江戸の日の決めた。その日にはできるだけ役に立たない無為な物をコンビニで買うのだ。翠はカップ麺、鼻毛用パック、コーラ、漫画を買う。祖母はおでんいろいろ、青リンゴジュース。母はウィスキー、ファッション雑誌などだ。
大鳥さ'''という知人が授業中だというのに翠の学校にやってくる。大鳥は翠よりぐっと年上だ。元々は母の友達なのだから。彼は翠に金を借りにやってきたのだった。「失業はするし、女には逃げられるし」なんてクラスメートの前でいってしまう。
それからいろいろあって翠は大鳥さんと孤島で暮らし始める。
この作品では不思議な家族がユーモラスに描かれている。でも、こんな家族はあり得ないとは感じない。悪人はどこにもいない。家族っていいな、と納得してしまう、心温まる話だ。
文章のテンポがとてもよく、最初はこの複雑な家族関係の様々なエピソードを中心に話が進みます。このユニークな(主人公は「ふつう」と思っているのですが)家族の紹介と人物像が読者に定着したところから、次は主人公の少年の心の成長の話へと進んでいきます。それは突然に。
このドラマの展開の切り替え、そして少年の心の描き方などとても「みずみずしく」感じました。とても爽やかな読後感でした。