太古から人類を苦しめてきたさまざまな感染症。その発見、人類の戦いを振り返る。
科学的な体系が確立していなかった紀元前から人々を恐れさせていた感染症に挑む細菌学者たちの歴史が綴られている。それなりに興味深い内容ではあるが、『細菌と人類』という壮大なタイトルにしては内容がやや薄い印象。サラッと流されてるかな、という感じ。もっと専門的で突っ込んだ内容でもよかった。
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細菌と人類: 終わりなき攻防の歴史 単行本 – 2004/1/1
- 本の長さ273ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2004/1/1
- ISBN-104120034909
- ISBN-13978-4120034909
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ペスト、結核、ジフテリア、梅毒など、21世紀においてなお人類をおびやかす病原菌の出現から治療法の確立までを、立体的な視点でたどる。当時の人々の暮らしや細菌に立ち向かった学者達、そして炭素菌によるテロまで網羅。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/1/1)
- 発売日 : 2004/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 273ページ
- ISBN-10 : 4120034909
- ISBN-13 : 978-4120034909
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,209,110位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科医として病院での診察に携わりながら、立教大学現代心理学部映像身体学科教授として教壇にも立つ。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を鋭く分析し、きめ細かな解決策を提示する。ほかにも、政治・社会批評、サブカルチャー批評、皇室問題から趣味のプロレスに関する批評まで、幅広いジャンルで活躍する。事務所では住み着いたノラ猫1匹、自宅では犬1匹と猫5匹と同居。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ペスト,コレラ,腸チフス,赤痢,淋病,ジフテリア,結核,梅毒,破傷風,炭疽病,ハンセン病など,さまざまな感染症の歴史がコンパクトにまとめられている。古くは異なる病気が同じものと見なされたり,その記録を探るのも困難があろう。
病気の歴史は,病気とのたたかいの歴史と同義だ。その解明と治療に向けて,多くの科学者の努力がある。必死に探る姿から,目の前の病人を救いたいという思いが伝わる。栄誉欲による探究のものもあるのだろうが,それを感じさせない献身的な取り組みがある。
ただその一方で,今から考えると人権を損なうような研究方法もある。また,多くの犠牲の上に,研究の成果があることも事実だろう。
いわれのない差別も,感染症には多くあった。特に,ハンセン病については,日本では2008年まで隔離政策が続いていた。はじめは未知のものに対する恐怖心から,それが徐々に固定化していく。現在でも,エイズなど新しい感染症に対する偏見はなくならない。また,新型インフルエンザに対する世の中の反応でも,そのようないわれのない差別が見え隠れしている。何と愚かなことだろうか。
また,これらの病原体を使った生物兵器の開発,実験が行われている。自らを犠牲にしてまでも,病気の解明や治療法の開発に力を注ぐものがいる一方で,その知識を使って人殺しを考えるものもいる。人類の醜い心とのたたかいは,特効薬がないだけに難しい。
間違ったことを繰り返さないためにも,過去の事実を知っておく必要がある。また,未知のものに対する過剰な反応を避けるためにも,過去の感染症の歴史と,それが起こるしくみ,さらに治療法などについて,知ることは大切だと思う。過去の知識があれば,新しい感染症に対しても,冷静に対応できるものと信じたい。
病気の歴史は,病気とのたたかいの歴史と同義だ。その解明と治療に向けて,多くの科学者の努力がある。必死に探る姿から,目の前の病人を救いたいという思いが伝わる。栄誉欲による探究のものもあるのだろうが,それを感じさせない献身的な取り組みがある。
ただその一方で,今から考えると人権を損なうような研究方法もある。また,多くの犠牲の上に,研究の成果があることも事実だろう。
いわれのない差別も,感染症には多くあった。特に,ハンセン病については,日本では2008年まで隔離政策が続いていた。はじめは未知のものに対する恐怖心から,それが徐々に固定化していく。現在でも,エイズなど新しい感染症に対する偏見はなくならない。また,新型インフルエンザに対する世の中の反応でも,そのようないわれのない差別が見え隠れしている。何と愚かなことだろうか。
また,これらの病原体を使った生物兵器の開発,実験が行われている。自らを犠牲にしてまでも,病気の解明や治療法の開発に力を注ぐものがいる一方で,その知識を使って人殺しを考えるものもいる。人類の醜い心とのたたかいは,特効薬がないだけに難しい。
間違ったことを繰り返さないためにも,過去の事実を知っておく必要がある。また,未知のものに対する過剰な反応を避けるためにも,過去の感染症の歴史と,それが起こるしくみ,さらに治療法などについて,知ることは大切だと思う。過去の知識があれば,新しい感染症に対しても,冷静に対応できるものと信じたい。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
人類を苦しめてきた伝染病について、代表的な疾病ごとに解説を施した著書。
のっけからペストが登場しており、その凶暴性は、後続の疾病が霞んでしまうほど凄まじさ。
現代のような情報過多ではなかったとはいえ、感染エリアの人達の動揺は察するに余りある。
他にも、当時罹患したら死を覚悟しなくてはならない恐ろしい伝染病が登場するが、まだ医学も未熟だった時代、瀉血や水銀療法といった、今となっては信じられない眉唾療法が当たり前のように施されていたのは驚愕もの。
ただどの章も、年号や固有名詞、果ては統計数字が頻出し、歴史の教科書のような淡白な記述だったのが残念。
個人的には、もっと具体的な症例を、致死率とかではなく内容で解説してほしかった。
かつて人類を恐怖に陥れたこれらがどんな恐ろしい病気だったのかを詳しく知りたかったので。
のっけからペストが登場しており、その凶暴性は、後続の疾病が霞んでしまうほど凄まじさ。
現代のような情報過多ではなかったとはいえ、感染エリアの人達の動揺は察するに余りある。
他にも、当時罹患したら死を覚悟しなくてはならない恐ろしい伝染病が登場するが、まだ医学も未熟だった時代、瀉血や水銀療法といった、今となっては信じられない眉唾療法が当たり前のように施されていたのは驚愕もの。
ただどの章も、年号や固有名詞、果ては統計数字が頻出し、歴史の教科書のような淡白な記述だったのが残念。
個人的には、もっと具体的な症例を、致死率とかではなく内容で解説してほしかった。
かつて人類を恐怖に陥れたこれらがどんな恐ろしい病気だったのかを詳しく知りたかったので。
2018年7月8日に日本でレビュー済み
著者・ウィリー・ハンセン氏とジャン・フレネ氏 細菌と人類 終わりなき
攻防の歴史を興味深く読ませて頂いた。
本書には人類を苦しめてきた伝染病の原因である細菌について、19,20
世紀に活躍した研究者の長く険しい研究過程が描かれている。
日本陸軍が満州で細菌兵器を使用をした七三一部隊を組織した点を紹介
する。
また、第8回十字軍遠征にて、フランス王 ルイ9世の謎の死やナポレオン
皇帝軍を破滅に追いやったのは、敵軍ではなく伝染病であるなど、細菌が
及ぼした戦争への影響は計り知れないのだ。
ジフテリアの研究では第1回ノーベル生理学医学賞を受賞したベーリング
の血清療法が、ワクチンに取って変わるなどが紹介されている。日
本人研究者の北里柴三郎の功績が多大であったことを認識するのだ。
訳者あとがきに、研究者・野口英世氏も自らの危険を顧みず、命をかけた
研究姿勢と、戦略行為は賛美することは評価できないと・・。しかし人類が
常に病原菌の脅威に対して冷静かつ慎重に対応しなければならないとの
言葉が深く印象に残った。
細菌と人類の関わりについて、興味をもつことができた充実の一冊である。
攻防の歴史を興味深く読ませて頂いた。
本書には人類を苦しめてきた伝染病の原因である細菌について、19,20
世紀に活躍した研究者の長く険しい研究過程が描かれている。
日本陸軍が満州で細菌兵器を使用をした七三一部隊を組織した点を紹介
する。
また、第8回十字軍遠征にて、フランス王 ルイ9世の謎の死やナポレオン
皇帝軍を破滅に追いやったのは、敵軍ではなく伝染病であるなど、細菌が
及ぼした戦争への影響は計り知れないのだ。
ジフテリアの研究では第1回ノーベル生理学医学賞を受賞したベーリング
の血清療法が、ワクチンに取って変わるなどが紹介されている。日
本人研究者の北里柴三郎の功績が多大であったことを認識するのだ。
訳者あとがきに、研究者・野口英世氏も自らの危険を顧みず、命をかけた
研究姿勢と、戦略行為は賛美することは評価できないと・・。しかし人類が
常に病原菌の脅威に対して冷静かつ慎重に対応しなければならないとの
言葉が深く印象に残った。
細菌と人類の関わりについて、興味をもつことができた充実の一冊である。
2004年2月22日に日本でレビュー済み
本書には様々な病気ごとに、文字どおり命を張って研究をした先人たちの偉業を、ほぼ余すことなく紹介しています。ほぼまんべんなく紹介しているので、個々についてはそれほど深く掘り下げられていませんが、それは仕方のないところでしょう。個々の業績に興味を持ったなら、それを調べてもっと深く理解すればよいし、また、そうすることが著者の希望かも知れません。
その病が細菌が原因と判った時点で、研究者自身一番危険な立場であることはよくわかっているはずなのに、研究を続けるところが偉人の偉人たる理由と思いました。また、訳者の後書きにもあるとおり、私もパスツールの逸話にはちょっと残念の気がしないでもないですが、まあ仕方のないところでしょう。中高生に読んで頂きたいが、小遣いで買うにはちょっと高いかな。プレゼントに良いのでは。星4つです。
その病が細菌が原因と判った時点で、研究者自身一番危険な立場であることはよくわかっているはずなのに、研究を続けるところが偉人の偉人たる理由と思いました。また、訳者の後書きにもあるとおり、私もパスツールの逸話にはちょっと残念の気がしないでもないですが、まあ仕方のないところでしょう。中高生に読んで頂きたいが、小遣いで買うにはちょっと高いかな。プレゼントに良いのでは。星4つです。
2013年7月11日に日本でレビュー済み
微生物学の教科書をおさらいしているような本でした。
法定・指定の伝染病暗記したしね。その後制度が変わって種類も増えたけど。
でも微生物そのものよりも、それが人類に与えた影響や細菌を研究して戦ってきた学者に焦点を当てていた。
パスツールやコッホといった学者に並んで、北里博士もよく出てきます。
今でこそ伝染病の原因菌やウイルスって特定されているけど、それがわかるまでにはいろんな苦労の歴史があったのが読み取れる。
疫病に対する特効薬やワクチンの研究に生涯を捧げた学者のおかげで現在があるのだろうしね。
過去には人口が半減してしまうような恐ろしい伝染病が何度もはやったのだろう。
ヨーロッパの街でペストの記念柱を見たのを思い出した。
家族や隣人が次々と奇病で倒れていく恐怖、荒れ果てた街や村。
そして戦争の趨勢を支配したのも疫病だったのかもしれない。
ただそれらの病気の治療に水銀やヒ素が使われていたというのは衝撃でした。
治るものも治らなくなるような。
抗生物質と公衆衛生の発展って偉大だったと思う。
でも、人類は未だに細菌との戦いにおいて勝利しているとも言えない。
歴史は続いていくんだなと思った。
法定・指定の伝染病暗記したしね。その後制度が変わって種類も増えたけど。
でも微生物そのものよりも、それが人類に与えた影響や細菌を研究して戦ってきた学者に焦点を当てていた。
パスツールやコッホといった学者に並んで、北里博士もよく出てきます。
今でこそ伝染病の原因菌やウイルスって特定されているけど、それがわかるまでにはいろんな苦労の歴史があったのが読み取れる。
疫病に対する特効薬やワクチンの研究に生涯を捧げた学者のおかげで現在があるのだろうしね。
過去には人口が半減してしまうような恐ろしい伝染病が何度もはやったのだろう。
ヨーロッパの街でペストの記念柱を見たのを思い出した。
家族や隣人が次々と奇病で倒れていく恐怖、荒れ果てた街や村。
そして戦争の趨勢を支配したのも疫病だったのかもしれない。
ただそれらの病気の治療に水銀やヒ素が使われていたというのは衝撃でした。
治るものも治らなくなるような。
抗生物質と公衆衛生の発展って偉大だったと思う。
でも、人類は未だに細菌との戦いにおいて勝利しているとも言えない。
歴史は続いていくんだなと思った。