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安徳天皇漂海記 単行本 – 2006/2/1
宇月原 晴明
(著)
ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を—— 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。
- 本の長さ330ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2006/2/1
- ISBN-104120037053
- ISBN-13978-4120037054
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商品の説明
出版社からのコメント
本書で第19回(2006年度)山本周五郎賞を受賞。
著者について
宇月原晴明 (うつきばら はるあき)
1963年、岡山県生まれ。99年、『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞、第二作『聚楽 太閤の錬金窟』が山本周五郎賞候補となる。他に『黎明に叛くもの』がある。
1963年、岡山県生まれ。99年、『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞、第二作『聚楽 太閤の錬金窟』が山本周五郎賞候補となる。他に『黎明に叛くもの』がある。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2006/2/1)
- 発売日 : 2006/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 330ページ
- ISBN-10 : 4120037053
- ISBN-13 : 978-4120037054
- Amazon 売れ筋ランキング: - 740,991位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 194,101位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は、好きです。奇想に、満ちてます。ほかの作品も、読んでます。
2019年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吾妻鏡などを、読み解く素養があったのなら、はるかに楽しめたと思います。
元弘来襲との物語の展開に、作者の想像力の凄さを感じる作品です。
元弘来襲との物語の展開に、作者の想像力の凄さを感じる作品です。
2009年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、澁澤龍彦の『高丘親王航海記』に対する盛大なオマージュなのですが、『高丘親王〜』をころりと乾いた真白い真珠とすると、本書はさながらとろりと蕩けるの蜜の如し。
前半では、鎌倉最後の将軍、源実朝に近衛として仕えていた語り手が、主である実朝とそれを透かして見た安徳天皇について、和歌を交えてやわらかく語っています。
全体的にほの暗く、しっとりとした語り口から見える実朝の生涯は、壮絶にして静謐。
要所要所に挟まれる実朝の詠歌が、物語と絡み合ってなんともいえぬ美しさをかもし出しています。
後半は、大元帝国の巡遣使であるマルコ・ポーロが見た、南宋最後の幼帝、趙'(ちょうへい)と、はるかな海へと流れついた安徳天皇の鎮魂にいたるまでが、絢爛たる文章で綴られています。
夢の中で睦まじく戯れる二人の幼帝や、偉大なる帝国の覇者クビライ・カーン、そして見聞役のマルコ・ポーロと、随行する鄭文海。
様々な人物が色鮮やかに、生き生きと描き出されています。
そしてなにより、最後に出てくるジパングの描写は圧巻。
歴史の中に、途方もない幻想を描いた著者の想像力もさることながら、随所にちりばめられた玉石、赤い水晶、少年、水の国、うつろ舟、鳥、そして蜜といったイメージが『高丘親王〜』をはじめとする澁澤の世界を髣髴とさせ、最後まで引き込まれるように読めました。
とてもとても面白かった。
ぜひとも、蜜を舌に含むが如く、ゆっくりと味わうべし。
前半では、鎌倉最後の将軍、源実朝に近衛として仕えていた語り手が、主である実朝とそれを透かして見た安徳天皇について、和歌を交えてやわらかく語っています。
全体的にほの暗く、しっとりとした語り口から見える実朝の生涯は、壮絶にして静謐。
要所要所に挟まれる実朝の詠歌が、物語と絡み合ってなんともいえぬ美しさをかもし出しています。
後半は、大元帝国の巡遣使であるマルコ・ポーロが見た、南宋最後の幼帝、趙'(ちょうへい)と、はるかな海へと流れついた安徳天皇の鎮魂にいたるまでが、絢爛たる文章で綴られています。
夢の中で睦まじく戯れる二人の幼帝や、偉大なる帝国の覇者クビライ・カーン、そして見聞役のマルコ・ポーロと、随行する鄭文海。
様々な人物が色鮮やかに、生き生きと描き出されています。
そしてなにより、最後に出てくるジパングの描写は圧巻。
歴史の中に、途方もない幻想を描いた著者の想像力もさることながら、随所にちりばめられた玉石、赤い水晶、少年、水の国、うつろ舟、鳥、そして蜜といったイメージが『高丘親王〜』をはじめとする澁澤の世界を髣髴とさせ、最後まで引き込まれるように読めました。
とてもとても面白かった。
ぜひとも、蜜を舌に含むが如く、ゆっくりと味わうべし。
2007年3月21日に日本でレビュー済み
ファンタジーとも知らずに読み始めたのですが、はじめは物語の世界に入っていくのに少し時間がかかりました。特に第一部は源実朝を中心に吾妻鏡を織り交ぜながら語られるのですが、古文のかもし出す重々しさや鎌倉時代の鎌倉という質実剛健で妙に現実的なイメージと、幻想的な描写がどうしてもしっくり来ず、なかなかファンタジーの世界に浸れませんでした。それに比べるとマルコ・ポーロが語り部となる第二部は、海の向こうが舞台のせいか、ファンタジーとして私にとってはなじみやすく、一気に読んでしまいました。
タイトルをからは、生き延びた安徳天皇が冒険の旅をするような物語を想像していたのですが、安徳天皇が直接の主人公ではなく、安徳天皇の生きた情念が、鎌倉時代の日本、そしてクビライ・カーンの大元帝国をも巻き込む歴史を動かしていた、という話。その壮大なアイデアに度肝を抜かれる一方、人物や情景の描写が細やかで美しく、壮絶な戦闘シーンでさえも夢の一場面のようになんだかうっとりと読んでしまいます。
日頃ファンタジーを読みつけないせいか、最後のクライマックス近く、夢とうつつの境がなくなってくる辺りになると、夢幻の描写に息苦しくなってしまいました。
タイトルをからは、生き延びた安徳天皇が冒険の旅をするような物語を想像していたのですが、安徳天皇が直接の主人公ではなく、安徳天皇の生きた情念が、鎌倉時代の日本、そしてクビライ・カーンの大元帝国をも巻き込む歴史を動かしていた、という話。その壮大なアイデアに度肝を抜かれる一方、人物や情景の描写が細やかで美しく、壮絶な戦闘シーンでさえも夢の一場面のようになんだかうっとりと読んでしまいます。
日頃ファンタジーを読みつけないせいか、最後のクライマックス近く、夢とうつつの境がなくなってくる辺りになると、夢幻の描写に息苦しくなってしまいました。
2006年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく、読後感が暖かです。(今まで作品よりずっと舞台となる時代が古いせいでしょうか)
8歳で入水した安徳天皇の魂が鎮まるまでの軌跡を描いているのですが、宇月原さんの小説には付き物の「異国の邪法」は幻術どまりで、
前3作のような息詰まる禍々しさはごく薄く、幻想的な雰囲気のほうが強いようです。
神器に守られた安徳天皇・洞窟を覆う紅水晶・梅の花の下の実朝・砂浜で戯れる二人の子供・南宋の終焉・・・
もちろん、鎌倉初期の政争も絡むわけですが、それは実朝の決意の前に霞んでしまいます。
前3作を読んでこの本を敬遠している方、損してるかもしれませんよ!
8歳で入水した安徳天皇の魂が鎮まるまでの軌跡を描いているのですが、宇月原さんの小説には付き物の「異国の邪法」は幻術どまりで、
前3作のような息詰まる禍々しさはごく薄く、幻想的な雰囲気のほうが強いようです。
神器に守られた安徳天皇・洞窟を覆う紅水晶・梅の花の下の実朝・砂浜で戯れる二人の子供・南宋の終焉・・・
もちろん、鎌倉初期の政争も絡むわけですが、それは実朝の決意の前に霞んでしまいます。
前3作を読んでこの本を敬遠している方、損してるかもしれませんよ!
2014年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宇月原さんの本は今まで読んだことがなかったので、最初は歴史小説?みたいな感覚で読み始めましたが、これは完全にファンタジー小説ですね。(しかもスケールがでかい!)
個人的に皇族(皇室)に興味があるので、大変興味深く読み進めましたが、左寄り思想の人にはあまり受け入れられない話かもしれませんね。(まぁ、そういう人はこの表題で読まないか?笑)
後半のマルコの件がちょっとダレたので☆-1です。
個人的に皇族(皇室)に興味があるので、大変興味深く読み進めましたが、左寄り思想の人にはあまり受け入れられない話かもしれませんね。(まぁ、そういう人はこの表題で読まないか?笑)
後半のマルコの件がちょっとダレたので☆-1です。
2009年4月28日に日本でレビュー済み
壇ノ浦で入水した八歳の安徳天皇が、琥珀色の玉に封じられ、魂の平安を求めて鎌倉へ、次いで南宋へ、最後に黄金色の蜜の滴る島、ジパングへたどり着く。
美しく、荘厳な悲しみが満ちている平曲の調べに乗って、豊かなイマジネーションの世界が広がる。
ただ美しいだけのファンタジーではない。この小説には、しっかりした背骨がある。ますらおぶり、とでも言いたいような。
運命という言葉を軽々しく使いたくはないが、そう言うしかない。人間は、生まれる時代も、場所も、自分では選べないのだから。
ここに描かれているのは、人間同士の小さな葛藤ではない。運命という巨大な波に呑みこまれようとしながら、懸命に自らの生をまっとうしようとする人間の姿だ。
安徳帝をはじめ、歌人にして征夷大将軍の実朝も、南宋最後の少年皇帝も、マルコ・ポーロも、権勢の絶頂にあるクビライ・カーンにさえも、運命にひとり対峙する者の厳しさがある。
ギリシア悲劇を思わせる。
お涙頂戴のメロドラマに食傷した人、ひとまわりスケールの大きな感動を求める人にお勧めする。
美しく、荘厳な悲しみが満ちている平曲の調べに乗って、豊かなイマジネーションの世界が広がる。
ただ美しいだけのファンタジーではない。この小説には、しっかりした背骨がある。ますらおぶり、とでも言いたいような。
運命という言葉を軽々しく使いたくはないが、そう言うしかない。人間は、生まれる時代も、場所も、自分では選べないのだから。
ここに描かれているのは、人間同士の小さな葛藤ではない。運命という巨大な波に呑みこまれようとしながら、懸命に自らの生をまっとうしようとする人間の姿だ。
安徳帝をはじめ、歌人にして征夷大将軍の実朝も、南宋最後の少年皇帝も、マルコ・ポーロも、権勢の絶頂にあるクビライ・カーンにさえも、運命にひとり対峙する者の厳しさがある。
ギリシア悲劇を思わせる。
お涙頂戴のメロドラマに食傷した人、ひとまわりスケールの大きな感動を求める人にお勧めする。
2009年7月18日に日本でレビュー済み
源実朝からはじまり、マルコポーロで終わる。幻想的な物語。
山本周五郎賞を受賞した作品だが、そんなことを抜きにしても抜群に面白い。
前三作に比べると、描写も大分おとなしいが、その分、心にしみる文章となっている。
今年読んだ本の中では、もしかしてベスト1かもしれない。なんで今まで読まなかったんだろう。
山本周五郎賞を受賞した作品だが、そんなことを抜きにしても抜群に面白い。
前三作に比べると、描写も大分おとなしいが、その分、心にしみる文章となっている。
今年読んだ本の中では、もしかしてベスト1かもしれない。なんで今まで読まなかったんだろう。