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サウスポイント 単行本 – 2008/4/1
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- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2008/4/1
- ISBN-104120039242
- ISBN-13978-4120039249
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2008/4/1)
- 発売日 : 2008/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 238ページ
- ISBN-10 : 4120039242
- ISBN-13 : 978-4120039249
- Amazon 売れ筋ランキング: - 945,909位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,658位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1964年、東京生まれ。
詩人・思想家の吉本隆明の次女。日本大学芸術学部文藝学科卒業。
87年小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞、同年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、89年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)を受賞。
著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで、93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞の三賞を受賞している。他の著作に『アルゼンチンババア』『王国』シリーズ『デッドエンドの思い出』『イルカ』『ひとかげ』『まぼろしハワイ』『サウスポイント』『彼女について』『アナザー・ワールド 王国その4』など多数がある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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甘くて力強く、素晴らしい写真だった。
それで、なんだかわからないまま、
とにかく今しかない!と思って元夫に電話し、
今までたくさん傷つけたことを心の底から謝って、
幸せになって。と言って電話を切った。
電話を切ったら、この何日か冷たかった指先に
少し力が戻ってきた。
この本が教えてくれたこと。
今日の自分が、明日の自分や誰かを救ったり、
創ったりできる。ということだと思う。
この先まだまだ行ったり来たりするんだろうけど、
一度味わったこの感じ、この感覚は
これからの私を少し支えてくれるんじゃないか
という気がしてる。
そのきっかけを与えてくれたこの本に感謝したい。
ガッカリ😫
昔の記憶の確認のために買ったのですが、内容まで色褪せて感じられた。
似たような主人公、似たような仕事、似たような環境
(最近ハワイとか沖縄多いですね)。
でもよしもとさんの手にかかると、美しく
きっとほかの人では表現できないような、そういう美しい
織物に変わっていくので好きでした・・・。
でも、この「サウスポイント」に限って言えば、
「幸彦が実は・・・」のくだり以降が
なんだか子どもっぽいトリックというか、
こちらが拍子抜けするほど。
そして、そこまでは結構ドラマチックで美しい言葉たちだったのに、
そのあとの部分は、ちょっと冗長気味な感じがしました。
これ!といったテーマがあるわけではなく、
日常の美しさとかを語る本だったのかも知れませんが、
私にはいまいちピンと来ず、胸にぐっと来るものはありませんでした。
大好きなよしもとさんなので星4つにしましたが、
3つに近い4つという感じでしょうか・・・。
こんな作家は他にいないような気がします。
前にも読んだようなヒロイン、
前にも見たような男の子、
前にもあったような家庭環境。
なのになのに、どの作品も読んでいるときは
心の襞にしっくりと寄り添い、
夢中になって読み進み、
そして読み終えたあとは
不思議なほど細部が思い出せません。
でも水の中でたゆたうような、
心地よい読後感で身も心も満たされています。
ぜんぜんレビューになってませんが、
私にとってはよしもとさんの作品はすべてが
「読書」というより「体験」もしくは「セッション」です。
その決して甘いだけではない、でも健やかであろうとする姿勢が
私の魂にとってはいつも栄養素なので、
初見の方も、読者の方も、手に取ってみてください。
完璧で短い人生を送るというひとが、世の中にはわりとたくさんいらっしゃるのではないかと、思っています。
そういうひとが残していくものというのは、重要でかつ、重い。そして逃れられない。
しかし残された者の日々は流れてゆく。
そんな時間をただ過ごしていると、非常に無意味な気がしたり、・・例えば、仕事もままならなくなったりすると、「生きてる意味あるのか」なんて思って、死にたくなる。それを繰り返して弱ってゆく。 周りの者は、ただただ心配するのみ。・・もしそういう人がいたなら、この本はお勧めです。
人の死に遭遇すると、まわりの人々は99%、「かわいそうに」というし、そういう態度で接します。もしくは、入ってくるお金を計算してくれる最低な類のひともいる。
でもテトラという、この本の主人公みたいなひとが、必ずいます。
「人生は、前に向いて流れている」と、実感させてくれる人が。
わたしもいつかこういう立場になったら、うまくやりたいなぁ。さりげなく知らないふりして。
「遺族」にも「まわりに悲しんでいる人がいる」にも参考になるかと思います。
もう一回目の前に、形を変えてやってきた。」
『ハチ公の最後の恋人』の後日談として描かれた世界。
ストーリィも行動も感情の交感も、
描き方が、植物の蔓を編んだ籠のような手触りで、ざっくりとした粗さがあって、
それを包み込む南国の生命のひろさとのコントラストが心地よい。
よしもとばななの世界は、
日常と言葉を瞬間で切り取り、深く自分の中身と繋げる。
その接合点がきらりと光る作家。
たぶんその繋げる深い部分は、死というモチーフ、なんだろうけど。
まさに、キルトのように、
その情景の色やモチーフでつぎはぎされた世界で、
絶望せず、癒されていく人々が描かれている。
大好きな作家だった。
だけど年々作品の完成度、レベルが落ちている。
新しい作品を読むたびがっかりする。
私が歳をとり感性が合わなくなってきたのか?
いや、違う。
この作家からもう新しい物は生まれない気がする。
言いたい事を言い尽くしてしまったんじゃないの?
毎回ただちょっとテイストが違うだけで似たり寄ったりの作品。
本当に好きだった作家だっただけに寂しい。
物語はテトラちゃんの目線で語られます。
珠彦くんは決して誰もが目を引く美男子ではないけれど、テトラちゃんの目には珠彦くんのことなら他の人が見ていないところまで飛び込んできてしまう。
「なんて素敵なの」といった直接的な言葉がなくても、珠彦くんに惹かれていることは手に取るように伝わってきます。
いわゆる「一目ぼれ」の恋でも、「あの日のあれを境に劇的に恋が始まった」でもなく、自然な流れで惹かれあった二人。
この「自然な流れ」を自然に描けるのは、私が知る限りよしもとさんしかいないのではないかと。
そんな二人の恋愛が、時を経て舞台をハワイ島に移し、繰り広げられます。
ハワイの空気が持っているスピリチュアルな雰囲気が、二人をつないでいる目に見えないものの存在をより浮き立たせます。
恋することの喜び、せつなさだけでなく、テトラちゃん自身の「悲しみ」や、テトラちゃんの周囲の人々の「悲しみ」にテトラちゃんが共鳴する様子もこの物語に登場しますが、そういった数々の感情を、活字を目で追って直接的な表現で確認するのではなく、よしもとさんが活字によって作り出す独特の「空気」によって感じることができる、そんな作品です。
その「空気」を感じた時、まるでテトラちゃんの人生を、読んでいる私自身が体験しているような、そんな気持ちになりました。
実はよしもとさんの作品はかなり久しぶりだったので以前に読んだ作品の内容は忘れてしまったのですが、この「空気」、以前の作品でも感じたことを思い出しました。
この「空気」を言葉で表現するのは非常に難しいのですが、強烈で頭にこびりつくようなものではないけど時が経っても読み手の心の奥底に留まる、そんなものです。
ぜひよしもとさんの作品に触れ、この「空気」を肌で感じていただきたいと思います。