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おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are 単行本 – 2016/12/7
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あるときは訪問販売レディ、あるときはお寺の御朱印書きのアルバイト、そしてあるときは謎の線香工場で働く〝わたし〟たち。
さて、その正体は――?!
八百屋お七や座敷童子、播州皿屋敷お菊たちがパワフルに現代を謳歌する痛快連作短篇集。
嫉妬、憎しみ、孤独に苛まれ、お化けとなった女たちの並々ならぬパワーが昇華され、現代女性の生きにくさをも吹き飛ばす!
ここにしかない松田青子のユニークかつ爽快な17つの物語。
- 本の長さ231ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2016/12/7
- ISBN-104120049183
- ISBN-13978-4120049187
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
おばちゃんたちのいるところ―Where The Wild Ladies Are [著]松田青子
霊的な存在がいきいきと描かれた短編小説集。現代の日常にふと幽霊があらわれたら?というちょっと不思議な世界が17の連作短編をとおして展開される。
「牡丹柄の灯籠」はリストラに遭い、家に籠もっていた男のもとに非常識なセールスレディ二人組がやってくる話。ずれた女たちの会話に次第にとりこまれ、気づくと……。「楽しそう」では夫婦の死後のありようが描かれる。死んだ後の妻があまりにも楽しそうで声をかけることができない夫と、あえて知らぬふりをする妻。そして実は後妻も死んでいて……。また「菊枝の青春」は播州皿屋敷で有名な姫路を舞台に、注文した皿が一枚足りないことから素敵な関係が始まる話。
落語や歌舞伎に材をとりつつ軽やかな筆致で現代小説に仕立てている。読後感の爽やかな一冊だ。
評者:石原さくら
(週刊朝日 掲載)おばちゃんたちの情熱と行動力はやっぱりすごい
八百屋お七にお岩さん。昔ばなしでおなじみの幽霊たちが今の世の中によみがえったら――。愉快な発想を元にした短編集『おばちゃんたちのいるところ』(松田青子著)が刊行された。怪談への愛情とタイトルにある「おばちゃん」たちに込められた思いとは。 「子供の頃夏の楽しみはテレビの怪談ドラマでした」
松田青子さんの最新短編集でモチーフになるのは娘道成寺、八百屋お七、お岩さんなど歌舞伎や落語で古くから知られた怪談だ。
「取材で姫路城に行った時、城内の“お菊井戸"で小さい男の子が『1枚、2枚』ってお皿を数えるまねをしていたんです。私の頃と同じように今も子供がちゃんと知っている。廃れない怪談の底力を感じました」
1編目「みがきをかける」では、脱毛エステから帰宅した女性のもとに自殺したおばが訪ねてくる。娘道成寺の清姫をかっこ良いと称賛し、姪に発破をかけるおばちゃんの、死者とは思えぬ活気に笑ってしまう。
「怪談に出てくる女の人の情熱や行動力が好きなので、パワフルな女の人を書きたいと思いました。日本語で一言で表現すると“おばちゃん"かなと思った時に、センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』と結びついて書名が決まり、全体の構成が出来ました」
表題作は、1編目のおばちゃんの息子が主人公。彼の就職した奇妙な会社を通じて全編が緩やかに繋がる構成だが、そこで働くのはこの世のものに限らない。
「工場で主任を務める友達がおばちゃんの有能ぶりを力説していたのが印象的で。それと、怪談を読み直すとやはり現代の感覚では性差別的だったり、理不尽にひどい目に遭う女の人が多いので、小説ではなんとかポジティブに変換したくて。その結果が、生者も死者も女性も男性も関係なく楽しく仕事をする姿なんです」
7編目「クズハの一生」では〈標準的な人間の女のふり〉で生きてきたクズハが、存分に能力を発揮する喜びを知る。一方、男性新入社員を見て〈悪い意味で、平等になった〉との述懐も。
「江戸に生きたお岩さんも過酷だけど、クズハが生きたバブル期も今では信じられないようなセクハラ地獄。時代ごとの地獄がある中で、かつては女性だけが見ていた地獄が男性にも見えるようになったのが現代ではないかと思うんです。地獄に変わりはないけど、同じものが見えているぶん少し解り合えるかも。男性性からも女性性からも解放されたほうが、楽になれますよね。私が怪談に惹かれるのも解放されたパワーゆえかもしれません。恨む相手を祟り殺したり、恋のために放火したり、情熱の赴くまま無茶をする。自分にはできないからこそ憧れます」
ユーモアと現代の目線で、おなじみの怪談が魅力的なおばちゃんたちに化けた。
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2017.2.16号掲載)登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2016/12/7)
- 発売日 : 2016/12/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 231ページ
- ISBN-10 : 4120049183
- ISBN-13 : 978-4120049187
- Amazon 売れ筋ランキング: - 183,051位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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読みました・・・
楽しいないようでさすがです!!!
はじめは幽霊をテーマにした純粋な短編集かと思っていたが、中盤以降に各話のつながりが見えてくる仕組みとなっている。
霊といえば人間を恨み憎む怖ろしい存在のイメージだが、本作に登場する霊たちはそれぞれの生(?)を謳歌し、やたらとフレンドリーであったりする。そんな霊たちに出会った人々は、当初は戸惑いながらも、肩の力が抜けた彼らの姿に感化されて自然体を取り戻していく。
全体に独特のユーモアセンスが溢れ、かつ、男性中心の社会に対する冷ややかな視線が通底している点は、先の『女が死ぬ』と共通する。死した霊がこの世に恨みをもたず、むしろ明るく楽しく暮らしている姿は、社会批判でもあると思うのだが、この作者が描くと風刺にありがちな臭みがなく、スルスルと読めてしまう。ユーモアの感覚が肌に合う方が読めば満足できるはず。
基本はゆるい作品なのだが、最終話を読み終えて感慨がある。作中登場するある組織については、「こんな組織が現実にあれば」と思う方も多いのでは。姫路にゆかりがある方にもお薦め。
お墓で聞こえてくる歌のくだりには笑ってしまった。
また巻末を見ると「各作品のモチーフ一覧」が載っていて、それぞれの短編にインスピレーションを与えた歌舞伎・古典落語・怪談などが分かります。しかし、元ネタの古典作品など知らなくても短編として楽しめ、元ネタを合わせて読めば2度楽しめるということだと思います。
一瞬、めげそうになった。
が、すぐに物語に引き込まれ、何でも無い日常の描写に、登場人物が増え、
気がつけば非日常と混在している世界が楽しくなって、頁を捲り指が止まらなくなる。
お!ここで茂が出てくるのか…。
汀さん、いい味だしているなぁ〜。
このホテルは、東京・虎ノ門の大倉さんの理念で開業した所か。
等々、随所に楽しみが散りばめられ、フィクションとノンフィクションのバランスも絶妙。
疲れている人も、そうでない人も、
最近おもしろい小説に出合えていない人も、そうでない人も、
霊魂を信じる人も、信じない人も、
笑いたい人も泣きたい人も、
それぞれが、それなりに、きっちり堪能できる一冊になっている。
さらにカバーと表紙のイラストが帯も含めて、秀逸。
製本が若干丁寧さに欠けるので、惜しい!部分もあるが、
登場人物がきっちり愉快に描かれている。
個人的には世界幻想文学大賞の受賞を知り『持続可能な魂の利用』に次ぐ2冊目として手にとりました。
さて、そんな本書は二股の末、彼氏にフラれて現実逃避気味の"私"の前に一年前に死んだおばちゃんがふらりと訪ねてくる"みがきをかける"から始まり、歌舞伎や落語、民話を下敷きにしつつ、様々な形で【追い詰められた人達】の前に死後の世界を満喫している"おばけ"達が日常との境界線も曖昧にあらわれるのですが。
著者が以前、人気劇団『ヨーロッパ企画』に役者やスタッフとして参加していた事も影響しているのか『持続可能な魂の利用』と同じく【どこか戯曲的、リズミカルなテキスト】は読みやすくも、おかしみを感じる内容にあっていて、とても気持ちよく読み終えることができました。
また、登場する死者たち"おばけ"達が、恨み節ではなく、生前とあまり変わらず、あるいはより一層元気に存在している様子にも、何かと死や老後を悲観したり、不安を覚えたりする感情を【ガハハと笑い飛ばされるようなパワー】をもらえて、元気な気分になりました。
何かしら悩みを抱えている人が元気をもらえる一冊として、また読みやすくも不思議な短編を探している人にもオススメ。
男にふられた毛深い女のもとに、自殺したおばの幽霊が出てきて
「その毛はあんたに残された唯一の野生や」と励ましたり、
八百屋お七が現代によみがえり、情熱的な御朱印書きになっていたり、
再婚した夫の前に現れる、前妻の幽霊がパンクファッションだったり……
松田青子の痛快ワールドが、これでもかと炸裂している。なんども笑った!
特筆すべきは、リストラで家にひきこもるサラリーマンや、
就活がうまくいかない男子学生など、
現代社会に疲れた男女を平等に励ましてくれるところ。
だって、男とか女とか関係なく、みんなが疲れているのだから。
怨念や裏切りによって死んでいった古典の女たちの並々ならぬパワーには、
もっと自由に生きていいんだと背中を押される。
歌舞伎や落語をまったく知らなくても楽しめる、間口のひろさも魅力的。
松田さん独自の世界観が大好きだからこそ、
こういう作家がもっと増えてほしい。