著者の専門は西洋史だそうですが、日本史に登場する人物、しかも、敗者という
史料・情報量も限定されるであろうジャンルについても、深く・広く分析・記述
されており、興味深く、一気に拝読いたしました。
主に戦国武将にスポットを当てておりますが、専門分野であるルネサンス期イタ
リアで暴虐を尽くしたチュザーレ・ボルジアの栄光と挫折も的確にリンクさせて
おり、歴史の奥深さ、面白さを垣間見ることもできました。
敗者には敗者の必然的な理由があり、それを学ぶことにより敗者になることを
いかに回避するのか、等、歴史を学ぶ一つの重要な姿勢ではないかと思いました
し、そもそも歴史を学ぶことの意義を今更ながら感じ入りました。
いずれにしても、歴史学習を通じたマネジメント力向上や、人格形成等に関心の
ある方には最適かつ読み応えのある歴史書ではないでしょうか。
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敗者の条件: 戦国時代を考える (中公新書 62) 新書 – 1965/3/1
会田 雄次
(著)
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1965/3/1
- ISBN-104121000625
- ISBN-13978-4121000620
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1965/3/1)
- 発売日 : 1965/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4121000625
- ISBN-13 : 978-4121000620
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,004,947位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後書きにもあるように著者は本来西洋史の専攻者である。その著者が若干ルネッサンス時代の西欧に触れる箇所もあるものの
多くは日本の戦国時代の武将の行動様式を具体的に著述することで、その戦国時代を生き抜いたものと敗れ去ったものの
差異をストレートに表現した著作である。何十年も前であるが、会田雄次氏は良くTVでも見かけた顔で、いつもにこにこしながら
世論に流されたり、阿ることなく些か当時「非常識」とも取れる発言をしていたことを思い出す。この書物でも、世間一般の人々が
信じて来た常識や知識を覆す意見を堂々と述べていて面白い。キリシタン大名として歴史的に「評価」され、同情も集まる高山右近に
ついては優柔不断の大名で、彼を高く評価しているのは外人神父だけであり、それが今まで伝わって来ていると評している。また、
茶人の千利休も秀吉との関係で、歴史的な評価は秀吉の方にある旨を明確に述べている。会田氏の独特の史観も専攻とする
西洋史にヒントを得て、マキャベリの言葉に裏打ちされ、繰広がられることで読んでいて興趣が尽きない。既に半世紀も前に
書かれた書物だが、今も色あせることはない。
多くは日本の戦国時代の武将の行動様式を具体的に著述することで、その戦国時代を生き抜いたものと敗れ去ったものの
差異をストレートに表現した著作である。何十年も前であるが、会田雄次氏は良くTVでも見かけた顔で、いつもにこにこしながら
世論に流されたり、阿ることなく些か当時「非常識」とも取れる発言をしていたことを思い出す。この書物でも、世間一般の人々が
信じて来た常識や知識を覆す意見を堂々と述べていて面白い。キリシタン大名として歴史的に「評価」され、同情も集まる高山右近に
ついては優柔不断の大名で、彼を高く評価しているのは外人神父だけであり、それが今まで伝わって来ていると評している。また、
茶人の千利休も秀吉との関係で、歴史的な評価は秀吉の方にある旨を明確に述べている。会田氏の独特の史観も専攻とする
西洋史にヒントを得て、マキャベリの言葉に裏打ちされ、繰広がられることで読んでいて興趣が尽きない。既に半世紀も前に
書かれた書物だが、今も色あせることはない。
2007年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦国武将の様々なエピソードを著者独特の切り口で語った珠玉の論説集である。
その中でひとつ挙げると、貧困の中から稀代の出世をしたため文化に理解が無かったかのように一般的に語られがちな秀吉であるが、実は、新たなる境地の開拓を突き進む(進まざるを得ない)秀吉とこれを拒んで既存の茶道の完成を目指す千利休について、彼らの相克が必然であった背景をユニークな視点で明確に述べており、時を経てまた読み直したい良著である。
その中でひとつ挙げると、貧困の中から稀代の出世をしたため文化に理解が無かったかのように一般的に語られがちな秀吉であるが、実は、新たなる境地の開拓を突き進む(進まざるを得ない)秀吉とこれを拒んで既存の茶道の完成を目指す千利休について、彼らの相克が必然であった背景をユニークな視点で明確に述べており、時を経てまた読み直したい良著である。
2013年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕方ない。 わざわざ返金申し出てくれてありがとう。
読めるからいいよ。
読めるからいいよ。
2008年1月10日に日本でレビュー済み
かなり古い本です(初版は1965年)ですが、大変楽しく読みました。
日本史、特に戦国時代の「敗者」にスポットをあて、「一見敗れるはずのない人間が敗れほろんで行く」さまを、いろいろなパターンに分類して論じています。
著者があとがきで自ら認めているように、著者本人は西洋史専門で日本史は門外漢。そのせいというほどではありませんが、史実と推測の線引はあやしく、歴史上の人物を描写(評価)する表現もかなり主観的です。でも、「本来の歴史叙述というよしも史論というべき」という本書の趣旨を考えれば、あまり気になりません。それよりもむしろ、西洋史と日本史を横断的に論じながらその共通性と差異性を明確にしていく視点が目を引きます。そしてなにより、文章が抜群にうまいことに感心します。シニカルな表現が多いですが、それも著者のキャラなのでしょう。例えば…「美女とは、はじめは先頭切って走らねばならず、しかも必ず後半抜かれ、しかもゴールに到達できぬ人生のマラソン選手」。
「史実は違う!」と目くじらたてずに、読み物として楽しむことをオススメします。
日本史、特に戦国時代の「敗者」にスポットをあて、「一見敗れるはずのない人間が敗れほろんで行く」さまを、いろいろなパターンに分類して論じています。
著者があとがきで自ら認めているように、著者本人は西洋史専門で日本史は門外漢。そのせいというほどではありませんが、史実と推測の線引はあやしく、歴史上の人物を描写(評価)する表現もかなり主観的です。でも、「本来の歴史叙述というよしも史論というべき」という本書の趣旨を考えれば、あまり気になりません。それよりもむしろ、西洋史と日本史を横断的に論じながらその共通性と差異性を明確にしていく視点が目を引きます。そしてなにより、文章が抜群にうまいことに感心します。シニカルな表現が多いですが、それも著者のキャラなのでしょう。例えば…「美女とは、はじめは先頭切って走らねばならず、しかも必ず後半抜かれ、しかもゴールに到達できぬ人生のマラソン選手」。
「史実は違う!」と目くじらたてずに、読み物として楽しむことをオススメします。
2004年4月14日に日本でレビュー済み
成功して高名を轟かせた戦国武将ではなく、あえなく敗れ去った武将について書かれているのがユニーク。戦国敗者個々人を具体的に紹介、分析しながら、彼らに共通したメンタリティや行動パターン、時間や資源の無駄遣い、カリスマ性の無駄遣いなどがまとめられているのが非常に面白い。