ある商品に焦点をあてながら、経済史
の視点から一つの物語に仕上げていく
腕はなじみやすいし、経済の仕組みの
理解にも役立つので魅力がいっぱいで
す。著名なものでは「砂糖の世界史」が
あります。本書は1980年の出版なので
パイオニア的著作として永遠に名前が残
ると思います。
世界史・世界経済という枠組みで

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茶の世界史: 緑茶の文化と紅茶の社会 (中公新書 596) 新書 – 1980/12/18
角山 榮
(著)
角山栄の歴史学成果として知られる社会史の名著
- ISBN-104121005961
- ISBN-13978-4121005960
- 出版社中央公論新社
- 発売日1980/12/18
- 言語日本語
- 本の長さ225ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1980/12/18)
- 発売日 : 1980/12/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 225ページ
- ISBN-10 : 4121005961
- ISBN-13 : 978-4121005960
- Amazon 売れ筋ランキング: - 128,589位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 623位中公新書
- - 6,976位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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5 星
角山栄先生
『図説西洋経済史』で著名な角山栄先生が書かれた『茶の世界史』は、コンパクトながら、わかりやすく読みやすい本です。緑茶と紅茶の関係がこれほどまで詳細に解き明かされた本はなく、緑茶文化と紅茶文化の対決から日本茶の衰退の問題点を指摘し、現代に至ってもまだその問題点に直面させられます。まさに不朽の名作です。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書では、欧米でお茶が普及していく過程と、その過程への日本の関わりが述べられています。
第一部「文化としての茶-緑茶 vs. 紅茶」では、茶の湯に代表される東洋文化へのあこがれと共にヨーロッパに持ち込まれた茶が、特にイギリスにおいて国民的な飲料として普及していく過程が、大航海時代や帝国主義などの国際的な社会背景と結びつけて解説されています。
第二部「商品としての茶-世界市場における日本の茶」では、開国直後の日本が茶を輸出商品の主力として頼り、官民あげて国際市場への売り込みを図った顛末が記されています。
本書を貫く視点のひとつは、お茶の「文化」としての側面と「商品」としての側面の対比です。茶の湯が持つ高い精神性と結びついた「文化」である緑茶に対し、紅茶は植民地で大量生産された砂糖と結びつくことで「商品」として普及した、と著者は述べています。
もうひとつ、植民地支配を基盤とした資本主義経済とはどのようなものか、新興国が国際市場に参入する際にはどのような苦労があるのか、といった通常は歴史や経済として語られる概念を、お茶をという身近なものを通して実感する視点も与えてくれます。
単にお茶についてのうんちくを語るのではなく、経済学の冷たい理論だけでお茶の普及を説明するのでもなく、「文化の変遷」と「経済の仕組み」という2つの視点を絶妙にブレンドした本書は、とても読みごたえがあります。初版から40年近くにわたって読みつがれてきたのも納得です。
第一部「文化としての茶-緑茶 vs. 紅茶」では、茶の湯に代表される東洋文化へのあこがれと共にヨーロッパに持ち込まれた茶が、特にイギリスにおいて国民的な飲料として普及していく過程が、大航海時代や帝国主義などの国際的な社会背景と結びつけて解説されています。
第二部「商品としての茶-世界市場における日本の茶」では、開国直後の日本が茶を輸出商品の主力として頼り、官民あげて国際市場への売り込みを図った顛末が記されています。
本書を貫く視点のひとつは、お茶の「文化」としての側面と「商品」としての側面の対比です。茶の湯が持つ高い精神性と結びついた「文化」である緑茶に対し、紅茶は植民地で大量生産された砂糖と結びつくことで「商品」として普及した、と著者は述べています。
もうひとつ、植民地支配を基盤とした資本主義経済とはどのようなものか、新興国が国際市場に参入する際にはどのような苦労があるのか、といった通常は歴史や経済として語られる概念を、お茶をという身近なものを通して実感する視点も与えてくれます。
単にお茶についてのうんちくを語るのではなく、経済学の冷たい理論だけでお茶の普及を説明するのでもなく、「文化の変遷」と「経済の仕組み」という2つの視点を絶妙にブレンドした本書は、とても読みごたえがあります。初版から40年近くにわたって読みつがれてきたのも納得です。
2021年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もう少しお茶の事を知ろうと思い、読んでみました。割合古い本ですが、本書前半は世界にどのようにお茶が広まっていったか、そこに日本がどのように関わったかが描かれ、後半は日本の茶業が近代資本主義の世界でどのように盛衰していったか、について描かれています。前半はヨーロッパ社会が東洋に進出してきて、中国・日本でお茶に出会い、当時は煎茶より抹茶に、喫茶そのものの行為よりも文化として衝撃を受けたというのが興味深かったです。そこから出発しつつも、世界の植民地争奪戦からオランダはコーヒーの産地を押さえ、イギリスは仕方なく紅茶の産地を入手するということでイギリスが紅茶の一大消費国になっていく様もなかなか面白かったです。何よりも後半の日本の近代茶業の盛衰で、最初はイギリスに輸出するもののイギリス人の口に合わずにイギリス輸出分はアメリカに転売されるようになり、日本茶は主にアメリカ、カナダで消費されていたこと、アメリカではコーヒーの消費には勝てず、最終的にカナダを中心に販売していたこと、結局インド・セイロンの紅茶に駆逐されていくことなどが判って非常に面白かったです。
2013年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生の頃、世界史を不勉強だったため、この「〜の世界史」というシリーズに手を出し始めて、「砂糖の世界史」に驚きと興奮を覚えたといった感じなのですが、この「茶の世界史」は正直微妙でした。
というのも、世界商品として振り返る「砂糖の世界史」と違って、日本茶が他の茶(紅茶、烏龍茶)とどう違うか。などを扱ったこの本は、いわば「茶の歴史」と言った感じだったからです。
「砂糖の歴史」のダイナミックに様々な物の流れや関係の構造をえぐり出すものを期待している人にはお勧め出来ません。
たぶん、僕のような目的で読んだ人が楽しめるのはp95‾124の間くらいでしょう。
ただし、茶の歴史としての資料価値を考えるとなかなかの物なのかも知れません。
というのも、世界商品として振り返る「砂糖の世界史」と違って、日本茶が他の茶(紅茶、烏龍茶)とどう違うか。などを扱ったこの本は、いわば「茶の歴史」と言った感じだったからです。
「砂糖の歴史」のダイナミックに様々な物の流れや関係の構造をえぐり出すものを期待している人にはお勧め出来ません。
たぶん、僕のような目的で読んだ人が楽しめるのはp95‾124の間くらいでしょう。
ただし、茶の歴史としての資料価値を考えるとなかなかの物なのかも知れません。
2023年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『図説西洋経済史』で著名な角山栄先生が書かれた『茶の世界史』は、コンパクトながら、わかりやすく読みやすい本です。緑茶と紅茶の関係がこれほどまで詳細に解き明かされた本はなく、緑茶文化と紅茶文化の対決から日本茶の衰退の問題点を指摘し、現代に至ってもまだその問題点に直面させられます。まさに不朽の名作です。

『図説西洋経済史』で著名な角山栄先生が書かれた『茶の世界史』は、コンパクトながら、わかりやすく読みやすい本です。緑茶と紅茶の関係がこれほどまで詳細に解き明かされた本はなく、緑茶文化と紅茶文化の対決から日本茶の衰退の問題点を指摘し、現代に至ってもまだその問題点に直面させられます。まさに不朽の名作です。
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2015年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
16世紀に日本の茶の湯に接したヨーロッパ人は、芸術性・神秘性・倫理性を単なる一杯の飲み物に込めるその文化性の高さに衝撃を受ける。茶はヨーロッパ人にとって東洋文化のシンボルとしてイメージされて畏敬と好奇心をかきたてる。
ヨーロッパの世界進出は彼らにとって東洋が魅力的であったことによってなされた。そして茶は東洋文化の魅力の中心であった。
たかが茶、されど茶、なにしろ茶。世界の歴史の中で茶が占めてきた役割の大きさを気づかせてくれる新書です。
そういえばアメリカ独立戦争のきっかけとなったボストンティーパーティー事件なんてのもありましたっけ。この歴史的経緯があるから紅茶はアメリカ人に恨まれて、彼らの主飲料はコーヒーになったとか。(彼らの主飲料はコーラだというツッコミは歓迎)
本の後半では、商品としての茶の国際勢力争いが書かれます。
日本茶の香りはまことにデリケートであって、その香りは日本の風土、水、雰囲気の中でしか味わえないところがあるため、国際性を持つことがむずかしい。
アメリカに輸出された日本茶は日本と同じように味わってもらえず、アメリカ人は日本茶の正しい飲み方を知ろうとしないことが日本人を苛立たせた。アメリカ人は緑茶に牛乳や砂糖を入れて飲もうとすることを視察に行った日本人が報告していたとのことです。
しかし異文化をそのまま受け入れられないのはどの国にもあること。今や紅茶を確固たる伝統文化として組み込んでいるあのイギリスであっても、いくつかの地方では煮出した茶の葉つまり出がらしに塩とバターをつけて食し、煮汁の方は捨てるという信じがたい採取方法をとっていた時代があったそうです。
ヨーロッパの世界進出は彼らにとって東洋が魅力的であったことによってなされた。そして茶は東洋文化の魅力の中心であった。
たかが茶、されど茶、なにしろ茶。世界の歴史の中で茶が占めてきた役割の大きさを気づかせてくれる新書です。
そういえばアメリカ独立戦争のきっかけとなったボストンティーパーティー事件なんてのもありましたっけ。この歴史的経緯があるから紅茶はアメリカ人に恨まれて、彼らの主飲料はコーヒーになったとか。(彼らの主飲料はコーラだというツッコミは歓迎)
本の後半では、商品としての茶の国際勢力争いが書かれます。
日本茶の香りはまことにデリケートであって、その香りは日本の風土、水、雰囲気の中でしか味わえないところがあるため、国際性を持つことがむずかしい。
アメリカに輸出された日本茶は日本と同じように味わってもらえず、アメリカ人は日本茶の正しい飲み方を知ろうとしないことが日本人を苛立たせた。アメリカ人は緑茶に牛乳や砂糖を入れて飲もうとすることを視察に行った日本人が報告していたとのことです。
しかし異文化をそのまま受け入れられないのはどの国にもあること。今や紅茶を確固たる伝統文化として組み込んでいるあのイギリスであっても、いくつかの地方では煮出した茶の葉つまり出がらしに塩とバターをつけて食し、煮汁の方は捨てるという信じがたい採取方法をとっていた時代があったそうです。
2017年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
16世紀以降、お茶が世界に広がっていく大きな歴史的な流れが掴める良書。参考文献も豊富でさらに深めることができる。ただ細かいところで事実確認されていない印象があり残念。たとえば「イギリスの水は軟水で」、それが大陸と違って茶が拡がった理由としているが、明らかに現在のイギリスは硬水の国、17世紀と今では違うのならそう書いてほしい。
2021年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代に経済史の講師に薦められ、知的興奮を味わいました。