長崎海軍伝習所は維新の重要人物達が、我々の知る歴史の表舞台に出てくる原点なのではと思い購入。
作者はそういう思い入れは無いので、淡々と資料の整理をされたかのように、人員の名簿や西洋海軍の当時のカリキュラムの事など総合術科学校としての様相を呈していた事実などが出てくる。
また、ここにおいての勝海舟の評価はまだ低く、留年生として2期目を過ごしたように流されて記されている。
当時我が国に芽生えたばかりの近代の西洋式軍隊と最新兵器達がここへ集結し、帝国海軍の礎となって行った事が分かる。
軍艦の性能や学問としての砲術の机学のことなど、兵学と共に流れ込んで来た諸学の事にも触れられ、微分積分、応用数学、から蒸気機関の物理学、鋳造技術、航海術、そして日本はその教官達により多くの事を学べるスキルをも要求していたため、活版術や土木工学など海軍に関連しない事まで学ぼうとして、それが後に大きな産業に育つ嚆矢となった事も記されている。
文明開化とはここが原点なのだと分かる一冊であった。
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長崎海軍伝習所: 十九世紀東亜文化の接点 (中公新書 1024) 新書 – 1991/5/1
藤井 哲博
(著)
- 本の長さ188ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1991/5/1
- ISBN-104121010248
- ISBN-13978-4121010247
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
19世紀、日本の西欧文明受容は幕末長崎での海軍・造機・医学の伝習で頂点に達する。伝習教科、日々の生活、咸臨丸の遠洋航海等を、西欧のルネッサンスを背景に活写する。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1991/5/1)
- 発売日 : 1991/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 188ページ
- ISBN-10 : 4121010248
- ISBN-13 : 978-4121010247
- Amazon 売れ筋ランキング: - 122,984位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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2014年9月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新年の2冊目として読んだ。これまで読まなかったのが悔やまれる実証的内容で、1924年生まれの著者は、海軍中尉、零戦搭乗員、京大物理科、神戸大経営を経て、原子力技術者として、原電、関西電力、日立造船の原子力の中心にいた異色の人物である。理系的な方であるのに並みの歴史学者以上の知性。類書である「咸臨丸航海長 小野友五郎の生涯」もあり、これも後日読みたいと思った。
一部表記に専門的なことも出てくるが、全体的には歴史作家や歴史学者が得意がって古文書を転載するが、引用箇所も口語体で書かれており、丁寧な記載で理工系出身者の片鱗が見える。
関連してこの題目に関連して、HP上で著者不明の膨大なブログが作成されていたが、本書の写真図表を使ったりしており、ブログは著作権の無法地帯で、記載も大半が引用であるなら、どこまで自筆なのかも不明であった。HP上のブログはやはりウィキ同様今一信頼がおけない気がして読むのを止めた。また、勝海舟が編纂したという「海軍歴史」の誤謬や法螺話への藤井氏からの考証上から実際的な批判もあり、この本をそのまま使えないことが判った。
著者がネト元の1つに参考にしたという、咸臨丸の実質的運航を担った「米国のブルック船長の航海日記」が、日米修好通商条約百年記念行事運営会から「万延元年遣米使節史料集成」第5巻ジョン・M・ブルック「横浜日記」「咸臨丸日記」風間書房 1961年が出版されている。正直本書は、この時代の考証する上で今後永遠に残るような記念すべき図書の一つであると思った。読了して感謝。
一部表記に専門的なことも出てくるが、全体的には歴史作家や歴史学者が得意がって古文書を転載するが、引用箇所も口語体で書かれており、丁寧な記載で理工系出身者の片鱗が見える。
関連してこの題目に関連して、HP上で著者不明の膨大なブログが作成されていたが、本書の写真図表を使ったりしており、ブログは著作権の無法地帯で、記載も大半が引用であるなら、どこまで自筆なのかも不明であった。HP上のブログはやはりウィキ同様今一信頼がおけない気がして読むのを止めた。また、勝海舟が編纂したという「海軍歴史」の誤謬や法螺話への藤井氏からの考証上から実際的な批判もあり、この本をそのまま使えないことが判った。
著者がネト元の1つに参考にしたという、咸臨丸の実質的運航を担った「米国のブルック船長の航海日記」が、日米修好通商条約百年記念行事運営会から「万延元年遣米使節史料集成」第5巻ジョン・M・ブルック「横浜日記」「咸臨丸日記」風間書房 1961年が出版されている。正直本書は、この時代の考証する上で今後永遠に残るような記念すべき図書の一つであると思った。読了して感謝。
2016年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このところ、幕末維新期の研究に取り組んでおり、本書は期待どおりの内容で満足した。前回の評価送信をこちらに改める。