前半は松良氏の前著「砂丘のアリジゴク」で紹介されたことが大半であるが
その後の知見も加えてあるので飽きることはない。
例えばアリジゴクにも寄生バチや寄生アブがいることやウスバカゲロウに近縁な
ニンフカゲロウの幼虫のこと、巣穴形成型アリジゴクが出現するまでの進化経路の仮想など
前著を読んでいても興味の尽きないことが多く書かれている。
そして何よりも本書の目玉は乾燥の大地オーストラリアのアリジゴクである。
中でも巣穴に溝を掘るというアリジゴクは巣穴形成の進化を考察するうえでは欠かせない。
その利に適った捕食戦略は大変興味深い。
オーストラリアには200種を超えるアリジゴクがいるそうだが、その数は成虫を元に
カウントされたものだそうだ。
日本でもそうだが世界にはもっと多くの未知のアリジゴクがいるのだろう。
未発見ということは巣穴を形成しないことや乾燥地でない可能性があるらしい。
アリジゴクの未知なる生態がまだまだあることをこの本は教えてくれる。
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砂の魔術師アリジゴク: 進化する捕食行動 (中公新書 1524) 新書 – 2000/3/1
松良 俊明
(著)
- 本の長さ229ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2000/3/1
- ISBN-10412101524X
- ISBN-13978-4121015242
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2000/3/1)
- 発売日 : 2000/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 229ページ
- ISBN-10 : 412101524X
- ISBN-13 : 978-4121015242
- Amazon 売れ筋ランキング: - 960,297位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2018年7月29日に日本でレビュー済み
子供の頃は、よく見かけた。今は少ないとはいえ、市街地の中にも、いるところには、いるのである。
子供にかき回されてはかなわないので、秘密にして覗きに行く。ついにすり鉢を作っている現場を見た。
興奮したが、カゲロウの幼虫だ、くらいしか知識がないので図書館に行ったら本書があったのだ。
大興奮だ、すり鉢の角度も出ている、後退しかできない脚の造りになっていることも分かった。
すごいことはフグ毒の130倍の毒液を持っていることだ。次々に見えてくる驚異の世界。
世界中に、アリジゴクの研究者が、ほんの少しいることも分かった。
アリジゴクで論文を書いて博士になった学者もいた。人間の好奇心の凄まじさも伝わってきた。
すでに良いレビューがあるので、必要ないようなものだけれど、数年おきに現れるレビューというのは希少だ。
アリジゴクも、アリジゴク学者も、そして読者も、永遠に続く。
子供にかき回されてはかなわないので、秘密にして覗きに行く。ついにすり鉢を作っている現場を見た。
興奮したが、カゲロウの幼虫だ、くらいしか知識がないので図書館に行ったら本書があったのだ。
大興奮だ、すり鉢の角度も出ている、後退しかできない脚の造りになっていることも分かった。
すごいことはフグ毒の130倍の毒液を持っていることだ。次々に見えてくる驚異の世界。
世界中に、アリジゴクの研究者が、ほんの少しいることも分かった。
アリジゴクで論文を書いて博士になった学者もいた。人間の好奇心の凄まじさも伝わってきた。
すでに良いレビューがあるので、必要ないようなものだけれど、数年おきに現れるレビューというのは希少だ。
アリジゴクも、アリジゴク学者も、そして読者も、永遠に続く。
2010年5月1日に日本でレビュー済み
著者は捕食者タイプの昆虫の行動を研究している人物。
アリジゴクは、穴を掘って獲物が落ちてくるのを待つタイプの捕食者である。のんきなやつで、狩りの技術も持ち合わせていないように見えるが、実は穴のつくりかたには工夫があり、オーストラリアには想像を超えた技を持つ種類もいるのだ。
本書では、自身の研究の軌跡を語るかたちで話が進められる。学生時代に研究を始めた頃のこと、アリジゴクとの出会い、研究するなかで分かってきた複雑な穴の仕組み、オーストラリアへの調査行…。
穴のつくりかた等、科学的に分かりやすく説明してくれるので理解しやすい。アリジゴクについて知りたいと思ったら、この本だろう。
とにかく文章にアリジゴクへの愛が滲み出ているのが良い。
アリジゴクは、穴を掘って獲物が落ちてくるのを待つタイプの捕食者である。のんきなやつで、狩りの技術も持ち合わせていないように見えるが、実は穴のつくりかたには工夫があり、オーストラリアには想像を超えた技を持つ種類もいるのだ。
本書では、自身の研究の軌跡を語るかたちで話が進められる。学生時代に研究を始めた頃のこと、アリジゴクとの出会い、研究するなかで分かってきた複雑な穴の仕組み、オーストラリアへの調査行…。
穴のつくりかた等、科学的に分かりやすく説明してくれるので理解しやすい。アリジゴクについて知りたいと思ったら、この本だろう。
とにかく文章にアリジゴクへの愛が滲み出ているのが良い。
2004年11月5日に日本でレビュー済み
個人的に子供の頃は非常に身近だったアリジゴクですが、本書はそんなアリジゴクの生態など幅広い知識がインプットできます。アリジゴクの唾液が猛毒を持っている話や捕餌戦略の話、また著者が豪州での溝堀り型アリジゴクの研究で偶然に新種を発見した話なども紙数を割いていて、アリジゴクのような捕食型昆虫の魅力を余すことなく語っている良書だと思います。