アイアイ、ポットーなどのアフリカの霊長類を様々に比較し、
その指及び歯の形状の多様さから、その種が以下にニッチなものとして、
特別な進化を遂げたことが考察されています。
その考察を元に、初期人類がいかにして二足歩行を獲得し、
霊長類としてはゴリラに次ぐ、オランウータンと同等の、
大きな体格を得るに至ったかの仮説が示されています。
著名な研究者の著名な学説をきちんと提示し、
その学説のどの点に問題があるかを検証していることも、
学問としてとても正しいあり方だと思います。
この研究が正当に評価されて、
さらに発展されていくことを願って已みません。
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親指はなぜ太いのか: 直立二足歩行の起原に迫る (中公新書 1709) 新書 – 2003/8/1
島 泰三
(著)
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- 本の長さ276ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2003/8/1
- ISBN-104121017099
- ISBN-13978-4121017093
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2003/8/1)
- 発売日 : 2003/8/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 276ページ
- ISBN-10 : 4121017099
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルを見て、気軽に読み始めた僕だがその「気軽」がまずかった。まずこの本は色々な猿の手と歯の話が結構なボリュームで説明が続く、最後まで読んでみるとその意味も分かるが、副題にもある「直立二足歩行の起原に迫る」の話が出てこないばかりか人の「ヒ」すら出てこない。ただひたすらに、この植生にはこんな猿が生息していて、それはこんな食物を主食として食べている。と続く、これを読み切るのが正直つらかった。僕がタイトルから期待したのは知的興奮を伴う古代史アドベンチャーだったのだが、この猿を説明する章では、ひたすら冷静に観察し知識をある程度叩き込む作業が必要だった。だがここを補足説明すると、僕の期待に外れたのではなく、本書は、学問書からすれば至極当然の論説を当たり前にしているだけで、そこを省いてしまっては、その後の結論に対する説得力が欠けることになる。だから著者は、丁寧に、本当に丁寧に猿を説明されていた。つまり僕の期待外れの本ではなく、期待そのものが僕の間違いだったということを言いたかった。
ところが後半は人の話が盛り沢山になる。そこから僕の期待以上の驚愕の知的興奮を伴うストーリーがあった。だが思わずほんまかいな?となるよりは、前半の延々と説明してきた経緯が利いて、そうか!だからあそこで手が抜けなかったんだ。と深く納得したのだった。人の歯は、肉食動物のように、肉をかみ切れるようにも、草食動物のそれとも違う。皆さんは何故だろうか?と考えたことがあるだろうか?何故親指だけ太いのか?と自問したことはあるだろうか?僕は恥ずかしながら思ったことすらなかった。
著者の時折ユーモアを交えた文体もお人柄が滲み出ていて時にぷっと吹き出す描写もあり、当たり前だが、前半後半を含めて一冊の本として完成している素晴らしい本だった。ちなみに学術書というような専門用語の羅列が続くという本でもなく、平易な言葉使いで非常に読みやすかったことも僕には有難かった。
ところが後半は人の話が盛り沢山になる。そこから僕の期待以上の驚愕の知的興奮を伴うストーリーがあった。だが思わずほんまかいな?となるよりは、前半の延々と説明してきた経緯が利いて、そうか!だからあそこで手が抜けなかったんだ。と深く納得したのだった。人の歯は、肉食動物のように、肉をかみ切れるようにも、草食動物のそれとも違う。皆さんは何故だろうか?と考えたことがあるだろうか?何故親指だけ太いのか?と自問したことはあるだろうか?僕は恥ずかしながら思ったことすらなかった。
著者の時折ユーモアを交えた文体もお人柄が滲み出ていて時にぷっと吹き出す描写もあり、当たり前だが、前半後半を含めて一冊の本として完成している素晴らしい本だった。ちなみに学術書というような専門用語の羅列が続くという本でもなく、平易な言葉使いで非常に読みやすかったことも僕には有難かった。
2021年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書のタイトルは「親指はなぜ太いのか」であるが、それは本文中において極めて解析的、
かつ多数論じられている手に関する記述を優先させてのものであろう。
しかし著者が本当に言いたいのは副題にある「直立二足歩行の起源に迫る」の方のはずである。
もし、そうだとすると本書のタイトルは「人はなぜトンコツラーメンを美味しく感じるのか」
もしくは「なぜ人だけが飴をしゃぶることができるのか」というような命名もあり得たであろう。
人類二足歩行の謎には長年、多数の仮説が提案されてきた。
しかし、ここにきて骨食仮説が従来仮説群の矛盾を一挙に解消し、二足歩行の謎解明仮説として
本命視されている。
著者は人類の骨食をいかに猿から繋げるかについて精緻な検討を行っている。
本書では自身の類人猿研究ならびにアイアイ研究第一人者としての知識・知見を総動員し、
ついには骨食仮説を証明するための理論構築をなすところまで及んでいる。
進化は主食を獲ることに大きく依存しているとする著者の発想は「(飢え)死んで花実が咲く
ものか」という生命の存在そのものを射当てており、それだけに食に焦点を当てた「口と手連
合仮説」には説得力があり、結果的にその破壊力に脱帽することになる。
著者が注目するのは口への食物の流れと歯による処理とエナメル質の厚さである。
合理的な食物の口への流入法についてその主役を演じるのが手であり指であるとすると
おおよその霊長類における手指の形に説明がついてくる。
著者は多くの果実食や葉食の猿についてその口手の相関関係を説明しながら、もし猿が硬い物
の中身を食べようとしたらどうなるかについて話を進めていく。
具体的には石果と言われるクルミや桃の種のような堅い殻をもったものを餌とする場合である。
アイアイはラミーと呼ばれる堅い種子を鋭い切歯で穴を開け、針金のように長く、細い中指で
掻き出して食べる。
アイアイの手指は発見当初からその異常な形に注目を集めていたが、ラミーの石果が主食だと
すればそれは適応した形ということになる。
オランウータンはこのラミーと同属のカナリウム類の石果をあごと歯の力で割って食べる。
ここでは歯の形状とエナメル質の厚さが重要になるが、実に石果を生得の肉体だけで割り、
中身を餌にできる猿はこの2種のみである。
しかしながらオマキザル類が木に打ち付けて種子を割り、チンパンジーがたまにではあるが石で
砕くことを紹介するに至って、次に控えた猿が石で骨をたたき割り、中身を食べるという道筋が
おぼろげながら見えてくる。
骨にしろ石果にしろ、その中身は栄養に富みながらも、従来の動物にとっては未踏の食べ物である。
したがって、このブレークスルーを成し遂げたものは新たなニッチを獲得することになる。
石果食すら珍しい中、それを骨で実現したのが人類なら、我々がここまで異形なものとして立ち
現れたことになんの不思議もないであろう。
人類を骨食動物とした時「口と手連合仮説」はそれを次のように説明する。
人間が手指をリラックスした状態にしたとき、その半円の形には何が一番収まりやすいのか。
答えは涙型をした手ごろな石である。
これで骨を叩き割った後の砕片を口に入れた後の始末は歯の出番である。
犬歯を欠く我々の歯列は骨片をしゃぶりながらすりつぶすように配列されており、その硬度は骨片
との衝突があっても摩耗しない霊長類最厚のエナメル質をもっている。
著者はこの作業を実際に行っており、最終的には柔らかな糊状になったと記している。
この糊状のものが多量に溶けているものを現在で探そうとするなら、それはまさしくトンコツの
ラーメンスープであろう。
あの味が、原始の我々の郷愁を誘っているのかは別としても、うまいと感じることは確かである。
かような形の主食を維持するのに石が必要なら、手は常に石を持ち、地面に這いつくばっている
暇はなくなる。
これは人類が「主食」つまり生存を維持するために立たざるを得なかったとの帰結となり、それは
とりも直さずあらゆる従来からの二足歩行仮説を闇に葬ることになる。
ここまでくれば一本道とばかりに、著者の従来仮説を羅列しての快刀乱麻ぶりは痛快である。
本書は人類の二足歩行仮説においてほぼこれで決まりであろうと思われる骨食仮説を、大量の霊長
類研究をもとに理論的に証明しようとしている。
そういう意味において古人類学に興味のある方には一読をお薦めする。
なお、石果を餌にする他の動物としてはリス類がそれにあたるらしい。
その食べ方は鋭い切歯によるかみ砕きによるものであり、アイアイとの類似をなす。
そして個人的に気になるのは、カラスによる舗装道路を使ってのくるみ割りである。
前段の記述によればカラスはオマキザル・チンパンジーの領域のことをしていることになる。
かつ多数論じられている手に関する記述を優先させてのものであろう。
しかし著者が本当に言いたいのは副題にある「直立二足歩行の起源に迫る」の方のはずである。
もし、そうだとすると本書のタイトルは「人はなぜトンコツラーメンを美味しく感じるのか」
もしくは「なぜ人だけが飴をしゃぶることができるのか」というような命名もあり得たであろう。
人類二足歩行の謎には長年、多数の仮説が提案されてきた。
しかし、ここにきて骨食仮説が従来仮説群の矛盾を一挙に解消し、二足歩行の謎解明仮説として
本命視されている。
著者は人類の骨食をいかに猿から繋げるかについて精緻な検討を行っている。
本書では自身の類人猿研究ならびにアイアイ研究第一人者としての知識・知見を総動員し、
ついには骨食仮説を証明するための理論構築をなすところまで及んでいる。
進化は主食を獲ることに大きく依存しているとする著者の発想は「(飢え)死んで花実が咲く
ものか」という生命の存在そのものを射当てており、それだけに食に焦点を当てた「口と手連
合仮説」には説得力があり、結果的にその破壊力に脱帽することになる。
著者が注目するのは口への食物の流れと歯による処理とエナメル質の厚さである。
合理的な食物の口への流入法についてその主役を演じるのが手であり指であるとすると
おおよその霊長類における手指の形に説明がついてくる。
著者は多くの果実食や葉食の猿についてその口手の相関関係を説明しながら、もし猿が硬い物
の中身を食べようとしたらどうなるかについて話を進めていく。
具体的には石果と言われるクルミや桃の種のような堅い殻をもったものを餌とする場合である。
アイアイはラミーと呼ばれる堅い種子を鋭い切歯で穴を開け、針金のように長く、細い中指で
掻き出して食べる。
アイアイの手指は発見当初からその異常な形に注目を集めていたが、ラミーの石果が主食だと
すればそれは適応した形ということになる。
オランウータンはこのラミーと同属のカナリウム類の石果をあごと歯の力で割って食べる。
ここでは歯の形状とエナメル質の厚さが重要になるが、実に石果を生得の肉体だけで割り、
中身を餌にできる猿はこの2種のみである。
しかしながらオマキザル類が木に打ち付けて種子を割り、チンパンジーがたまにではあるが石で
砕くことを紹介するに至って、次に控えた猿が石で骨をたたき割り、中身を食べるという道筋が
おぼろげながら見えてくる。
骨にしろ石果にしろ、その中身は栄養に富みながらも、従来の動物にとっては未踏の食べ物である。
したがって、このブレークスルーを成し遂げたものは新たなニッチを獲得することになる。
石果食すら珍しい中、それを骨で実現したのが人類なら、我々がここまで異形なものとして立ち
現れたことになんの不思議もないであろう。
人類を骨食動物とした時「口と手連合仮説」はそれを次のように説明する。
人間が手指をリラックスした状態にしたとき、その半円の形には何が一番収まりやすいのか。
答えは涙型をした手ごろな石である。
これで骨を叩き割った後の砕片を口に入れた後の始末は歯の出番である。
犬歯を欠く我々の歯列は骨片をしゃぶりながらすりつぶすように配列されており、その硬度は骨片
との衝突があっても摩耗しない霊長類最厚のエナメル質をもっている。
著者はこの作業を実際に行っており、最終的には柔らかな糊状になったと記している。
この糊状のものが多量に溶けているものを現在で探そうとするなら、それはまさしくトンコツの
ラーメンスープであろう。
あの味が、原始の我々の郷愁を誘っているのかは別としても、うまいと感じることは確かである。
かような形の主食を維持するのに石が必要なら、手は常に石を持ち、地面に這いつくばっている
暇はなくなる。
これは人類が「主食」つまり生存を維持するために立たざるを得なかったとの帰結となり、それは
とりも直さずあらゆる従来からの二足歩行仮説を闇に葬ることになる。
ここまでくれば一本道とばかりに、著者の従来仮説を羅列しての快刀乱麻ぶりは痛快である。
本書は人類の二足歩行仮説においてほぼこれで決まりであろうと思われる骨食仮説を、大量の霊長
類研究をもとに理論的に証明しようとしている。
そういう意味において古人類学に興味のある方には一読をお薦めする。
なお、石果を餌にする他の動物としてはリス類がそれにあたるらしい。
その食べ方は鋭い切歯によるかみ砕きによるものであり、アイアイとの類似をなす。
そして個人的に気になるのは、カラスによる舗装道路を使ってのくるみ割りである。
前段の記述によればカラスはオマキザル・チンパンジーの領域のことをしていることになる。
2015年4月3日に日本でレビュー済み
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親指の重要なはたらきが他の動物との比較でよく分かった。特に後半部分が参考になった。
2015年12月25日に日本でレビュー済み
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著者の自論である、霊長類の「口と手連合仮説」を証明すべく、
マダガスカルのアイアイを端緒とし、同じくマダガスカルの様
々な原猿や、アフリカの原猿、ニホンザル、チンパンジー、ゴ
リラ、オランウータンの口と手に当り、最後には初期人類のそ
れに至る試みです。
その中から、主食こそが口と手の形態を決定付け、移動方法は
それに基づく結果に過ぎないことが、浮かび上がって来ます。
著者は、大学に属さない研究者ですが、実に行動的です。
現地で多くの猿たちを直接見て回り、多くの研究者に直接会い、
意見を交わし、自論を固めて行きます。
また論理的な思考経路を重視するため、多くの学説への不満を
隠しません。
そしてその結末が、初期人類の主食は死肉や骨髄ではなく、骨
そのものという、斬新でありながら、全く以て納得してしまう
ものとなりました。
この重要な結論と共に忘れてならないのは、初期人類における
多種性に対する懐疑です。
現生する猿であれば、多少形態が異なっていても亜種に過ぎな
いと考えるようなケースでも、それが初期人類の化石となると、
形態だけでは判断ないところが別種となっていると看破されて
います。
色々と、初期人類を巡る思考のスリルを味わえる、優れた本です。
マダガスカルのアイアイを端緒とし、同じくマダガスカルの様
々な原猿や、アフリカの原猿、ニホンザル、チンパンジー、ゴ
リラ、オランウータンの口と手に当り、最後には初期人類のそ
れに至る試みです。
その中から、主食こそが口と手の形態を決定付け、移動方法は
それに基づく結果に過ぎないことが、浮かび上がって来ます。
著者は、大学に属さない研究者ですが、実に行動的です。
現地で多くの猿たちを直接見て回り、多くの研究者に直接会い、
意見を交わし、自論を固めて行きます。
また論理的な思考経路を重視するため、多くの学説への不満を
隠しません。
そしてその結末が、初期人類の主食は死肉や骨髄ではなく、骨
そのものという、斬新でありながら、全く以て納得してしまう
ものとなりました。
この重要な結論と共に忘れてならないのは、初期人類における
多種性に対する懐疑です。
現生する猿であれば、多少形態が異なっていても亜種に過ぎな
いと考えるようなケースでも、それが初期人類の化石となると、
形態だけでは判断ないところが別種となっていると看破されて
います。
色々と、初期人類を巡る思考のスリルを味わえる、優れた本です。
2016年3月20日に日本でレビュー済み
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膨大なデータと観察と科学的な思考法で丁寧につきつめた結果、初期人類の食物が、大型獣が食べ残した骨である、という仮説に到達した経緯を詳述した本。
人間の親指は、手に石を握って骨を割るために発達したものであり、人間の臼歯は、穀物を食べるためなどではなく、骨片をコロコロと転がしながら噛んで、割って噛みしめて食べるためのものだったそうだ。
これで、マクロバイオティックなどの理論は根拠がないことが証明された。
他の多くの科学的分野の研究からも、今では、人間がもともと穀物食いなどではないことが証明されているが、この本に書かれていることは、中でもユニークだ。
多くの医療者や科学者から一読をおすすめされている、重要な本。
人間の親指は、手に石を握って骨を割るために発達したものであり、人間の臼歯は、穀物を食べるためなどではなく、骨片をコロコロと転がしながら噛んで、割って噛みしめて食べるためのものだったそうだ。
これで、マクロバイオティックなどの理論は根拠がないことが証明された。
他の多くの科学的分野の研究からも、今では、人間がもともと穀物食いなどではないことが証明されているが、この本に書かれていることは、中でもユニークだ。
多くの医療者や科学者から一読をおすすめされている、重要な本。
2006年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学校で習った「ヒトが二足歩行し、道具をもち…」の話しがまな板に
あがる。確かに、なんの根拠もない定説なのだろう。骨が主食の可能性
についても頷ける、そして、そのために道具を握り、指の形が物語って
いるという。そのため、類人猿の手の形を丹念に実証的に説明をする、
ほぼ、この説明が本を埋め尽くす。できれば、先にヒトの話をもってき
てほしかった。ヒトは違うが、鼻が脳の冷却装置の機能があることを知
った、随所にこんな面白い話が挿入されている。
※と、構成で星マイナス一つ。
あがる。確かに、なんの根拠もない定説なのだろう。骨が主食の可能性
についても頷ける、そして、そのために道具を握り、指の形が物語って
いるという。そのため、類人猿の手の形を丹念に実証的に説明をする、
ほぼ、この説明が本を埋め尽くす。できれば、先にヒトの話をもってき
てほしかった。ヒトは違うが、鼻が脳の冷却装置の機能があることを知
った、随所にこんな面白い話が挿入されている。
※と、構成で星マイナス一つ。
2013年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終えた後の感想として、伊藤慈郎さんとtsuncoさんという方2人のレビューが、完璧に的を射ていて、これ以上付け加えることは無いように感じました。
あえて言うなら、原生人類以降、他のあらゆる動物たちと比べて、人間だけが火を使い熱を加えて調理して食べるようになった食材があるということに関して全く触れていないのが少し残念でした。
著者が主張するように食べ物がその動物の口(歯の形)を決定するのなら、生肉を食らうのと焼いた肉を食べるのでは歯が違って当たり前だと思うし、小麦や米などの穀物しかりだからです。
もちろん、立ち上がったばかりの頃の人類は火など使っていなかったので、推察に何ら問題はありませんが。。。
少し揚げ足を取ったようなレビューになってしまいましたが、私は今年(2013年)この本を読んだのですが、知的好奇心を刺激し満足させてくれる書籍として、福岡伸一先生著「動的平衡1・2」とともに、今年読んだ中でベスト3です。
追記)
以前、付き合ったことのある南米の彼女と一緒に骨付きの鶏の唐揚げを食べたとき、彼女が骨まで噛み砕いて食べたのを見てびっくりしましたが、勧められるままに私も食べてみたところ、骨髄の味も悪くないと思ったことを思い出しました。唐揚げレベルならエナメル質が薄くなった現代人の臼歯でも簡単に噛み砕いてすり潰すことができました。
人類が火を使うようになってからは、骨そのものをかじってしゃぶることから、骨を煮て骨髄から出汁を取ることに代わる料理がメインになり、骨そのものを噛み砕く食事法が廃れていったのだと思いますが、現代にもその名残があることを目の当たりにした貴重な経験でした。
あえて言うなら、原生人類以降、他のあらゆる動物たちと比べて、人間だけが火を使い熱を加えて調理して食べるようになった食材があるということに関して全く触れていないのが少し残念でした。
著者が主張するように食べ物がその動物の口(歯の形)を決定するのなら、生肉を食らうのと焼いた肉を食べるのでは歯が違って当たり前だと思うし、小麦や米などの穀物しかりだからです。
もちろん、立ち上がったばかりの頃の人類は火など使っていなかったので、推察に何ら問題はありませんが。。。
少し揚げ足を取ったようなレビューになってしまいましたが、私は今年(2013年)この本を読んだのですが、知的好奇心を刺激し満足させてくれる書籍として、福岡伸一先生著「動的平衡1・2」とともに、今年読んだ中でベスト3です。
追記)
以前、付き合ったことのある南米の彼女と一緒に骨付きの鶏の唐揚げを食べたとき、彼女が骨まで噛み砕いて食べたのを見てびっくりしましたが、勧められるままに私も食べてみたところ、骨髄の味も悪くないと思ったことを思い出しました。唐揚げレベルならエナメル質が薄くなった現代人の臼歯でも簡単に噛み砕いてすり潰すことができました。
人類が火を使うようになってからは、骨そのものをかじってしゃぶることから、骨を煮て骨髄から出汁を取ることに代わる料理がメインになり、骨そのものを噛み砕く食事法が廃れていったのだと思いますが、現代にもその名残があることを目の当たりにした貴重な経験でした。