社会技術という技術を提案して複雑化する現代の問題の解決を図るという物
大まかな内容は,PDCAサイクルになぞらえると以下のようになる.
1)問題の認識(P)
問題の分析,構造化,可視化,がキーポイント
2)革新的技術の発想(P)
俯瞰的に問題を把握することによる解決策の発想
文理協働による問題解決の発想
3)それによる社会変化の予測(C)
良い影響と悪い影響の把握
4)その変化の評価(A)
社会変化に対する評価と変更案の作成
ここでDoがないが,問題が大きいためいきなり行動して問題が起きたときの対処が
難しいので,このような形態にして物と思います.
各章や各節で様々な例が記載されていて,わかりやすかったのですが,
できればこの本を通してひとつの例を具体的な部分まで突っ込んで記載された方が
深く理解できたような気がします.
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問題解決のための「社会技術」: 分野を超えた知の協働 (中公新書 1740) 新書 – 2004/3/1
堀井 秀之
(著)
問題を解決するには、まず問題を把握しなければならない。だが現代社会において、問題の全体像はきわめて見えにくい。狂牛病やSARSをめぐる騒動、原発トラブルや医療ミスの隠蔽疑惑などを見ても、特定分野の専門家だけでは十全に対処できないことが明らかである。本書は、複雑化する社会問題を解決し、社会を円滑に運営する「社会技術」の概念を提唱。学問分野の枠を超えた、新たな取り組みを紹介する。
- ISBN-104121017404
- ISBN-13978-4121017406
- 出版社中央公論新社
- 発売日2004/3/1
- 言語日本語
- 本の長さ172ページ
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/3/1)
- 発売日 : 2004/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 172ページ
- ISBN-10 : 4121017404
- ISBN-13 : 978-4121017406
- Amazon 売れ筋ランキング: - 691,046位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、文科省の社会技術研究のリーダーのひとりだったかたです。ただ、社会技術が、技術や学問のシステム化を狙ったものだったのに、本書は、なかのアプローチが逸話の集合になってしまっており、社会技術を支えた考え方そのものが伝わっていませんし、社会技術全体の要約にもなっていません。社会技術研究じたいは、もっと内容の詰まったものでした。本書によって社会技術研究の全体的評価のイメージが形成される可能性を思うと、すこし憂鬱になります。
2007年1月2日に日本でレビュー済み
科学技術の進歩により、複雑で解決困難に見える問題が起こるようになってきた。そのような社会問題を解決するためには、問題を「構造化」&「可視化」し俯瞰的に問題を把握することにより分野を超えた知識を総動員して、社会システムとして解決にあたることが必要である。
筆者は本書の冒頭(はじめに)で、「船が沈むとき、船長は船とともに沈む」という規範を取り上げている。船の安全は、様々な科学技術の進歩により飛躍的に高まった。が、荒れ狂う嵐の中で、今や沈まんとする船を必死に操舵する船長、その指示に船員たちを従わせるものは、法制度でも経済制度でも無く、船長への信頼である。船長への絶対の信頼を担保するものが船長の責任感であり、その責任感を担保するものが「船が沈むとき、船長は船とともに沈む」という規範である。船の工学技術とこの規範を組み合わせたもの、それが船の安全性確保のための「技術」である。
筆者は最新の研究成果として、発生する問題はそれが有するリスク特性により、3種類に分類できることを例示している。
A:低頻度、大被害、自然的、恐怖感大(土砂災害・巨大地震・浸水被害・ビル火災):ハード面の強化、対策への助成・優遇措置、保険制度の充実
B:高頻度、被害個人ベース・小規模、人為的、恐怖感小、未知性小(交差点歩行者事故、農業食品汚染、医療・投薬ミス、個人情報漏洩):有効な対策は様々、統一的な傾向少
C:低頻度、小被害、人為的、未知性大(遺伝子組換食品、臨界事故、薬害エイズ、狂牛病):安全性評価結果・科学的根拠の情報提供、被害メカニズムの解明、ソフト面の強化、規制、市民の意思決定への参加
このように、リスクの特性と有効な対策の関係には一定の関係があることが示唆されており、このような対応関係の理由を解明することにより、普遍的な法則を導き出せる可能性がある。
筆者は本書の冒頭(はじめに)で、「船が沈むとき、船長は船とともに沈む」という規範を取り上げている。船の安全は、様々な科学技術の進歩により飛躍的に高まった。が、荒れ狂う嵐の中で、今や沈まんとする船を必死に操舵する船長、その指示に船員たちを従わせるものは、法制度でも経済制度でも無く、船長への信頼である。船長への絶対の信頼を担保するものが船長の責任感であり、その責任感を担保するものが「船が沈むとき、船長は船とともに沈む」という規範である。船の工学技術とこの規範を組み合わせたもの、それが船の安全性確保のための「技術」である。
筆者は最新の研究成果として、発生する問題はそれが有するリスク特性により、3種類に分類できることを例示している。
A:低頻度、大被害、自然的、恐怖感大(土砂災害・巨大地震・浸水被害・ビル火災):ハード面の強化、対策への助成・優遇措置、保険制度の充実
B:高頻度、被害個人ベース・小規模、人為的、恐怖感小、未知性小(交差点歩行者事故、農業食品汚染、医療・投薬ミス、個人情報漏洩):有効な対策は様々、統一的な傾向少
C:低頻度、小被害、人為的、未知性大(遺伝子組換食品、臨界事故、薬害エイズ、狂牛病):安全性評価結果・科学的根拠の情報提供、被害メカニズムの解明、ソフト面の強化、規制、市民の意思決定への参加
このように、リスクの特性と有効な対策の関係には一定の関係があることが示唆されており、このような対応関係の理由を解明することにより、普遍的な法則を導き出せる可能性がある。
2008年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
問題を発見し、解決し、検証する、というサイクル、いわゆる「問題解決法」についてプロセスとして紹介し、その際に、分野横断的な知識を総動員することの重要性を述べた本。あらためて、こういうプロセスを意識的に行い、視野を広げて取り組むことの大切さを確認できる。ただ、これはコンサルなどでも蓄積されている問題解決のテクニックにも通じるところがあり、特段目新しいものでもない。実践的なテクニックを学びたければ、その方面のテキストを読んだ方がいいだろう。他の分野での解決策をアナロジーとして用いる、とか、「どう解決したか」のパターンをより多く経験し、記憶している人が強い、とか、言わば数学の勉強みたいな側面が問題解決にはあるのだと感じた。文章と内容の深さは今ひとつ。こういうコンセプトがあることを知るには手軽な一冊だろう。
2004年4月13日に日本でレビュー済み
本書は、科学技術の進歩に起因する社会問題の解決困難性を著者独自の視点から捉えなおし、極めて広範な問題に適用できる解決の方法論を構築してしまおうという、斬新かつ大胆な試みを紹介する書であると思う。
「問題解決のために活用できる知を総動員する」「問題の全体像を見渡す」という二点に特徴付けられる解決の方法論は、「問題の認識⇒革新的技術の発想⇒それによる社会変化の予測⇒その変化の評価」というプロセスに沿って行われる。
それ自体は特に目新しくないが、本書の画期的な点は、このプロセスに沿って実際に設計された多様な分野の問題解決策が具体的に提示されていることである。だからこそ、上記のプロセスの各段階でどういうことをやればよいのかが、だんだん分かってくる。「新たに直面する社会問題にも、この方法論によって対処できるのではないか?」という期待を本書が懐かせることに成功している要因がここにあるのではないか。
一つ不満があるとすれば、方法論としての完成度に対してである。例えば、著者は例題に応じて種類の異なる「問題の認識」のアプローチをしているが、それでは「どういうときにどういう方法を選べばよいの?」という点は少々気になる。「革新的技術の発想」についても、もう少し体系的な発想法の提示が欲しかった。この点は著者の今後の展開に期待したい。
「問題解決のために活用できる知を総動員する」「問題の全体像を見渡す」という二点に特徴付けられる解決の方法論は、「問題の認識⇒革新的技術の発想⇒それによる社会変化の予測⇒その変化の評価」というプロセスに沿って行われる。
それ自体は特に目新しくないが、本書の画期的な点は、このプロセスに沿って実際に設計された多様な分野の問題解決策が具体的に提示されていることである。だからこそ、上記のプロセスの各段階でどういうことをやればよいのかが、だんだん分かってくる。「新たに直面する社会問題にも、この方法論によって対処できるのではないか?」という期待を本書が懐かせることに成功している要因がここにあるのではないか。
一つ不満があるとすれば、方法論としての完成度に対してである。例えば、著者は例題に応じて種類の異なる「問題の認識」のアプローチをしているが、それでは「どういうときにどういう方法を選べばよいの?」という点は少々気になる。「革新的技術の発想」についても、もう少し体系的な発想法の提示が欲しかった。この点は著者の今後の展開に期待したい。
2009年12月1日に日本でレビュー済み
現代社会の複雑な問題の解決するための方法について書かれた本かと思って読んだが、技術的なことは、主に、各章の最後にあるコラムなどにあるものの、解決方法のテクニックの本ではなかった。問題の具体例として「講義がおもしろくない」「住宅の耐震化」「原発のトラブル隠し」などについての解析結果について説明しているが、著者がほんとうはこの本の主題にしたかったのではないかと思う、問題解決のため「問題を構造化する」「俯瞰する」「モデル化する」などをどのような考え方でどのような手順で行うのかといった技術的なことの記述は少ない。現代社会にある諸問題の構造の把握(解析)と対応策について書かれた本ではないし、そうかといって、実践的なテクニックの本でもないし、かなり中途半端な印象が残った。
2012年3月20日に日本でレビュー済み
社会的な問題を解決するために、学際的なアプローチが必要
本著のおおまかな問題関心についていえば、まったくその通りだと思います。
ただし、新書だから仕方ないといえばそれまでかもしれませんが
理念ばかりが語られるものの、本著にあっては実践的な取り組みというものがあまり見えてきません。
問題解決を志向するのなら、その理論的フレームワークと同時に
解決の実践(ソーシャルワーク)をも理論の射程に含めて語ってほしいところです。
本著のおおまかな問題関心についていえば、まったくその通りだと思います。
ただし、新書だから仕方ないといえばそれまでかもしれませんが
理念ばかりが語られるものの、本著にあっては実践的な取り組みというものがあまり見えてきません。
問題解決を志向するのなら、その理論的フレームワークと同時に
解決の実践(ソーシャルワーク)をも理論の射程に含めて語ってほしいところです。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会科学と工学の融合について記述した意欲作