<認識>・<意思決定>・<行為>という「組織経営のサイクル」において、第二次大戦以降、<行為>から<意思決定>へと相対的ウェイトがシフトしてきたと言われているけれども、著者はさらに<意思決定>から<認識>への視点のシフトを提唱している。
その視点から、<常識>と<互解>というキーワードで諸行無常の組織を明快に解説されていて、思わず納得させられた。
また、教育に対する論述では、日本を良くしていきたいという著者の強烈な願いを感じた。
著者の更なる活躍とまた新たな著述を期待せずにはいられない。
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組織を変える〈常識〉: 適応モデルで診断する (中公新書 1789) 新書 – 2005/3/1
遠田 雄志
(著)
なぜ組織は変われないのか。古い常識を捨て去り、新たな環境に適応するために組織が肥えなければならない2つのハードルを解明する。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/3/1
- ISBN-104121017897
- ISBN-13978-4121017895
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2005/3/1)
- 発売日 : 2005/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4121017897
- ISBN-13 : 978-4121017895
- Amazon 売れ筋ランキング: - 515,358位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『常識とは、"かなり共通の対人経験"を有する人々が客観的だと同意する事柄である。』(遠山雄志『組織を変える常識』)
わかりやすい。そして、「かなり共通の」っての「かなり」って、定義としてはスピード違反だ。『組織を変える常識』は造語力がすごい。
・想像が自らの環境をも創造する:『想造』
・個人の私的な会話を通して共有された理解:『互解』
時速140kmは間違いなく出ている。
その他,組織の持つ『未練のハードル』『臆病のハードル』が、その組織をどんな組織なのかを特徴づけるとの記述も。『未練のハードル』『臆病のハードル』は、いままでの組織論にはないイメージだ。極めつけは本書における組織の適応モデル・組織の類型分析。本書によれば『阿部一族』(森鴎外)は、おっちょこちょい組織とのこと。完璧にやられた。組織論の本は多い。しかし,本書は、常識というものの働きをコミュニケーションのプロセスの一環として捉えている。
良書だと思う。それになにより、言葉に満ちている。そして、言葉を勝手に作ってはいけないというのもまた常識だったのだなと思い知らされる。
わかりやすい。そして、「かなり共通の」っての「かなり」って、定義としてはスピード違反だ。『組織を変える常識』は造語力がすごい。
・想像が自らの環境をも創造する:『想造』
・個人の私的な会話を通して共有された理解:『互解』
時速140kmは間違いなく出ている。
その他,組織の持つ『未練のハードル』『臆病のハードル』が、その組織をどんな組織なのかを特徴づけるとの記述も。『未練のハードル』『臆病のハードル』は、いままでの組織論にはないイメージだ。極めつけは本書における組織の適応モデル・組織の類型分析。本書によれば『阿部一族』(森鴎外)は、おっちょこちょい組織とのこと。完璧にやられた。組織論の本は多い。しかし,本書は、常識というものの働きをコミュニケーションのプロセスの一環として捉えている。
良書だと思う。それになにより、言葉に満ちている。そして、言葉を勝手に作ってはいけないというのもまた常識だったのだなと思い知らされる。
2008年12月5日に日本でレビュー済み
「我が社の常識は世間の非常識」飲んでいるサラリーマンの口から良く聞こ
えてくる言葉です。
「業界の常識」と言う言葉もあります。食品の偽装行為も、業界の常識と、
世間の常識の違いが偽装の温床になったりしてしまいます。
著者はおごれる平家のような組織で権威主義に閉じ込められた私見が、
外部に出てきた物と解説しています。
食品業界の偽装事件も、組織自体が暴走してしまった結果だと思います。
組織を理論的に考えるときの参考になる一冊です。
えてくる言葉です。
「業界の常識」と言う言葉もあります。食品の偽装行為も、業界の常識と、
世間の常識の違いが偽装の温床になったりしてしまいます。
著者はおごれる平家のような組織で権威主義に閉じ込められた私見が、
外部に出てきた物と解説しています。
食品業界の偽装事件も、組織自体が暴走してしまった結果だと思います。
組織を理論的に考えるときの参考になる一冊です。
2005年5月18日に日本でレビュー済み
新書に論文のような厳密さを求めているわけではない。しかし、ここまで雑になるといけない。
例えば、著者は本書でたびたび国や家族等を例に出して理論を説明しているが内容が浅くなぜ経営学者なのになぜ企業で説明しないのか理解できなかった。正直に言って著者の書きたい事と書けることにギャップを感じた。
私は専門外の事を書くなと言いたいのではなく、この本は専門の範囲内で書けたはずだし専門外のことを書くにしてもきちんと誠意を持って書くべきだと言いたい。
私は組織認知論の本が読みたくてこの本を手にとったのであってエッセイが読みたかった訳ではない。
例えば、著者は本書でたびたび国や家族等を例に出して理論を説明しているが内容が浅くなぜ経営学者なのになぜ企業で説明しないのか理解できなかった。正直に言って著者の書きたい事と書けることにギャップを感じた。
私は専門外の事を書くなと言いたいのではなく、この本は専門の範囲内で書けたはずだし専門外のことを書くにしてもきちんと誠意を持って書くべきだと言いたい。
私は組織認知論の本が読みたくてこの本を手にとったのであってエッセイが読みたかった訳ではない。
2005年4月23日に日本でレビュー済み
基本的には、組織論の本である。会社などのビジネス関係の組織がたくさん取り上げられているが、歴史や生物学の視点もあり、多様な内容になっている。しかも、組織を4つに類型化し、安定していそうな鈍重型組織が結局最下位に順序づけられている。
また、環境に素早く合わせることが経営学の分野では優れた組織とされがちだが、むしろ少し過去を大事にして一時的な変動を一貫した変化と勘違いすることのリスクもちゃんと述べられているなど、当たり前だが文字になっていると新鮮に感じられる部分もあった。
ある程度過去を大事にして、いろいろ試してみる前向きな組織が優れていると述べられている。言行一致にこだわるよりも少しくらいゆれ(この本の中では「ちゃらんぽらん」という言葉さえ使われている)を持った方がかえって優れているといった分析も示されている。
何となく、整理し切れていなかったところが整理でき、単なる組織論の本の足りないと感じていた部分を補ってもらったという印象を持った。
好著。
また、環境に素早く合わせることが経営学の分野では優れた組織とされがちだが、むしろ少し過去を大事にして一時的な変動を一貫した変化と勘違いすることのリスクもちゃんと述べられているなど、当たり前だが文字になっていると新鮮に感じられる部分もあった。
ある程度過去を大事にして、いろいろ試してみる前向きな組織が優れていると述べられている。言行一致にこだわるよりも少しくらいゆれ(この本の中では「ちゃらんぽらん」という言葉さえ使われている)を持った方がかえって優れているといった分析も示されている。
何となく、整理し切れていなかったところが整理でき、単なる組織論の本の足りないと感じていた部分を補ってもらったという印象を持った。
好著。
2005年5月17日に日本でレビュー済み
環境との関係などで、組織で「常識」と思われていたことが変化する。それに対応して組織も変化していく、組織の「適応モデル」を説明した本です。前半は、この「適応モデル」のモデリングの説明です。いろいろな事象から、モデルを組み立てて行きます。また、「よい組織」とは等関連する話題についての議論もあります。後半は、「組織を変える、適用させる」ためのキーとなるコミュニケーションや教育等について具体的に記述されています。
理論的な本です。なぜ「組織は変わるのか、あるいは変われないのか」を説明するモデルの構築のための説明が、ホトンドです。薄めの本ですが、なかり読み応えがありました。提案されているモデル自体は、単純な分、強力な気がします。頭にあって、けっして損しないモデルであると思います。
理論的な本です。なぜ「組織は変わるのか、あるいは変われないのか」を説明するモデルの構築のための説明が、ホトンドです。薄めの本ですが、なかり読み応えがありました。提案されているモデル自体は、単純な分、強力な気がします。頭にあって、けっして損しないモデルであると思います。
2005年8月13日に日本でレビュー済み
本書の主な内容は、副題にも書かれているように「組織を適応モデルで診断する」ということである。その意味では入門書としても適切だし、新たな視点を提供してくれるので有益だといえる。特に組織を意思決定主体ではなく認識する主体という視点から分析している面は新鮮で面白いと感じた。
また不確実性が高い世の中では、よく「トライアンドエラー」方式が好まれるが、なぜこの方式が優れているかをロジカルに説明してくれる本である。一方著者は独自の用語を創造しているが、私は最後まで慣れることが出来なかった。また用語の使い方にしても、例えば不確実性がなく常識が堅固になっている局面を「革新的」と呼んでいることにやや違和感を感じた。読者によっては言葉遣いや用語に戸惑いを感じる方もいるかもしれないが、内容的にはアカデミック関係者だけでなくビジネスマンも十分知見が得られる本である。
また不確実性が高い世の中では、よく「トライアンドエラー」方式が好まれるが、なぜこの方式が優れているかをロジカルに説明してくれる本である。一方著者は独自の用語を創造しているが、私は最後まで慣れることが出来なかった。また用語の使い方にしても、例えば不確実性がなく常識が堅固になっている局面を「革新的」と呼んでいることにやや違和感を感じた。読者によっては言葉遣いや用語に戸惑いを感じる方もいるかもしれないが、内容的にはアカデミック関係者だけでなくビジネスマンも十分知見が得られる本である。