"諸芸術の中で音楽だけがもつ一種宗教的なオーラは、いまだに消滅してはいない(中略)神なき時代の宗教的カタルシスの代用品としての音楽の洪水。ここには現代人が抱えるさまざまな精神的危機の兆候が見え隠れしていると、私には思える"2005年発刊の本書は徹頭徹尾『クラシックの時代』をハイライトに西洋音楽史を解説した良書。
個人的にメタバース芸大RESTで美術史の授業を担当している事から参考のために手にとりました。
さて、そんな本書は専門分野の細分化に対して強い苛立ちを覚えた西洋音楽史研究者である著者が、『一般読者が音楽史の大きな流れを理解できるように』『クラシック音楽』の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が変化していったか、また『クラシック後』にどう変質したのかをコンパクトに解説した一冊で。西洋芸術音楽の定義を『知的エリート階級によって支えられ』『主としてイタリア・フランス・ドイツを中心に発達した』『紙に書かれ設計される(再現性がある)』音楽文化であると定義した上で全7章にかけて、中世、ルネサンス、バロック、ウィーン古典派、ロマン派音楽、第一次世界大戦から現代へと時系列に音楽と共にヨーロッパの歴史を駆け上がっていくのですが。
個人的にはクラシック、そして音楽史は全く門外漢ではあるも、一方で絵画を中心とした西洋美術史は下敷きにある私にとって、本書は『それらと接続する知的興奮』を与えてくれて、ひたすらに楽しかった。
また、残念ながら本書で紹介される多くのクラシック曲が再生される事は私にはありませんでしたが。クラシックに普段から親しまれている方なら、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ワーグナーやシュトラウスと読書しながら、ワクワクと脳内再生されるのではないか。と思いました。
西洋音楽史、クラシックの歴史を、学びたい方に最初の一冊としてオススメ。
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西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏 (中公新書 1816) 新書 – 2005/10/25
岡田 暁生
(著)
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18世紀後半から20世紀前半までの、私たちが最も親しんでいる「クラシック音楽」と、その前後の音楽状況の重要ポイントを詳述。
- ISBN-104121018168
- ISBN-13978-4121018168
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/10/25
- 言語日本語
- 本の長さ256ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2005/10/25)
- 発売日 : 2005/10/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4121018168
- ISBN-13 : 978-4121018168
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,715位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2位クラシック音楽論・理論
- - 13位音楽史
- - 75位中公新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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音楽学者。京都大学人文科学研究所准教授、文学博士。1960年京都生まれ。大阪大学大学院博士課程単位取得満期退学、大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、現職。『オペラの運命』(中公新書・2001年度サントリー学芸賞受賞)、『ピアニストになりたい!』(春秋社・2008年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書・2009年第19回吉田秀和賞受賞)ほか、著書多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『楽都ウィーンの光と陰 (ISBN-10: 4093882371)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中世から現代に至る西洋音楽の歴史を軸にした通史として、とても興味深く、刺激的な内容であった。
通史といっても、歴史の事実を淡々と記載するような無味乾燥なものではなく、あくまでも著者の目線・主張が前面に出ており、読んでいて飽きることがなかった。
ただし、本書を楽しく読めるのは、ある程度クラシック音楽の視聴経験や知識がある読者であり、著者の見解を読者自身の知見と照らし合わせながら、時に大きく頷き、特に疑問を感じつつ読み進めるというのが本書を楽しむスタイルなのではないかと思う。例えば、「フィガロの結婚」の第二幕フィナーレといわれて、ぱっと音楽のイメージが湧くような人にとって、極めて面白い内容になっているのではないかと感じる。
すなわち、クラシック音楽のことはまだあまり詳しくないが、興味を持ち始めたのでクラシック音楽の歴史が分かる本を探している、という読者向けの入門書ではない。
通史といっても、歴史の事実を淡々と記載するような無味乾燥なものではなく、あくまでも著者の目線・主張が前面に出ており、読んでいて飽きることがなかった。
ただし、本書を楽しく読めるのは、ある程度クラシック音楽の視聴経験や知識がある読者であり、著者の見解を読者自身の知見と照らし合わせながら、時に大きく頷き、特に疑問を感じつつ読み進めるというのが本書を楽しむスタイルなのではないかと思う。例えば、「フィガロの結婚」の第二幕フィナーレといわれて、ぱっと音楽のイメージが湧くような人にとって、極めて面白い内容になっているのではないかと感じる。
すなわち、クラシック音楽のことはまだあまり詳しくないが、興味を持ち始めたのでクラシック音楽の歴史が分かる本を探している、という読者向けの入門書ではない。
2021年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よみやすい
2023年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
総花的であるのはタイトル上止むを得ないと思うが、演奏者の立場を考えて欲しい。
2020年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もう90名もの読者の方々のレビューの後に、何か付け加えるなど、おこがましいのは重々承知してはいるが、音楽史、しかも通史で、これ程の名著を私は知らない。
それも本編230頁しかない。内容の豊穣さは分量に比例しない。ただ直ぐに読み終わるのはあまりにもモッタイナイ…(だから何度でも読み返す)
自分の様な一介の素人愛好家でも、これからクラシック音楽の未来は大丈夫だろうか…と、絶望的な心境に囚われる時、本書は最良の手引きとなる。
最終第7章に、1950年代後半だけ採っても、クラシック、モダンジャズ、プレスリーに代表されるポピュラー(著者はアングロサクソン系ポピュラーと呼んでいる。ブリティッシュロックも含むと云う事のようだ)の事績が、余りに数多く同時多発的に重なりあう現象を論じて、それらの音楽が地続きである事を解き明かす…遠くグレゴリア聖歌にクラシックの淵源を探る旅に始まる本書は、モダンジャズで歩みを停める…
さながら、時空を駆け抜け現代に戻った趣きであり、長大な叙事詩である。
音楽ファンの一人として、「指環」かマーラーの交響曲全集を聴き終わった時にしか味わえないような、壮大な感動を超えた何かに触れて、それ以上、言葉を失なう。
ピンポイントで1954~1955年を詳細にレポートした山崎浩太郎氏の「演奏史譚」と通ずる歴史観だが、おそらく著者の歴史観の影響は、想像を越えて伝播したのだろう。
初めて読んで、なぜこれ程自分の実感と一致するのか不思議だった。岡田氏の常識的卓見が観念論や進歩史観の浅薄さを一瞬で飛び越えて、他の著者を通して私にも届いていたのだとしか考えられない。
弁証法進歩史観の祖、ヘーゲルがロッシーニの大ファンだったとゆう、トリビアとも云いきれない考えさせられるエピソードは初めて知った。
もとよりこうした例を挙げだしたら、際限がないが本書に於いて、第一次英仏百年戦争時に、フランスに大挙攻め込んだイギリスに依って、ケルト的なイングランド音楽が大量に流れ込むように持ち込まれ、中世音楽大国のフランスの曲が柔らかく響く、ルネッサンス音楽へ変わっていく。もたらされた英国(まだ🏴)の音楽は、「例えばグリーンスリーヴス的、或いはビートルズ的(!!)なモノ」とのパラフレーズは、恐らく私の朧げなルネサンス音楽のイメージを、真底、払拭してくれる。一生忘れないと思う。
蛇足を承知で敢えて云うと、本書は2005年の刊行なので、録音のみならず、ネットの登場によって、音楽藝術にどのような哲学的(?)価値・混乱・展望が生じたかについての、岡田氏の見解も、例えば対談形式などを交えて、是非とも読みたい。
それも本編230頁しかない。内容の豊穣さは分量に比例しない。ただ直ぐに読み終わるのはあまりにもモッタイナイ…(だから何度でも読み返す)
自分の様な一介の素人愛好家でも、これからクラシック音楽の未来は大丈夫だろうか…と、絶望的な心境に囚われる時、本書は最良の手引きとなる。
最終第7章に、1950年代後半だけ採っても、クラシック、モダンジャズ、プレスリーに代表されるポピュラー(著者はアングロサクソン系ポピュラーと呼んでいる。ブリティッシュロックも含むと云う事のようだ)の事績が、余りに数多く同時多発的に重なりあう現象を論じて、それらの音楽が地続きである事を解き明かす…遠くグレゴリア聖歌にクラシックの淵源を探る旅に始まる本書は、モダンジャズで歩みを停める…
さながら、時空を駆け抜け現代に戻った趣きであり、長大な叙事詩である。
音楽ファンの一人として、「指環」かマーラーの交響曲全集を聴き終わった時にしか味わえないような、壮大な感動を超えた何かに触れて、それ以上、言葉を失なう。
ピンポイントで1954~1955年を詳細にレポートした山崎浩太郎氏の「演奏史譚」と通ずる歴史観だが、おそらく著者の歴史観の影響は、想像を越えて伝播したのだろう。
初めて読んで、なぜこれ程自分の実感と一致するのか不思議だった。岡田氏の常識的卓見が観念論や進歩史観の浅薄さを一瞬で飛び越えて、他の著者を通して私にも届いていたのだとしか考えられない。
弁証法進歩史観の祖、ヘーゲルがロッシーニの大ファンだったとゆう、トリビアとも云いきれない考えさせられるエピソードは初めて知った。
もとよりこうした例を挙げだしたら、際限がないが本書に於いて、第一次英仏百年戦争時に、フランスに大挙攻め込んだイギリスに依って、ケルト的なイングランド音楽が大量に流れ込むように持ち込まれ、中世音楽大国のフランスの曲が柔らかく響く、ルネッサンス音楽へ変わっていく。もたらされた英国(まだ🏴)の音楽は、「例えばグリーンスリーヴス的、或いはビートルズ的(!!)なモノ」とのパラフレーズは、恐らく私の朧げなルネサンス音楽のイメージを、真底、払拭してくれる。一生忘れないと思う。
蛇足を承知で敢えて云うと、本書は2005年の刊行なので、録音のみならず、ネットの登場によって、音楽藝術にどのような哲学的(?)価値・混乱・展望が生じたかについての、岡田氏の見解も、例えば対談形式などを交えて、是非とも読みたい。
2019年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この著書で特に興味ある箇所(第5章、6章)を熟読してみました。
それ以前と何がどのように変わり、その背景にはどのようなことがあったのかが
とてもわかりやすく書かれており、著者の解釈も違和感なく納得することができました。
勿論この後の楽しみの1つとして通読も含まれますが、
このような読み方でも十分楽しめる著書であると明言しておきます。
それ以前と何がどのように変わり、その背景にはどのようなことがあったのかが
とてもわかりやすく書かれており、著者の解釈も違和感なく納得することができました。
勿論この後の楽しみの1つとして通読も含まれますが、
このような読み方でも十分楽しめる著書であると明言しておきます。