国連特命全権大使として活動された著者さんが、その活動内容や生活、活動の意義などを自身の実体験を元に書き記した1冊でした。
5章では、ある1日の活動が具体的に書かれていました。
そこからは、とてもせわしなく過ぎていく日常が、私なりにはですが鮮やかに想像できてリアリティを感じました。
他の章では大使の間で行われていることも書かれていました。
例えば、各種会議、会合、芸術鑑賞、ランチ、ディナー、PKOの現地視察などです。
普段から大使間のコミュニケーションを密にしたり、必要な折には折衝を行うことで、投票やスピーチの順番など、様々な事柄を国益にかなうよう進めていくそうです。
そういった中での交換条件などのやりとりも、ある程度の範囲で書かれていて面白かったです。
全体では終始会合の進め方はどこの国のリーダシップがあるとか、常任理事国の拒否権などのパワーバランスの話が尽きず、まさに「国連の政治力学」というタイトルそのものに思えました。
また、安保理の常任理事国入りを願うことやその意義が繰り返し説かれていました。
一番熱が入っているメッセージが常任理事国入りなのかな?と思いました。
感想としては、国連活動や平和が具体的にどのように国益に資するのか書いていただけるともっとわかりやすかったです。
この本は、国連での立場を優位にすることが国益になる、という視点で書かれていると見ましたし、投票の約束などもまさにそれだと思います。
しかし、国連の活動で得られる具体的な国益の例示がなく、自分の知識も浅いので何処か合点のつかぬ印象で読み進めることになりました。
例えば、中東の情勢なら石油が運びづらくなるので、紛争がない方が良いとかわかります。
しかし、アフリカの紛争が国益にどう関わるのかよく知らないのです。
(むしろ、日本とは無関係に数十年間ずっとドンパチやり続けている印象を持っていますが)
また、武器を輸出して儲けたい国は、ある地域の平和=国益でもないでしょうし、やはり国益の具体的な例示はしていただいた方が、門外漢の私でもよくわかったかなと思いました。
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国連の政治力学: 日本はどこにいるのか (中公新書 1899) 新書 – 2007/5/25
北岡 伸一
(著)
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- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2007/5/25
- ISBN-104121018990
- ISBN-13978-4121018991
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2007/5/25)
- 発売日 : 2007/5/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 302ページ
- ISBN-10 : 4121018990
- ISBN-13 : 978-4121018991
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2018年12月7日に日本でレビュー済み
10年余り前でまだ企業で働いていたころ、興味をもつて新刊書として購入したものの、いろいろ取り紛れて放置してしまった。本棚を整理しているときに見つけて、遅ればせながら読んでみた次第であった。
私たち日本の一般大衆にとって「国連」の印象はあまり芳しいものではない。常任理事国という特権的な5か国があって、大事な案件に限ってたいてい中国やロシアの拒否権で望ましい行動はできない。人権委員会というのがあって、韓国や中国の暗躍で、クマラスワミ報告などという理不尽な日本を貶める声明が出る。日本にとって害はあっても益がほとんどないように思えるのに、分担金は世界でもトップレベルに近い。
最近は存在感が薄いけれども10年ほど前までは、小沢一郎氏が「国連中心主義」を提唱して、メディアでもてはやされたりしていた。ほとんどウンザリという印象が強かった。
しかしこの本で、国連に自ら飛び込んで、前向きに国連のため、日本のために働いた第一級の政治学者の体験にもとづく国連論を読むと、私たちももっと国連に対してまじめに向き合わないといけない、という気持ちになった。
世界に200ちかくに達しようとするほどの数の国家があり、巨大国も微小国も、豊かなくにも最貧国も、みな同じ発言力を担保されている組織であるがため、理念的には理想的、現実にはほとんで決定できないという深刻な事情を、冷静に受け止めて、それでも世界中のどの国ともコンタクトできる貴重なルートであることを、しっかり強かに活用することが大切であることを思った。
机上で、あるいは頭の中だけでの議論ではなく、この本のような最前線の実務体験に基づいた論考を、今後もつぎつぎに出版していただきたい。
私たち日本の一般大衆にとって「国連」の印象はあまり芳しいものではない。常任理事国という特権的な5か国があって、大事な案件に限ってたいてい中国やロシアの拒否権で望ましい行動はできない。人権委員会というのがあって、韓国や中国の暗躍で、クマラスワミ報告などという理不尽な日本を貶める声明が出る。日本にとって害はあっても益がほとんどないように思えるのに、分担金は世界でもトップレベルに近い。
最近は存在感が薄いけれども10年ほど前までは、小沢一郎氏が「国連中心主義」を提唱して、メディアでもてはやされたりしていた。ほとんどウンザリという印象が強かった。
しかしこの本で、国連に自ら飛び込んで、前向きに国連のため、日本のために働いた第一級の政治学者の体験にもとづく国連論を読むと、私たちももっと国連に対してまじめに向き合わないといけない、という気持ちになった。
世界に200ちかくに達しようとするほどの数の国家があり、巨大国も微小国も、豊かなくにも最貧国も、みな同じ発言力を担保されている組織であるがため、理念的には理想的、現実にはほとんで決定できないという深刻な事情を、冷静に受け止めて、それでも世界中のどの国ともコンタクトできる貴重なルートであることを、しっかり強かに活用することが大切であることを思った。
机上で、あるいは頭の中だけでの議論ではなく、この本のような最前線の実務体験に基づいた論考を、今後もつぎつぎに出版していただきたい。
2022年3月27日に日本でレビュー済み
JICAの理事長である北岡伸一さんが国連代表部次席代表時代の経験をまとめたもの。第2次大戦の戦勝国が常任理事国として君臨した国連という組織で、日本が国連をどうしたのか、という問題意識に対する答えを求めて読んでみたが、そこは空白だった。北岡伸一さんと言えば、安倍政権での集団的自衛権の閣議決定案を作った人で、日本政府の政策に関与する学者のひとりだ。
国連を外交手段としてもっともよく使いこなしているのは、安保理で拒否権を持ち、これを最大限利用して外交を展開してきたのがロシアで、自国に都合の良いときには国連を利用し、国連が都合が悪くなればウクライナ侵攻のように無視する。国連重視という意識もないアメリカなど、国連の常任理事国が中国、フランス、ロシア、英国、米国なので、これらの国々は国連を利用するだけの存在と考えていてもおかしくない。
現在の日本の政治には、国内政策として「新しい資本主義」「デジタル田園都市構想」などがあるが、グローバルな戦略はない。グローバルな戦略があれば、そのために国連をどう活かすか、という発想になるが、アメリカ一辺倒にならない歯止めとしての国連中心主義では手段と目的が逆転してしまっている。これでは日本が常任理事国になったとしても意味がない。
国連を外交手段としてもっともよく使いこなしているのは、安保理で拒否権を持ち、これを最大限利用して外交を展開してきたのがロシアで、自国に都合の良いときには国連を利用し、国連が都合が悪くなればウクライナ侵攻のように無視する。国連重視という意識もないアメリカなど、国連の常任理事国が中国、フランス、ロシア、英国、米国なので、これらの国々は国連を利用するだけの存在と考えていてもおかしくない。
現在の日本の政治には、国内政策として「新しい資本主義」「デジタル田園都市構想」などがあるが、グローバルな戦略はない。グローバルな戦略があれば、そのために国連をどう活かすか、という発想になるが、アメリカ一辺倒にならない歯止めとしての国連中心主義では手段と目的が逆転してしまっている。これでは日本が常任理事国になったとしても意味がない。
2024年1月7日に日本でレビュー済み
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とにかく自分は優秀で仕事してます感満載の本
ふわっとしていて、とても高潔なことが書かれているようで中身が無い
事あるごとに、よし!会議だ。ブレイクタイムって
そんなことやってる場合なんですかね?
この本を読んでいて頭に浮かんだヤンウェンリーの言葉
『我々より旨いものを食って我々より深刻な顔をして』
雲の上の世界やね
巻末まで読んでみて感じたことを追加
実際の政治背景とか海外情勢は知らんが、
こちらの持てる知識、確認の取れてる情報の範疇で言わせてもらうなら
お上が使うお約束のレトリックが多用されてるのと
明らかにペテンだと確認が取れてること、実際の現場感覚から乖離したことも
さも当然のことであることのように話がまかり通っている
ご都合主義感は否めない。まぁ胡散臭いよね
ふわっとしていて、とても高潔なことが書かれているようで中身が無い
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さも当然のことであることのように話がまかり通っている
ご都合主義感は否めない。まぁ胡散臭いよね
2018年1月21日に日本でレビュー済み
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現JICA理事長で、国際政治学者(専門は日本政治外交史)が国連本部に派遣されていたときの体験記。国連の意思決定がどのようになされるのか、日本は国連をどう活用していくべきか書かれている。特に、前者のほうは実務経験をもとに書かれており面白い。ジェフリー・サックスが住友化学と接触していたり、へーというな事実も。外交もミクロでは一対一の個人の信頼関係をベースにしていて、著者は日本の外交官を勤勉で優秀と評していたが、勤勉が頭にくるあたりから察するところもある。筆者のように、博識な他国外交官とわたりあえる、アカデミズムと実務を行ききする人が日本にはもっと必要。
2009年4月4日に日本でレビュー済み
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東大法学部教授が二〇〇四年四月から〇六年九月まで次席代表として出向した現場経験に基づき、ニューヨークの日本国連代表部を軸とした「政治力学」を論考。この期間はG4(日本・ドイツ・インド・ブラジル)案による〇五年三月から八月にかけての安保理改革運動投入を含み、非常任理事国としての安保理外交実務体験(議題の多くは各国PKO=平和維持活動)と相俟って、著者は日本の同常任理事国入りに入魂。その資格は「世界の平和と安全に寄与する意思と能力」だとし、過去六十年間平和愛好国家として戦争をせず、大量破壊兵器を保有せず、アジアの途上国出で先進国となり周辺国の経済援助・発展に貢献し、文民力をもつ日本が常任理事国入りすることは「日本の国益を超えた、世界秩序に対する責任」かつ「義務である」とその大義を力説します(同感します)。国内人道問題で最近大統領がICC(国際刑事裁判所)から逮捕状を発布されたスーダンでのPKO事情(現地視察を含む)からは、国民の税金投入と、人権の観点から取組み範囲を広める安保理政策実施の関わりの実例を知るのに役立ちます。また第三者同士の意思疎通促進、現地当事国の自律解決を尊重する精神、人間の安全保障推進が日本外交の特徴・長所であることも確認。全体を通じた筆致にやや粗雑感が否めないものの国連代表部の現場を伝えてくれる価値があります。東大教授としては等身大の国連を扱う機会を増やし同大学生に国連への興味を湧かせながら必要な資質を備えた人材開発が。また東アジア全体のグローバルな安全保障意識の高まりをみながら、日本で論議が進む平和安全協力の一般法を始め、法学者としては日本と日本人の国連参加を支援する法的環境強化が期待されます。結局は日本人自体の国連への全体的アクセス環境向上が、世界平和のための日本の国連参加を底上げし、正当な「政治力学」強化に繋がるのですから。