「書きたい or 書かなきゃならん内容は決まってるけど、どう書いたら伝わりやすいの?」という人へ、「ここに気をつけたら、失点を減らせるよ」と教えてくれる本です(p9にズバッと書かれています)。
例示されている「ここに気をつけたら」のポイントは、オーソドックスなものです。私にとっては、助詞について(p64-77あたり)と翻訳調について(p83-99あたり)の話以外は退屈な内容でした。
ただ、著者はこの本で説いている「引用」の力を使って、退屈な内容を面白く読ませてくれます。
具体的には、
>どうしたら長文を撃退できるか、その方法をお見せしよう。ただし(今後もそうであるが)文章指南書がよくやる素人の作例は絶対に使わない。あれはやっている本人はご満悦かもしれないが、一種の弱いものいじめだ(合意が成り立っている、学校やカルチャーセンターのような教育現場では話が別だが)。大物に登場願おう。(p24-25より)
と前置きして、谷崎潤一郎や横溝正史を引用して「こんな文は書かんでくださいよ」とぶった切ってくれます。
谷崎については直後に「引用した内容で『推敲のときの音読はおすすめ』というのは賛成だ」、横溝については直前に「書きやすい文章のため、決まり文句を採取するのにおすすめ」と持ち上げているので、なおさら印象に残りました。
2年半前に買いましたが、何度も読み返してます。そのたびに「あぁ自分のテキストのここ直さなきゃなぁ」ってなります……わかっちゃいるんだけど締め切りが近かったり「こんな記事どうでもええやろ」って内心で思ってたりすると気が抜けてしまって、文がヒッチャカメッチャカに……
なお、「見た人の心に刺さるコピーが書きたい」「noteなどでPVを上げる記事を書きたい」などという内容はカバーしておりません。タイトルに偽りなし――あくまで「作文術」です。
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日本語作文術 (中公新書 2056) 新書 – 2010/5/25
野内 良三
(著)
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- ISBN-104121020561
- ISBN-13978-4121020567
- 出版社中央公論新社
- 発売日2010/5/25
- 言語日本語
- 寸法11 x 1.3 x 17.5 cm
- 本の長さ239ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2010/5/25)
- 発売日 : 2010/5/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 239ページ
- ISBN-10 : 4121020561
- ISBN-13 : 978-4121020567
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,665位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 55位論文作法・文章技術
- - 88位中公新書
- - 6,111位ノンフィクション (本)
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2021年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年5月27日に日本でレビュー済み
小論文を書くために購入しましたが期待していたような参考資料にはならず。内容としてはよいかと思いますが図書館で借りる程度で充分かと思います。
2013年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルに興味があり買ってみました。よんでみて楽しかったです
2010年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年春に新聞新刊広告で「結→起承→展」というコピーを見て、
書店の平台で読みいって購入。
その後、この年末までに続いて2冊購入、3冊人に贈りました。
つまり1冊も手元に残っていません。これが★ひとつマイナスの理由です。
持っていると人にあげたくなる、そしてまた買う、ちょっと危険な本です。
長所は、論旨がはっきりしてパワフルなこと。
「実用文では、結論をあたまに持ってくる」は、
人に「話がわかりづらい」と言われることが多かった私の話し方も変えました。
1、悪文例をご自分で書いていること、
2、説明文自体も本の趣旨どおり実際的でさばさばしているところが好きです。
(文章読本って美文を意識したものが多く、それだけでへきえきでした)
太っ腹で、いい意味で短気なお人柄がのぞきます。
つまり、出し惜しみなし。非常に「いさぎよい」文章読本です。
仕事にも、私生活でも、非常に有用でした。
(現在も買おうとしているので「有用です」ですか。)
書店の平台で読みいって購入。
その後、この年末までに続いて2冊購入、3冊人に贈りました。
つまり1冊も手元に残っていません。これが★ひとつマイナスの理由です。
持っていると人にあげたくなる、そしてまた買う、ちょっと危険な本です。
長所は、論旨がはっきりしてパワフルなこと。
「実用文では、結論をあたまに持ってくる」は、
人に「話がわかりづらい」と言われることが多かった私の話し方も変えました。
1、悪文例をご自分で書いていること、
2、説明文自体も本の趣旨どおり実際的でさばさばしているところが好きです。
(文章読本って美文を意識したものが多く、それだけでへきえきでした)
太っ腹で、いい意味で短気なお人柄がのぞきます。
つまり、出し惜しみなし。非常に「いさぎよい」文章読本です。
仕事にも、私生活でも、非常に有用でした。
(現在も買おうとしているので「有用です」ですか。)
2010年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文を書くときに読者に対して魅力的な文書を掛けているのか?読みやすい文書を書くことができているのかを確認したくて購入通読
読んでみると日本語の性質を論理的に解析して今まで学生生活で学んだ文の作り方(「起承転結」など)に疑問を投げかけると同時にこうしたほうが、読者に対して最適な文章になる可能性があると提案してくれている。著者が提示してくれてる日本語の書き方の提案はそれぞれの提案に対して何故そのようにしたほうがいいかを説明したうえで提示してくれているので非常にしっくりときます。面白かったのは文節は長い物から並べろというのは面白かった。日本語が並列型であり、文の順序を定義しにくいために読みやすい文書を構築する上では必要な思考だと感じた。日本語が発話環境依存型だという定義も認識し置くことで最適な文書を今自分が作成できているかを見直す基準になりそうだ。
文書を書くことが多い人でその文書がなんだかしっくりとこないと感じている人は、本書を読むことで自分の書く文書の足りないものが見えてきて、よりブラッシュアップされた日本語の構築ができるようになるかもしれません。
読んでみると日本語の性質を論理的に解析して今まで学生生活で学んだ文の作り方(「起承転結」など)に疑問を投げかけると同時にこうしたほうが、読者に対して最適な文章になる可能性があると提案してくれている。著者が提示してくれてる日本語の書き方の提案はそれぞれの提案に対して何故そのようにしたほうがいいかを説明したうえで提示してくれているので非常にしっくりときます。面白かったのは文節は長い物から並べろというのは面白かった。日本語が並列型であり、文の順序を定義しにくいために読みやすい文書を構築する上では必要な思考だと感じた。日本語が発話環境依存型だという定義も認識し置くことで最適な文書を今自分が作成できているかを見直す基準になりそうだ。
文書を書くことが多い人でその文書がなんだかしっくりとこないと感じている人は、本書を読むことで自分の書く文書の足りないものが見えてきて、よりブラッシュアップされた日本語の構築ができるようになるかもしれません。
2011年11月21日に日本でレビュー済み
1934年の谷崎潤一郎の『文章読本(とくほん)』以降、今日まで書店に並んだ文章読本は枚挙に暇がないが、『日本語作文術――伝わる文章を書くために』(野内良三著、中公新書)は、類書とは異なり、実に大胆な、小気味よい文章読本である。
本書が対象としているのは、文系、理系を問わず、実務、職場、学術など多様な場面に対応できる汎用性の高い文章、すなわち「実用文」である。そして、ひたすら技術的、実用的な入門書であることを目指している。具体的には、●読み易いこと、●分かり易いこと、●説得力があること――この3つの要件を満たすことだ。
これまで出版された81冊の文章読本から導き出されるのは、次の5大心得だという。●分かり易く書け、●短く書け、●書き出しに気を配れ、●起承転結に則って書け、●品位を持て。これに対し、著者は1番目と2番目には同感しているが、3番目〜5番目にはクレームをつけている。文章読本の憲法ともいうべき5大心得に、これほど明確に反逆している文章読本は珍しい。3番目については、書き出しが平凡な名文なんていくらでもある、書き出しは素晴らしいに越したことはないが、もっと大切なのはその後だ、どう発展させるかが問題だ、と反論している。4番目については、起承転結はもともと漢詩の作法であり、実用文では窮屈な起承転結に拘る必要はない、話題を「転じる」のではなく、むしろ「展じる(展開する)」べき、というのだ。5番目に至っては、噴飯ものだと怒っている。古来、品性下劣な人間でも、ひとたび筆を執れば「品位」「品格」を帯びた文章を書く例が少なくない、と厳しい。しかも、この5番目が、「新奇な語(新語・流行語・外来語など)を使うな」、「紋切り型を使うな」、「軽薄な表現はするな」といった禁忌に繋がっていく危険性を指摘している。
それでは、著者独自の作文術の心得とは、いかなるものか。先ず「短文道場」では、「短文は悪文を退治する」のテーマのもと、短文で分かり易く書く具体的な方法が伝授されている。そして、章末に練習問題と解答例が掲載されている。
次の「段落道場」では、対象が「文」から「文章」に進められている。実用文とは「人を説得するために書くもの・書かれたもの」で、説得力のある文章の要件は、●曖昧でないこと(誤読・誤解を誘わないこと)、●難解でないこと(難しい表現や特殊な用語が使われていないこと)、●独りよがりでないこと(不快の念を与えないこと)――である。この3つに共通しているのは「読み手に対する濃やかな気配りである。説得は相手から『同意を取りつけること』である。相手の心を動かすためには、相手に対する思いやりが求められる」と著者が述べているが、全く同感である。このことから「文章の雛形はラヴレター」といわれるのだ。
段落を組み立てる「論証道場」では、演繹法――与えられた確実な前提(法則的なもの)から出発して結論(主張)を引き出すプロセス――と、帰納法――特殊(個々の事例)から出発して、一般化に向かうプロセス――の具体的な応用例が示されている。
最後は、著者の持論である、定型表現を使いこなすための「日本語語彙道場」であるが、著者が収集したオノマトペ(擬声語と擬態語)、慣用句、名言・格言・諺、文章を展開するとき使える便利な表現の宝庫となっている。
本書が対象としているのは、文系、理系を問わず、実務、職場、学術など多様な場面に対応できる汎用性の高い文章、すなわち「実用文」である。そして、ひたすら技術的、実用的な入門書であることを目指している。具体的には、●読み易いこと、●分かり易いこと、●説得力があること――この3つの要件を満たすことだ。
これまで出版された81冊の文章読本から導き出されるのは、次の5大心得だという。●分かり易く書け、●短く書け、●書き出しに気を配れ、●起承転結に則って書け、●品位を持て。これに対し、著者は1番目と2番目には同感しているが、3番目〜5番目にはクレームをつけている。文章読本の憲法ともいうべき5大心得に、これほど明確に反逆している文章読本は珍しい。3番目については、書き出しが平凡な名文なんていくらでもある、書き出しは素晴らしいに越したことはないが、もっと大切なのはその後だ、どう発展させるかが問題だ、と反論している。4番目については、起承転結はもともと漢詩の作法であり、実用文では窮屈な起承転結に拘る必要はない、話題を「転じる」のではなく、むしろ「展じる(展開する)」べき、というのだ。5番目に至っては、噴飯ものだと怒っている。古来、品性下劣な人間でも、ひとたび筆を執れば「品位」「品格」を帯びた文章を書く例が少なくない、と厳しい。しかも、この5番目が、「新奇な語(新語・流行語・外来語など)を使うな」、「紋切り型を使うな」、「軽薄な表現はするな」といった禁忌に繋がっていく危険性を指摘している。
それでは、著者独自の作文術の心得とは、いかなるものか。先ず「短文道場」では、「短文は悪文を退治する」のテーマのもと、短文で分かり易く書く具体的な方法が伝授されている。そして、章末に練習問題と解答例が掲載されている。
次の「段落道場」では、対象が「文」から「文章」に進められている。実用文とは「人を説得するために書くもの・書かれたもの」で、説得力のある文章の要件は、●曖昧でないこと(誤読・誤解を誘わないこと)、●難解でないこと(難しい表現や特殊な用語が使われていないこと)、●独りよがりでないこと(不快の念を与えないこと)――である。この3つに共通しているのは「読み手に対する濃やかな気配りである。説得は相手から『同意を取りつけること』である。相手の心を動かすためには、相手に対する思いやりが求められる」と著者が述べているが、全く同感である。このことから「文章の雛形はラヴレター」といわれるのだ。
段落を組み立てる「論証道場」では、演繹法――与えられた確実な前提(法則的なもの)から出発して結論(主張)を引き出すプロセス――と、帰納法――特殊(個々の事例)から出発して、一般化に向かうプロセス――の具体的な応用例が示されている。
最後は、著者の持論である、定型表現を使いこなすための「日本語語彙道場」であるが、著者が収集したオノマトペ(擬声語と擬態語)、慣用句、名言・格言・諺、文章を展開するとき使える便利な表現の宝庫となっている。
2014年8月2日に日本でレビュー済み
意図を正確に伝えると言う意味での「達意」の文章を書けるようになるためにはどうすれば良いか?と言うのが本書のテーマ。第1章では文単位、第2章では段落単位、第3章では論証という構成。第1章は日本語の構造について色々と考えさせられる点も多かったが、その後の話になると一通りのありきたりな話も多い。冒頭では、実用文の書き方を学ぶことが目標というところから始まるが、出てくる例文は「実用文」とは思えない。その意味では、実践的な「実用文」のプロではなくて、結局、大学の先生が書いた本。だから実用的でないというところと、だから汎用的に実用にも使えるというところの両方が含まれているのではないか。文章の書き方を一度考え直してみようというときには、こういう本も1冊読んでおくのも良い。
「定型表現をうまく利用する」というのはもっともなのだが、最後の4章に上げられている定型表現は、1944年の戦中生まれの方の定型表現。そう思って読むと、それはそれで興味深いかもしれない。ここは、趣旨だけ納得すれば良い。
「日本語の主語は『補語』でしかない」とか、「日本語の『コンテクスト』依存」とか、「ハ」と「ガ」の使い分けの重要性などの指摘は、良く言われることではあるが、改めて勉強になった。
興味深かったのは、「長い語群を前に出す」と「抽象的ー観念的な内容を書くときは無生物主語を駆使した名詞中心の構文を心がける」という二つの点。英語などでは、修飾語や関係代名詞で、文は後の方が重いし、頭は軽くするのが基本である。それを漢文の返り点の要領で日本語に訳すると、修飾語や関係代名詞の内容を前に持ってくることになり、今度は原文の論理の流れが崩れてしまう。また、無生物主語をそのまま直訳すると、日本語らしくならない。つまり、この2点は翻訳としては避けたいことを、日本語の文章の書き方として勧めていることになる。翻訳もされてきた方なので、その点は当然意識して書かれているのだと思う。これを、日本語の書き方としてどう考えるか。
無生物主語にしても、翻訳調の影響か、昔ほど不自然なものとも言えなくなっているのも事実だろう。文の頭に長い語群を持ってきても、最初から日本語で考えて日本語で書いているのであれば、論理がつながらなくなるということもないだろう。要は、程度問題で、そこは書く人のセンスと言うことになる。そうなると、これは「実用文」のマニュアル的な書き方指導の問題ではないかもしれない。「文章」と言うよりも、「文体」の問題に入ってくる。最後にそこに至ると、この本の趣旨から見て破綻していることになるのかもしれない。
いずれにせよ、こういう点は文章を現在書く上でポイントになるので注意が必要だと言うことは間違いないだろう。全部、本多勝一「日本語の作文技術」に書いてあるけれど、今のゆとり世代の若い人には、レベルを下げたところに設定して、取っつきやすくした本書の方が敷居が低くて楽なのかもしれない。こうしたことを改めて考えさせられたので、この本を読んで有益だった。
「定型表現をうまく利用する」というのはもっともなのだが、最後の4章に上げられている定型表現は、1944年の戦中生まれの方の定型表現。そう思って読むと、それはそれで興味深いかもしれない。ここは、趣旨だけ納得すれば良い。
「日本語の主語は『補語』でしかない」とか、「日本語の『コンテクスト』依存」とか、「ハ」と「ガ」の使い分けの重要性などの指摘は、良く言われることではあるが、改めて勉強になった。
興味深かったのは、「長い語群を前に出す」と「抽象的ー観念的な内容を書くときは無生物主語を駆使した名詞中心の構文を心がける」という二つの点。英語などでは、修飾語や関係代名詞で、文は後の方が重いし、頭は軽くするのが基本である。それを漢文の返り点の要領で日本語に訳すると、修飾語や関係代名詞の内容を前に持ってくることになり、今度は原文の論理の流れが崩れてしまう。また、無生物主語をそのまま直訳すると、日本語らしくならない。つまり、この2点は翻訳としては避けたいことを、日本語の文章の書き方として勧めていることになる。翻訳もされてきた方なので、その点は当然意識して書かれているのだと思う。これを、日本語の書き方としてどう考えるか。
無生物主語にしても、翻訳調の影響か、昔ほど不自然なものとも言えなくなっているのも事実だろう。文の頭に長い語群を持ってきても、最初から日本語で考えて日本語で書いているのであれば、論理がつながらなくなるということもないだろう。要は、程度問題で、そこは書く人のセンスと言うことになる。そうなると、これは「実用文」のマニュアル的な書き方指導の問題ではないかもしれない。「文章」と言うよりも、「文体」の問題に入ってくる。最後にそこに至ると、この本の趣旨から見て破綻していることになるのかもしれない。
いずれにせよ、こういう点は文章を現在書く上でポイントになるので注意が必要だと言うことは間違いないだろう。全部、本多勝一「日本語の作文技術」に書いてあるけれど、今のゆとり世代の若い人には、レベルを下げたところに設定して、取っつきやすくした本書の方が敷居が低くて楽なのかもしれない。こうしたことを改めて考えさせられたので、この本を読んで有益だった。