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贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書 2139) 新書 – 2011/11/24
桜井 英治
(著)
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一年中贈り物が飛び交い、損得の釣り合いを重視する中世人の精神を探り、義理や賄賂といったイメージをまとい続ける贈与の源泉に迫る
- ISBN-104121021398
- ISBN-13978-4121021397
- 出版社中央公論新社
- 発売日2011/11/24
- 言語日本語
- 寸法11.1 x 1.1 x 17.4 cm
- 本の長さ232ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2011/11/24)
- 発売日 : 2011/11/24
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4121021398
- ISBN-13 : 978-4121021397
- 寸法 : 11.1 x 1.1 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 116,716位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年5月26日に日本でレビュー済み
「贈与」というと、私たちは「お中元」や「お歳暮」あるいは誕生日等の各種イベントに伴うプレゼントや親から子への財産の移動、さらには賄賂などといった行為を思い浮かべる。多分、「贈与」という利他的行為自体は、母から子への授乳なども含めれば、人類の歴史とともに歩んできた観念でもあろう。ところで、著者の桜井英治氏は、東京大学大学院総合文化研究科の准教授で、日本の中世史や流通経済史を専門としている。同じく東大で史料編纂所の教授を務める本郷恵子氏は、その著『 蕩尽する中世 』(新潮選書,2012年)において、日本の中世を「蕩尽=過剰な消費」といった視点で描いてみせた。本郷氏は「需要(消費)が経済を引っ張る」といった、言わば“demand pull 型”の中世像を提示した訳だが、桜井氏はフェルナン・ブローデルの視座なども参考にしつつ、「贈与」という切り口で日本の中世を語っている。
無論、本郷氏も、例えば桜井氏の研究成果である室町幕府の「贈与依存型財政」には触れている。すなわち、「贈答にまつわるさまざまな無駄を最小化して、政権にとってできるだけ多くの利益があがるような仕組みを実現したのが、15世紀の室町幕府である」(前掲書p.218)と言及しているからだ。それはさておき、当書の大きな特徴として、中世日本における「贈与経済(gift economy)」と「市場経済(market economy)」への考察がある。とりわけ、桜井氏は「年貢の代銭納制が普及した13世紀後半以降の日本列島は確実に市場経済社会に入っており、それは石高制のもとで米納年貢制が復活する16世紀後半まで約300年間にわたって存続した」(本書p.113)と比定し、「年貢の代銭納制」等について、「この出来事は中世日本の経済にとって最大の事件であったといっても過言ではない」(同前p.110)と論断している。
こうした市場経済化の背景には「宋・元交替」という中国の国内事情が関連し、大量の銅銭が日本に流入してきた、という歴史的事象も影響を及ぼしているみたいだ。そして、日本の中世後期は、「贈与経済」と「市場経済」という二つのファクターが複雑に絡み合いながら展開されていく。ここで面白いのは、市場経済化の進展、つまり商品需要の拡大膨張に伴い、朝廷や幕府が貨幣鋳造を行わず、中国の銅銭に依存していれば、本来ならマネーサプライの不足が起きるのだが、それがあまり顕在化しなかったようにも思われることだ。実は、そこに「贈与経済」の持つインプリケーションがあろう。「贈与経済」とは、まさに本郷氏のいう「現銭の経済圏」に対する「モノの経済圏」でもあるのだが、結果として「モノ(贈答品等)」が貨幣の役割を果たし、地域通貨的なコミュニケーション・メディアとしての機能も併せ持っていたのだろう。
Amazonで購入
「贈与」というと、私たちは「お中元」や「お歳暮」あるいは誕生日等の各種イベントに伴うプレゼントや親から子への財産の移動、さらには賄賂などといった行為を思い浮かべる。多分、「贈与」という利他的行為自体は、母から子への授乳なども含めれば、人類の歴史とともに歩んできた観念でもあろう。ところで、著者の桜井英治氏は、東京大学大学院総合文化研究科の准教授で、日本の中世史や流通経済史を専門としている。同じく東大で史料編纂所の教授を務める本郷恵子氏は、その著『 蕩尽する中世 』(新潮選書,2012年)において、日本の中世を「蕩尽=過剰な消費」といった視点で描いてみせた。本郷氏は「需要(消費)が経済を引っ張る」といった、言わば“demand pull 型”の中世像を提示した訳だが、桜井氏はフェルナン・ブローデルの視座なども参考にしつつ、「贈与」という切り口で日本の中世を語っている。
無論、本郷氏も、例えば桜井氏の研究成果である室町幕府の「贈与依存型財政」には触れている。すなわち、「贈答にまつわるさまざまな無駄を最小化して、政権にとってできるだけ多くの利益があがるような仕組みを実現したのが、15世紀の室町幕府である」(前掲書p.218)と言及しているからだ。それはさておき、当書の大きな特徴として、中世日本における「贈与経済(gift economy)」と「市場経済(market economy)」への考察がある。とりわけ、桜井氏は「年貢の代銭納制が普及した13世紀後半以降の日本列島は確実に市場経済社会に入っており、それは石高制のもとで米納年貢制が復活する16世紀後半まで約300年間にわたって存続した」(本書p.113)と比定し、「年貢の代銭納制」等について、「この出来事は中世日本の経済にとって最大の事件であったといっても過言ではない」(同前p.110)と論断している。
こうした市場経済化の背景には「宋・元交替」という中国の国内事情が関連し、大量の銅銭が日本に流入してきた、という歴史的事象も影響を及ぼしているみたいだ。そして、日本の中世後期は、「贈与経済」と「市場経済」という二つのファクターが複雑に絡み合いながら展開されていく。ここで面白いのは、市場経済化の進展、つまり商品需要の拡大膨張に伴い、朝廷や幕府が貨幣鋳造を行わず、中国の銅銭に依存していれば、本来ならマネーサプライの不足が起きるのだが、それがあまり顕在化しなかったようにも思われることだ。実は、そこに「贈与経済」の持つインプリケーションがあろう。「贈与経済」とは、まさに本郷氏のいう「現銭の経済圏」に対する「モノの経済圏」でもあるのだが、結果として「モノ(贈答品等)」が貨幣の役割を果たし、地域通貨的なコミュニケーション・メディアとしての機能も併せ持っていたのだろう。
2012年4月22日に日本でレビュー済み
儀礼は空虚であることはみんなわかっているが、現行制度を守るために演じる。私も会社でそれなりに昇進してその気持ちがわかるようになりました。この本は室町時代の贈与が主題ですが、登場人物の価値観が身近に感じられる面白い本でした。
2013年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
虚礼廃止を唱えて礼儀節度を全て廃止してしまいつつある
現代人必読。年功序列と長幼の序は違うことをそれぞれが自覚すべし。
現代人必読。年功序列と長幼の序は違うことをそれぞれが自覚すべし。
2024年3月20日に日本でレビュー済み
内容は、著者が1998年5月の『思想』887号に寄稿した論文「日本中世の贈与について」を土台に、その後発表したいくつかの論文の内容を加味して再構成したものである。贈与論の入門書であることを期待して読み始めたが、内容は著者の専門である日本中世史に関するものであり、実質は『贈与の日本中世史学』であった。看板に偽りあり。贈与論の応用編といった位置にあり、オタクすぎる。私は高校で日本史を選択していないため固有名詞が分からず、あまり楽しめなかった。
2012年9月17日に日本でレビュー済み
歴史学の本では古文書の引用が多いが、本書でもそれは言える。
そう言った引用が入ると読みにくいものだが、この本では解説もしてくれるので比較的読みやすい。
本書では贈与をモースの贈与論にならい(4は別)
1 贈り物を与える義務(提供の義務)
2 それを受ける義務(受容の義務)
3 お返しの義務(返礼の義務)
4 神々を代表する人間へ贈与する義務(神にたいする贈与の義務)
以上4つの視点で見ている。
以下印象に残った点。
富める者は貧者へ施しをする義務があるとする有徳思想の話で、有徳=有得というのが面白かった。
意思決定に関する、評定会議と大名意見制などのシステムは興味深い話で現代のものと比較すると面白そう。
先例の力については今なおその力は働いていますし、礼銭を受け取るかどうかという葛藤が中世にもあったことなど、
この時代に親近感を感じます。
また「相当」の観念が贈答だけでなく、紛争の際にも強く作用していることの説明も面白かった。
銅銭の流通に関する話では、経済の発展という面ではなく、宋・元交替にともない、硬貨から紙幣へシフトし、
余った銅銭が流入してきたという話は、なるほどと思ったし、発展論的なマルクス主義史観への批判は妥当だろう。
贈与時に付ける「折紙(目録)」が独り歩きし、手形のような使われ方をしていたというのには、とても感心した。
感想として、贈与は形式的かというとそうではなく、形式と内容、本音と建前の間に位置し、それらをつないでいるようにも思えた。
そう言った引用が入ると読みにくいものだが、この本では解説もしてくれるので比較的読みやすい。
本書では贈与をモースの贈与論にならい(4は別)
1 贈り物を与える義務(提供の義務)
2 それを受ける義務(受容の義務)
3 お返しの義務(返礼の義務)
4 神々を代表する人間へ贈与する義務(神にたいする贈与の義務)
以上4つの視点で見ている。
以下印象に残った点。
富める者は貧者へ施しをする義務があるとする有徳思想の話で、有徳=有得というのが面白かった。
意思決定に関する、評定会議と大名意見制などのシステムは興味深い話で現代のものと比較すると面白そう。
先例の力については今なおその力は働いていますし、礼銭を受け取るかどうかという葛藤が中世にもあったことなど、
この時代に親近感を感じます。
また「相当」の観念が贈答だけでなく、紛争の際にも強く作用していることの説明も面白かった。
銅銭の流通に関する話では、経済の発展という面ではなく、宋・元交替にともない、硬貨から紙幣へシフトし、
余った銅銭が流入してきたという話は、なるほどと思ったし、発展論的なマルクス主義史観への批判は妥当だろう。
贈与時に付ける「折紙(目録)」が独り歩きし、手形のような使われ方をしていたというのには、とても感心した。
感想として、贈与は形式的かというとそうではなく、形式と内容、本音と建前の間に位置し、それらをつないでいるようにも思えた。
2012年3月1日に日本でレビュー済み
中世の人々は、祭事の位置や席次やパレードの中の自分の位置に異常なこだわりを見せていた。「中世の人びとは損得勘定、釣り合いということに非常に敏感であった。かれらは、損得が釣り合っている状態を「相当」、釣り合ってない状態を「不足」とよび、他家との紛争や交際ではつねに「不足」の解消と「相当」の充足とを求めたのである。p.82」
盛んに者を贈りあったが、その贈り物は使用価値よりも交換価値が重視されており、人から贈られたものをさらに別の人への贈り物を贈るのはごく普通のことで、逆に所有者が贈答によって盛んに変わり、地位の高い人の間を次々と所有権が変わっていくような贈り物は贈り物としての価値が高まるのであった。
贈り物をされると相当の贈り物を返すのは慣習だったが、地位の高い方は返す次期を少し遅らせたりして、自分の地位の高さを示すのであった。
贈り物を調達するために、贈り物のリサイクルショップから調達したり、資金を得るために贈り物のオークションが開かれ、売られた贈り物がさらに贈り物として使用されるのであった。こうしてかなりの規模の「市場経済」とは異なる「贈り物経済」が存在し、多くの贈り物は換金されたり使用されたりすることなく、贈り物の循環世界をぐるぐると廻っているのであった。
「13世紀後半、中世日本の経済構造に大きな変化をもたらすひとつの出来事がおこった。それまで米で納められていた年貢が、このころをさかいにし銭でおさめる計態に変化したのである。これを年貢の代銭制というが、それが一三世紀後半、特に一二七〇年前後から急速に普及していった。・・年貢の代納制は日本列島に膨大な商品の流れを発生させ、その結果、代銭納制普及以後の日本列島では本格的な市場経済が展開したと考えられるp.110」
「AとB、BとCそれぞれのあいだに存在する二つの債権・債務関係の連結を認める社会では、債権の流通がおこるのである。中世日本も現代日本もともにこのタイプの社会に属するが、現代では債権者に無断で債権を譲渡することは禁じられているから、債権流通の自由度は中世のほうが高かったといる。p.167」
「中世とは、-現代とならんで-人間関係が日本史上もっとも希薄な時代のひとつに数えられるかもしれない。あるいは次のような言い方もできよう。インパースナルな関係とは要するに”替えが利く”関係ということであるから、中世の人びとは人間の個性をいうものをあまり信じていなかったのだと。p.172」
中世とは、市場経済が発達し、信用経済が発展するとともに、人情が希薄な時代であった。その点では現代に似ているが、こまかな「差異」や「釣り合い」へのこだわりについては我々の想像を絶する社会でもある。
経済の発展と社会のあり方は関係はあっても別物であるということが良く解かる。「この経済システムで、全く違った社会」ということが同じ国でもありえるのだ。
盛んに者を贈りあったが、その贈り物は使用価値よりも交換価値が重視されており、人から贈られたものをさらに別の人への贈り物を贈るのはごく普通のことで、逆に所有者が贈答によって盛んに変わり、地位の高い人の間を次々と所有権が変わっていくような贈り物は贈り物としての価値が高まるのであった。
贈り物をされると相当の贈り物を返すのは慣習だったが、地位の高い方は返す次期を少し遅らせたりして、自分の地位の高さを示すのであった。
贈り物を調達するために、贈り物のリサイクルショップから調達したり、資金を得るために贈り物のオークションが開かれ、売られた贈り物がさらに贈り物として使用されるのであった。こうしてかなりの規模の「市場経済」とは異なる「贈り物経済」が存在し、多くの贈り物は換金されたり使用されたりすることなく、贈り物の循環世界をぐるぐると廻っているのであった。
「13世紀後半、中世日本の経済構造に大きな変化をもたらすひとつの出来事がおこった。それまで米で納められていた年貢が、このころをさかいにし銭でおさめる計態に変化したのである。これを年貢の代銭制というが、それが一三世紀後半、特に一二七〇年前後から急速に普及していった。・・年貢の代納制は日本列島に膨大な商品の流れを発生させ、その結果、代銭納制普及以後の日本列島では本格的な市場経済が展開したと考えられるp.110」
「AとB、BとCそれぞれのあいだに存在する二つの債権・債務関係の連結を認める社会では、債権の流通がおこるのである。中世日本も現代日本もともにこのタイプの社会に属するが、現代では債権者に無断で債権を譲渡することは禁じられているから、債権流通の自由度は中世のほうが高かったといる。p.167」
「中世とは、-現代とならんで-人間関係が日本史上もっとも希薄な時代のひとつに数えられるかもしれない。あるいは次のような言い方もできよう。インパースナルな関係とは要するに”替えが利く”関係ということであるから、中世の人びとは人間の個性をいうものをあまり信じていなかったのだと。p.172」
中世とは、市場経済が発達し、信用経済が発展するとともに、人情が希薄な時代であった。その点では現代に似ているが、こまかな「差異」や「釣り合い」へのこだわりについては我々の想像を絶する社会でもある。
経済の発展と社会のあり方は関係はあっても別物であるということが良く解かる。「この経済システムで、全く違った社会」ということが同じ国でもありえるのだ。
2020年12月22日に日本でレビュー済み
いまでも日本社会にはお中元やお歳暮など贈答の習わしがあるが、贈答における中世人の内面はかなりめんどくさいなぁという印象を持った。贈与した側が、半年経とうが返礼を待ち続け、悶々とする姿を想像するとなんだかおかしくもある。そうした儀礼が、債権のように扱われ商取引のようになっていくのは、「お気持ち」が形骸化していく過程でもあろう。本書ではそうした中世の贈与をめぐる研究成果を著したものである。しかし「贈与の歴史」というタイトルからすると、贈与が古代から近代までどのような変遷を経て来たのかという内容を期待してしまう。むしろそこが知りたい。本書は論文をベースとしたものであるし、この内容であれば『中世の贈与の歴史』とするべき。売るために誤解を生むタイトルを付けたきらいがあるので星一つマイナスです。