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自民党―「一強」の実像 (中公新書) 新書 – 2017/4/19
中北 浩爾
(著)
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自民党は結党以来38年間にわたり政権を担い、2度「下野」したが、2012年に政権に復帰。一強状態にある。その間、自民党は大きな変貌を遂げた。本書は、関係者へのインタビューや数量的なデータなどを駆使し、派閥、総裁選挙、ポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織、個人後援会、理念といった多様な視角から、包括的に分析。政権復帰後の自民党の特異な強さと脆さを徹底的に明らかにする。
- 本の長さ313ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/4/19
- 寸法11 x 1.5 x 17.3 cm
- ISBN-104121024281
- ISBN-13978-4121024282
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商品の説明
著者について
1968年三重県生まれ.91年東京大学法学部卒業.95年東京大学大学院法学政治学研究科 博士課程中途退学.博士(法学).大阪市立大学法学部助教授,立教大学法学部教授などを経て,現在,一橋大学大学院社会学研究科教授.専門は日本政治外交史,現代日本政治論
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/4/19)
- 発売日 : 2017/4/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 313ページ
- ISBN-10 : 4121024281
- ISBN-13 : 978-4121024282
- 寸法 : 11 x 1.5 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 89,867位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「保守」と「リベラル」、果たしてこの呼び名が今の日本の政党を区別するうえで正しいのか。今の自民党を見ていると常にそう思う。
特に安倍政権は、野党とどちらがリベラルかと見まごう如き政策を打ち出してきている。これは彼自身の政治的信条や能力に
依るところが大きいとは思うが、一方自民党自身が時代や環境の変化とともに自己変革して来ていることもその大きな要因で
ある。このことをこの書物はこと細かに教えてくれる。「派閥」の持つ意味合いの時代的な減退、小泉や安倍の時代の改革を
通じての政策決定プロセスの変化、友好団体や宗教団体といった固定票の減少、ますます強くなっていく地方の力の取り込み
等々。ここらをきちっと理解していないと、自民党の強さを取り違え、野党もいつまでも政権奪取には至らないであろうという
ことも実感する。そういう時代に適したstructureの変化はよく理解できたが、一方、安倍政権への国民の支持の一つの要因は
外交面での圧倒的な強さかと思う。この5年間で、今までとは大きく違う外交手法を見せる現政権。これも安倍首相個人の
能力と信念だけの産物なのか、あるいは彼を支える政治家や官僚、そして自民党の構造変化が関係するのか。ここを
もう少し突っ込んで欲しかったというのが正直な感想でもある。
特に安倍政権は、野党とどちらがリベラルかと見まごう如き政策を打ち出してきている。これは彼自身の政治的信条や能力に
依るところが大きいとは思うが、一方自民党自身が時代や環境の変化とともに自己変革して来ていることもその大きな要因で
ある。このことをこの書物はこと細かに教えてくれる。「派閥」の持つ意味合いの時代的な減退、小泉や安倍の時代の改革を
通じての政策決定プロセスの変化、友好団体や宗教団体といった固定票の減少、ますます強くなっていく地方の力の取り込み
等々。ここらをきちっと理解していないと、自民党の強さを取り違え、野党もいつまでも政権奪取には至らないであろうという
ことも実感する。そういう時代に適したstructureの変化はよく理解できたが、一方、安倍政権への国民の支持の一つの要因は
外交面での圧倒的な強さかと思う。この5年間で、今までとは大きく違う外交手法を見せる現政権。これも安倍首相個人の
能力と信念だけの産物なのか、あるいは彼を支える政治家や官僚、そして自民党の構造変化が関係するのか。ここを
もう少し突っ込んで欲しかったというのが正直な感想でもある。
2017年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
率直に言って、党員と献金は激減している。
これを埋め合わせているのが、選挙結果とそれに基づく交付金である。
よって、次の政権交代で自民党は壊滅する可能性すら大きいだろう。
勿論、これに対応した野党の動きは一見鈍いものがあり、本書でも最後の最後ではそんなに簡単にはいかないとする。
現政権に対比されているのは、自民党が主題であることからも旧民主党政権ではなく小泉政権であり、ポピュリズムからナショナリズムに移行して異様な無風状態が出現していると理解できる。
結論の逆接を再度覆しておくと、それでも自己完結に終始している(政権交代を前提としていない)今の自民党は、基軸(二大政党の一翼)としてははっきりと失格であると言っておかねばならないだろう。
これを埋め合わせているのが、選挙結果とそれに基づく交付金である。
よって、次の政権交代で自民党は壊滅する可能性すら大きいだろう。
勿論、これに対応した野党の動きは一見鈍いものがあり、本書でも最後の最後ではそんなに簡単にはいかないとする。
現政権に対比されているのは、自民党が主題であることからも旧民主党政権ではなく小泉政権であり、ポピュリズムからナショナリズムに移行して異様な無風状態が出現していると理解できる。
結論の逆接を再度覆しておくと、それでも自己完結に終始している(政権交代を前提としていない)今の自民党は、基軸(二大政党の一翼)としてははっきりと失格であると言っておかねばならないだろう。
2017年5月9日に日本でレビュー済み
なんと言っても読みどころは、第5章の184頁 〜 202頁にわたる、自民党の利益誘導政治の歴史的経緯です。読ませます。こう始まります。「重要なのは、利益誘導政治批判の急先鋒が、自民党の最大のスポンサーの財界だったことである。つまり、自民党の利益誘導政治は、財界の意向に反して五五年体制の下で発展してきた。」 そして、「アベノミクスの下、財界とそれ以外の友好団体が巧みに調整されているのである。」と締め括られます。 利益誘導政治をキーワードにして、「党中党」たる派閥の弱体化[第1章]、総裁権力の増大[第2章]、政治決定プロセスにおける官邸主導化[第3章]が、小気味よくまとめられています。
ただし、著者は課題がまだまだあることも付け加えます。大きくは二つ。一つは参議院自民党です。「政治改革をよそに参議院改革がほとんど進んでこなかったこともあって、依然として参議院は自民党の「党中党」である。……。参議院では三大派閥の優位が現在も強固に残っている。」 もう一つは、内閣が国会審議に関与できていないことです。「これは同じく議院内閣制を採用するイギリスなどとは異なる日本の特徴であり、第二次大戦後、アメリカの権力分立型モデルが導入されたことに起因する。……。事前審査制にみられる政策決定での政府・与党の二元体制は、行政権と立法権の分立の反映である。」 飯尾潤・教授が「日本の統治構造」で仰っていた課題です。
もう一つの読みどころは、著者の寸評。ところどころに現れます。
①額賀福志郎 もはや最終的なゴールは衆議院議長であろうか。《辛辣です》
②小選挙区制が公募の導入を促進した一つの理由は、小選挙区制の下で自民党の公認候補が一人になり、無所属で立候補して当選後に追加公認を得るという道も閉ざされ、新陳代謝が困難になったことである。しかも、公認候補は落選しても、引退しない限り、当該選挙区の支部長に居座る。そこで、自民党から立候補を希望していた有能な人材が、民主党に流出した。これが民主党の台頭をもたらし、自民党の脅威となっていた。
《かって岸信介氏は、二大政党制の利点として、この循環を挙げておられましたが、実際に起こり始めたんですね》
③自民党が大敗した2009年の総選挙をみると、小選挙区で当選した女性候補は、小渕優子と稲田朋美のわずか二名にすぎなかった。この二人が将来を嘱望されるゆえんでもある。《なるほど、そういうものですか》
④野党時代の自民党は団体への訪問を重ね、要望を聞く活動を地道に展開していた。それに対して、札束で頬をひっぱたくかのような民主党の小沢幹事長の強引な政治手法には、団体の間で不満が高まっていたという。《だからですか》
⑤小泉が平成研をはじめとする「抵抗勢力」との戦いに勝利できた背景には、政治改革によって総理・総裁の権力が強化されたことがあった。もともと小泉は、小沢一郎が推進した政治改革に対し、経世会支配を強めるものとして強硬に反対していた。ところが、結果としてみるならば、経世会を分裂させて自民党を離党した小沢に代わり、小泉が政治改革に乗じて経世会の後身の平成研を攻撃し、自民党の党組織を集権化させる役割を担った。歴史の皮肉というほかない。 《つまりこういう図式です。経世会は建設族や郵政族 ⇨ 小泉政権が公共事業を大幅削減、郵政民営化を断行。清和会は運輸族 ⇨ 民主党が高速道路の無料化》
最後に苦言を呈したい。
①“はじめに”の3行目に「自民党は人間でいえば古希にあたる結党七〇年をすぎ」とありますが、これは「還暦にあたる結党六〇」でしょう。
②終章で読売新聞の憲法改正に対する賛否の推移をあげ、「自民党が掲げている右派的な理念について国民の理解は広がっていない。」と結論付けられておられる。しかし、今年、2017年4月29日掲載の読売 憲法にかんする世論調査 では、こういう数字もある。[九条について ①解釈や運用で対応 42% ②改正 35% ③厳密に守る 18%]。
一つのデータだけで言うのでは説得力に欠けます。
③202頁で「アベノミクスは、自民党を悩ませてきた新自由主義的改革と利益誘導政治の矛盾を止揚する意味を持った。」と、「止揚」という今時懐かしい言葉を使っておられる。同じ趣旨を、280頁では「アベノミクスを打ち出し、…… 自民党の伝統的な利益誘導政治と新自由主義的改革とを両立させようとしたのである。」と仰っている。どちらがわかりやすいかは一目瞭然。 上記の①と併せてみると、推敲や校正をあまりしなかったのだろうか。
ただし、著者は課題がまだまだあることも付け加えます。大きくは二つ。一つは参議院自民党です。「政治改革をよそに参議院改革がほとんど進んでこなかったこともあって、依然として参議院は自民党の「党中党」である。……。参議院では三大派閥の優位が現在も強固に残っている。」 もう一つは、内閣が国会審議に関与できていないことです。「これは同じく議院内閣制を採用するイギリスなどとは異なる日本の特徴であり、第二次大戦後、アメリカの権力分立型モデルが導入されたことに起因する。……。事前審査制にみられる政策決定での政府・与党の二元体制は、行政権と立法権の分立の反映である。」 飯尾潤・教授が「日本の統治構造」で仰っていた課題です。
もう一つの読みどころは、著者の寸評。ところどころに現れます。
①額賀福志郎 もはや最終的なゴールは衆議院議長であろうか。《辛辣です》
②小選挙区制が公募の導入を促進した一つの理由は、小選挙区制の下で自民党の公認候補が一人になり、無所属で立候補して当選後に追加公認を得るという道も閉ざされ、新陳代謝が困難になったことである。しかも、公認候補は落選しても、引退しない限り、当該選挙区の支部長に居座る。そこで、自民党から立候補を希望していた有能な人材が、民主党に流出した。これが民主党の台頭をもたらし、自民党の脅威となっていた。
《かって岸信介氏は、二大政党制の利点として、この循環を挙げておられましたが、実際に起こり始めたんですね》
③自民党が大敗した2009年の総選挙をみると、小選挙区で当選した女性候補は、小渕優子と稲田朋美のわずか二名にすぎなかった。この二人が将来を嘱望されるゆえんでもある。《なるほど、そういうものですか》
④野党時代の自民党は団体への訪問を重ね、要望を聞く活動を地道に展開していた。それに対して、札束で頬をひっぱたくかのような民主党の小沢幹事長の強引な政治手法には、団体の間で不満が高まっていたという。《だからですか》
⑤小泉が平成研をはじめとする「抵抗勢力」との戦いに勝利できた背景には、政治改革によって総理・総裁の権力が強化されたことがあった。もともと小泉は、小沢一郎が推進した政治改革に対し、経世会支配を強めるものとして強硬に反対していた。ところが、結果としてみるならば、経世会を分裂させて自民党を離党した小沢に代わり、小泉が政治改革に乗じて経世会の後身の平成研を攻撃し、自民党の党組織を集権化させる役割を担った。歴史の皮肉というほかない。 《つまりこういう図式です。経世会は建設族や郵政族 ⇨ 小泉政権が公共事業を大幅削減、郵政民営化を断行。清和会は運輸族 ⇨ 民主党が高速道路の無料化》
最後に苦言を呈したい。
①“はじめに”の3行目に「自民党は人間でいえば古希にあたる結党七〇年をすぎ」とありますが、これは「還暦にあたる結党六〇」でしょう。
②終章で読売新聞の憲法改正に対する賛否の推移をあげ、「自民党が掲げている右派的な理念について国民の理解は広がっていない。」と結論付けられておられる。しかし、今年、2017年4月29日掲載の読売 憲法にかんする世論調査 では、こういう数字もある。[九条について ①解釈や運用で対応 42% ②改正 35% ③厳密に守る 18%]。
一つのデータだけで言うのでは説得力に欠けます。
③202頁で「アベノミクスは、自民党を悩ませてきた新自由主義的改革と利益誘導政治の矛盾を止揚する意味を持った。」と、「止揚」という今時懐かしい言葉を使っておられる。同じ趣旨を、280頁では「アベノミクスを打ち出し、…… 自民党の伝統的な利益誘導政治と新自由主義的改革とを両立させようとしたのである。」と仰っている。どちらがわかりやすいかは一目瞭然。 上記の①と併せてみると、推敲や校正をあまりしなかったのだろうか。
2018年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
具体的データーを詳しく調べた、優れた現在の政治状況の分析だと思います。自由民主党、特に今の安倍政権がいかに現状をうまく分析してしたたかに対応しているかが分かります。それにしても、野党の人達は、これくらいの本は読んでいるのでしょうね。読んでいれば、安倍政権のしたたかさに比べて、野党のような、余りにも幼稚な対応は恥ずかしくて取れないと思うのですが。
2017年4月23日に日本でレビュー済み
現在の政界は、安倍首相率いる自民党の「一強」体制にあると言われるが、それは本当であろうか。
本書は、自民党について、派閥、総裁選挙、政策決定過程、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会といった様々な角度から、自民党の独自性、強さと脆さを綿密に分析している。ただし、野党についての記載は全くと言っていいほど少ない。あくまでも純粋に自民党のことを研究した本である。
これから自民党はどこへ向かおうとしているのか?安倍政権は本当に長期政権であり続けるのか?それを考察する際に大いに参考になる本である。けして読み易い本ではなかったが、これはなかなかの力作である。
本書は、自民党について、派閥、総裁選挙、政策決定過程、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会といった様々な角度から、自民党の独自性、強さと脆さを綿密に分析している。ただし、野党についての記載は全くと言っていいほど少ない。あくまでも純粋に自民党のことを研究した本である。
これから自民党はどこへ向かおうとしているのか?安倍政権は本当に長期政権であり続けるのか?それを考察する際に大いに参考になる本である。けして読み易い本ではなかったが、これはなかなかの力作である。
2017年10月6日に日本でレビュー済み
自民党の基礎知識を学ぶにはよい本だと思いました。2009年総選挙で下野しても短期間のうちに政権復帰できたのは地方組織の強さが大きいというのは私も感じていました。自民党は自営業者の支持が厚く、彼らは世襲することが多いため地方の支持基盤が強固になりやすいというのはなるほどと思いました。日本共産党も地方政治が強いので安定しています。
立憲民主党が注目されていますが、総選挙後の課題は地方組織の整備でしょう。民主党、民進党は大都市の無党派層を支持基盤にしてきたためか風頼りの選挙になりがちだったわけですし。
立憲民主党が注目されていますが、総選挙後の課題は地方組織の整備でしょう。民主党、民進党は大都市の無党派層を支持基盤にしてきたためか風頼りの選挙になりがちだったわけですし。
2017年6月1日に日本でレビュー済み
本書は、自民党及び安倍政権の強さを、自民党の組織構造・体制を徹底的に分析することで考察する本である。
同じく中公新書に 日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書) という良書があり、こちらは省庁や議会と自民党の関係を考察していたが、それと相補的な本と見ることが出来よう。
本書で転換点として注意が払われているのは、小選挙区制の導入(同時に自民党が下野している時期)と小泉政権のときの二つである。
中選挙区制では内部調整・自民党立候補者同士の対決のために有効であった派閥や個人後援会は小選挙区制の下で弱体化した。
小泉政権期には、派閥の完全無視の人事、事前審査制の無視、利益団体に対する攻撃などが行われたが、小泉の主目標が郵政民営化や旧田中派の弱体化だったので、事前審査制そのものにはそこまで風穴は空かなかった。
一方の安倍政権は、手法を見ると意外と旧来型に近い面が多い。
派閥の領袖にポストを割り当て、ポスト安倍になりうる有力対抗馬である谷垣や石破、二階なども要職に就けるなど、内部対立を避けるような運営をしている。
利益団体への配慮も強く、選挙での強さは「ポピュリスティックな手法で浮動票を狙う」のではなく旧来的な固定票によるものが大きいとされている。
帯にある「その強さは本物なのか?」に明快に答えているわけではないが、弱まりつつある枠組みを最善に運営して強さを出しているのが安倍政権だとみると、その強さは緩やかに下降傾向にならざるを得ない、というのが本書の結論かなと思える。
自民党組織構造や集票方法の分析が簡潔にまとまっており、ありそうでなかった本だと思う。
なお本書は自民党の考察しか行っていないので、「強さ」の裏側にある野党の弱さには一切触れられていない点には注意が必要である。
著者による主義主張のバイアスはあまり感じられず中立的に書かれているので、良くも悪くも自民党に関心がある人、分析したい人には広く勧められる一冊だと思う。
同じく中公新書に 日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書) という良書があり、こちらは省庁や議会と自民党の関係を考察していたが、それと相補的な本と見ることが出来よう。
本書で転換点として注意が払われているのは、小選挙区制の導入(同時に自民党が下野している時期)と小泉政権のときの二つである。
中選挙区制では内部調整・自民党立候補者同士の対決のために有効であった派閥や個人後援会は小選挙区制の下で弱体化した。
小泉政権期には、派閥の完全無視の人事、事前審査制の無視、利益団体に対する攻撃などが行われたが、小泉の主目標が郵政民営化や旧田中派の弱体化だったので、事前審査制そのものにはそこまで風穴は空かなかった。
一方の安倍政権は、手法を見ると意外と旧来型に近い面が多い。
派閥の領袖にポストを割り当て、ポスト安倍になりうる有力対抗馬である谷垣や石破、二階なども要職に就けるなど、内部対立を避けるような運営をしている。
利益団体への配慮も強く、選挙での強さは「ポピュリスティックな手法で浮動票を狙う」のではなく旧来的な固定票によるものが大きいとされている。
帯にある「その強さは本物なのか?」に明快に答えているわけではないが、弱まりつつある枠組みを最善に運営して強さを出しているのが安倍政権だとみると、その強さは緩やかに下降傾向にならざるを得ない、というのが本書の結論かなと思える。
自民党組織構造や集票方法の分析が簡潔にまとまっており、ありそうでなかった本だと思う。
なお本書は自民党の考察しか行っていないので、「強さ」の裏側にある野党の弱さには一切触れられていない点には注意が必要である。
著者による主義主張のバイアスはあまり感じられず中立的に書かれているので、良くも悪くも自民党に関心がある人、分析したい人には広く勧められる一冊だと思う。