全く知らない人からすればキツいと思いますが、高校の世界史をやっていれば、ある程度分かるかと思います。今と昔では国境はもちろん違いますが、世界地図を横目にしながら読むと理解が捗ると思います。オスマン帝国以前の時期はあまり解説はなく、そこには注意。
民族問題宗教問題の浮上や、第一次世界大戦のまでの経緯が要因が詳しく書かれているので知りたい方はおススメです。
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バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史 (中公新書 2440) 新書 – 2017/6/20
マーク・マゾワー
(著)
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20世紀初頭、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたバルカン半島。東ローマ帝国、オスマン帝国、オーストリア・ハンガリー帝国の支配下で、宗教と民族が複雑に絡み合った結果、帝国崩壊後に、民族同士が激しく対立することになった。本書は、1453年、オスマン帝国によって東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルが陥落して以降の歴史をあつかう。いま最も注目されている歴史家M・マゾワーのベストセラーを翻訳。
- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/6/20
- ISBN-104121024400
- ISBN-13978-4121024404
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著者について
1958年イギリス出身.オックスフォード大学卒業後,ジョンズホプキンス大学で修士号,オックスフォード大学で博士号取得.ロンドン大学,サセックス大学で教鞭を振るったのち,現在,コロンビア大学教授.邦訳著書『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』(未来社,2015年)『国連と帝国』(慶應義塾大学出版会,2015年)『国際協調の先駆者たち』(NTT出版,2015年)
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/6/20)
- 発売日 : 2017/6/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 314ページ
- ISBN-10 : 4121024400
- ISBN-13 : 978-4121024404
- Amazon 売れ筋ランキング: - 102,487位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一昔前ニュースを賑わせたユーゴの分裂、民族浄化、コソボの独立、人種差別戦争などの実態を知りたくて本書を手にとったが、混迷の度合いは深まるばかりだ。
一つには他のレビューアーの方々のご指摘通り、翻訳が非常に読みにくい点もあるが、バルカンと言う多民族、多宗教、多国家の入り乱れている国々を分かり易く説明すること自体困難な仕事なのかもしれない。
本書を読んで最初に感じた違和感は、我々日本人がバルカン問題を多民族間の紛争問題として捉えているのに対し、英国人である著者は、むしろ宗教問題として捉えているようだ。
16世紀以来バルカン半島はオスマン帝国の支配下にあったが、意外なことにオスマン帝国はイスラム教の国であるにも関わらず、他の宗教に対して非常に寛容であったことだ。この辺り、現在のイスラム国の多宗教に対する苛斂誅求ぶりとはあまりにも異なるので、びっくりする。
そこの住民たちも、自分たちはたとえばギリシャ人かと聞かれれば、私はイスラム教徒ですと答えたりキリスト教徒だと答えたりする。つまり、この地域では民族の前に宗教が存在したのだ。現在のアルバニア、ギリシャ、マケドニア、セルビアなどの国名は近代になってから、西欧の介入が激しくなって民族自立の意識が芽生えてからのものだ。
バルカン地域はその昔は西欧にとっては「南東ヨーロッパ」なる暗黒地帯で、治安は悪く、農業も進歩しておらず非常に後進的な地域に映っていた。
しかし19世紀になって、オスマン帝国が衰退してから、オーストリアやロシアなどの介入が激しく、これが民族の独立性戦争を煽ったようだ。
第一次大戦ではオスマントルコはドイツと組んだため敗戦国になった。これがトルコのこの地域からの撤退を早めたらしい。
第二次大戦後はギリシャより北の国々はロシアの勢力圏に入り、東欧諸国と言う分類になった。これも冷戦が解消されるにつれて、現在の国境に近づきつつある。
本書の巻頭に7枚の地図が掲げてある。
1.バルカン地形図
2.オスマン帝国 1550年ごろの地図
3.バルカン半島 1870年ごろの地図
4.バルカン半島 1910年ごろの地図
5.バルカン半島 1930年ころの地図
6.バルカン半島 1950年ごろの地図
7.バルカン半島 2000年ごろの地図
私は本書を読みながら、国名や地名が出てくると地図を探しながら読んでみたが、それでもセルビアと言う国はどこにも発見できなかったし、モルドヴァやボスニア=ヘルツェゴヴィナなどは最後の地図にしか発見できなかった。
本書の最後に翻訳者の村田奈々子氏の「解題」が載っているが、これを読むのが一番分かり易い。やはり同じ日本人だなと感じる。
この中で一番共鳴できる文章を引用しておきます。
「本書は、バルカンの歴史に詳しくない読者にはやや難解に思えるかもしれない。必ずしも時系列で出来事が語られるわけでもなければ、今日のバルカン諸国の枠組みごとに記述されているわけでもない。時代的に前後したり、地理的に大きく話が飛んだりすることもある。」
として、「日本のバルカン研究者による書籍を一読することをお勧めする。」とある。
嗚呼、最初から翻訳書など読まなければよかったんだ。
一つには他のレビューアーの方々のご指摘通り、翻訳が非常に読みにくい点もあるが、バルカンと言う多民族、多宗教、多国家の入り乱れている国々を分かり易く説明すること自体困難な仕事なのかもしれない。
本書を読んで最初に感じた違和感は、我々日本人がバルカン問題を多民族間の紛争問題として捉えているのに対し、英国人である著者は、むしろ宗教問題として捉えているようだ。
16世紀以来バルカン半島はオスマン帝国の支配下にあったが、意外なことにオスマン帝国はイスラム教の国であるにも関わらず、他の宗教に対して非常に寛容であったことだ。この辺り、現在のイスラム国の多宗教に対する苛斂誅求ぶりとはあまりにも異なるので、びっくりする。
そこの住民たちも、自分たちはたとえばギリシャ人かと聞かれれば、私はイスラム教徒ですと答えたりキリスト教徒だと答えたりする。つまり、この地域では民族の前に宗教が存在したのだ。現在のアルバニア、ギリシャ、マケドニア、セルビアなどの国名は近代になってから、西欧の介入が激しくなって民族自立の意識が芽生えてからのものだ。
バルカン地域はその昔は西欧にとっては「南東ヨーロッパ」なる暗黒地帯で、治安は悪く、農業も進歩しておらず非常に後進的な地域に映っていた。
しかし19世紀になって、オスマン帝国が衰退してから、オーストリアやロシアなどの介入が激しく、これが民族の独立性戦争を煽ったようだ。
第一次大戦ではオスマントルコはドイツと組んだため敗戦国になった。これがトルコのこの地域からの撤退を早めたらしい。
第二次大戦後はギリシャより北の国々はロシアの勢力圏に入り、東欧諸国と言う分類になった。これも冷戦が解消されるにつれて、現在の国境に近づきつつある。
本書の巻頭に7枚の地図が掲げてある。
1.バルカン地形図
2.オスマン帝国 1550年ごろの地図
3.バルカン半島 1870年ごろの地図
4.バルカン半島 1910年ごろの地図
5.バルカン半島 1930年ころの地図
6.バルカン半島 1950年ごろの地図
7.バルカン半島 2000年ごろの地図
私は本書を読みながら、国名や地名が出てくると地図を探しながら読んでみたが、それでもセルビアと言う国はどこにも発見できなかったし、モルドヴァやボスニア=ヘルツェゴヴィナなどは最後の地図にしか発見できなかった。
本書の最後に翻訳者の村田奈々子氏の「解題」が載っているが、これを読むのが一番分かり易い。やはり同じ日本人だなと感じる。
この中で一番共鳴できる文章を引用しておきます。
「本書は、バルカンの歴史に詳しくない読者にはやや難解に思えるかもしれない。必ずしも時系列で出来事が語られるわけでもなければ、今日のバルカン諸国の枠組みごとに記述されているわけでもない。時代的に前後したり、地理的に大きく話が飛んだりすることもある。」
として、「日本のバルカン研究者による書籍を一読することをお勧めする。」とある。
嗚呼、最初から翻訳書など読まなければよかったんだ。
2017年7月9日に日本でレビュー済み
オスマン帝国期から2000年までを扱うバルカン通史。バルカンの名の由来ともなった地形から説き起こし、オスマン帝国支配下での諸宗派共生を経て、帝国の弱体化・列強の介入・ナショナリズム勃興による Nation State 成立、大戦後のイデオロギーを軸とする東西冷戦期・工業化推進の後、共産圏崩壊を契機とする主に旧ユーゴスラヴィア地域での(民族性による)再細分化の過程を描き、最後に、西欧で一般に理解されていたバルカンの「暴力性」の当否への検討をもって締め括っている。
2000年以降もコソヴォ独立等、この地域での状況変化・進展はあるが、2001/9/11以降、どちらかと言えば、世界の耳目は、中東地域発のイスラーム過激運動への対峙へと向かい、現在に至っている。「イスラム国」が旧オスマン帝国領の列強による分割・国境策定に異を唱え、国境を跨る地域の統治者を僭称しつつも(オスマン帝国支配下での諸宗派共生とは異なり)少数派虐殺・抹殺を進めている状況、更には、難民の欧州流入における(これまで多元主義の守護者のように振る舞ってきていた)欧州各国の反応を見るにつけ、改めてバルカンの歴史を理解することの重要性を認識させられた。バルカンで起こったことは「ヨーロッバの過去だったのか、それとも未来だったのか?」という問いは、正にこれからも問い続けられていくべきものと思う。
尚、本書(邦訳)とほぼ同じ時期に出版され、旧オスマン帝国領の別地域のほぼ同様の時代を扱う「世界史リブレット オスマン帝国治下のアラブ社会」や、フィクションではあるものの時代背景の肉付けに大いに役立つノーベル文学賞対象作「ドリナの橋」も合わせて読むと、全体像の理解を深めることができるのではないかと思う。
2000年以降もコソヴォ独立等、この地域での状況変化・進展はあるが、2001/9/11以降、どちらかと言えば、世界の耳目は、中東地域発のイスラーム過激運動への対峙へと向かい、現在に至っている。「イスラム国」が旧オスマン帝国領の列強による分割・国境策定に異を唱え、国境を跨る地域の統治者を僭称しつつも(オスマン帝国支配下での諸宗派共生とは異なり)少数派虐殺・抹殺を進めている状況、更には、難民の欧州流入における(これまで多元主義の守護者のように振る舞ってきていた)欧州各国の反応を見るにつけ、改めてバルカンの歴史を理解することの重要性を認識させられた。バルカンで起こったことは「ヨーロッバの過去だったのか、それとも未来だったのか?」という問いは、正にこれからも問い続けられていくべきものと思う。
尚、本書(邦訳)とほぼ同じ時期に出版され、旧オスマン帝国領の別地域のほぼ同様の時代を扱う「世界史リブレット オスマン帝国治下のアラブ社会」や、フィクションではあるものの時代背景の肉付けに大いに役立つノーベル文学賞対象作「ドリナの橋」も合わせて読むと、全体像の理解を深めることができるのではないかと思う。
2019年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
バルカン半島の地形などがよく分かり、民族紛争の値がよく理解できました。この本も再読の価値があります。
2022年1月3日に日本でレビュー済み
この本はバルカン半島の歴史について知りたかったので、大学の校費で購入し、読んでみました。専門は英語学なので、歴史は趣味に近いですが、クロアチア語やセルビア語、ブルガリア語といった南スラブ語に興味があるので、この手の本を読み漁っています。バルカン史の歴史的経緯のややこしさは伝わってきましたが、つい先日読み終えた『バルカン史』に比べて、通史の流れがつかみにくく、専門家でない私にはちょっとわかりにくい内容でした。
2019年11月12日に日本でレビュー済み
バルカン半島の歴史と現代に至るまでの経緯等の情報がかなり詰まった本だなと思いました。
東ローマ帝国時代にはそれなりに中心地だったはずですが、その名残が宗教程度しか残っておらず、近代までほぼオスマン帝国の支配下にあっての歴史であり、それなりにうまく回っていたこと、バランスが崩れると一気に争いが増え、混乱に陥ったことがよく伝わってきました。
巻末の「マーク・マゾワー『バルカン』解題」でも書かれていましたが、時系列で書かれておらず、また今日のバルカン諸国の枠組みでも記述されていないため、時代が前後したり地理的にも急に話が飛んだりしていて読み辛いと思える構成だと思いました。始めの凡例で「原著には小見出しはなく、本訳書で付したものである」と書かれていましたが、小見出しがなければ更に読み辛かったのだろうなと思います。無理につけられている小見出しなので、本文の一部としか一致しない小見出しも多かったですが、小見出しがあったおかげでかなり助かりました。原文はかなり読むのが大変そうだなと思いました。
東ローマ帝国時代にはそれなりに中心地だったはずですが、その名残が宗教程度しか残っておらず、近代までほぼオスマン帝国の支配下にあっての歴史であり、それなりにうまく回っていたこと、バランスが崩れると一気に争いが増え、混乱に陥ったことがよく伝わってきました。
巻末の「マーク・マゾワー『バルカン』解題」でも書かれていましたが、時系列で書かれておらず、また今日のバルカン諸国の枠組みでも記述されていないため、時代が前後したり地理的にも急に話が飛んだりしていて読み辛いと思える構成だと思いました。始めの凡例で「原著には小見出しはなく、本訳書で付したものである」と書かれていましたが、小見出しがなければ更に読み辛かったのだろうなと思います。無理につけられている小見出しなので、本文の一部としか一致しない小見出しも多かったですが、小見出しがあったおかげでかなり助かりました。原文はかなり読むのが大変そうだなと思いました。
2017年8月14日に日本でレビュー済み
「バルカン」といっても日本ではどれだけの人が認識していることか。「バルカン政治家」とか「ユーゴ紛争」といったくらいである。
中学の世界地理でもほとんど触れない。せいぜい高校の世界史において第一次世界大戦あたりで習う程度である。
それほど縁の薄い地域なので、中には「それ床屋にあるんとちゃうか」と「バリカン」と間違える人もいる。ひどいのになると「新世界のことか。」??「ビリケン」と間違っているのである。ましてや国々になると知らないとこばかり。せいぜい「オリンピック」のギリシャか「ヨーグルト」のブルガリア、サッカーチームの「ハリルホジッチ監督」の母国ボスニア=ヘルツェゴビナ程度で、どのあたりにあるかとなると皆目わからず世界地図を見ながら四苦八苦する有様である。
EU内紛の一因がバルカン情勢にあることを理解しろと言っても、具体的なイメージがないのでわからないし、「コソボ内戦」とか「ギリシャ危機」といってもどこか遠い国の話、何のこっちゃで済ましてしまう。
こんな無知を無くし理解を深めるために格好の一冊である。
バルカン半島について、歴史だけでなく地形、宗教、文化など多角的な面から分析を行っている。中央部にある急峻な山地と、トルコ、ロシア、ドイツなどの周辺大国、キリスト教の宗派にイスラム教、多様な民族などの要素が1000年位以上にわたって絡み合う様を、実証的に解き明かしている。その複雑さは単一民族国家に住む我々には想像もつかぬ話で、それがわかるだけでも値打ちがある。この書をバルカン半島を知る一つのカギとすればよい。
かなり中身が濃く、ある程度の基礎知識がないと読みこなすのは骨が折れるが、こんな高度な専門署をお手頃の価格で発売してくれた中央公論社には感謝したい。
中学の世界地理でもほとんど触れない。せいぜい高校の世界史において第一次世界大戦あたりで習う程度である。
それほど縁の薄い地域なので、中には「それ床屋にあるんとちゃうか」と「バリカン」と間違える人もいる。ひどいのになると「新世界のことか。」??「ビリケン」と間違っているのである。ましてや国々になると知らないとこばかり。せいぜい「オリンピック」のギリシャか「ヨーグルト」のブルガリア、サッカーチームの「ハリルホジッチ監督」の母国ボスニア=ヘルツェゴビナ程度で、どのあたりにあるかとなると皆目わからず世界地図を見ながら四苦八苦する有様である。
EU内紛の一因がバルカン情勢にあることを理解しろと言っても、具体的なイメージがないのでわからないし、「コソボ内戦」とか「ギリシャ危機」といってもどこか遠い国の話、何のこっちゃで済ましてしまう。
こんな無知を無くし理解を深めるために格好の一冊である。
バルカン半島について、歴史だけでなく地形、宗教、文化など多角的な面から分析を行っている。中央部にある急峻な山地と、トルコ、ロシア、ドイツなどの周辺大国、キリスト教の宗派にイスラム教、多様な民族などの要素が1000年位以上にわたって絡み合う様を、実証的に解き明かしている。その複雑さは単一民族国家に住む我々には想像もつかぬ話で、それがわかるだけでも値打ちがある。この書をバルカン半島を知る一つのカギとすればよい。
かなり中身が濃く、ある程度の基礎知識がないと読みこなすのは骨が折れるが、こんな高度な専門署をお手頃の価格で発売してくれた中央公論社には感謝したい。
2017年7月29日に日本でレビュー済み
暗黒の大陸:ヨーロッパの20世紀
なども書いているマーク・マゾワーが、バルカンの歴史をまとめあげた一冊。
新書でマゾワーの著作が読めるというのはありがたい。
しかし、バルカンのオスマンとの関係、宗教が重要なファクターだったこと、半ば外部とのパワーバランスで作られてしまったともいえるネイションと民族の絡み合い、等、その背景の要因はある程度分かるものの、他の方も書いているようにバルカンの複雑さが分かったという気分はしない。
小著にまとめているから、というのもあるであろうが、恐らくヨーロッパの人を念頭に置いて書いているために、想定される読者の予備知識が日本人のそれとは大きく異なるのが遠因ではないか、という気がする。
少なくとも私には、バルカンは「一触即発の火薬庫」という認識はあれど、筆者が声高に否定する「暴力的で残忍な民族」という印象はない。
ユーゴスラビア紛争史であればある程度知識はあるが、そのあたりは本書ではほとんど触れられず、本書が中心的に叙述しているのはオスマン支配から第一次大戦までの歴史である。
そのあたりはあまり知らないし、長い歴史で地域差も大きいのにまとめて書いているので、ついていきにくい箇所が多かった。
全体として専門性が高く、新書で出すのがよかったのかはイマイチ分からない感じの本だと感じた。
ハードカバーで解説も厚くすれば、値段は上がるかもしれないがもう少し読者層も合わせられたのではという気がする。
新書でマゾワーの著作が読めるというのはありがたい。
しかし、バルカンのオスマンとの関係、宗教が重要なファクターだったこと、半ば外部とのパワーバランスで作られてしまったともいえるネイションと民族の絡み合い、等、その背景の要因はある程度分かるものの、他の方も書いているようにバルカンの複雑さが分かったという気分はしない。
小著にまとめているから、というのもあるであろうが、恐らくヨーロッパの人を念頭に置いて書いているために、想定される読者の予備知識が日本人のそれとは大きく異なるのが遠因ではないか、という気がする。
少なくとも私には、バルカンは「一触即発の火薬庫」という認識はあれど、筆者が声高に否定する「暴力的で残忍な民族」という印象はない。
ユーゴスラビア紛争史であればある程度知識はあるが、そのあたりは本書ではほとんど触れられず、本書が中心的に叙述しているのはオスマン支配から第一次大戦までの歴史である。
そのあたりはあまり知らないし、長い歴史で地域差も大きいのにまとめて書いているので、ついていきにくい箇所が多かった。
全体として専門性が高く、新書で出すのがよかったのかはイマイチ分からない感じの本だと感じた。
ハードカバーで解説も厚くすれば、値段は上がるかもしれないがもう少し読者層も合わせられたのではという気がする。