法制度の観点から全体像をつかむには良書だと思いますが、この問題の根底に何がある
のか考えてほしい。「地方に両親の住む実家があったが、両親が亡くなってから放置し
ている。今さら自分が住む気はないので、仕方なく税金だけ払い続けている。その出費
は馬鹿にならない金額で困っている。」そういう人は多いと思う。
地方の土地など買い手がつかない。借りたい人もいない。自治体に寄付しようとしても
断られる。自治体にとって固定資産税は安定収入源なので、そう簡単には手放さない。
家屋を取り壊すには2百万円はかかり、登記にも費用がかかる。日本の民法は所有権放棄
を認めていないので、これでは八方ふさがりだ。
その結果生まれたのが所有者不明土地だ。つまり税金を払わないで逃げるということだ。
その総面積が九州を越えたとは驚くほかない。そのため公共工事ができない等の弊害が
いたる所に出ている。そもそも住民が流失して人口が減っているのに、自治体の税収だけ
確保しようとするのが間違いなのだ。人口が半分になれば、自治体の職員も半減させなけ
ればおかしいだろう。
政府は罰則を強化する方向で対処しようとしている。つまり住民ではなく、自治体を守る
ことを第一に考えている。しかし民法を改正して所有権放棄を認めるべきだ。そうでない
と逃げるしか選択肢がなくなり、所有者不明土地はますます増え続けるだろう。老いる家
が増え、街が崩れていく背景には、そういう事情があることを多くの人に知ってほしい。
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人口減少時代の土地問題 - 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書 2446) 新書 – 2017/7/19
吉原 祥子
(著)
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私有地の約20%で、すでに所有者がわからない。地価下落による相続放棄や空き家問題の本質であり、行政も解決断念する実態を描く
- 本の長さ191ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/7/19
- ISBN-10412102446X
- ISBN-13978-4121024466
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商品の説明
著者について
東京財団研究員兼政策プロデューサー 1971年生まれ.神奈川県出身.94年東京外国語大学タイ語科卒.タイ国立シーナカリンウィロート大学へ国費留学.米レズリー大学大学院修了(文化間関係論).98年より東京財団勤務
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/7/19)
- 発売日 : 2017/7/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 191ページ
- ISBN-10 : 412102446X
- ISBN-13 : 978-4121024466
- Amazon 売れ筋ランキング: - 285,689位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2020年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年8月29日に日本でレビュー済み
最近、マスメディアで「空き家」問題が取り上げられることが多くなりました。
また、2008年頃には、外国資本(主に中国?)が、北海道の森林を買い漁っている、ということも報道されました。
これらのことを裏付けるように、国土交通省が、2014年に行ったサンプル調査では、登記情報が50年以上前のままの土地は、19.4%に達するそうで、
これは何と九州の面積よりも広いのです。
少子化、人口減少が顕著な現在の日本、現在の土地制度は、これらの問題に対応できる制度になっていないことから、
この「所有者不明」の土地問題は、抜本的な手を打たなければ、さらに深刻化することは必定ではないかと考えられています。
ではなぜこのような問題が生じてきたのでしょう?それは相続時に土地を登記し直さない、ということが大きな要因であると考えられています。
私も経験がありますが、この不動産登記、結構手間がかかり、お金もかかるのです。
現在は、相続税の控除が減額され、相続税を払う人も増えているようですが、それでも8%台ではないかと推測されています。
それ以外の人は、別段登記をし直さなくても何ら問題が生じず、罰則もないので、そのまま放置しておこうか、ということになります。
農地では、土地価格が低いので、相続未登記は、20%、森林(山)では、この数字はもっと大きくなります。
また、多人数で登記しているという問題も事態をより複雑にしています。
しかし、普段は問題なくとも、土地売買の時、大規模災害時、相続の時に、登記を放棄していたつけが襲ってくるのです。
本書では、「所有者不明」を中心とした土地問題を取り上げ、その実態と全体像を解りやすく解説し、その解決法を模索しています。
内容は面白いのですが、難点は、文章が硬いということかな、それで☆1個減じています。
また、2008年頃には、外国資本(主に中国?)が、北海道の森林を買い漁っている、ということも報道されました。
これらのことを裏付けるように、国土交通省が、2014年に行ったサンプル調査では、登記情報が50年以上前のままの土地は、19.4%に達するそうで、
これは何と九州の面積よりも広いのです。
少子化、人口減少が顕著な現在の日本、現在の土地制度は、これらの問題に対応できる制度になっていないことから、
この「所有者不明」の土地問題は、抜本的な手を打たなければ、さらに深刻化することは必定ではないかと考えられています。
ではなぜこのような問題が生じてきたのでしょう?それは相続時に土地を登記し直さない、ということが大きな要因であると考えられています。
私も経験がありますが、この不動産登記、結構手間がかかり、お金もかかるのです。
現在は、相続税の控除が減額され、相続税を払う人も増えているようですが、それでも8%台ではないかと推測されています。
それ以外の人は、別段登記をし直さなくても何ら問題が生じず、罰則もないので、そのまま放置しておこうか、ということになります。
農地では、土地価格が低いので、相続未登記は、20%、森林(山)では、この数字はもっと大きくなります。
また、多人数で登記しているという問題も事態をより複雑にしています。
しかし、普段は問題なくとも、土地売買の時、大規模災害時、相続の時に、登記を放棄していたつけが襲ってくるのです。
本書では、「所有者不明」を中心とした土地問題を取り上げ、その実態と全体像を解りやすく解説し、その解決法を模索しています。
内容は面白いのですが、難点は、文章が硬いということかな、それで☆1個減じています。
2023年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
参考にはなったけど、知っていることが多かった。もうちょっと具体例と対策が知りたかった。
2020年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本の所有者不明地の面積が、合わせると九州ほどもあるというのはご存知の方も少なくないかと思います。大問題です。
本書はこの問題の原因を、制度面だけでなく現場の調査を通して分析し、具体的な提案を3点されています。
文章は簡明で読みやすいです。1人でも多くの人が本書を手に取り、問題意識を持ってもらえればと思います。
本書はこの問題の原因を、制度面だけでなく現場の調査を通して分析し、具体的な提案を3点されています。
文章は簡明で読みやすいです。1人でも多くの人が本書を手に取り、問題意識を持ってもらえればと思います。
2017年10月14日に日本でレビュー済み
かつての日本人にとっては、農地にしろ商業地にしろ住宅地にしろ、土地は
最も重要な財産であり、町の中心市街地の中でも一等地と呼べる地域があり、
結構な地価で取引されていたはずですが、どうもそうした重要な土地を除くと、
正式な相続も行われず、法務局への登記がなされないままの土地が非常に多く、
相続者は子孫全体に広がって連絡を取ることもできないまま、自治体は
固定資産税さえ払ってくれれば、死者名義の土地から税金を取り立てても
気にならないほどであるため、問題の解決は困難なようです。
相続が放棄された土地を、例えば自治体が自由に使える国有地のようなものに
出来たら、様々な用途に利用できそうですが、国は土地の寄付を受けないこと
にしているそうで(かつて都心近くの優良家屋を理財局が高級官僚の官舎に
充てていたことへの反動かも)、ならば自治体が所有する土地を増やすことで、
将来の抜本的な都市計画や公共住宅の用地として準備することも可能では、
などと素人ながら考えたりしました。
霞が関の官庁は、そうした分散した土地情報の集約や統合化の仕事を好みそう
なのにと考えていましたが、実際に農地の情報に関しては農水省による情報の
集約が進んでいるそうで、そのほか、マイナンバーを利用した登録や管理も
提唱されているようで、情報の集約と電子化は不可能ではないようです。
最も重要な財産であり、町の中心市街地の中でも一等地と呼べる地域があり、
結構な地価で取引されていたはずですが、どうもそうした重要な土地を除くと、
正式な相続も行われず、法務局への登記がなされないままの土地が非常に多く、
相続者は子孫全体に広がって連絡を取ることもできないまま、自治体は
固定資産税さえ払ってくれれば、死者名義の土地から税金を取り立てても
気にならないほどであるため、問題の解決は困難なようです。
相続が放棄された土地を、例えば自治体が自由に使える国有地のようなものに
出来たら、様々な用途に利用できそうですが、国は土地の寄付を受けないこと
にしているそうで(かつて都心近くの優良家屋を理財局が高級官僚の官舎に
充てていたことへの反動かも)、ならば自治体が所有する土地を増やすことで、
将来の抜本的な都市計画や公共住宅の用地として準備することも可能では、
などと素人ながら考えたりしました。
霞が関の官庁は、そうした分散した土地情報の集約や統合化の仕事を好みそう
なのにと考えていましたが、実際に農地の情報に関しては農水省による情報の
集約が進んでいるそうで、そのほか、マイナンバーを利用した登録や管理も
提唱されているようで、情報の集約と電子化は不可能ではないようです。
2020年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポストコロナをどう過ごしていくのかを考えるヒントになる。
2017年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「所有者不明化」や「空き家」問題は最近新聞やNHKなどテレビも特集を組んで報じるなど関心が高まってきているテーマである。本書は『「所有者不明化」を中心とした土地問題を、正面から扱った初めての書籍』(はしがき)とのことで、確かにAmazonで「所有者不明」のキーワードで検索すると一般向けの本としては本書しかヒットしない。
本書では、著者らが実施した土地の「所有者不明化」問題の実態把握のための全国調査(回答自治体数888)も含め、土地についてこれまで行われた国レベル、地方レベルの様々な調査結果を基に問題点を抽出、整理している。その結果、そもそも国土の有効な活用や農林業の振興、都市再開発などを進める上で把握されるべき土地に関する基礎情報が国として把握されていないという実態が浮かび上がってくる。土地情報として最も基本となる「土地の戸籍」を整備する地籍調査もフランス、ドイツ、韓国、台湾などは完了しているのに日本の進捗率は52%であるとのこと。また、土地についての基本情報は不動産登記簿のほか、固定資産課税台帳、国土利用計画法に基づく売買届出、農地台帳などが、目的別に作成・管理されているが、所管官庁がそれぞれ異なり、土地の所有・利用に関する情報を一元的に管理できるシステムは整っていないとのこと。何か対策を講じようにも、基本的な情報とそれを管理するシステムが国レベルでないというお寒い実態が浮かび上がってくる。
また、所有者不明化に直結する制度上の問題として、登記簿において所有権に関する登記については当事者に申告義務はなく、登記を申請するか否かは当事者の自由な判断にゆだねられている。親などの死亡に伴い土地を相続したとしても、資産価値が低かったり、当面売買の可能性がない場合、数十万円単位の登記費用を支払って義務もない登記申請をしないというケースが多いのも当然のように思われる。その結果、登記簿において最後に所有権に関する登記が行われた年が50年以上前の土地が約2割あるという状況を招いている。結果、各自治体では課税台帳上の納税義務者が死亡していることが分かっていても固定資産税を課税する「死亡者課税」を行ったり「課税保留」の手続きを取るなどして事実上解決を断念しているのが実態のようである。
本書でも指摘されているように、人口減少時代を迎え土地の所有者不明化問題はますます深刻化していくことが予想される。更に、人の移動や不動産投資のグローバル化が進み海外での転売や相続が増えると問題は更に複雑になる。既に農地の区画整理や都市再開発、東日本大震災後の高台移転のための土地確保などで所有者不明化問題が障害となるケースが増えている。土地という日本では特に個人の権利意識が高い資産に関わることから、国や自治体も思い切った政策を取りにくいようではあるが、対策は待ったなしといえる。より多くの人がこの問題に関心を持ち、それが結果として行政を動かすきっかけになることを期待したい。
本書では、著者らが実施した土地の「所有者不明化」問題の実態把握のための全国調査(回答自治体数888)も含め、土地についてこれまで行われた国レベル、地方レベルの様々な調査結果を基に問題点を抽出、整理している。その結果、そもそも国土の有効な活用や農林業の振興、都市再開発などを進める上で把握されるべき土地に関する基礎情報が国として把握されていないという実態が浮かび上がってくる。土地情報として最も基本となる「土地の戸籍」を整備する地籍調査もフランス、ドイツ、韓国、台湾などは完了しているのに日本の進捗率は52%であるとのこと。また、土地についての基本情報は不動産登記簿のほか、固定資産課税台帳、国土利用計画法に基づく売買届出、農地台帳などが、目的別に作成・管理されているが、所管官庁がそれぞれ異なり、土地の所有・利用に関する情報を一元的に管理できるシステムは整っていないとのこと。何か対策を講じようにも、基本的な情報とそれを管理するシステムが国レベルでないというお寒い実態が浮かび上がってくる。
また、所有者不明化に直結する制度上の問題として、登記簿において所有権に関する登記については当事者に申告義務はなく、登記を申請するか否かは当事者の自由な判断にゆだねられている。親などの死亡に伴い土地を相続したとしても、資産価値が低かったり、当面売買の可能性がない場合、数十万円単位の登記費用を支払って義務もない登記申請をしないというケースが多いのも当然のように思われる。その結果、登記簿において最後に所有権に関する登記が行われた年が50年以上前の土地が約2割あるという状況を招いている。結果、各自治体では課税台帳上の納税義務者が死亡していることが分かっていても固定資産税を課税する「死亡者課税」を行ったり「課税保留」の手続きを取るなどして事実上解決を断念しているのが実態のようである。
本書でも指摘されているように、人口減少時代を迎え土地の所有者不明化問題はますます深刻化していくことが予想される。更に、人の移動や不動産投資のグローバル化が進み海外での転売や相続が増えると問題は更に複雑になる。既に農地の区画整理や都市再開発、東日本大震災後の高台移転のための土地確保などで所有者不明化問題が障害となるケースが増えている。土地という日本では特に個人の権利意識が高い資産に関わることから、国や自治体も思い切った政策を取りにくいようではあるが、対策は待ったなしといえる。より多くの人がこの問題に関心を持ち、それが結果として行政を動かすきっかけになることを期待したい。
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数値に基づいた筆者の分析は、的確であることがよく分かります。
解説も分かりやすく、あっという間に読了しました。
解説も分かりやすく、あっという間に読了しました。