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トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書 2451) 新書 – 2017/9/20
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- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/9/20
- 寸法11 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104121024516
- ISBN-13978-4121024510
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
トラクターの登場がファシズムと共産主義を生み出した
二一世紀が電脳の時代なら、二〇世紀は動力(モータリゼイション)の時代である。そして「二〇世紀の恋人」自動車が表の主役なら、裏の主役はトラクター。異色の技術史である本書は、「トラクターの世紀」を描いて痛快だ。
農作業でもっともつらいのは、土の掘り返し。だから大昔から、人類は牛や馬を相棒に、土と格闘してきた。一八九二年、米国でトラクターが誕生。農民は手間のかかる牛馬の世話から解放され、爆発する人類の胃袋を大量生産で満たすことに成功した。はずだった。
光強きところ、陰も濃し。
作家のスタインベックは代表作「怒りのぶどう」で、トラクターに怒りのペンをふるった。機械で大量に土を掘り返すトラクターは、濫用すれば土地が乾き、荒廃する。作品のモチーフとなった米中西部のダストボウル(大砂塵)は、トラクターが一因だった。
一九三〇年代にダストボウルが起き、土壌浸食は飢饉をもたらし米経済は混乱、ついには大恐慌を引き起こし、政情不安からドイツのファシズムとロシアの共産主義の衝突に向かった……。本書が紹介するこんな歴史認識も、一面の真理を突く。「トラクターがファシズムと共産主義を生み出した」とも言えるのだ。
トラクターと独裁者は切っても切れない仲にある。ヒトラーもスターリンも毛沢東も日本の軍部も、国産トラクターの生産に血路を見いだした。戦車も、履帯トラクターからヒントを得た殺人機械なのだ。
「トラクターと戦車はいわば双生児であり、ジーギル博士とハイド氏のようにドッペルゲンガー(二重人格)の機械であった」
トラクターは今も進化を続ける。近い将来、AIが遠隔操作するトラクターが出てきても不思議はない。それが、輝かしい未来だとは思えない。農民を農地から追い出す新たなエンクロージャー(囲い込み)ではないか。トラクターとは、「農業そのものを農地の外からの管理作業に変え、人類史から消滅させる試みの始まり」とも言えるのだ。
ただ、そうした資本の囲い込みから脱する方策も、本書の延長線上、わずかに光が差す。著者が詳述する日本企業得意の廉価な小型トラクター(歩行型トラクター)だ。全国に農地は余り、小型トラクターも納屋の隅で眠っている。それを使わせてもらう。あるいは数人で〈共有〉する。
自分で食うものは、自分で作る。獲る。釣る。
地産地消ならぬ、個産個消。百姓であり猟師でもある評者は、わが手のマメと本書とに、二〇世紀の夢のその先を、感じている。
評者:近藤 康太郎
(週刊文春 2017.11.9号掲載)著者について
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/9/20)
- 発売日 : 2017/9/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 4121024516
- ISBN-13 : 978-4121024510
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 133,032位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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トラクターによって、人力/馬による耕作が置き換わるだけでなく、家畜の糞などをベースにする肥料から化学肥料に置き換わり、農家の働き方、あり方が、アメリカ、ソ連、日本で変わっていく様が描かれていて、とても興味深かった。
キャタピラーは、まずトラクターで導入され、そのトラクターをベースに戦車が開発されたのも、本書で初めて知った。
読みやすいし、読み物としても面白かった。
しかし、技術的情報が少ない。トラクターの構造、オプションとの接続を図面で解説してもらいたかった。
そこに住む人々の世界を変えた。
20世紀の人口爆発は食料の大増産が必須だったが化学肥料だけでなくトラクターもなくてはならないものだった。
主に国別にトラクターの歴史とその影響を書いてあるが歴史読み物としてとてもおもしろい。
歴史とは事実の羅列ではなくて視点が大事だと改めて感じる本。
故郷でトラクターに乗って家事手伝いをした時代を懐かしく思いながら読んだ。
まず、帯をほめたい。本書を読み終わってみると、帯に書かれていることが、見事なまでに本書の内容を要約していることに感心する。個人的には。今年の新書帯大賞に推したい。
というわけで、帯以上の内容を書ける自信はないが、ちょっと書いてみよう。
トラクターという農耕機械であり、車でもあるものの誕生以来の歴史を、世界史的規模で展開した新書である。内容豊富だが、快調な文で読みやすい。同時刊行の中公新書「イスラムの歴史」に比べると、三分の一ぐらいの時間で読めてしまう。
本書はトラクターの「魅力」と「功績」と「害」について語るが、「魅力」に重点が置かれている。
「魅力」には三種類ある。
一、農民が、新しく、効率的な農耕機械に感じた「魅力」
二、国家が、農民支配、国家発展の道具として高く評価した「魅力」
三、マニア、一般国民等が、特殊な車に感じる「魅力」
本書では二が重要視され、トラクターロシア革命史、トラクターナチスドイツ史、トラクター戦後中国史ともなっている。その結果は、国家から見れば「功績」になるが、農民からみれば、トラクターは「功績」でもあり、土地から追い出される「害」であったことなる、また、土地を痛めるという「害」も(スタインベッグは「怒りぶどう」で、トラクターは処女なる大地をひたすら「強姦」する道具と批判した)書かれている。
三については、随所に、音楽、映画、小説等に描かれたトラクターの話が出てきて、とても楽しい。東のプレスリーに対抗して、西の小林旭の「赤いトラクター」の歌詞が出てくると、思わず笑ってしまった。
引用する
「仕事こそは 限りない
男の命じゃないか」
蛇足
トラクターは農耕機械だが、工場等で使われるフォーク・リフトも、工業社会に多大な影響を与えた「車」であると思う。
輸入トラクターの影響は凄いものでした。少しながら農業の機械化に私も役にたったかな・・と思っています。
この本誌はトラクター誕生による良い面と悪い面すべて記載さにれています。
本誌は別な見方をすれば現在の文明を再考する必要がある・・と訴えているようですがそうならば同感です。
機械やトラクターが好きな人だけではなく、ITに関心ののある人に是非進めたい本です。