怪我をして、人生で初めて大学病院に入院&手術し、退院後もしばらく通院した体験がキッカケで、医療や医師の世界に興味を持ちました。
病院では笑ってしまうくらい「この本に書いてあるとおりのこと」が展開していました(笑)。
わたし自身は、医師とのコミュニケーションに悩みがあったわけではなく、むしろ入院中は医療の効率について考えを巡らせたり、「なぜ先生たちは激務の中ここまで患者に身を捧げられるのだろうか?」など思っていましたが、外来になると1回目から先生がすでにわたしの経過や話をまるで憶えていない様子だったりするのがかなり謎でした。
その答えもこの本に書いてあります!(失笑)
それは説明の難しいひじょーーーに感覚的な部分なのですが、それが見事に文章になって書かれているところがこの本のスゴいところです。
(悪い意味ではなく)ふつう99%の医師はこのような感覚を伝える説明ができないので、患者とのコミュニケーションのズレや医療への誤解が存在し続けていると思います。
忙しい医師はそのことを漠然と認識していても具体的に是正するヒマがないので、逆にこういった本で感覚の分かる患者が増えれば、一気にコトが好転する可能性を感じました。
入院とか手術とか少し大きめの体験をした人が読めば、実感としてものすごくよく分かると思います。
ただ問題は、そのような体験のない人がどうやったら事前にこの感覚を理解できるかですねーーー。
わたし自身30代理系でモンドリアン回路を持ってますが、著者も書いているとおり、だから分かり合えるではないことや、知識や理論の理解だけでなく生活のうえで自分にとって何が大切なのか?ある種プライベートな部分を医師に腹を割って話したほうがいいこと、などはとても意外でした。
えー医療ってそういうものだったのか、、、と。
命に関わる病気になる前に、若いうちに怪我で医療を体験し、加えてこの本に出会えたのは貴重な経験になりました!
また最後の第6章「患者として、市民として」は、利潤追求のビジネス界の住人としてはすごく胸にグッとくる内容でした。
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「医師アタマ」との付き合い方―患者と医者はわかりあえるか (中公新書ラクレ) (中公新書ラクレ 344) 新書 – 2010/4/10
尾藤 誠司
(著)
- ISBN-104121503449
- ISBN-13978-4121503442
- 出版社中央公論新社
- 発売日2010/4/10
- 言語日本語
- 本の長さ218ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2010/4/10)
- 発売日 : 2010/4/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 218ページ
- ISBN-10 : 4121503449
- ISBN-13 : 978-4121503442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 721,265位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 630位中公新書ラクレ
- - 35,768位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年9月16日に日本でレビュー済み
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2013年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医療に関する統計的なデータや専門用語などについては、図やグラフを用いて説明している為、大変分かりやすく読みやすいです。
またそれらについては、根拠に基づいた文章のため大変安心して読むことができます。
データやグラフの内容に関しても、全く無駄になるような知識ではないし、自分が受診する時など、客観視する材料になることでしょう。
残念なのは、全く医療知識のない人間がこの本を手にした時、読み手の捕らえ方によっては「言い訳くさく」聞こえてしまうのだろう、という事です。
具体例を挙げて“こういった時患者はこう考えこう発言するが、医師はこういった思考に基づいて~~~~という風に発言をしている”という書き方をしている為です。
これでは、「マニュアル通り患者を対応しているのだろう」と思われても仕方ありません。
度々、医学は発展途上の学問であると言われますが、たいていの人間は心の何処かで「医師はエキスパートであり、プロフェッショナルだ」数ある病名から適切な病名(答え)を導き出したとしても「高給であり、名誉ある職業である」「人よりも長い年数を学業に費やしている」というイメージが付きまとう為“出来て当たり前”という風に捕らえてしまいます。
忘れてはいけないのは、医師も人間だということです。分からない時も勿論あるでしょう。しかし医師は一家の母親のように、殆どの患者から「出来て当たり前」を要求されます。
苦痛に長年苦しめられている人間は、自分自身に焦点を絞ってしまいがちですし、時に感情的になってしまいます。それでも、彼らは客観的なデータや事実に基づいた根拠からしか、判断することが出来ません。
この本は、それらのことを婉曲的に伝え、冷静・効果的に医師とコミュニケーションを取ろうとする時「どういった言葉が効果的か」「どういう順番で説明すれば良いのか」など、タブーを踏まえて教えてくれる本なのかもしれません。
またそれらについては、根拠に基づいた文章のため大変安心して読むことができます。
データやグラフの内容に関しても、全く無駄になるような知識ではないし、自分が受診する時など、客観視する材料になることでしょう。
残念なのは、全く医療知識のない人間がこの本を手にした時、読み手の捕らえ方によっては「言い訳くさく」聞こえてしまうのだろう、という事です。
具体例を挙げて“こういった時患者はこう考えこう発言するが、医師はこういった思考に基づいて~~~~という風に発言をしている”という書き方をしている為です。
これでは、「マニュアル通り患者を対応しているのだろう」と思われても仕方ありません。
度々、医学は発展途上の学問であると言われますが、たいていの人間は心の何処かで「医師はエキスパートであり、プロフェッショナルだ」数ある病名から適切な病名(答え)を導き出したとしても「高給であり、名誉ある職業である」「人よりも長い年数を学業に費やしている」というイメージが付きまとう為“出来て当たり前”という風に捕らえてしまいます。
忘れてはいけないのは、医師も人間だということです。分からない時も勿論あるでしょう。しかし医師は一家の母親のように、殆どの患者から「出来て当たり前」を要求されます。
苦痛に長年苦しめられている人間は、自分自身に焦点を絞ってしまいがちですし、時に感情的になってしまいます。それでも、彼らは客観的なデータや事実に基づいた根拠からしか、判断することが出来ません。
この本は、それらのことを婉曲的に伝え、冷静・効果的に医師とコミュニケーションを取ろうとする時「どういった言葉が効果的か」「どういう順番で説明すれば良いのか」など、タブーを踏まえて教えてくれる本なのかもしれません。
2019年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
*大病院・大学病院の医師との付き合い方が書かれている
著者は大学を卒業後、国立の大きな病院を転々とされているためか、この本は大学病院・大病院での医師について書かれている。よってここに書かれているのは町医者・個人病院のお医者さんに当てはまらない話も多いため、町医者から紹介されて大学病院・大病院を受診したり、入院手術をしたりする際に患者やその家族が読むには参考になると思う。
*大学病院・大病院にかかる際の医師との意思疎通のHow to本としては良い
大学病院・大病院に紹介状を書かれて行くというのは町医者にかかるのとは違い、大きな病気である可能性が高い状態であり、また全く自分のことを知らない医師に既往歴やこの病院に紹介されるに至った経緯を話さねばならない。初診の前にこの本で「医師アタマ」を知れば、ギクシャクせずにスムーズに意思疎通が可能になり、互いに無駄な神経をすり減らさなくて済むようになるだろう。私は3年前から複数回の入院手術を経験し、その後も経過観察で通い続けているがもっと早くに出会っていればよかったとは思った。この本は文章も読みやすく、章立てや見出しもきちんとなされておりとても理解しやすい。専門家が一般の人に各々の専門の入り口の部分を解説するという新書の良さがよく出ていると思う。
*楽観的に見え、違和感に思えた点
この本の論旨から言えばさほど重要な点ではなかろうが、著者の楽観的なものの見方がいろんなところで目に付く。主だった2か所を以下に書く。
1)大学病院・大病院で生きてきた著者は、大半の医師について「患者さんを治癒することがモチベーションになっている比率が、利潤に比べて極端に高い」ことを何度も強調している。しかし、これは過疎地域・離島医療における町医者については言えるだろうが、都市部の町医者乱立エリアに住んでいる自分からすると、町医者の実態に当てはまるかは首をかしげる(特に皮膚科で美容皮膚科に力を入れだした病院なんかが顕著)。
2)著者は「持てる者が偉い」という従来の価値観がどんどん崩壊し、もう「自分の利益だけを追求しているようではダメだ」と感じられる時代になりつつある。人の幸せを自分の幸せのように感じられることは幸福で格好のいいことだという「(人を)思いやること」が次の時代に来る価値観だろと書いている。しかし実態は逆ではなかろうか?資本主義社会・核家族化・ゆとり教育・欧米的な価値観の流入などの結果、現代は「個の尊重」が進み人とのかかわりがより希薄になってきていて、他者に対し自己中心的な態度をとったり、自分が忙しいなどという感情から困った人を「見て見ぬふり」をする人が増えているのではないだろうか?
町医者・個人病院の実態を放っておいて大病院だけの話で論が進行していく点や、著者が楽観的というかキレイごとで話をまとめがちなことが目に付き引っ掛かりを覚え、素直に良書だと言い切れない。理想論を書くのはいいが、もう少し広く現実を直視したうえで書くべきだと思った。
著者は大学を卒業後、国立の大きな病院を転々とされているためか、この本は大学病院・大病院での医師について書かれている。よってここに書かれているのは町医者・個人病院のお医者さんに当てはまらない話も多いため、町医者から紹介されて大学病院・大病院を受診したり、入院手術をしたりする際に患者やその家族が読むには参考になると思う。
*大学病院・大病院にかかる際の医師との意思疎通のHow to本としては良い
大学病院・大病院に紹介状を書かれて行くというのは町医者にかかるのとは違い、大きな病気である可能性が高い状態であり、また全く自分のことを知らない医師に既往歴やこの病院に紹介されるに至った経緯を話さねばならない。初診の前にこの本で「医師アタマ」を知れば、ギクシャクせずにスムーズに意思疎通が可能になり、互いに無駄な神経をすり減らさなくて済むようになるだろう。私は3年前から複数回の入院手術を経験し、その後も経過観察で通い続けているがもっと早くに出会っていればよかったとは思った。この本は文章も読みやすく、章立てや見出しもきちんとなされておりとても理解しやすい。専門家が一般の人に各々の専門の入り口の部分を解説するという新書の良さがよく出ていると思う。
*楽観的に見え、違和感に思えた点
この本の論旨から言えばさほど重要な点ではなかろうが、著者の楽観的なものの見方がいろんなところで目に付く。主だった2か所を以下に書く。
1)大学病院・大病院で生きてきた著者は、大半の医師について「患者さんを治癒することがモチベーションになっている比率が、利潤に比べて極端に高い」ことを何度も強調している。しかし、これは過疎地域・離島医療における町医者については言えるだろうが、都市部の町医者乱立エリアに住んでいる自分からすると、町医者の実態に当てはまるかは首をかしげる(特に皮膚科で美容皮膚科に力を入れだした病院なんかが顕著)。
2)著者は「持てる者が偉い」という従来の価値観がどんどん崩壊し、もう「自分の利益だけを追求しているようではダメだ」と感じられる時代になりつつある。人の幸せを自分の幸せのように感じられることは幸福で格好のいいことだという「(人を)思いやること」が次の時代に来る価値観だろと書いている。しかし実態は逆ではなかろうか?資本主義社会・核家族化・ゆとり教育・欧米的な価値観の流入などの結果、現代は「個の尊重」が進み人とのかかわりがより希薄になってきていて、他者に対し自己中心的な態度をとったり、自分が忙しいなどという感情から困った人を「見て見ぬふり」をする人が増えているのではないだろうか?
町医者・個人病院の実態を放っておいて大病院だけの話で論が進行していく点や、著者が楽観的というかキレイごとで話をまとめがちなことが目に付き引っ掛かりを覚え、素直に良書だと言い切れない。理想論を書くのはいいが、もう少し広く現実を直視したうえで書くべきだと思った。
2016年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
某大学医学部編入試験の小論文で取り上げられたそうです。
患者としてベストな治療を選択する上で、医師との関係は強く影響すると思います。逆に医師にとってもベストな治療を患者に選択してもらうためには患者との関係は非常に重要だと思います。しかし現実には、すれ違いが多く、うまくいっていない現場が多い。これを解決するために、つまりは、すれ違いなく医師と患者の歩み寄りを達成させるために、この本は現実的な方法論を述べていると思います。
タイトルの通り、医師アタマの構造、性質等の理解は必要十分で、なるほどな!と、私はかなり納得しました。
さらに、これは幾分飛躍になるかもしれませんが、医師アタマの理解のみならず、理系専門家のアタマを理解することにも役立つかもしれません。
例えば、原発問題で様々な理系専門家がコメントしますが、その理解にも役立つような気がします。
患者としてベストな治療を選択する上で、医師との関係は強く影響すると思います。逆に医師にとってもベストな治療を患者に選択してもらうためには患者との関係は非常に重要だと思います。しかし現実には、すれ違いが多く、うまくいっていない現場が多い。これを解決するために、つまりは、すれ違いなく医師と患者の歩み寄りを達成させるために、この本は現実的な方法論を述べていると思います。
タイトルの通り、医師アタマの構造、性質等の理解は必要十分で、なるほどな!と、私はかなり納得しました。
さらに、これは幾分飛躍になるかもしれませんが、医師アタマの理解のみならず、理系専門家のアタマを理解することにも役立つかもしれません。
例えば、原発問題で様々な理系専門家がコメントしますが、その理解にも役立つような気がします。
2015年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すぐに届き、品質もわるくなかったので、すぐに読みたかった私にとって良かったです。
2013年9月22日に日本でレビュー済み
私は、医師、看護士とのコミュニケーションのずれには長年悩んできました。
もちろん、良い先生も多いですし、この本の著者である尾藤先生も
問題は認識されていると思います。実際、問題を正面から受け止めている
ことがわかる記載もあります。
とはいえ、内容を見ていくと、医師仲間に配慮したのか、バランスを欠いているように見えます。
なぜかといえば、主に引かれている患者の例が
「感情的で、理解力にかける、医療知識のない人」で、まあ、そういう困った人でも、
医師となったからには、理解してあげないといけないよね、というスタンスだからです。
著者に言いたいです。
医師の思考パターンが患者とは異質である、それはそうかもしれない。
医師と患者のやりとりは異文化コミュニケーション、それもそうかもしれない。
だがそれをいうならば、医師が違う文化の人を理解するようになるにはどうすべきかをもっと
書かないと説得力を持ち得ないと思います。
違う文化の人たちとはイコール、医療関係者からただ医療の知識を取り除いた人たちなのでしょうか。
異文化を認めるとは、医師側の事情を明らかにして、異文化側が医師をもっと理解してあげる
ということなのでしょうか。
真っ当な答えを探しても、それはこの本のどこにもありません。
これでは、医師が患者を、いつだって非論理的かつ感情的な医療知識の不足した困った人たち、
のようにみていても仕方がないです。
良心的な立場の方の本ですらこうなのですから。
患者側は、もっと普通に怒っているのだと私は思います。
ある程度良心的な一般の人たちであれば、当然することを、医療従事者たちがないがしろするから
困り果て、怒っているのだとおもいます。
それは、相手の立場になってものごとを丁寧に説明をする、ただそれだけのことであったりします。
私も、一般のお客様に相対する立場にありますが、我々からすると、信じられない姿勢で患者に
相対しているひとがとても多いです。そういう必要な訓練がこの日本の医療従事者の教育現場に
ないのだとしか思えません。
もし、そのような教育は一応あるのならば、医師と患者の間のコミュニケーションの本質的な問題は、
一義的には、医師や医療従事者の社会性の欠如に尽きると思います。
しかし、その答えにすら、
「あなたは医療を知らないからそういうんだ」と言ってきそうな気がしています。
そうではなくて、普通の真っ当な会社では
「私は間違っていない」
と言い張って、失礼な態度をただせない新人を、時間をかけて、一人前にして行きます。
その言い訳を、それなりの身分の方が、異文化として取り繕うかのような
本を出しているのには、ただただ残念としか言えません。
もちろん、良い先生も多いですし、この本の著者である尾藤先生も
問題は認識されていると思います。実際、問題を正面から受け止めている
ことがわかる記載もあります。
とはいえ、内容を見ていくと、医師仲間に配慮したのか、バランスを欠いているように見えます。
なぜかといえば、主に引かれている患者の例が
「感情的で、理解力にかける、医療知識のない人」で、まあ、そういう困った人でも、
医師となったからには、理解してあげないといけないよね、というスタンスだからです。
著者に言いたいです。
医師の思考パターンが患者とは異質である、それはそうかもしれない。
医師と患者のやりとりは異文化コミュニケーション、それもそうかもしれない。
だがそれをいうならば、医師が違う文化の人を理解するようになるにはどうすべきかをもっと
書かないと説得力を持ち得ないと思います。
違う文化の人たちとはイコール、医療関係者からただ医療の知識を取り除いた人たちなのでしょうか。
異文化を認めるとは、医師側の事情を明らかにして、異文化側が医師をもっと理解してあげる
ということなのでしょうか。
真っ当な答えを探しても、それはこの本のどこにもありません。
これでは、医師が患者を、いつだって非論理的かつ感情的な医療知識の不足した困った人たち、
のようにみていても仕方がないです。
良心的な立場の方の本ですらこうなのですから。
患者側は、もっと普通に怒っているのだと私は思います。
ある程度良心的な一般の人たちであれば、当然することを、医療従事者たちがないがしろするから
困り果て、怒っているのだとおもいます。
それは、相手の立場になってものごとを丁寧に説明をする、ただそれだけのことであったりします。
私も、一般のお客様に相対する立場にありますが、我々からすると、信じられない姿勢で患者に
相対しているひとがとても多いです。そういう必要な訓練がこの日本の医療従事者の教育現場に
ないのだとしか思えません。
もし、そのような教育は一応あるのならば、医師と患者の間のコミュニケーションの本質的な問題は、
一義的には、医師や医療従事者の社会性の欠如に尽きると思います。
しかし、その答えにすら、
「あなたは医療を知らないからそういうんだ」と言ってきそうな気がしています。
そうではなくて、普通の真っ当な会社では
「私は間違っていない」
と言い張って、失礼な態度をただせない新人を、時間をかけて、一人前にして行きます。
その言い訳を、それなりの身分の方が、異文化として取り繕うかのような
本を出しているのには、ただただ残念としか言えません。
2010年5月30日に日本でレビュー済み
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昨年、手術をしました。今まで大きな病気をしたことがなかったので、病院での医師との会話に「?」ということもありました。特に手術前に「同じような手術をした人でも、良くなった人も悪くなった人もいて、私にはどうしてかよくわからない」と医師に言われたとき、「この人に手術してもらって、本当にだいじょうぶなのだろうか」と不安に陥りました。でもこの「わからない」という言葉は、実は誠実な言葉でもあることが、この本からわかりました。結果、私の手術は成功し、入院中は、多忙にもかかわらず、朝、晩、必ず声をかけてくれる誠実な先生でした。病気のときは、不安でいっぱいで医師との会話に敏感になります。この本を読むと、医師の思考回路がわかり、気持ちが少し楽になると思います。