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橋下徹改革者か壊し屋か: 大阪都構想のゆくえ (中公新書ラクレ 380) 単行本 – 2011/3/1
吉富 有治
(著)
- 本の長さ235ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2011/3/1
- ISBN-104121503805
- ISBN-13978-4121503800
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2011/3/1)
- 発売日 : 2011/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 235ページ
- ISBN-10 : 4121503805
- ISBN-13 : 978-4121503800
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,373,346位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年12月27日に日本でレビュー済み
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功罪がよく分かる。これまでの心理面の動きも、本人に確認を取ったうえでの解説や、状況をよくご理解された上でのご推察で、納得できる筆致である。どう読んでも、これまでの動きには是々非々というよりは非の分があると理解できる、と書けば批判されるか。関心のある方にはご一読をお薦めする。ただ、もう状況が変わっているので、ぜひ続編をお出しいただき、著者の現在の知見をご披露頂きたく思う。
2012年4月30日に日本でレビュー済み
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首長自らが率いる「大阪維新の会」だが、議会でも同会の議員が過半数を握る。これは、二元代表制を地方自治の基本とする首長と議会の構図からは、疑問?
橋本徹さんが打ち出した「大阪都構想」は、当初見向きもされませんでしたが、国政への進出を標榜して以降、国会の与野党で法律改正案などが提出されるに至りました。
その「大阪都構想」の内容を知るために一読しましたが、これは橋本徹さんの思いつきではなく、かつて経済から要請されたものを橋本流にアレンジして提案されたものです。以前から、独創的な施策を提案されていたものですから、誤解していたのですが、この構想は大阪府の行政区画の改正だけに留まらず、戦後の地方行政の見直しを迫っているのかもしれません。
著者は、橋本徹さんに批判的な視点から指摘される一方、評価できる点も記されていますので、客観的に橋本流を感じることができます。地方行政の仕事をされている方は、一読の価値ありです。
橋本徹さんが打ち出した「大阪都構想」は、当初見向きもされませんでしたが、国政への進出を標榜して以降、国会の与野党で法律改正案などが提出されるに至りました。
その「大阪都構想」の内容を知るために一読しましたが、これは橋本徹さんの思いつきではなく、かつて経済から要請されたものを橋本流にアレンジして提案されたものです。以前から、独創的な施策を提案されていたものですから、誤解していたのですが、この構想は大阪府の行政区画の改正だけに留まらず、戦後の地方行政の見直しを迫っているのかもしれません。
著者は、橋本徹さんに批判的な視点から指摘される一方、評価できる点も記されていますので、客観的に橋本流を感じることができます。地方行政の仕事をされている方は、一読の価値ありです。
2011年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
橋下大阪府知事の人物や政策に関する様々な情報がうまくまとまっているものの、取材と分析が浅く、経緯を知っている人には新しい情報や視点は少ない。人物評は専ら感情的な批判に終始しており、政策論は残念ながら的確な反論をなしえていない(いずれも再反論が可能であると思われる)。
周知の情報について整理しておきたいという用途には役に立つ本。ただし、知事に対して批判的立場から書かれている一方、批判や反論が既知の域を出ていないため、支持者にとっては支持を、批判者にとっては批判を再確証させるだけになると思われる。
周知の情報について整理しておきたいという用途には役に立つ本。ただし、知事に対して批判的立場から書かれている一方、批判や反論が既知の域を出ていないため、支持者にとっては支持を、批判者にとっては批判を再確証させるだけになると思われる。
2011年4月3日に日本でレビュー済み
本書は、就任後3年を過ぎても、大阪府民から高い支持を得ている橋下知事について記述した本です。
前半は、主に就任当初から現在に至るまで、橋下知事が行ってきた府政改革を淡々と客観的に振り返る内容です。この部分は、新聞をきちんと読んでいる人にとっては、あまり目新しい内容はありません。
ただ、「橋下知事は危機に瀕した大阪府財政を劇的に改善した」と世間では評されているが、(a) 財政面の改善は横山府政、大田府政時代から着々と進んでおり、その効果が現れる時期に橋下知事が就任したという要素が強い、(b) 橋下知事の下で「黒字化」が達成されたといっても、臨時財政特例債などがあり、真の黒字化とは言えないという主張はやや目を引きます。
後半では、20ページほどを割いて石原東京都知事との比較をしています。多くの点で橋下知事と石原知事には類似点があることを記述しています。
そして残りの多くのページを使って「大阪都構想」について触れています。
著者は、(a) 橋下知事は大阪都について説明不足である、(b) 現在のところ、大改革にもかかわらず具体性が乏しく、このまま都構想を推進しようとしても混乱の可能性がある、民主党政権で国民が選択したような「お試し」は政治では許されない、(c) 大阪都になっても大阪がよくなる要素はほとんど見出せない、(d) 現状は府・市の二重行政が存在するものの、「大阪都構想」で大阪市を分割すると、市内各地域がそれぞれに同種の投資をする可能性があり無駄が増幅する可能性さえある、などかなり辛口に評しています。
そして、「闘うべき対象は大阪市ではなく、(地方分権を阻害する)中央官僚であり、橋下知事ほどの実力があれば、真の敵である国と闘って欲しい」と主張しています。
橋下知事については、評価する人と評価しない人とが両極端(数的には評価する人が圧倒的に多い)である傾向がありますが、この本を読むと、「良くも悪しくも、冷静にその功罪を評価すべき」ということに気付かされます。
橋下知事に対して、やや辛口な本ではありますが、意味のないこき下ろしや誹謗中傷があるわけではなく、公平なジャーナリストとしての視点で記述しようという姿勢が伝わってきます。
賛成・反対はいろいろとあると思いますが、考える材料として一読の価値はあると思います。
前半は、主に就任当初から現在に至るまで、橋下知事が行ってきた府政改革を淡々と客観的に振り返る内容です。この部分は、新聞をきちんと読んでいる人にとっては、あまり目新しい内容はありません。
ただ、「橋下知事は危機に瀕した大阪府財政を劇的に改善した」と世間では評されているが、(a) 財政面の改善は横山府政、大田府政時代から着々と進んでおり、その効果が現れる時期に橋下知事が就任したという要素が強い、(b) 橋下知事の下で「黒字化」が達成されたといっても、臨時財政特例債などがあり、真の黒字化とは言えないという主張はやや目を引きます。
後半では、20ページほどを割いて石原東京都知事との比較をしています。多くの点で橋下知事と石原知事には類似点があることを記述しています。
そして残りの多くのページを使って「大阪都構想」について触れています。
著者は、(a) 橋下知事は大阪都について説明不足である、(b) 現在のところ、大改革にもかかわらず具体性が乏しく、このまま都構想を推進しようとしても混乱の可能性がある、民主党政権で国民が選択したような「お試し」は政治では許されない、(c) 大阪都になっても大阪がよくなる要素はほとんど見出せない、(d) 現状は府・市の二重行政が存在するものの、「大阪都構想」で大阪市を分割すると、市内各地域がそれぞれに同種の投資をする可能性があり無駄が増幅する可能性さえある、などかなり辛口に評しています。
そして、「闘うべき対象は大阪市ではなく、(地方分権を阻害する)中央官僚であり、橋下知事ほどの実力があれば、真の敵である国と闘って欲しい」と主張しています。
橋下知事については、評価する人と評価しない人とが両極端(数的には評価する人が圧倒的に多い)である傾向がありますが、この本を読むと、「良くも悪しくも、冷静にその功罪を評価すべき」ということに気付かされます。
橋下知事に対して、やや辛口な本ではありますが、意味のないこき下ろしや誹謗中傷があるわけではなく、公平なジャーナリストとしての視点で記述しようという姿勢が伝わってきます。
賛成・反対はいろいろとあると思いますが、考える材料として一読の価値はあると思います。
2011年5月28日に日本でレビュー済み
大阪府の知事をこのまま暴走させて続けていいのだろうか。
今現在の大阪府の知事が目指しているのは独裁ではないだろうか。
首相公選制への渇望、右翼思想の強制・巻き込み型の強迫行為。
個人的には首相公選制には反対である。なぜなら、“空気を読む”ことが
得意な日本人の世界では、またたく間にファシズム化するリスクをはらんでいるからだ
(極端なファシズムは最終的には誰のメリットにもならないということに気付いてない重症な人は少数派だといいのだが)。
ファシズムの予備軍的国家だ。現在の様に“権力の曖昧化”
をさせておけば戦前のファシズムと同じような失敗のリスクを減らせるだろう。
つい現在の状況“だけ”しかみえなくなってしまって
過去の失敗から学ぶことを放棄するような態度は容易にまた瞬時に人間の頭を悪くする。
最近の日経新聞の記事によると今現在の日本の幸福度は
デンマークやスウェーデンがおよそ
90%の人が幸福を感じているのに対しておよそ40%に過ぎない。
伏線的な事実だが、上述した国々をはじめとする消費税20〜30%のような国々の方が
幸福度が高いというパラドックスに似た事実がある。
今大事なのは大阪府の知事の独裁願望を満たすことではなくまた国家をファシズム化させることでもなく
まず大事な消費税増税を推進し (今の日本のように高齢化が進んでいるのにもかかわらず
低負担・低福祉のような状態を続けるようないびつな国家
は結果としてその国家の住民にとってはつらい国家だ。事業仕分けだとか無駄の削減はもちろん
並行して行うのだが、ただそれらはマクロな視点でみると必要な財源からしたらスズメの涙
くらいにしかならない。消費税を増税すること以外に代案がはっきり言って無く、消費税を
増税した方が結果として全体の住民がつらくない国家になるということに気付いている
人が多数派になってきているのは良い傾向である)
国家のマクロ的な視点で結果として国民の不幸のリスクを減らし幸福の可能性を
上げることだ。
個人の暴走よりも、国家のファシズムや、他国家との闘争よりも
(個人の独裁に走って全体が幸せになった歴史を少なくとも私は知らない。
アドルフ・ヒトラーだとか大東亜共栄圏がキーワードだった人だとか
ジョージ・ウォーカー・ブッシュだとかの施策が全体をハッピーにさせたのかは判断に難しい。
自分で必要以上に頭の中で作り上げた
“被害妄想的な敵”との戦いに勝って(この勝った負けたも結局は思い込みの世界に過ぎないのかもしれない)
闘争本能の満たしだとか独裁欲の満たしだとかそういう個人的な満たしは果たせるのかもしれないが。
それだって、際限がない行為だから独裁が続く限りエスカレートしながら永久に続くことになる。
その背後で大事に育てた我が子がわけもわからず“銃後”の戦争で死んでひそかに悲嘆に
暮れる人たちが少なくなかったし、今も世界的にはそういう人たちは少なくないんだろうし、
極論すると兵役とか将来そういう風になって欲しくない
と我が子の将来を案じてる人たちがいるのはむしろ当たり前のことだ。
“君死にたまふことなかれ”の気持ちは親と子の関係ではだいぶ普遍的な感情だ)
優先順位の第一は独裁への渇望を満たすことではなく
マクロ的な国民の幸福度を上げる施策を推進することである。
おそらくはありえないのだろうがこんな感じの経済気象台が読めたらいいなとひそかに思っていた。
補足的な記述になるが、私は朝日新聞・日経新聞だけを読んで判断しているわけではない。
産経新聞も日常的に読むし、特に正論に関してはたまに秀逸なものがあって気に入っている。読売新聞は発行部数が日本国内では一番多く約1000万部あることもあるからか、その一面にのる編集手帳には精魂込められているように感じられ、また内容のクウォリティーも高いため、毎日楽しみに読んでいる。文章が、巧(うま)い、と思うこともある。もちろん、毎日新聞の福祉的な論説で感嘆するような記事もあってよい。
つまり私が言いたいのは、左翼的な論説にはまっているわけではなくて、危険性の指摘は気づいた人間が早めにしておいた方がよいということだ。そういうスタンスでいた方が大破綻を防げる可能性が高まる気がするからだ。
今現在の大阪府の知事が目指しているのは独裁ではないだろうか。
首相公選制への渇望、右翼思想の強制・巻き込み型の強迫行為。
個人的には首相公選制には反対である。なぜなら、“空気を読む”ことが
得意な日本人の世界では、またたく間にファシズム化するリスクをはらんでいるからだ
(極端なファシズムは最終的には誰のメリットにもならないということに気付いてない重症な人は少数派だといいのだが)。
ファシズムの予備軍的国家だ。現在の様に“権力の曖昧化”
をさせておけば戦前のファシズムと同じような失敗のリスクを減らせるだろう。
つい現在の状況“だけ”しかみえなくなってしまって
過去の失敗から学ぶことを放棄するような態度は容易にまた瞬時に人間の頭を悪くする。
最近の日経新聞の記事によると今現在の日本の幸福度は
デンマークやスウェーデンがおよそ
90%の人が幸福を感じているのに対しておよそ40%に過ぎない。
伏線的な事実だが、上述した国々をはじめとする消費税20〜30%のような国々の方が
幸福度が高いというパラドックスに似た事実がある。
今大事なのは大阪府の知事の独裁願望を満たすことではなくまた国家をファシズム化させることでもなく
まず大事な消費税増税を推進し (今の日本のように高齢化が進んでいるのにもかかわらず
低負担・低福祉のような状態を続けるようないびつな国家
は結果としてその国家の住民にとってはつらい国家だ。事業仕分けだとか無駄の削減はもちろん
並行して行うのだが、ただそれらはマクロな視点でみると必要な財源からしたらスズメの涙
くらいにしかならない。消費税を増税すること以外に代案がはっきり言って無く、消費税を
増税した方が結果として全体の住民がつらくない国家になるということに気付いている
人が多数派になってきているのは良い傾向である)
国家のマクロ的な視点で結果として国民の不幸のリスクを減らし幸福の可能性を
上げることだ。
個人の暴走よりも、国家のファシズムや、他国家との闘争よりも
(個人の独裁に走って全体が幸せになった歴史を少なくとも私は知らない。
アドルフ・ヒトラーだとか大東亜共栄圏がキーワードだった人だとか
ジョージ・ウォーカー・ブッシュだとかの施策が全体をハッピーにさせたのかは判断に難しい。
自分で必要以上に頭の中で作り上げた
“被害妄想的な敵”との戦いに勝って(この勝った負けたも結局は思い込みの世界に過ぎないのかもしれない)
闘争本能の満たしだとか独裁欲の満たしだとかそういう個人的な満たしは果たせるのかもしれないが。
それだって、際限がない行為だから独裁が続く限りエスカレートしながら永久に続くことになる。
その背後で大事に育てた我が子がわけもわからず“銃後”の戦争で死んでひそかに悲嘆に
暮れる人たちが少なくなかったし、今も世界的にはそういう人たちは少なくないんだろうし、
極論すると兵役とか将来そういう風になって欲しくない
と我が子の将来を案じてる人たちがいるのはむしろ当たり前のことだ。
“君死にたまふことなかれ”の気持ちは親と子の関係ではだいぶ普遍的な感情だ)
優先順位の第一は独裁への渇望を満たすことではなく
マクロ的な国民の幸福度を上げる施策を推進することである。
おそらくはありえないのだろうがこんな感じの経済気象台が読めたらいいなとひそかに思っていた。
補足的な記述になるが、私は朝日新聞・日経新聞だけを読んで判断しているわけではない。
産経新聞も日常的に読むし、特に正論に関してはたまに秀逸なものがあって気に入っている。読売新聞は発行部数が日本国内では一番多く約1000万部あることもあるからか、その一面にのる編集手帳には精魂込められているように感じられ、また内容のクウォリティーも高いため、毎日楽しみに読んでいる。文章が、巧(うま)い、と思うこともある。もちろん、毎日新聞の福祉的な論説で感嘆するような記事もあってよい。
つまり私が言いたいのは、左翼的な論説にはまっているわけではなくて、危険性の指摘は気づいた人間が早めにしておいた方がよいということだ。そういうスタンスでいた方が大破綻を防げる可能性が高まる気がするからだ。
2011年5月21日に日本でレビュー済み
この作品は、著者による「貧困都市」大阪についての第三作目(
大阪破産 第2章 貧困都市への転落 (光文社ペーパーバックス)
)です。前半は淡々と橋下知事の果たした役割とその功績がたどられていきます。過激なpolemicとperformanceが生み出す断続の認識が、ある歴史的な条件下では、政治の世界では一定の成功を収めるといういい実例です。
しかし後半では、大阪都構想が冷静な視点から分析されていきます。そこで明かされるのは、大阪都構想の持つ限定的な効果と大きなリスクです。カジノ構想の非現実性はいうまでもありません。また雇用促進、企業誘致の面では、たとえ大阪都になっても基本的な税収の増加には必ずしもつながらないであろう冷静な認識が冷静に呈示されます。そこには現在の日本経済がおかれている状況の中での大阪の経済的な基盤と将来性に対する著者の深い絶望感があります。むしろ大阪都構想は、その功罪への評価は別として、これまで歴史的に作られてきた大阪の多様な実態をさらに壊してしまうのです。
大阪都などという大風呂敷を広げずとも、可能なことはいくつもあるというのが著者の視点です。でも現状の仕組みの下での調整では、不可避的にそのプロセスは遅れ停滞します。そしてその政治的な効果は表には表れません。そして大阪人は、政治に対する深い絶望感の裏返しとして、政治や選挙を再演可能なお笑いの感覚で「実験」としてとらえ、判断するという歴史的な習性があります。おそらくここにこそ、橋下知事にとっての大阪都構想の必要性があったのかもしれません。
しかし後半では、大阪都構想が冷静な視点から分析されていきます。そこで明かされるのは、大阪都構想の持つ限定的な効果と大きなリスクです。カジノ構想の非現実性はいうまでもありません。また雇用促進、企業誘致の面では、たとえ大阪都になっても基本的な税収の増加には必ずしもつながらないであろう冷静な認識が冷静に呈示されます。そこには現在の日本経済がおかれている状況の中での大阪の経済的な基盤と将来性に対する著者の深い絶望感があります。むしろ大阪都構想は、その功罪への評価は別として、これまで歴史的に作られてきた大阪の多様な実態をさらに壊してしまうのです。
大阪都などという大風呂敷を広げずとも、可能なことはいくつもあるというのが著者の視点です。でも現状の仕組みの下での調整では、不可避的にそのプロセスは遅れ停滞します。そしてその政治的な効果は表には表れません。そして大阪人は、政治に対する深い絶望感の裏返しとして、政治や選挙を再演可能なお笑いの感覚で「実験」としてとらえ、判断するという歴史的な習性があります。おそらくここにこそ、橋下知事にとっての大阪都構想の必要性があったのかもしれません。