レヴィストロースはこの書によって、社会人類学の中に構造主義を創始した。
それまでの社会学の手法を理解した上で、独自の視点からアマゾンの奥地に住んでいた先住民族を観察し、分析を加える。
ヨーロッパ社会とは全く異なる異文化に接した時、彼は自らの属する文明に対し、疑問を感じると同時に、彼らも同じ人間である、という強い確信を得た。それまでのヨーロッパ人が彼らを未開人の名の下に、低く見て、彼らの中に高度な知性があることを無視し、キリスト教によるヒューマニズムを強制し、彼らの守り続けてきた非常に長い歴史を破壊してきたことに対する強い問題意識を読み取ることができたら、この書を読んだ意味があるであろう。これはそれまでの社会人類学の学的手法に対する大きな疑問符になった。
『悲しき熱帯』は2巻に分かれており、1巻目は主にヨーロッパからブラジルへ向かう途上の出来事、2巻目がブラジルに渡って実際にアマゾン先住民の調査に当たった時のことが書かれている。
レヴィストロースがこの書を紀行文かつ随想文的に書いたことは、今のように動画や音声がない時代にあって、現地の状況をリアルに表現する唯一の方法であったのであろう。そのため、日本語に訳されたものを読むと、われわれにとってはかなり冗長な文章であると最初は思うであろう。また、日本人が論理的な思考法に慣れていないために、1文の中に含まれる情報があまりにも多いため、何回か読み直して、初めて意味を理解することもあろう。
声に出して読むと、以外と意味を理解できるかもしれない。
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悲しき熱帯 (1) (中公クラシックス W 3) 単行本 – 2001/4/10
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- ISBN-104121600045
- ISBN-13978-4121600042
- 出版社中央公論新社
- 発売日2001/4/10
- 言語日本語
- 本の長さ372ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2001/4/10)
- 発売日 : 2001/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 372ページ
- ISBN-10 : 4121600045
- ISBN-13 : 978-4121600042
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2019年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「構造主義」の生みの親、レヴィ=ストロースの名著。
しかし、もし「構造主義」だけを手早く習得したいのであれば、構造主義と題した別の本を読んだほうが近道だと思う。本書は、アマゾンに暮らす先住民たちの社会構造の観察を通して「構造主義」の成り立ちを体感することには長けているが、「構造主義」そのものを解説するものではないからだ。
一方、臨場感をたっぷりに味わいながら、レヴィ=ストロースに成り切って(あるいは助手にでもなった気持ちで)、アマゾン奥地を旅してみたい人にお勧めしたい。
ちなみに、1巻の大半はアマゾンへ向かう以前の経緯(レヴィ=ストロースの自伝も含めて)に大きくページが割かれている。故に、すぐにアマゾンへ旅立ちたい人は1巻の後半まで我慢を強いられるかもしれない。しかし、「あの一本の電話」がなければレヴィ=ストロースがブラジルへ赴くことはなかったし、構造主義も誕生しなかった。ブラジルへ向かう船旅で眺めた朝夕の光景に、胸を躍らせた若き日の記憶。そうした本書の前半部分も、やはり読み応えがある。
とはいえ、1巻、2巻を合わせると、実に800ページ近い大作である。文章も読みやすいとはいえない。1巻目で投げ出したくなったら、それは非常にもったいない。それならば2巻だけ読んでもいいと思う。『悲しき熱帯』の神髄は2巻目に集約されているからだ。
それともうひとつお勧めしたいのは、『ブラジルへの郷愁』という写真集と合わせて読むと、臨場感がよりいっそう深まる。レヴィ=ストロースがアマゾンの旅で撮影した数々の写真が収録されていて、内容も本書と一致している。
しかし、もし「構造主義」だけを手早く習得したいのであれば、構造主義と題した別の本を読んだほうが近道だと思う。本書は、アマゾンに暮らす先住民たちの社会構造の観察を通して「構造主義」の成り立ちを体感することには長けているが、「構造主義」そのものを解説するものではないからだ。
一方、臨場感をたっぷりに味わいながら、レヴィ=ストロースに成り切って(あるいは助手にでもなった気持ちで)、アマゾン奥地を旅してみたい人にお勧めしたい。
ちなみに、1巻の大半はアマゾンへ向かう以前の経緯(レヴィ=ストロースの自伝も含めて)に大きくページが割かれている。故に、すぐにアマゾンへ旅立ちたい人は1巻の後半まで我慢を強いられるかもしれない。しかし、「あの一本の電話」がなければレヴィ=ストロースがブラジルへ赴くことはなかったし、構造主義も誕生しなかった。ブラジルへ向かう船旅で眺めた朝夕の光景に、胸を躍らせた若き日の記憶。そうした本書の前半部分も、やはり読み応えがある。
とはいえ、1巻、2巻を合わせると、実に800ページ近い大作である。文章も読みやすいとはいえない。1巻目で投げ出したくなったら、それは非常にもったいない。それならば2巻だけ読んでもいいと思う。『悲しき熱帯』の神髄は2巻目に集約されているからだ。
それともうひとつお勧めしたいのは、『ブラジルへの郷愁』という写真集と合わせて読むと、臨場感がよりいっそう深まる。レヴィ=ストロースがアマゾンの旅で撮影した数々の写真が収録されていて、内容も本書と一致している。
2024年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
相当前に読みました。構造主義は、人間が、自然(文化を含む)を図と地の関係に知覚するゲシュタルトの一種ではないかと考えてますが、文明人も未開人も同じゲシュタルトを知覚するのでしょうか?
一般システム論やユングの元型と通底するものがありそう。
一般システム論やユングの元型と通底するものがありそう。
2018年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間には大体黒人より上に七つ、下に七つの等級があるというビクトリア朝の人類学はイギリス人以外にとって不愉快極まりないものだった。
その反省の上に立って人類は平等なものだという。インディオを絶滅させたヨーロッパ人の罪を後悔する。
しかしインドを植民地にし中国を征服しようとしたことに対する反省は欠落している。
植民地を失ったヨーロッパはどうやって生きてゆけばよいのか?
ヨーロッパ植民地主義は中国に敗れ去った!
その反省の上に立って人類は平等なものだという。インディオを絶滅させたヨーロッパ人の罪を後悔する。
しかしインドを植民地にし中国を征服しようとしたことに対する反省は欠落している。
植民地を失ったヨーロッパはどうやって生きてゆけばよいのか?
ヨーロッパ植民地主義は中国に敗れ去った!
2019年10月7日に日本でレビュー済み
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良かったです。
2014年6月6日に日本でレビュー済み
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日本語版での題名ー悲しき熱帯
熱帯とはどういう所か?地球上で言えばNorthとSouthの中間である。これ即ち青と赤の中間、イエローな場所であるということである
黄色い六芒星の旅人が文明の犯した罪ひたすら嘆いているというのが全体を通しての感想だ。しかし、ところどころに遊び心を入れているところにレヴィストロースの子供っぽいイタズラ心が感じられる
たしかに、我々の文明は欺瞞と悲惨に満ちているかもしれない。しかし彼も認めるようこの現代社会のモデルは「時代を超越した普遍的なものであり、ほかのどんな社会より悪いものではない」事は確かであろう。この捻じれた見方は彼の立場に特有というものではなく、我々の文明自体が狂った構造だから超党派的な見方をする者は皆、身動きが取れくなってしまうのである
最終章は名言・格言のオンパレードだ。すぐに思い出せるくらい印象に残っているフレーズを挙げてみることにする
・民俗学者は彼の存在自体がRedEmptionの試みとしてでなければ理解し難いものであるだけになお、彼の文明に無関心ではいられず~
・社会はそれに香気を与えるものを打ち消すことで成り立っている~(中略)~我々は二重に道理に適ってはいるが自らの非を認めよう
・世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう
・悪弊や犯罪の背後に人間社会の確固たる基礎を探るべきなのである
・自らキリスト教徒で西洋人と名乗り、2つの世界の境界を彼らのオリエントに置くあのイスラエル教徒に続いて、私は何という過ちを犯そうとしていたことか!2つの世界はイスラエル教徒の時代錯誤にどちらかが近くとも、さらに近い
・自分のところで行動すれば他のものへの理解は断念せざるを得ず、すべてを理解しようとすればいかなる変革も諦めなければならない
・言葉なきひとつの世界のために我々を支配し、我々はその手先となったのである
・西洋のマホメットであるナポレオンはマホメットが成功した事柄において失敗したのである~(中略)~かつては動かそうとする立場にあった物自体を旧懐の情恩でもって保持することになったのである
・(共産主義者とイスラム教徒)我々双方が持つ<画一指向>が、我々を対立させないためにはあまりにも多くの共通の特徴を示している
熱帯とはどういう所か?地球上で言えばNorthとSouthの中間である。これ即ち青と赤の中間、イエローな場所であるということである
黄色い六芒星の旅人が文明の犯した罪ひたすら嘆いているというのが全体を通しての感想だ。しかし、ところどころに遊び心を入れているところにレヴィストロースの子供っぽいイタズラ心が感じられる
たしかに、我々の文明は欺瞞と悲惨に満ちているかもしれない。しかし彼も認めるようこの現代社会のモデルは「時代を超越した普遍的なものであり、ほかのどんな社会より悪いものではない」事は確かであろう。この捻じれた見方は彼の立場に特有というものではなく、我々の文明自体が狂った構造だから超党派的な見方をする者は皆、身動きが取れくなってしまうのである
最終章は名言・格言のオンパレードだ。すぐに思い出せるくらい印象に残っているフレーズを挙げてみることにする
・民俗学者は彼の存在自体がRedEmptionの試みとしてでなければ理解し難いものであるだけになお、彼の文明に無関心ではいられず~
・社会はそれに香気を与えるものを打ち消すことで成り立っている~(中略)~我々は二重に道理に適ってはいるが自らの非を認めよう
・世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう
・悪弊や犯罪の背後に人間社会の確固たる基礎を探るべきなのである
・自らキリスト教徒で西洋人と名乗り、2つの世界の境界を彼らのオリエントに置くあのイスラエル教徒に続いて、私は何という過ちを犯そうとしていたことか!2つの世界はイスラエル教徒の時代錯誤にどちらかが近くとも、さらに近い
・自分のところで行動すれば他のものへの理解は断念せざるを得ず、すべてを理解しようとすればいかなる変革も諦めなければならない
・言葉なきひとつの世界のために我々を支配し、我々はその手先となったのである
・西洋のマホメットであるナポレオンはマホメットが成功した事柄において失敗したのである~(中略)~かつては動かそうとする立場にあった物自体を旧懐の情恩でもって保持することになったのである
・(共産主義者とイスラム教徒)我々双方が持つ<画一指向>が、我々を対立させないためにはあまりにも多くの共通の特徴を示している
2015年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたしには読みにくかったですが、人類の原点を学ばせて頂きました。
現代人はものごとえを思考で捉えて理解しようとすることで、命を生きる生き方を忘れてしまったのかもしれない。
と思いました。
現代人はものごとえを思考で捉えて理解しようとすることで、命を生きる生き方を忘れてしまったのかもしれない。
と思いました。
2020年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に生きるということについて考えさせられました。