聖徳太子の撰と伝えられる『三経義疏』…「法華経義疏」「勝鬘経義疏」「維摩経義疏」のうち「法華経」以外の二書を解読・解説したものである。お経そのものをこんなに懇切丁寧に分かりやすく説いてくれた書はそう多くあるまい。
「勝鬘経義疏」は勝鬘夫人を主人公としている。勝鬘経とは、在家の仏教信者・勝鬘夫人の説法を褒め称え、彼女の言葉を補った教えである。本経の説く如来像思想は、人間の思想と実践に関する哲学的・宗教的探求の究極のものと言われてきた。
「心の過悪と、および身の四種とを降伏して、すでに難伏地に到りたまえり。是の故に、法王を礼したてまつる」(勝鬘経義疏)
「維摩経義疏」は維摩詰という在家の富豪を主人公としている。「衆生が病むかぎり私も病み続ける」という大乗仏教の慈悲による病にかかっている。維摩は空や無執着など、大乗仏教の重要な思想を説示していく。在家の日常生活に活かす方法が模索されている。
「そもそも女人の性は楽しむことを美しとしている。もしも法の楽しみを明かして、それによって女人の五欲の楽しみに代えてやるのでなければ、おそらくは五欲の楽しみを忘れがたいであろう(維摩経義疏)
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勝鬘経義疏,維摩経義疏(抄) (中公クラシックス J 32) 新書 – 2007/3/1
漢字、漢文、儒教と並んで古代の東アジアに共通した文明媒体・仏教。聖徳太子は仏教立国を目指し文明化への道を選択する。太子の理想の根幹にあったものは何か。思想と行蔵を探る。
- 本の長さ436ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2007/3/1
- ISBN-104121600959
- ISBN-13978-4121600950
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2007/3/1)
- 発売日 : 2007/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 436ページ
- ISBN-10 : 4121600959
- ISBN-13 : 978-4121600950
- Amazon 売れ筋ランキング: - 872,099位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2019年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解説としてこなれた文章でわかりやすかった.個人的には,維摩経の方に興味があるので、全体がないのが残念であった。
2012年4月11日に日本でレビュー済み
異論もあるようだが、一般的には聖徳太子が書いたと言われる勝鬘経と維摩経の解説書。
もし、本当にそうだとすれば、これは古事記よりも古く、日本でもっとも古い本の1つ。
今日まで、このような形で、残っていること自体が、日本人の聖徳太子への信仰心の深さをよく表している。
それぞれ、元となるお経の内容について、逐語的に、わかりやすく解説している。
勝鬘経は、勝鬘夫人が、親の教育により仏教の教えを取得し、仏陀からその理解力の高さを認可される、という内容。
維摩経は、在俗の信者である維摩居士が、名だたる菩薩たちよりも、仏教の知識が深い、という興味深い内容になっている。
特に、維摩経については、維摩が風邪を引いたことを聞いた仏陀が、菩薩たちに見舞いにいけというが、
菩薩たちは、過去、維摩居士に言い負かされたことを理由に、行くのを拒む、というコミカルな内容になっていて楽しめる。
その維摩経義疏が、1部しか掲載されていないのが、本当に残念だ。
もし、本当にそうだとすれば、これは古事記よりも古く、日本でもっとも古い本の1つ。
今日まで、このような形で、残っていること自体が、日本人の聖徳太子への信仰心の深さをよく表している。
それぞれ、元となるお経の内容について、逐語的に、わかりやすく解説している。
勝鬘経は、勝鬘夫人が、親の教育により仏教の教えを取得し、仏陀からその理解力の高さを認可される、という内容。
維摩経は、在俗の信者である維摩居士が、名だたる菩薩たちよりも、仏教の知識が深い、という興味深い内容になっている。
特に、維摩経については、維摩が風邪を引いたことを聞いた仏陀が、菩薩たちに見舞いにいけというが、
菩薩たちは、過去、維摩居士に言い負かされたことを理由に、行くのを拒む、というコミカルな内容になっていて楽しめる。
その維摩経義疏が、1部しか掲載されていないのが、本当に残念だ。