作者渡辺淳一は帰郷し、純子の遺影を見る。そこで純子の一面しか知らないことに儚さを感じ、単身純子と関わりのあった人たちと会っていく。
純子とは一番愛し合っていたと考えるカメラマン、記者、画家。一線を超えてないとか言いつつ接吻はしちゃってる医者。そして純子の姉、蘭子。この6人の視点で話は進む。
そこで作者は知らざる角度で純子を知る。
なぜ18歳もの若さで、阿寒で自殺したのか。その結論を追い求めた作品です。
この小説を読み終わり、僕は阿寒で死んでいった純子が羨ましくなるように感じました。
皆さんも読み終わったらそう感じることでしょう。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
阿寒に果つ (中公文庫 A 56-2) 文庫 – 1975/6/10
渡辺 淳一
(著)
- 本の長さ381ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1975/6/10
- ISBN-104122002206
- ISBN-13978-4122002203
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1975/6/10)
- 発売日 : 1975/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 381ページ
- ISBN-10 : 4122002206
- ISBN-13 : 978-4122002203
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,081,341位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科講師をつとめるかたわら小説を執筆。作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。70年『光と影』で直木賞受賞。80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。菊池寛賞受賞など。公式ブログ「渡辺淳一 楽屋日記」も(ほぼ)毎日更新中!
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
30グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年7月4日に日本でレビュー済み
初恋相手の自殺が渡辺淳一にどれだけの衝撃をもたらしたのか? 後年、渡辺淳一を作家たらしめたのは初恋の加清純子その人であっただろう。ミステリアスで我が儘でプライドが高くて男を弄ぶ天才少女画家。
渡辺淳一は彼女を通じて不可解な「女性という生きもの」に向き合わざるを得なくなった。彼女の死後20年を経て渡辺はずっと暖めてきたテーマを痛切な哀惜をもって描き終えた。そこには現実を超える美化や小説的脚色がちりばめられている。
現実よりもこうあって欲しかったという願望や劇的効果を狙って渡辺は少女に赤いコートを着せた。実際は当時の新聞や関係者の証言により純子は黒いコートを着ていた。真っ白な雪の中にぽつんと浮かび上がる赤いもの。窓下に置かれたカーネーション。 う~ん・・・・うまいとしか言い様がない。
後年のどろどろした不倫小説からは信じられないせつなさと純情。
渡辺の代表作といっていいだろう。
渡辺淳一は彼女を通じて不可解な「女性という生きもの」に向き合わざるを得なくなった。彼女の死後20年を経て渡辺はずっと暖めてきたテーマを痛切な哀惜をもって描き終えた。そこには現実を超える美化や小説的脚色がちりばめられている。
現実よりもこうあって欲しかったという願望や劇的効果を狙って渡辺は少女に赤いコートを着せた。実際は当時の新聞や関係者の証言により純子は黒いコートを着ていた。真っ白な雪の中にぽつんと浮かび上がる赤いもの。窓下に置かれたカーネーション。 う~ん・・・・うまいとしか言い様がない。
後年のどろどろした不倫小説からは信じられないせつなさと純情。
渡辺の代表作といっていいだろう。
2018年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
6人の視点から描く天才少女画家・時任純子の生き様。何よりもこの作品で惹かれた点は時間軸の使い方です。あの時の彼女の行動はこれが原因か、という繋がりが非常に巧く描かれています。作者の言い回しをお借りして言うと、彼女の多面性をそれぞれの視点を通して見ることで明らかにしていく作品で各面の中に更に細かい面が広がっている、そんな人間、いや物事の多面性を描いている面白い作品です。きっかけは橋本奈々未の恋する文学でした。いい作品に出会えて良かったと思います。
2021年2月9日に日本でレビュー済み
教訓
若い才能を大の大人が極端に褒め称えるのは虐待に等しい
「天才少女画家」などと実際そうであっても、ちやほやしたのがいけなかった。
当時は奔放な生き方が男尊女卑の世の中で羨望であったのであろうが、現代の価値観で見るとただただ痛々しい。
「天才子役」などと現代もとかく使いがちだが、思った以上に本人が危険な方向に行くのかもしれないと感じた。
過去の女に対し、「私のことを一番愛してた」と感じるのも時代が違うからだろうか。
少なくても現代でこういう考えは無くなったように感じる
過去をそこまで振り返る余裕はないのだ
死人に口無しなのにみんな勝手なこと言っているな〜と思った。
阿寒のその時の美しさを感じたいと思った
若い才能を大の大人が極端に褒め称えるのは虐待に等しい
「天才少女画家」などと実際そうであっても、ちやほやしたのがいけなかった。
当時は奔放な生き方が男尊女卑の世の中で羨望であったのであろうが、現代の価値観で見るとただただ痛々しい。
「天才子役」などと現代もとかく使いがちだが、思った以上に本人が危険な方向に行くのかもしれないと感じた。
過去の女に対し、「私のことを一番愛してた」と感じるのも時代が違うからだろうか。
少なくても現代でこういう考えは無くなったように感じる
過去をそこまで振り返る余裕はないのだ
死人に口無しなのにみんな勝手なこと言っているな〜と思った。
阿寒のその時の美しさを感じたいと思った
2021年1月9日に日本でレビュー済み
一番美しいときに姿も愛情も
止めてしまいたかったのだろう
愛された男のひとりは作家となった
止めてしまいたかったのだろう
愛された男のひとりは作家となった
2005年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
札幌に仕事で行った時、道立図書館で地元紙の昭和20年台のマイクロフィルムを閲覧した。そこには、「加清嬢失踪」 「加清嬢か。阿寒湖近くにて発見」とあった。 「阿寒に果つ」は、実在し、夭折した高校生画家・加清純子への鎮魂の文学である。渡辺純一は最近はどうかと思うが、この初期の小説は、自らの体験が元になっているだけに、心に迫るリアリティがある。 純子と渡辺純一(小説では俊一)は、夜の図書館での密会を教師に見付かりそうになるが、純子は図書館を出て鮮やかに雪の中へ消えてゆく。 そして最後に本当に、この世から雪の世界へと消えていった。
2017年5月20日に日本でレビュー済み
阿寒で自殺を遂げた18歳の女性画家。
二十年の時を経て、彼女に想いを寄せていた主人公は、彼女と関係のあった男性たちを訪ね、死の真相を探し出そうとする。5人の男性、そして姉の回想を通して、人物像が明らかになっていくストーリー展開だ。自分を一番に愛していると男性たちに思わせる女性の生き様、そして彼女に翻弄され喪失感を抱え続ける男性が活写されている。
著者の高校時代の恋人(?)をモデルにしているようだが、1950年代の札幌に、このような奔放な女性がいたことは少なからず驚きではある。
ただ、男性たちを魅了し、あっけなく果てた女性の真の心の底は分からない。そこは読者の考えにゆだねるということになるだろうか。
二十年の時を経て、彼女に想いを寄せていた主人公は、彼女と関係のあった男性たちを訪ね、死の真相を探し出そうとする。5人の男性、そして姉の回想を通して、人物像が明らかになっていくストーリー展開だ。自分を一番に愛していると男性たちに思わせる女性の生き様、そして彼女に翻弄され喪失感を抱え続ける男性が活写されている。
著者の高校時代の恋人(?)をモデルにしているようだが、1950年代の札幌に、このような奔放な女性がいたことは少なからず驚きではある。
ただ、男性たちを魅了し、あっけなく果てた女性の真の心の底は分からない。そこは読者の考えにゆだねるということになるだろうか。
2016年3月25日に日本でレビュー済み
やりたい放題やって勝手に自殺した小娘の話だろ!こんな本に大事なカネ払えるかバーカ!