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美味放浪記 (中公文庫 A 69-2) 文庫 – 1976/1/1

4.1 5つ星のうち4.1 37個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (1976/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1976/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 350ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 412200330X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4122003309
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 37個の評価

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檀 一雄
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上位レビュー、対象国: 日本

2012年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初版発行1976年。2010年に改版4刷刊とあるから、まだ増刷されてる!すごい本です。

さて、壇一雄と言えば「火宅の人」。愛人との逃避生活と破滅を文芸誌に断続的に連載し、緒方拳、いしだあゆみ、原田美枝子で映画化もされて、なんというか、女の立場からすると、とんでもない人ですよね…。この人に興味を持ったのは、またしても沢木耕太郎。「壇」という、壇一雄の奥様、ヨソコさんにインタビューして、他者が一人称で書く文体で壇一雄を書ききった本を読んだことがきっかけです。

奥様ヨソコさんとの1年に渡るインタビューから、沢木耕太郎が、壇一雄像を奥様の目で描き切るアプローチ。それは、見事に成功したらしく、「壇」を読んだ奥様は、「あなたが書いてしまったら、私の中に生きていた壇が死んでしまいました___」とか言ったそうです。

さて、その壇一雄さんの著作として、「火宅の人」を読もうかな、とも思ったのですが、同じく沢木耕太郎の「一号線を北上せよ」のポルトガルの編に壇一雄の飲み食いの話が書かれていて、そちらに興味をそそられました。

「美味放浪記」は、旅好き(というか、1年ぐらい家に帰らないことはザラ)の壇さんが、日本の各地、外国の各地を旅して食べてきたものについてのエッセイ。国内外を問わず、高級料理、高級料亭の類に興味はなく、地元の人が屋台様な気取らない店で、ちゃっちゃとつくって食べられる、安くて旨くてそこにしかないものこそ「美味」という評価です。

国内は、釧路、網走、札幌、函館、津軽、南部、秋田、新潟、首都圏は飛ばして志摩・南紀、京都大阪神戸、高知に岡山広島、北九州南九州。
海外は、スペイン、ポルトガル、モロッコ、ドイツ・オーストリア、北欧、イギリス、豪州、ソビエト、フランス、中国、韓国。

もう一度書くが、1976年の初版です。つまり、旅したのはさらにそれより前になります。
そんな大昔(?)に、驚くことに、「タジン鍋」の記述があるのです。

(本文引用)

ここで、少し面倒な説明をするなら、「タジン」と云うのは、云わば、シチューである。鍋で煮た煮込料理である。「タジン・サラウイ」と云う蓋付きの鍋があって、蓋の恰好は、丁度日本の擂鉢を逆様にしたようだが、もっと頂上がとがっている。

擂鉢と同じように褐色に光る土鍋であり、その蓋が、ぴったりと土鍋にはまり込むように成っていて、円錐形に高く聳え立っているのである。

(中略)どうして、こんな大きな蓋をのっけるのか、私にははっきりとsの事情をたしかめてみないが、或いは蒸気抜きの穴を嫌うのか、或いは内容の温度に関係があるのかもわからない。

すでに私たちは「タジン鍋」の形を知っていますから、この文章を読みながら、「あぁ、確かに擂鉢を逆様にして、先っちょを尖らしたような感じネ」とイメージができるが、初版の頃の人は、どう読んだのだろう?

また、こうした時代にこれだけの国々へ行き、汽車のコンパートメントに偶然乗り合わせた、ドイツ人の盗人(?)たちや、ロシアの女医さんたちと葡萄酒や、ウォッカや、ウイスキーで酒盛りをしたり、食べに食べ、飲みに飲み、やんちゃのし放題。まったく、読んでるだけで美味しくなってきます。

世界中の情報がインターネットを通じてレコメンドされたり、簡単に検索して情報として得ることができてしまう時代にあっても、この本に書かれているだけの「ネタ」を経験として身体に刻み、文章に残せる人は少ないのではないでしょうか。そういう意味で、この本は、是非、食べることや料理がクリエイティブな作業だと知っている人たちにオススメしたいです。料理をつくる人、素材をつくる人、それを売る人、そしてすべての「食べる人々」。きっと何かの役に立つことと思います。

いつか、この人の訪れた地方、国へ行き、同じようなものを食べて飲んでしてみたいものです。
まずは、チロル地方(オーストリア)の「バウエルン・ブラーテン」。壇さんの舌の記憶では、骨付燻製肉(牛)の煮込みだそうだが、名称も正しいのかどうか。いま、試しに検索かけてみたら、ヒットしなかった(笑)
壇さんの食べた味を求めて放浪することができたら、どれだけ楽しいでしょうか。いつか、行ってみたいですね。

壇さんはお料理もする人なので、「あれが旨い、これが旨い」と書くだけでなく、どんな味つけがされているか、薬味は、下ごしらえは、火の入れ方は、と調理方法についても言及が細かい。その気になれば、レシピとしても活用できるエッセイです。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
料理好きの人も嫌いな人も、食べることに執着している人なら読みだすとやめられないだろう。開高健とは別の意味でそのファンを魅了する。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間は良い意味で好奇心おう盛な人ほど魅力的で、
様々な分野に真価を発揮します。
檀さんのものを見る目、味覚に対する豊かな感覚。
それを表現して知らせてくれる力量。
いま読んでも新鮮で、最近の旅番組などにはない世界を学びます。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自由気ままな作者の感性による旅の記録が、読む者を惹きつけます。
国内の珍味から外国の食習慣までもが、この一冊に集約されており、価値のある本でした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読むと、日本を旅したくなります。
世界を旅したくなります。
美味しいものを食べたくなります。
見たことの無いものを食べたくなります。
放浪していたくなります。
素晴らしい本です。ぜひ読んでください。
何歳で読んでも、素晴らしい刺激があります。何度でも読み返したい本です。
この未見の世界に連れてってくれることこそ、まさに読書。
ただ、非常に淡々とした文体なので。そこの好き嫌いは気をつけて。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 350頁の文庫本を4:6の割合で前半を日本篇、後半を海外篇にわけて、壇さんが味わった料理、自ら腕を振るった食材について書いている。
 それにしても、この本が書かれた昭和40年代にはキムチはまだ日本では一般的ではなかったようだし、上海蟹なんかも知られていなかったようだ(もちろん壇さんは、それが日本にも生息するモクゾ蟹であることは知っているが)。ぼくたちの食生活、食材というのは高度成長期とバブル期に、どれほど豊かになったのか、と改めて感じた。
 しかし、まだ檀さんの贔屓にしていたスペイン(と一口にはとても言えないのだが)とポルトガル料理に関しては、まだぼくも食べたこともないような田舎料理を紹介しているのは素晴らしいと思う。ポルトガルに関しては「初鰹をサカナに飲む銘酒・ダン」という章がある。七輪に炭火をおこして焼鰯でぶどう酒をあおる、というのがいい。その章で壇さんが特に気に入ったと書いていたのは「ゴジドー・ポルトゲーゼ」、つまりポルトガル煮。血を吸う蝿に悩まされながらも「酒ならダン」と口走っていた、と書いている。
後はペトルーシカ(петрушка=コリアンダー、中国パセリ、イタリアンパセリ)をたっぷり揉み添えた羊肉のバーベキューの話@ソ連は『わが百味真髄』でも書いているけど、何回、読んでも旨そうだ。
 あと、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」とこの薬味とは関係があるのだろうか?いろいろ妄想が膨らむ。ソ連(もうないんだよな)の旅行記で面白かったのは、女医さんたちとシベリア鉄道でコンパートメントを一緒にして、飲みかつ喰いまくる場面。女医さんたちとはドイツ語で語り合ったそうな。なかなかやるなぁ。
 とにかく、そんじょそこらのグルメ本を何冊集めたって、檀さんの本一冊のスケールにはかなわないと思う。
28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年1月11日に日本でレビュー済み
昭和51年に中央公論社より刊行された文庫本の改版版。もととなる単行本は昭和48年刊行。放浪の小説家が日本各地と世界を巡った食の放浪記。前半が日本篇で後編が世界篇の構成。

40年近く前の作品とは思えないほどおもしろい。
味や匂いが感じられる文章はさすが小説家だ。加えて作家の体臭みたいなものも感じられる。
スケールの大きさに言及している方がいるが、まったくその通りだと思う。

単なる食べ歩きではない。
とにかくなんでも興味を持って食べる、いつでもどんな場所でも楽しんで食べる。そして、みずから買い物をして包丁を握る。料理の批評もするがその多くは「こうしたらもっと旨くなるのでは」といった視点だ。そこにあるのは、批評のための批評ではない。つくる側の視点で多くのことが書かれている。自ら買い物をして歩くので、その土地の様子などが生き生きと伝わってくる。

壇一雄の趣味は料理を食べること、つくって食べてもらうこと、そして買い物籠をぶら下げて商店街へ買い物に出掛けること(買い物は本当に好きだったらしく豆腐一丁も自分の足で買いに行っていたらしい)。で、生業は小説を書くこと、放浪、火宅・・・。「食」を書くのにこれ程適した人もなかなかいないのでは。

評者は、頑固なおやじさんのように「(東京の)むかしの味」にこだわり続けた池波正太郎の食のエッセイが大好きなのだが、壇一雄には、池波正太郎にはないスケールの大きさ、豪快さ、家族や他人に食べて喜んでもらうという意味でのつくり手側の視点(池波正太郎も自分で買い物や料理をするがそれはあくまで自分一人が食べるためなので同じつくり手といっても意味が違う)、そして、なんでも受け入れる懐の深さを感じた。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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