この著者の作品は何作は読みました。取り上げる題材は、ともすれば忘れられた、題材としては少々時代遅れとも言えるものを、いつも地道に取材していきます。その姿勢には誠に好感を持ちます。佐野量一や猪瀬直樹のようなある種の派手さや、向こう受けを狙うような面はありません。それだけに読んでいて「中だるみ」をすることはあり、それが欠点とは言えますが、作者の取材態度はそれを補って余りあると思います。
BC戦犯を、しかもその中でも最も末端ともいえる人々を根気よく追跡し、周囲の人間模様と取り調べ、そしてアジアの駐屯地での記憶をからめ、拷問を含んでの尋問、巣鴨刑務所等での拘留等を、詳細に描写しています。そこには著者の対象者に対する誠意とさえ言えるものを感じます。これがこの著者の固有のもので、他の作家には見られない特徴です。「人間を描こうとしう姿勢」があるからこそなのでしょう。
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多くを語らず: 生きている戦犯 (中公文庫 A 161) 文庫 – 1982/10/10
岩川 隆
(著)
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1982/10/10
- ISBN-104122009677
- ISBN-13978-4122009677
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1982/10/10)
- 発売日 : 1982/10/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 315ページ
- ISBN-10 : 4122009677
- ISBN-13 : 978-4122009677
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