永井路子・美貌の女帝 を読んで、その後が知りたく手、この本を購入しました。幸い、主人公嘉智子の祖父、奈良麿が語る橘家の歴史で、ちょうどうまいことつながりました。天皇家の次男坊にみそめられ結婚、正妻とも良い関係で幸せそう。義父桓武帝が亡くなってから、様子がおかしくなっていく。上下巻通して、藤原一族・天皇家が、骨肉の争いを繰り広げる。そんななか、非力な橘家の姉妹が・・・・・

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檀林皇后私譜 上 (中公文庫 A 97-6) 文庫 – 1984/11/10
杉本 苑子
(著)
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ダブルポイント 詳細
平安時代初期の嵯峨天皇の妻であり、後皇后となる橘 嘉智子の生涯を書いたお話なのですけど もう、どろっどろの権力争いのお話でもあるんですよね。 当時の日本は天皇が絶対的な存在であり、また、王位継承されるのも現在のように 天皇と皇后の間の生まれた長男、と決められていたわけでは無いようで、そのうえに 天皇には妻は一人ではなく、いわゆる一夫多妻制であり、その子供達はみな次期天皇候補な訳で その天皇の座をめぐって血で血を洗う、どろっどろの権力争いが繰り広げられるのです。
- 本の長さ354ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1984/11/10
- ISBN-10412201168X
- ISBN-13978-4122011687
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1984/11/10)
- 発売日 : 1984/11/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 354ページ
- ISBN-10 : 412201168X
- ISBN-13 : 978-4122011687
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,269位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2018年3月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入この作者が好きなので購入し、外出にも通院にも持ち歩いて一心に読みました。時代小説にすぐれた作者だけあってぐいぐいと読ませます。
平安時代の皇室とその周囲の話で人名が難しいので一気に読まないとわかりにくくなる。
実在の人物なのでさらに面白い。
- 2015年4月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入なぜか主人公檀林皇后の影が薄い。杉本氏らしい切れの良い描写は、読んでいてまるでその場に居合わせたかのように、河原の死臭さえ感じるほどなのに、なぜだろう?下巻に期待したい。
- 2015年6月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入登場人物が多く複雑。また、同一人物なのに、呼称が、皇子、皇太后、など役職(?)名と、嘉智子、薬子、田村麿などの名が混在し、判りにくかった。
- 2013年1月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入恥ずかしながら橘嘉智子の存在を知らなかった私は、平安時代に関する本を探している時に、この本を見つけました。また、永井路子氏の本を数冊読んではいましたが、杉本苑子氏の本は初めてでした。
上巻は、謀反人・橘奈良麻呂の孫・嘉智子が、桓武天皇の皇子・神野王子に入内するところから始まり、神野王子が即位し平城上皇との間に、平安京と奈良旧都で二所朝廷の混乱が生じるところで終わる。
特筆すべき杉本史観は、
橘奈良麻呂が無様にも生きながらえていた点、
怨霊は政治的意図を持った人為的な権謀であるとする点、
藤原北家繁栄の礎を築いた内麻呂・冬嗣親子には批判的な点。
そして最も驚いたのは、藤原薬子・仲成の政治能力を高く評価している点。
通説では、妖婦と罵られた薬子と、妹の立場を利用して平城朝を牛耳ったといわれた仲成だが、平城朝の観察使の設置などは、彼らの能力の高さを表しているのかもしれない。
勉強不足の私ではあるが、薬子・仲成の能力を評価した学者・作家は初めてで、今後も杉本史観に期待したい。
- 2012年6月24日に日本でレビュー済み多くの杉本苑子の著作の中でも、ベスト・スリーに入る傑作だと思う。
策士の姉安子に「橘氏復権」のために利用されるたぐい稀な美貌の妹、嘉智子、手玉を持たないがお家芸の権謀術数に長けた藤原北家の冬継と婚姻によって手を結び、政界を上っていき最後は檀林皇后となる。
話は「古代最後の天皇」第50代桓武帝の時代から始まり、嘉智子は神野皇子に嫁ぐ、この後の嵯峨帝になるまでの神野の猫かっぶりぶり!、わがままな皇太子、安殿親王とこれまた美貌と知性を兼ね備えた式家の薬子の不倫の関係、おそらく日本史上唯一の女性の名前を冠された「薬子の乱。怨霊さえ操る策士たちに囲まれ、最初は人形のようだった嘉智子も成長していく、欲望も募らせていく。
そういう意味でここに出てくる登場人物たちは皆、自分は何が欲しいかよく知り、その実現のために
手段を選ばずにしたたかに生きていく。対極的な最澄と空海、武力だけでなく政治にも意欲をみせる
坂上田村麻呂、登場人物は多士済々。
北家独走の摂関時代に入ると、男も実によく泣く!「頭の中将は何故泣くか」なんてありましったけね。ま、「泣く」はひとつのレトリックではあろうが・・・
古典を読んでいるとイライラするぐらい、何かと言えば泣く、除目に落ちそう位で泣くな、掴み取れ!と叱咤したくなる。
だが、この時代は椅子、テーブルで鳥獣の肉、酪など乳製品を食べ、ベッドで眠り、たぶん体格もよかったに違いない、ロングスカートにブラウス、ジャケット、ふわりとかけたショール、ウエストには宝石をはめ込んだサッシェ、「よよ」と泣き伏したりしない、実に颯爽とした姿が浮かび上がる。
彼らは悪を恐れない、「力即善」であり、どんな善人でも力がなければダメなのである。
そういう意味で憶病ものとして一生を送る大伴親王(淳和帝)も徹底的受け身に身を処し、簡素に徹底し、風葬を望み、憶病なりの意地をみせて見事!
死屍累々の人生の終わりに「四大元空」と観じ、じたばたと極楽浄土、魂の救済など求めずに終わる
檀林皇后嘉智子の生も実にしたたかに見事としか言いようがない。
その点で橘の男たちは実にだらしがない!橘秀才、逸勢だってだらしないではないか!
これで時代が下ると橘の氏の長者があの則光、清少納言の夫である
ひとつ疑問がある。どなたか教えてください。
嘉智子が皇后に冊立された時、大伴親王が即位する時と二回天皇、皇后揃って、高御座に日月の幡のもと出御するという形式はこの時代にあったのか?
少なくともこれ以降は昭和帝の即位式までない筈である。
とにかく面白い!上下巻ともに一気に読了。
古代に興味のある人、必読であろう。