1963年に筑摩書房から出た単行本の文庫化。
ただし、単行本タイトルは『うちには猛犬がゐる』であった。
著者は洋画家。真鶴にアトリエを構えて捜索に励み、薔薇の作品が有名。本書を真鶴の美術館を見に行った夜に読んだ。
さまざまなエッセイを集めて一冊にしたもの。絵の話、日々の生活、インドやヨーロッパへの旅、友人の画家たち、中国の画壇についてなど、話題は非常に多岐に渡っている。
とぼけた味わいがあり、なかなかのもの。けっこう面白いエッセイもいくつかあった。身近にいたら、きっと楽しい人だったろうと思う。
タイトルは、カンヌで見かけた「猛犬注意」の看板から。中川氏本人が犬を飼っていたわけではない。
絵もカラーで数点が収められている。
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