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陶淵明伝 (中公文庫 M 416) 文庫 – 1989/5/1
吉川 幸次郎
(著)
- 本の長さ250ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1989/5/1
- ISBN-104122016177
- ISBN-13978-4122016170
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年12月26日に日本でレビュー済み
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表面的には、暢気な隠遁者のような評価を得やすいが、実は多くの矛盾を内に秘め、人間としての苦悩の中で生きたのが陶淵明である。本著は、陶淵明の詩の解説書にとどまらず、詩を通しての人間像に迫っている。改めて、陶淵明の魅力に触れた1冊だった。
2016年4月18日に日本でレビュー済み
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茫茫 悠悠 代謝 未央 蕭蕭 蕭条 洋洋 陶然 藹藹 濛濛 悠然 須臾 徘徊 綿綿 閑居…、現在に周囲で使われている私たちの表現が此の書の紹介する陶淵明詩では使われています 著者の巧みな現代日本語への繋ぎがあって、私たちに無理無く馴染んで入ってきます これらの漢字が伝えるイメージ世界が現代の私たちの中で広がります 著者は言われます 中国語の曖昧さは欠点ではなく此れ詩に向いている長所であると なるほどと思いました いくつもいくつも感動を覚える説明がありますが一つの例を申せば「…菊を東籬の下に採り/ 悠然 南山を 見る/ 山気 日夕 佳に/ 飛鳥 相い与に還る/ 此の中 真意有り/ 弁ぜんと欲して已に言を忘る」なる有名詩(「飲酒20首」の第5首)における結びの行(句)が彼の『荘子』外物篇に見える「筌(セン)ハ魚ヲ在(トラ)ウル所以(ユエン) 魚ヲ得テ筌(セン)ヲ忘ル 蹄(テイ)ハ兎ヲ在ウル所以 兎ヲ得テ蹄ヲ忘ル 言ハ意ヲ在ウル所以 意ヲ得テ言ヲ忘ル」を読み込んでいるとする処です 深いですねぇ 自然な流れで『荘子』を読むべくなるよう引っ張って頂きました このように中国古典へネットワークを広げてくれる道標を其処彼処に配置していてくださいますこと魅力あふれる好著です ハンディな文庫本であることもいいですね
2015年9月19日に日本でレビュー済み
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清朝儒者の後継者をもって任ずる中国学者による六朝詩人の伝記。昭和30年に月刊誌『新潮』に1年間連載された文章がもとになっている。さらに「閑情の賦」「陶淵明詩の訓詁」「燃焼と持続」という3篇の論考が付録となる。
中国の漢詩人の中では杜甫に最も共感をおぼえ、陶淵明はその「心の豊かさ」ゆえに苦手と自認する。それでいて「陶淵明伝」では、自由奔放に生きた田園詩人と思われていた陶淵明の内面が苦悩と無縁ではなかったことを見いだした。淵明の時代は政争、奸智、陰謀、暗殺が横行し、生きるのが難しかった。淵明の主要作品を読み解くことで、そうした背景が浮かび上がってくる。儒家が語ることを好まなかった「死」について、淵明が「本の宅」つまり、帰るべきところと表現するに到った心境がわかった。唐詩以前の作であった淵明詩は典拠や故実を探るのがさらに困難で、吉川幸次郎ならでは本書のような鮮やかな解釈を見ることはなかっただろう。
中国の漢詩人の中では杜甫に最も共感をおぼえ、陶淵明はその「心の豊かさ」ゆえに苦手と自認する。それでいて「陶淵明伝」では、自由奔放に生きた田園詩人と思われていた陶淵明の内面が苦悩と無縁ではなかったことを見いだした。淵明の時代は政争、奸智、陰謀、暗殺が横行し、生きるのが難しかった。淵明の主要作品を読み解くことで、そうした背景が浮かび上がってくる。儒家が語ることを好まなかった「死」について、淵明が「本の宅」つまり、帰るべきところと表現するに到った心境がわかった。唐詩以前の作であった淵明詩は典拠や故実を探るのがさらに困難で、吉川幸次郎ならでは本書のような鮮やかな解釈を見ることはなかっただろう。
2015年2月13日に日本でレビュー済み
自分の死を詠む、それって、未練たらたらな印象です。その落差が、この詩人に対する興味なのですが… 華やかな世間に向かい、でも失望し、農村で清く暮らす。18世紀西洋人の田舎趣味を思わせる貴族感もあるわけです。同世代の周辺も良く分かりません。(多分、著者にはわかっているのでしょうが) 詩人を取り巻く環境、文化、流行が知りたかったのですが… 農民や田舎生活が素朴、と繰り返されていますが、それって貴族的な感想以上のものではないですよね。
2008年7月28日に日本でレビュー済み
陶淵明については,中国の4大詩人(他は杜甫,李白,白楽天)の一人であること,帰去来の辞の作者であることしか知らなかった。この本で晋の時代の人であることを初めて知った。「伝」といっても一般的な伝記とは違い,陶淵明の主要な詩を全文でたどりつつ,彼の生きた時代,特に権力闘争についてもかなり詳しく解説している。漢文の書き下し文のほか,解説の中に作者自身のテンポのよい現代文の訳がところどころ出ていて楽しい。
隠遁生活を貫いたことに満足しつつ,死の間際に「人生不可解」とつぶやいたり,子供がちっとも詩文に興味を持たないことに愚痴をこばしたりといった陶淵明の人間臭いところに魅力を感じた。
隠遁生活を貫いたことに満足しつつ,死の間際に「人生不可解」とつぶやいたり,子供がちっとも詩文に興味を持たないことに愚痴をこばしたりといった陶淵明の人間臭いところに魅力を感じた。