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空海の風景 (下巻) (中公文庫 し 6-33) 文庫 – 1994/3/10
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- 本の長さ417ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1994/3/10
- ISBN-104122020778
- ISBN-13978-4122020771
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1994/3/10)
- 発売日 : 1994/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 417ページ
- ISBN-10 : 4122020778
- ISBN-13 : 978-4122020771
- Amazon 売れ筋ランキング: - 8,258位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、『梟の城』で直木賞を受賞。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂 の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。この他『街道をゆく』『風塵抄』『この国のかたち』な どの紀行、エッセイも多数。’96年逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 司馬遼太郎と寺社を歩く (ISBN-13: 978-4334747213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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側に置いてじっくり、又楽しみながら読みたいと思っています。
手に取りやすい本です。
袋を開けた時に、カバーがかかったままでした。
それがとても良い感じで、人柄が窺える様でした。
とても気持ちの良い買い物になりました。
有難うございました。
よく分かりそれなりに面白い.
想像(風景)として読むと多少違和感を覚えるエピソードなどもあるが、あくまで著者である司馬さんの想像(風景)であり、これが小説なのだから評者などが異を挟むことは避けなければならないだろう。
ただ、空海が嵯峨天皇などを同じ人間として交友を結ぶなどと司馬さんが想像(風景)として描くことに違和感を覚えなかった。
最澄との確執も空海の好意(何年もの間経典を貸与するという)を思えば、後世空海が意地悪だったと喧伝されることになったことは多少空海が気の毒に思ってしまった。
経典を読むことで知識を得ることから密教を理解できると安易に考える最澄。
己自身が身を削るような修行により「真言密教」が初めて体得できることを解ってくれないことに空海はイラつくところなど想像(風景)でなく、これは事実だっただろうと思いながら読み進んでしまった。
空海が開祖の高野山「真言宗」は、1200年殆ど変るわることなく(例外的な事件はあったものの)継承されている。
唐から帰り持った経典なども整理されないまま最澄が没したからこそ、鎌倉時代に入り、浄土宗=法然、浄土真宗=親鸞、時宗=一遍、法華宗=日蓮、臨済宗=栄西。曹洞宗=道元などという歴史に残る宗派が叡山から生まれたことになったのだろう。
ちなみに高野山からこのように派生した宗派などないことが不思議である。
評者は、かってエドウィン・ライシャワー著『円仁 唐代中国への旅 』(講談社学術文庫)を読んだことがあるが、非常に感銘を受けて読んだ記憶がある。
マルコ・ポーロの「東方見聞録」、玄奘三蔵「大唐西域記」とこの慈覚大師円仁の「入唐求法巡礼行記」は、世界三大旅行記として知られている。
円仁は、空海の没後の838年(承和5年)入唐し、天台教学、密教、五台山念仏等を就学して847年(承和14年)帰国した。
円仁が入唐したあと武宗の仏教弾圧のなか帰国する難儀を思い出すと、空海の2年弱の長安での恵まれたことと円仁とは比べようもない。
この円仁は、最澄に師事していたことも皮肉であり、東密に対抗する台密の基盤を整備、比叡山興隆の基礎を確立した僧であった。
司馬さんは、この円仁のことに少しだけ触れていただけなのが何だか物足りない。
かって評者は、佐藤任著『密教の神々―その文化史的考察』(平凡社ライブラリー)を読んだのだが、密教書は錬金術書であると考え、高野山が銅山だったことなどから高野山を開いた空海もその知識があった、との記述に少し驚かされてしまったのだが、司馬さんの本書『空海の世界』で水銀が産することは記述されていたが、銅のことには言及されていない。
いつの時代に始まったのか定かではないが、八十八カ所巡拝が大衆化して今日に至っていることから、言わずもながだが、「お大師さんは偉大だったと」思わざるおえないのですが・・・・・「南無大師遍照金剛」。
密教そのものが評者にはよく理解できないのだが、仏陀の説いたこととあまりにも異なる「天台密教」とはいかなるものか不可解としながら本書『空海の風景』下巻を小説として廿年ぶりに興味深く読み終えたのです。