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中国行きのスロウ・ボ-ト (中公文庫 む 4-3) 文庫 – 1997/4/18
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- ISBN-10412202840X
- ISBN-13978-4122028401
- 出版社中央公論新社
- 発売日1997/4/18
- 言語日本語
- 本の長さ288ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1997/4/18)
- 発売日 : 1997/4/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 412202840X
- ISBN-13 : 978-4122028401
- Amazon 売れ筋ランキング: - 16,633位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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学生時代の芝刈りのアルバイトから人生のさまざまな様相が自然と浮かび上がってきます、芝生の上に撒いた水のようにぼんやりと。その力量はあざとくなく見事です。
他は初期の村上を形成し成長していく上で興味深い作品の数々でした。
電子書籍化の英断を感謝します。
中央公論社には、レイモンド・カーヴァー等、まだまだたくさんの電子書籍化されていない宝がたくさんあり、今後の電子書籍化の推進を切に願います。
「中国行きのスロウ・ボート」
なんだかスッキリしない、出口のない後味だった。近寄りたいし近寄れそうだけど、なんだか違うというようなちぐはぐさ。当時の中国という国に対する説明できない雰囲気が村上春樹的に料理されたというところかな。
「貧乏な叔母さんの話」
不思議系ストーリー。主人公から離れた貧乏な叔母さんは、帽子を弟から取り返して叱られた女の子の側にいるのかな。貧乏な叔母さんじゃなくなって。
「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
ずっと死のモチーフ。死がつきまとっている。最期の段落は差し迫った死。
「カンガルー通信」
なんだかほのぼのしているけど、大分危ない人だな(笑)
「午後の最後の芝生」
雰囲気がすごく素敵。芝刈りを丁寧にやる主人公の気持ちがなんだかわかる。その丁寧さに惹かれる人たちが来るのも。なにごともそういうことだよな。
「土の中の彼女の小さな犬」
死の匂いって消えないんだろうか。
「シドニーのグリーン・ストリート」
おお!羊男だ!世界中にいるのか・・・。
異なるテーマの短編だが、村上ワールドを満喫できる。
中国語バージョンも読みたいと思ってます(笑)
今回(2024年)、長らく絶版になっていた村上春樹初の短篇集が単行本で復刻された。安西水丸さんとの初コラボということもあり、春樹も思い入れがあったのだろう。
まだ小説家としてデビューしてから間もなく、キャリア最初期のため、現在のように文体の洗練された感じはないが、とにかく面白い。『羊をめぐる冒険』を書くまでは、短篇においても「小説」という「入れもの」そのものを作品において問うようなところがあった。かといって、内容がないわけではない。
春樹は「都会的」だとか言われてきたが、キャリア初期のころからとても「政治的」だと思う。このことは読者にも評論家にもあまり理解されていないのではないか(中国、貧困、差別、マイノリティ、全共闘…)。
「中国行きのスロウ・ボート」春樹にとって中国問題はずっと切実だ。
「貧乏な叔母さんの話」は、春樹が自分で重要な作品であるとどこかに書いていたように思う。これなど『1Q84』に繋がる要素もあると思うが。
「ニューヨーク炭鉱の悲劇」は、一読するとまったくわけがわからない。だが、この小説のタイトルになった曲の歌詞を読むと、この作品を読むヒントが隠されているように思う。
「午後の最後の芝生」は、名作の多い春樹の短編の中でも屈指の出来だと思う。大柄の女の娘が死んでいるということを、読む人間は直接的に書かれていないが感じる。
そのほかの短篇も若いなりに頑張っているというか、実験的なところがあったり、ユーモアや笑いがあったりバラエティに富んでいて、いろいろと試行錯誤していてどれも面白い。
羊男も出てくるし!
それにしても「ちゃーりー」好きだなあ。