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魯山人は、料亭「星ヶ岡茶寮」を経営する前に 芝公園に「花の茶屋」という店を出していたが、
さらにその前に試験的な美食家の集まりを主催しており、その名称が 「 美食倶楽部 」 であった。
魯山人本人が 「この名前は、新聞に連載されて話題を呼んでいた谷崎潤一郎の小説から拝借した」
と語っており、本作品が当時 魯山人の 「 グルメ魂 」 を刺激したことは、間違いない。
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・ ・ ・ 得体のしれぬ中華料理の 「 魔窟 」 に迷い込んだ、若き美食家 ( 谷崎の分身でもある )が、
料理の概念を超えた味道の迷宮から学んだものは何であったのか ・ ・ ・。
料理を、単に味覚だけではなく、五感全体で感じるべき 芸術である、という大胆な問題提起は、
今日においても なお新鮮であり、料理についての永遠のテーマでもある。
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潤一郎ラビリンス (7) (中公文庫 た 30-35) 文庫 – 1998/11/18
怪奇幻想倶楽部
- 本の長さ299ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1998/11/18
- ISBN-104122032946
- ISBN-13978-4122032941
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1998/11/18)
- 発売日 : 1998/11/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 299ページ
- ISBN-10 : 4122032946
- ISBN-13 : 978-4122032941
- Amazon 売れ筋ランキング: - 411,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,236位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 2,950位中公文庫
- - 9,826位日本文学
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2014年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中公文庫の『潤一郎ラビリンス〈7〉怪奇幻想倶楽部』(中公文庫)。谷崎潤一郎の怪奇幻想小説を集めた中短編集で、収録作品は次の4編。
病蓐の幻想
白晝鬼語
人間が猿になった話
魚の李太白
美食倶楽部
「病蓐の幻想」は、歯痛に錯乱し、地震に怯える男を描いた作品。地震恐怖症の谷崎らしさが出ています。
「白晝鬼語」は、猟奇的な探偵小説仕立ての中編。主人公は友人の探偵趣味や変態趣味に翻弄されます。
「人間が猿になった話」は、猿に取り憑かれた気の毒な女性の話。この女性は野州(栃木県)の塩原の山奥で猿と一緒に暮らすことになったようなのですが、塩原の寒い冬をどうやって乗り越えるのか、心配してしまいます。
「魚の李太白」は、佐藤春夫の「李太白」を受けて書かれた軽妙でユーモラスな作品。
「美食倶楽部」は、美食の快楽を追い求める男の話。
この4作品の中で一番おもしろかったのは、「白晝鬼語」です。
この本には収録されてませんが、谷崎潤一郎の怪奇小説では 「人面瘡」が一番の傑作だと思います。「人面瘡」は『潤一郎ラビリンス〈11〉銀幕の彼方』(中公文庫)に収録されています。また、「人面瘡」はオーディオブック化されています。森山周一郎による朗読と蟹江敬三による朗読があります。
病蓐の幻想
白晝鬼語
人間が猿になった話
魚の李太白
美食倶楽部
「病蓐の幻想」は、歯痛に錯乱し、地震に怯える男を描いた作品。地震恐怖症の谷崎らしさが出ています。
「白晝鬼語」は、猟奇的な探偵小説仕立ての中編。主人公は友人の探偵趣味や変態趣味に翻弄されます。
「人間が猿になった話」は、猿に取り憑かれた気の毒な女性の話。この女性は野州(栃木県)の塩原の山奥で猿と一緒に暮らすことになったようなのですが、塩原の寒い冬をどうやって乗り越えるのか、心配してしまいます。
「魚の李太白」は、佐藤春夫の「李太白」を受けて書かれた軽妙でユーモラスな作品。
「美食倶楽部」は、美食の快楽を追い求める男の話。
この4作品の中で一番おもしろかったのは、「白晝鬼語」です。
この本には収録されてませんが、谷崎潤一郎の怪奇小説では 「人面瘡」が一番の傑作だと思います。「人面瘡」は『潤一郎ラビリンス〈11〉銀幕の彼方』(中公文庫)に収録されています。また、「人面瘡」はオーディオブック化されています。森山周一郎による朗読と蟹江敬三による朗読があります。
2008年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まとめ方では、著者のかなりの数の作品がこの表題「怪奇幻想倶楽部」の下にまとめられてしまいますが、「病蓐の幻想」は歯痛を題材とした作品です。「白昼鬼語」はたしかにシャーロックホームズとワトソン張りの形式を取っていますが、その話の原動力は、決して論理には還元できない何者かです。最後には、おちが用意されていますが、高揚感や論理の明晰さはそこには伺えず、不思議な読後感です。次に続く二編は、文体も変わり、どちらかというと今昔物語ばりの童話のようです。最後をしめくくるのは、有名な「美食倶楽部」ですが、これも不思議な作品です。最後は、私たちがその形象や臭いでイメージする料理の枠を超えてしまいますが、むしろ作者が、自らのエロチシズムを求める不思議な感覚を、料理という具象を通じて伝えようとしているかのようです。232ページや286ページのシーンは、それぞれ料理の描写(前者は貝、後者は高麗女肉)という形を取っていますが、何か別なものが示唆されているようです。