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パリ時間旅行 (中公文庫 か 56-1) 文庫 – 1999/7/1
鹿島 茂
(著)
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- 本の長さ282ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1999/7/1
- ISBN-104122034590
- ISBN-13978-4122034594
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1999/7/1)
- 発売日 : 1999/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 282ページ
- ISBN-10 : 4122034590
- ISBN-13 : 978-4122034594
- Amazon 売れ筋ランキング: - 311,096位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 128位フランス史
- - 802位ヨーロッパ史一般の本
- - 2,290位中公文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の本は何冊か読んでいますが、非常に興味深く、また個人的な趣向にも合っていて楽しんで読んでいます。
2012年12月1日に日本でレビュー済み
単行本が出版されていればそちらで読んでみたかった。カラー版が欲しかった。
2014年7月4日に日本でレビュー済み
本棚からまたまた鹿島茂さんの本を手にしてしまった。
本書『パリ時間旅行』は、1999年に文庫版として出てから評者は読んだから、もう15年も時が過ぎている。
読み始めてみて細部については忘れていたが、著者が19世紀のパリへ時間旅行をして当時のパリの風景描写するのが主な内容だったことは記憶していた。
著者が本書の「あとがき」で著者自身がフランス文学をすることにしばしば戸惑うことがあることを述懐していた。
フランス文学を教えるということに空しさを感じていた著者が、大学の授業でテクストとし使用していたバルザックの『ゴリオ爺さん』で「教えよう」としたり「研究」しょうとして難しい講義をするんじゃなく「青春期の読書のように、ただ単純に快楽としてテクストを楽しんで読めばいいのではないか」と気がついたからだそうである。
このあとがきを読んで著者がバルザックの時代にワープして時代考証しながら、著者自身も楽しむ授業に方向転換したのではないか、と評者は推測したのである。
フランスの古書や稀覯本などに目がない著者ならではの発想の転換といったら大学教授に失礼かもしれないが、たとえば江戸時代の文学(黄表紙などでも)を知るためには、当時の風俗や習慣など、人々の暮らす日常の細部にまでを熟知したほうが、その内容をより深く理解できることになることは間違いないだろう。
19世紀半ばまでのパリは、世界の大都市のなかでも最も劣悪な状態であったことを本書でも詳しく書かれていたが、上下水道などのインフラも完備せず、街中の酷い匂いなど想像を絶する酷さだったらしい。
本書を読み進みながら、17〜19世紀半ばまでのパリの劣悪な都市環境を知ると、当時世界の大都市に上下水道があったのが、江戸とロンドン(ロンドンでは時間給水)だけだったのだから、当時の日本が世界の先端を行く文明国だったことが今更ながら誇らしく思えてしまったのである。
そのような劣悪なパリもナポレオン三世の統治した19世紀半ばに始まるセーヌ県知事を務めたオスマンによる「パリ大改造」により近代化された話は本書に詳しく書かれている。
評者など当時のパリの路地を歩いていたら、いきなり「 Excuse-moi! 」の声(声なしもありか)とともに、いつ糞尿を降りかけられるかもしれないような街へのワープなど御免こうむりたいと思ったのだが、著者の執念はオスマン改造以前のパリに、ぜひワープしてみたい、「そのまま住んでしまってもよい!」と宣うから、パリ好きもここまでくれば病膏肓極まれりである、と呆れてしまった。
本書では、モーツアルト親子のヨーロッパ旅行の話や「街にくる行商人」や「光の陰影、街路灯など」や「スポーツ嫌い?のフランス人」などなど著者ならではの博識を披露した話が書いてあり退屈することなく楽しく再読してしまいました。
本書『パリ時間旅行』は、1999年に文庫版として出てから評者は読んだから、もう15年も時が過ぎている。
読み始めてみて細部については忘れていたが、著者が19世紀のパリへ時間旅行をして当時のパリの風景描写するのが主な内容だったことは記憶していた。
著者が本書の「あとがき」で著者自身がフランス文学をすることにしばしば戸惑うことがあることを述懐していた。
フランス文学を教えるということに空しさを感じていた著者が、大学の授業でテクストとし使用していたバルザックの『ゴリオ爺さん』で「教えよう」としたり「研究」しょうとして難しい講義をするんじゃなく「青春期の読書のように、ただ単純に快楽としてテクストを楽しんで読めばいいのではないか」と気がついたからだそうである。
このあとがきを読んで著者がバルザックの時代にワープして時代考証しながら、著者自身も楽しむ授業に方向転換したのではないか、と評者は推測したのである。
フランスの古書や稀覯本などに目がない著者ならではの発想の転換といったら大学教授に失礼かもしれないが、たとえば江戸時代の文学(黄表紙などでも)を知るためには、当時の風俗や習慣など、人々の暮らす日常の細部にまでを熟知したほうが、その内容をより深く理解できることになることは間違いないだろう。
19世紀半ばまでのパリは、世界の大都市のなかでも最も劣悪な状態であったことを本書でも詳しく書かれていたが、上下水道などのインフラも完備せず、街中の酷い匂いなど想像を絶する酷さだったらしい。
本書を読み進みながら、17〜19世紀半ばまでのパリの劣悪な都市環境を知ると、当時世界の大都市に上下水道があったのが、江戸とロンドン(ロンドンでは時間給水)だけだったのだから、当時の日本が世界の先端を行く文明国だったことが今更ながら誇らしく思えてしまったのである。
そのような劣悪なパリもナポレオン三世の統治した19世紀半ばに始まるセーヌ県知事を務めたオスマンによる「パリ大改造」により近代化された話は本書に詳しく書かれている。
評者など当時のパリの路地を歩いていたら、いきなり「 Excuse-moi! 」の声(声なしもありか)とともに、いつ糞尿を降りかけられるかもしれないような街へのワープなど御免こうむりたいと思ったのだが、著者の執念はオスマン改造以前のパリに、ぜひワープしてみたい、「そのまま住んでしまってもよい!」と宣うから、パリ好きもここまでくれば病膏肓極まれりである、と呆れてしまった。
本書では、モーツアルト親子のヨーロッパ旅行の話や「街にくる行商人」や「光の陰影、街路灯など」や「スポーツ嫌い?のフランス人」などなど著者ならではの博識を披露した話が書いてあり退屈することなく楽しく再読してしまいました。