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猫に時間の流れる (中公文庫 ほ 12-6) 文庫 – 2003/3/1
保坂 和志
(著)
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2003/3/1
- ISBN-104122041791
- ISBN-13978-4122041790
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2003/3/1)
- 発売日 : 2003/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 220ページ
- ISBN-10 : 4122041791
- ISBN-13 : 978-4122041790
- Amazon 売れ筋ランキング: - 231,940位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。その他の著書に『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
微妙な関係の小説 私には余りわからな小説。なんて言うか、もやもやする 期待が大きいすぎたのかも
2008年1月17日に日本でレビュー済み
三人と、二匹と、一匹。初めはそれぞれの自我の世界を越えなかったお互いが、やがて少しずつ解け合って重なり合っていく。
人の目を避けて生き、たまに視界に現れては喧嘩をふっかけたりはた迷惑なマーキングを残すだけだった野良猫クロシロが、次第に僕たちの心にその領域を広げていく様のゆったりとした描写は、この世に生きる無数の生命が互いに干渉し合い作用し合う静かな化合の奇跡を、そっと読者の前に指し示す。
ふと、宮沢賢治の「すべてが私の中のみんなであるように、みんなのおのおのの中のすべて」という言葉を思い出した。
猫の中にだって、ひとつの宇宙があるのだ。
人の目を避けて生き、たまに視界に現れては喧嘩をふっかけたりはた迷惑なマーキングを残すだけだった野良猫クロシロが、次第に僕たちの心にその領域を広げていく様のゆったりとした描写は、この世に生きる無数の生命が互いに干渉し合い作用し合う静かな化合の奇跡を、そっと読者の前に指し示す。
ふと、宮沢賢治の「すべてが私の中のみんなであるように、みんなのおのおのの中のすべて」という言葉を思い出した。
猫の中にだって、ひとつの宇宙があるのだ。
2004年2月25日に日本でレビュー済み
世田谷区大原のマンションに住むぼく。片側にはチイチイという名前の猫を飼っている美里さん、そして反対にはパキという猫を飼う西井が住んでいる。その三人と二匹と、野良猫クロシロの交流を通して、都会の片隅における生の断片を描き出した作品。
保坂氏の作品にはいつも、氏ならではの静謐な不思議な空気が漂っているのですが、この作品もそうした味でいっぱいです。猫との交流が生活の中心となっている三人組の世界には、他の人物はあまり出てきません。そのミニマリスティックな箱庭のような世界観は、はからずも現代の都会における生の在り方をとらえているように思います。「現代という時代に育った者にとって、プライバシーというものは守ることより侵すことの方がずっと難しいのだとぼくは思う」、と本文中にありますが、そんな他者との距離感が静かな諦めとして伝わってきます。
所収のもう一篇、「キャットナップ」も猫をめぐっての人間関係を淡々とした筆致で描いた作品。
保坂氏の作品にはいつも、氏ならではの静謐な不思議な空気が漂っているのですが、この作品もそうした味でいっぱいです。猫との交流が生活の中心となっている三人組の世界には、他の人物はあまり出てきません。そのミニマリスティックな箱庭のような世界観は、はからずも現代の都会における生の在り方をとらえているように思います。「現代という時代に育った者にとって、プライバシーというものは守ることより侵すことの方がずっと難しいのだとぼくは思う」、と本文中にありますが、そんな他者との距離感が静かな諦めとして伝わってきます。
所収のもう一篇、「キャットナップ」も猫をめぐっての人間関係を淡々とした筆致で描いた作品。