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余白の愛 (中公文庫 お 51-3) 文庫 – 2004/6/25
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- ISBN-104122043794
- ISBN-13978-4122043794
- 出版社中央公論新社
- 発売日2004/6/25
- 言語日本語
- 本の長さ234ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/6/25)
- 発売日 : 2004/6/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 234ページ
- ISBN-10 : 4122043794
- ISBN-13 : 978-4122043794
- Amazon 売れ筋ランキング: - 378,927位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。
1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。主な著書に『やさしい訴え』『ホテル・アイリス』『沈黙博物館』『アンネ・フランクの記憶』『薬指の標本』『夜明けの縁をさ迷う人々』『猫を抱いて象と泳ぐ』等。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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とはいえ、とにかく文章が美しい。平易な言葉遣いで淡々と語られる文章ではあるが、1〜2ページに1回は出てくる感じがする様々な比喩表現が印象的だ。例えば以下のような表現である。
「彼女の話はフランス刺繍の一針一針のように・・・」
「・・・それはいとおしい生き物のように・・・」
「・・・か細い昆虫のように震えている髪・・」
ところで、タイトルの『余白の愛』というのは何を意味するのだろう。センスのない自分だったら、『耳と指』とつけてしまうだろうな。
淡々としていて、でも哀しさが読み終えた後にどっときました。
この後にも素敵な小説をたくさん書かれていますが、雰囲気をただ味わえたこの本が私は好きです。
彼女の作品を好きな方は読んでほしいと思います。
〇 心の空洞を埋めようとするとき、そのよすがとなるのは過去の確固たる記憶しかない。運命はすでに定められたものとして受け入れ、思い出を温めながら静かでそれなりに満ち足りた日々を送ることが幸せなのだ、というのは、今日に至るまで小川作品のモチーフであり続けていると思うのだが、この作品ですでに驚くほど明確に提示されている。そうか、小川洋子は長年にわたってこのテーマの変奏曲を書き続けてきたのかと得心した。
〇 「空洞」のほか「記憶」「香り」など後の小川作品で繰り返し現れる言葉もすでに登場する。幻の場所や人(この作品では博物館とおそらくはYも)が物語展開で重要な役割を果たすところも変わらない。
〇 そうは言っても、いかにも初期作品らしい初々しさを感じるところもある。主人公は、ふつうの人でありふれた現代的な日常生活を送っているし、あまりに普通の世界から離れているとの読者の拒絶を招来しないように配慮しながら書いている気配が感じられる。小川洋子ワールドはただいま建設途上といったところかな。あんまり理詰めに読まない限りは、楽しめると思います。
耳鳴りという、狭い世界の、本人だけが感じうる事を、読み手も字面を読む事で共感できるということ。
「わたし」が孤独である(入院中、両親なども現れず、ほとんど孤独にしている)ことや、終始主観で語り続けられるところ、張り詰めていない、掴み所のないような静けさ。無駄な物がない世界に、読み手を引き込み、空間を共有させてくれます。
私は、どこの場面からか、自分のイメージした像がセピアがかっていることに気付きました。また、夢の中のようだとも思いました。記憶であると気付かせる前に、雰囲気作りを行間だけで描写されているんですね。素晴らしいと思いました。
また、他の方のレビューにありました、「台詞が文語調である」というものも、私はそうした雰囲気作りのためなのだろうか、と思いました。
記憶の中の世界なので、「わたし」は相手の台詞を一語一句鮮明に覚えているわけではなく、あらましだけ、といったことになり、あのような文語的な台詞になったのではないかな、と思っていたのです。
まったくの私見ではありますが。
また、登場人物の名前を、Yや、ヒロとすることで、絶妙な具合に存在をぼかせています。
私は、最後までYの面影を感じることができませんでした。
たいていの人物は、顔の微細なつくりまでは行かないものの、雰囲気等は感じ取れるのですが。
Yの場合はそうはいかず、スヌーピーに登場する大人のように足だけが見えているようでした。
とにかく作中に漂う空気感がなんとも言えず美しく、儚いです。
そしてすごく計算されています!
雨が降るように静かで、青空を包んだ曇り空のように、
落ち着いた穏やかな物語。
耳を病み、恐らく心をも病んでいる主人公は
一度自分から離れてしまったものは
もう二度と戻らないのではないかという不安を抱えている。
それは例えば声のように、去っていってしまった夫のように。
突発性難聴の耳は音を判断することができず、
心はまた現実と記憶とを区別できない。
不安定な彼女を支えるのはYと甥のヒロ。
二人は架け橋となり、食事をしたり話を聞いたり手を引いたりして、
明るい方へ彼女を導く。
たまに立ち止まったり、記憶の奥に戻ってしまったりしてもいい。
世界へ出るということは強さではない。
尊重、肯定の心なのだ。
全てを受け入れられる安心感と現実の明るさ、
しかもそれは本人の内から出すことができる、と
言われているように思う。
作者はYのように世界をくっきりと文字としており、
どのシーンも映像が浮かぶ。
冬の光のような、鈍いが確かに明るい余韻を残す。
耳がおかしくなったということが、幻想と現実の境をあいまいにしてしまうという状況が、あり得る気がした。