プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥1,572¥1,572 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥1,572¥1,572 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥450¥450 税込
配送料 ¥300 6月12日-13日にお届け
発送元: 湘南つばめ堂 販売者: 湘南つばめ堂
¥450¥450 税込
配送料 ¥300 6月12日-13日にお届け
発送元: 湘南つばめ堂
販売者: 湘南つばめ堂
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
マンスフィ-ルド・パ-ク (中公文庫 オ 1-2) 文庫 – 2005/11/25
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,572","priceAmount":1572.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,572","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"G6dMqmMvpFY0EfZ2YNFUk03UTQyeoW4ocrwnOqae1%2FZS4gl5JStXVdIE%2FlO%2B30Jxrs5%2BqN7GQ3GZhAY587Wg%2BJR1uee%2BdaCJ9%2BwSEEh4J09b8Om0hq0Kzz4Hd95DAlkH","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥450","priceAmount":450.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"450","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"G6dMqmMvpFY0EfZ2YNFUk03UTQyeoW4ostISQG5QxJC%2FzJFxIxA6sk88NDLAmgF%2F%2BEzIxj%2B0iNzCUZaVvFr0sW93LmmqEJ%2FPzofdoUQtUPuYttMEl44j%2BPHjM9HBLE%2F7ah6uqYJYwhnvneef1mrnXysoiYf3cMfiYoGzXqnQ1KbwNRRWYtb7uD43OwssUwBg","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
貧しさゆえに蔑まれながら生きてきた少女が、幸せな結婚をつかむまでの物語。優しさと機知に富む一方で、鋭い人間観察眼によって容赦なく俗物を描く、英国が誇る十九世紀初頭の女性作家、後期を代表する作品。
- 本の長さ701ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/11/25
- ISBN-104122046165
- ISBN-13978-4122046160
よく一緒に購入されている商品
対象商品: マンスフィ-ルド・パ-ク (中公文庫 オ 1-2)
¥1,572¥1,572
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥1,650¥1,650
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
残り8点(入荷予定あり)
¥1,045¥1,045
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
残り9点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2005/11/25)
- 発売日 : 2005/11/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 701ページ
- ISBN-10 : 4122046165
- ISBN-13 : 978-4122046160
- Amazon 売れ筋ランキング: - 677,771位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
64グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヘンリー・クロフォードの変化を最後まで見たかったなー… 初っ端の印象は最悪だったのに、ファニーに恋をしていい方向に変わっていくそのプロセスがとても丁寧でよかった。でも話の筋書きと著者の信念上、最後に無理やり本ルートに戻されたような… そこに限界を感じた('・ω・)
その犠牲になったクロフォードは終盤扱いがえらく雑で、しかも大変にかわいそうなことになっている… いや、彼の道徳心の欠如と生まれもっての虚栄心が不幸の原因で、更に彼の妹のミス・クロフォードは同情の余地もないくらい性格に問題がある~と言ったらそりゃそうなんだけど(そしてそれこそがオースティンの意図するところなんだろうけど)、人間は改心することができるというテーマで彼にフォーカスをかちっと当ててもよかったんじゃないかなあ。中盤にその片鱗が見えていただけに残念。
ファニーの言う「人間の心の移ろいやすさ」への絶望と希望が織り重ねられていくさまを最後まで貫きとおすこともできたと思うんだ。彼女はそれにずっと苦しむ訳だけど…その移ろいやすさこそが人間らしさじゃないのかな。だからこそ人間は醜悪で、同時にどうしようもなく美しい。分かりやすい勧善懲悪や善男善女のハッピーエンドは確かに爽快感があるけど、実際に人生を生きてみると残念ながら世界はそんな単純にはできていない…
オースティンの常とはいえ、天の采配とばかりに強引にもたらされる大団円ではなく、もしクロフォードとの葛藤と和解、エドマンドとの葛藤と別れを最後まで丁寧に書ききっていたら一番好きな作品になったかもしれない、本当に。でも端役に至るまで登場人物ひとりひとりの心理描写はさすがで、冬の荒れた心に溶け込むような味わいだった。
当時の価値観はもちろん今では簡単に首肯できないものが多いけど、こういった小説で当時の家族観や道徳観といったものを肌でぴりぴり感じることができるのはとても貴重な体験だと思う。中盤のサー・トマスの怒髪天を衝く物凄い叱責とかね。こっちはファニーの気持ちになって読んでるからまさに雷を落とされたような衝撃でした。めちゃくちゃ怖かった…
その犠牲になったクロフォードは終盤扱いがえらく雑で、しかも大変にかわいそうなことになっている… いや、彼の道徳心の欠如と生まれもっての虚栄心が不幸の原因で、更に彼の妹のミス・クロフォードは同情の余地もないくらい性格に問題がある~と言ったらそりゃそうなんだけど(そしてそれこそがオースティンの意図するところなんだろうけど)、人間は改心することができるというテーマで彼にフォーカスをかちっと当ててもよかったんじゃないかなあ。中盤にその片鱗が見えていただけに残念。
ファニーの言う「人間の心の移ろいやすさ」への絶望と希望が織り重ねられていくさまを最後まで貫きとおすこともできたと思うんだ。彼女はそれにずっと苦しむ訳だけど…その移ろいやすさこそが人間らしさじゃないのかな。だからこそ人間は醜悪で、同時にどうしようもなく美しい。分かりやすい勧善懲悪や善男善女のハッピーエンドは確かに爽快感があるけど、実際に人生を生きてみると残念ながら世界はそんな単純にはできていない…
オースティンの常とはいえ、天の采配とばかりに強引にもたらされる大団円ではなく、もしクロフォードとの葛藤と和解、エドマンドとの葛藤と別れを最後まで丁寧に書ききっていたら一番好きな作品になったかもしれない、本当に。でも端役に至るまで登場人物ひとりひとりの心理描写はさすがで、冬の荒れた心に溶け込むような味わいだった。
当時の価値観はもちろん今では簡単に首肯できないものが多いけど、こういった小説で当時の家族観や道徳観といったものを肌でぴりぴり感じることができるのはとても貴重な体験だと思う。中盤のサー・トマスの怒髪天を衝く物凄い叱責とかね。こっちはファニーの気持ちになって読んでるからまさに雷を落とされたような衝撃でした。めちゃくちゃ怖かった…
2010年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解説書によると、ジェーン・オースティンの全作品を執筆された順にあげると
・分別と多感 1811年
・自負と偏見 1813年
・ノーサンガー・アビー 181?年(1813年までに書かれていたらしい)
・マンスフィールドパーク1814年
・エマ 1815年
・説得 1818年
になるらしい。
毎回彼女の作品は登場人物の描写が卓越しており、よくこんなにたくさんの人間を文章だけで描き分けることができるよなーと感心させられます。
オースティンの小説はすべて恋愛ものです。しかも最後は必ずハッピーエンドに終わります。これだけだと「ハーレークイーン」モノですが、根底に流れるものは「純愛・誠実」で、どんなに物語があちこちに発展してもこの主軸がぶれていないので読み手も安心して読めます。オースティンの父は牧師さんだったのでその考え方も影響しているのかもしれませんね。
もう一つの魅力は主人公を取り巻く人間たちの多種多様さです。わがままな人・プライドの高い人・無関心な人・おせっかいな人・ゆかいな人・親切な人・いじわるな人・高潔な人・・・etc
こんなにたくさんのキャラクターをどうやって作ったのだろう??という疑問がわいてきます。ある解説本によると、オースティンの周囲にいた人や見聞きした情報などをもとに、高い観察力と深い洞察力であらゆるキャラクターに再構築して行ったのではないかと書かれていました。
これだけのキャラクターを設定しても、それを文章で表現する力がなければ物語の中で生かすことはできませんが、その表現力たるや・・・後世の並み居る文学者をもうならせるだけのことはあります。
・・・というわけで前置きが長くなりましたが、
<マンスフィールドパーク>の感想
主人公のファニーの心の成長がたくみに描かれています。親戚の家とはいえ、親から離れて預けられ、たった一人で心細い思いをしながら育った少女時代。エドマンドとの交流の中で本や芸術に触れ次第に自分自身を確立していきます。叔母家族とそこに出入りする様々な人々からも多くのことを学びます。若くして苦労すると人間ができるということを如実に物語っていますね。
バートラム夫妻は、最初は養女として実子とは格下に見ていたけれども、ファニーの誠実な人柄に助けられるたびに、育ての親の恩を忘れずつくしてくれる「ファニーこそが我が家になくてはならない人」として大切に思うようになります。
このあたりの心情の変化を描くのもオースティンはうまいです。
最終的にはファニーが自分の考えを一途にとおしたことが家族を救うことになったわけですから、バートラム家の恩人です。
今で言う「ブレない」人なんでしょうね。
オースティンの作品に出てくる主人公の中でファニーが一番「地味」ですが、実は一番オースティン本人に近いと言われているらしいです。
そういう意味ではファニーの言葉を通して、オースティンの考えを聞いている感じがして興味深かったです。
また、どの作品にも共通していますが、イングランドの田園地帯の美しさや季節の移り変わりなどの自然描写もとても素敵です。主人公たちや登場人物の住む屋敷や館の様子を想像しながら読むのもまたひとつの楽しみでもあります。
原文で読めたらもっと楽しいだろうなー。
・分別と多感 1811年
・自負と偏見 1813年
・ノーサンガー・アビー 181?年(1813年までに書かれていたらしい)
・マンスフィールドパーク1814年
・エマ 1815年
・説得 1818年
になるらしい。
毎回彼女の作品は登場人物の描写が卓越しており、よくこんなにたくさんの人間を文章だけで描き分けることができるよなーと感心させられます。
オースティンの小説はすべて恋愛ものです。しかも最後は必ずハッピーエンドに終わります。これだけだと「ハーレークイーン」モノですが、根底に流れるものは「純愛・誠実」で、どんなに物語があちこちに発展してもこの主軸がぶれていないので読み手も安心して読めます。オースティンの父は牧師さんだったのでその考え方も影響しているのかもしれませんね。
もう一つの魅力は主人公を取り巻く人間たちの多種多様さです。わがままな人・プライドの高い人・無関心な人・おせっかいな人・ゆかいな人・親切な人・いじわるな人・高潔な人・・・etc
こんなにたくさんのキャラクターをどうやって作ったのだろう??という疑問がわいてきます。ある解説本によると、オースティンの周囲にいた人や見聞きした情報などをもとに、高い観察力と深い洞察力であらゆるキャラクターに再構築して行ったのではないかと書かれていました。
これだけのキャラクターを設定しても、それを文章で表現する力がなければ物語の中で生かすことはできませんが、その表現力たるや・・・後世の並み居る文学者をもうならせるだけのことはあります。
・・・というわけで前置きが長くなりましたが、
<マンスフィールドパーク>の感想
主人公のファニーの心の成長がたくみに描かれています。親戚の家とはいえ、親から離れて預けられ、たった一人で心細い思いをしながら育った少女時代。エドマンドとの交流の中で本や芸術に触れ次第に自分自身を確立していきます。叔母家族とそこに出入りする様々な人々からも多くのことを学びます。若くして苦労すると人間ができるということを如実に物語っていますね。
バートラム夫妻は、最初は養女として実子とは格下に見ていたけれども、ファニーの誠実な人柄に助けられるたびに、育ての親の恩を忘れずつくしてくれる「ファニーこそが我が家になくてはならない人」として大切に思うようになります。
このあたりの心情の変化を描くのもオースティンはうまいです。
最終的にはファニーが自分の考えを一途にとおしたことが家族を救うことになったわけですから、バートラム家の恩人です。
今で言う「ブレない」人なんでしょうね。
オースティンの作品に出てくる主人公の中でファニーが一番「地味」ですが、実は一番オースティン本人に近いと言われているらしいです。
そういう意味ではファニーの言葉を通して、オースティンの考えを聞いている感じがして興味深かったです。
また、どの作品にも共通していますが、イングランドの田園地帯の美しさや季節の移り変わりなどの自然描写もとても素敵です。主人公たちや登場人物の住む屋敷や館の様子を想像しながら読むのもまたひとつの楽しみでもあります。
原文で読めたらもっと楽しいだろうなー。
2016年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
客観的に考えると、主人公の立場で縁談を断るのは不可能だと思いますが、自分の意志を曲げないファニーに感動。結局は、愛するエドマンドと結ばれますが、最後の章で、クロフォード氏が愚行に走らず、ファニーの愛を得るために更なる努力をすれば、クロフォード氏は、ファニーの愛を手に入れたことだろうと
締めくくったのには驚き。人間、辛抱が良い結果をもたらすということだと思いました。
締めくくったのには驚き。人間、辛抱が良い結果をもたらすということだと思いました。
2012年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Pride and Prejudiceや、Sense and Sensibilityとはひと味違ったオースティンです。まず、主人公が地味で、魅力で虜になる、というよりも「大変だなあ、かわいそうだなあ」というような思いから心配になる相手です。
中野康司氏の訳はアップデートされている感があっていいのですが、個人的には巻頭の登場人物リストはちょっと余計でした。リストがある事自体は、登場人物が多いので便利なのですが、そこでプロットについての情報を出し過ぎだと思いました。映像化の少ない作品ですし、「どうせ読者は知っているから」ということは他の作品ほど無いと思いますので、せめて一人一人のキャラクターについての初歩的な情報だけで良かったと思います。巻頭にあるこのリストですでにネタバレの感があります。また、同リストにはノリス夫人に関して「ファニーをいじめぬく」とありますが、この文からはそれこそちょっと後のブロンテの「ジェーン・エア」に出てくるような体罰も含めたいじめも想像してしまいました。新訳というのがこのバージョンの魅力ですが、同じくノリス夫人について「本編随一の濃いキャラを持つ」とあるのを見ると、そこまで口語にしなくても、と思ってしまいました。
しかし、本文中の訳文は非常にスムーズです。以上のことが気になる読者なら他のバージョンを読んで、あくまでも新訳がいいというならこちらかと思います。
中野康司氏の訳はアップデートされている感があっていいのですが、個人的には巻頭の登場人物リストはちょっと余計でした。リストがある事自体は、登場人物が多いので便利なのですが、そこでプロットについての情報を出し過ぎだと思いました。映像化の少ない作品ですし、「どうせ読者は知っているから」ということは他の作品ほど無いと思いますので、せめて一人一人のキャラクターについての初歩的な情報だけで良かったと思います。巻頭にあるこのリストですでにネタバレの感があります。また、同リストにはノリス夫人に関して「ファニーをいじめぬく」とありますが、この文からはそれこそちょっと後のブロンテの「ジェーン・エア」に出てくるような体罰も含めたいじめも想像してしまいました。新訳というのがこのバージョンの魅力ですが、同じくノリス夫人について「本編随一の濃いキャラを持つ」とあるのを見ると、そこまで口語にしなくても、と思ってしまいました。
しかし、本文中の訳文は非常にスムーズです。以上のことが気になる読者なら他のバージョンを読んで、あくまでも新訳がいいというならこちらかと思います。
2014年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オースティン後期の作品で、登場人物は中上流家庭の若者達と
その両親や叔母達です。彼らの人物描写と恋愛模様を通じて、
人間の清廉さ高潔さと、軽薄で俗っぽい精神性の対比が描かれて
います。
ヒロインは非常にというかきわめて控えめで自らを抑える性格
なので、読者によって、違和感を感じることもあるかもしれま
せんし、逆に好感を持たれるかもしれません。
対する脇役の兄妹は位置的には悪役ながら、生き生きとして
魅力的だったりもします。
ストーリーの冒頭は主人公の境遇についての説明ですが、登場
人物が出揃うと、狭い範囲内での恋愛劇が展開して面白く読み
進むことができました。
この中公文庫版では漢字での表記が多い割にルビが少なく、
若干読みにくさもありましたが、堅めの文章が却って雰囲気を
感じさせて良かったです。
その両親や叔母達です。彼らの人物描写と恋愛模様を通じて、
人間の清廉さ高潔さと、軽薄で俗っぽい精神性の対比が描かれて
います。
ヒロインは非常にというかきわめて控えめで自らを抑える性格
なので、読者によって、違和感を感じることもあるかもしれま
せんし、逆に好感を持たれるかもしれません。
対する脇役の兄妹は位置的には悪役ながら、生き生きとして
魅力的だったりもします。
ストーリーの冒頭は主人公の境遇についての説明ですが、登場
人物が出揃うと、狭い範囲内での恋愛劇が展開して面白く読み
進むことができました。
この中公文庫版では漢字での表記が多い割にルビが少なく、
若干読みにくさもありましたが、堅めの文章が却って雰囲気を
感じさせて良かったです。
2014年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
登場人物の描写が細やかでそれぞれに興味深い。
時代を超えて人間の本質や教育による性格形成について考えさせられる良質の小説であると思う。
時代を超えて人間の本質や教育による性格形成について考えさせられる良質の小説であると思う。
2006年8月30日に日本でレビュー済み
人がどれほどうつろいやすかということ、そしてうつろいやすさの絶対的な要素としての《時間》の強大さというものがほぼ登場人物全員とプロットに底流している。うつろいやすくないのは常に価値判断を見誤らないように努力して生き続ける主人公のファニー・プライスだけだ。
一見、最後には善が勝つという勧善懲悪のストーリーのようだがそうではない。そうでなくしているのは、各登場人物のもつリアリティと厚み、作者の物語および人物に対する距離の置き方だ。
ファニー以外のすべての登場人物はその欠点を露わにするように描かれている一方で、それらの欠点は悪としてではなく、人間らしさとして提示されている。例外はミセス・ノリスでこれほど卑しい人物の例は文学上、そうそうないのではと思わされるぐらいだが、物語りにユーモアというスパイスを加えている。バートラム家の人たちのファニーの捕らえ方は物語の進行とともに変化するのだが、ミセス・ノリスだけが最後の最後までファニーを嫌い、その嫌い方が断然、面白い!
奥ゆかしさ、思慮深さ、信念の強さといった美徳を兼ね備えたファニーはある意味、そうした美徳ゆえに一番リアリティに欠ける人物ともいえる。
ではファニー・プライスは何かということになるが、台風の目のようでもあり、リトマス試験紙のようでもあり、真空のようでもある。この小説の不気味さはこのへんにあるような気がする。この不気味さの正体を知りたいから、もう一度読みたいのかもしれない。
イギリスを舞台に、200年近く前に書かれた小説だが、ファニーの「性格」といい、愛よりも資産や社会的地位の維持、もしくは向上のためになされる結婚とその弊害は今の日本人にも親近感をもって読める。200年たっても人は同じ愚行を繰り返しているのか、とオースティンは嘆くだろうか。それとも技術革新が起きて、政治、社会は変化しても、人の心理だけは普遍/不変ということなのだろうか。
一見、最後には善が勝つという勧善懲悪のストーリーのようだがそうではない。そうでなくしているのは、各登場人物のもつリアリティと厚み、作者の物語および人物に対する距離の置き方だ。
ファニー以外のすべての登場人物はその欠点を露わにするように描かれている一方で、それらの欠点は悪としてではなく、人間らしさとして提示されている。例外はミセス・ノリスでこれほど卑しい人物の例は文学上、そうそうないのではと思わされるぐらいだが、物語りにユーモアというスパイスを加えている。バートラム家の人たちのファニーの捕らえ方は物語の進行とともに変化するのだが、ミセス・ノリスだけが最後の最後までファニーを嫌い、その嫌い方が断然、面白い!
奥ゆかしさ、思慮深さ、信念の強さといった美徳を兼ね備えたファニーはある意味、そうした美徳ゆえに一番リアリティに欠ける人物ともいえる。
ではファニー・プライスは何かということになるが、台風の目のようでもあり、リトマス試験紙のようでもあり、真空のようでもある。この小説の不気味さはこのへんにあるような気がする。この不気味さの正体を知りたいから、もう一度読みたいのかもしれない。
イギリスを舞台に、200年近く前に書かれた小説だが、ファニーの「性格」といい、愛よりも資産や社会的地位の維持、もしくは向上のためになされる結婚とその弊害は今の日本人にも親近感をもって読める。200年たっても人は同じ愚行を繰り返しているのか、とオースティンは嘆くだろうか。それとも技術革新が起きて、政治、社会は変化しても、人の心理だけは普遍/不変ということなのだろうか。