知ったかぶりを一切許さないのがクラウゼヴィッツ将軍の戦争論をはじめとする諸著作です。その内容について、将軍の死後180年以上も経つのに未だに論争の種となっています。しかも訓詁学的な意味ではなく、極めてアクチュアルな問題として。よって、将軍のバイオグラフィーをちゃんと押さえておくことは、将軍のことを語る上では必須の作業と言えましょう。
現在のムスリム同胞団の混迷を見るにつけ、本書を通読すると将軍の地下からの哄笑が聞こえてきそうです。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
クラウゼヴィッツ 改版: 「戦争論」の誕生 (中公文庫 B 17-11 BIBLIO) 文庫 – 2005/12/1
クラウゼヴィッツの未刊の大著『戦争論』は、没後1世紀を越えた今日でも、政治論・戦略論のバイブルとされている。人、組織、意思決定、指導者の資質など、戦いのあらゆる要素を組織立てて分析し、近代的戦略理論を確立するまでに至る思想と生涯を詳細にたどる。
- 本の長さ558ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104122046297
- ISBN-13978-4122046290
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2005/12/1)
- 発売日 : 2005/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 558ページ
- ISBN-10 : 4122046297
- ISBN-13 : 978-4122046290
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,299,597位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 217位中公文庫BIBLIO
- - 4,982位ヨーロッパ史
- - 9,015位政治入門
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
6グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年2月11日に日本でレビュー済み
大王フリードリヒの余慶に浸るプロイセンは、革命による爆発的エネルギーを背負うフランス軍により完膚なきまで叩きのめされ、正に国家の存亡に関わる憂き目を見ることになります。こうした屈辱と混乱の中、クラウゼヴィッツは軍人としてのキャリアを開始し、以後、完全な主権と名誉の回復を求める苦難の道のりを、国家と共に歩んでいきます。
伝統と団結を誇るプロイセン軍は、何故にアマチュア流のフランス軍に敗北せねばならなかったのか、クラウゼヴィッツは徹底的に考えぬきます。そして、フランス最大の強みは、戦術技量・装備水準やナポレオンらの将帥の才に求めるべきではなく、軍隊と戦争を支える国家体制のあり方にこそ求められるべきと確信するに至ったのでした。
そうした信念の下、彼は恩師シャルンホルストの率いる改革者グループに加わり、守旧派との論争の中、軍隊や国家体制そのものの改造に努力するとともに、フランス革命によって世界が直面を強いられた「戦争とは何か」という本質的な命題に、全身全霊を傾けて取り組んでいくことになったのです。
本書は、クラウゼヴィッツの生涯を通じて、歴史的・政治的な背景を丁寧に分析しつつ、戦争・軍隊・国家に対する彼の思想の成熟過程を説き明かしていくものです。「戦争論」の真髄把握に向けて示唆するところが多いほか、ナポレオン戦争期のプロイセン国家体制改革の過程と意味を考える上でも大変価値のある本だと思います。
若干の軍事用語に関しては疑問を感じるところもありますが、翻訳は概ね申し分ないと思います。近代ドイツ史や「戦争論」に興味をお持ちの向きには、是非ともおススメしたい一冊です。
伝統と団結を誇るプロイセン軍は、何故にアマチュア流のフランス軍に敗北せねばならなかったのか、クラウゼヴィッツは徹底的に考えぬきます。そして、フランス最大の強みは、戦術技量・装備水準やナポレオンらの将帥の才に求めるべきではなく、軍隊と戦争を支える国家体制のあり方にこそ求められるべきと確信するに至ったのでした。
そうした信念の下、彼は恩師シャルンホルストの率いる改革者グループに加わり、守旧派との論争の中、軍隊や国家体制そのものの改造に努力するとともに、フランス革命によって世界が直面を強いられた「戦争とは何か」という本質的な命題に、全身全霊を傾けて取り組んでいくことになったのです。
本書は、クラウゼヴィッツの生涯を通じて、歴史的・政治的な背景を丁寧に分析しつつ、戦争・軍隊・国家に対する彼の思想の成熟過程を説き明かしていくものです。「戦争論」の真髄把握に向けて示唆するところが多いほか、ナポレオン戦争期のプロイセン国家体制改革の過程と意味を考える上でも大変価値のある本だと思います。
若干の軍事用語に関しては疑問を感じるところもありますが、翻訳は概ね申し分ないと思います。近代ドイツ史や「戦争論」に興味をお持ちの向きには、是非ともおススメしたい一冊です。
2006年11月2日に日本でレビュー済み
「戦争は他の手段をもってする政策の継続にすぎない」とクラウゼヴィッツは、その著書「戦争論」において述べている。本書は、クラウゼヴィッツがその生涯をかけて「戦争とは何か」という命題に対して、取り組んだ足跡を知ることができる。クラウゼヴィッツは恩師シャルンホルストに出会うことによって、戦争の理論と実際の間におけるギャップを知り、そのギャップを埋める手段として歴史を利用することを学び取る。その教えが「戦争論」という大著に結びついているとも言えるであろう。「戦争論」を読んでいただければ分かることだが、クラウゼヴィッツは自分が体験したナポレオンとの戦争、フリードリヒ大王の戦史を引用し、彼の理論の裏付けに戦例として紹介し、批判と分析を加えている。
また、彼が「戦争論」の中で述べている理論と実践を重視する思想のバックボーンとしてドイツ理想主義の哲学的手法や様々な学問を学び通した理論、そしてナポレオンとの戦争の経験、プロイセン国家の軍事改革への取り組みなどをが、その著書「戦争論」のベースとなっていることに気づかされる。また、クラウゼヴィッツの妻、マリー夫人への宛てた書簡、手紙なども「戦争論」の理論構築のベースとなっていることも見逃せない点である。 本書を読んでから「戦争論」を読むとより理解が深まると思う。
また、彼が「戦争論」の中で述べている理論と実践を重視する思想のバックボーンとしてドイツ理想主義の哲学的手法や様々な学問を学び通した理論、そしてナポレオンとの戦争の経験、プロイセン国家の軍事改革への取り組みなどをが、その著書「戦争論」のベースとなっていることに気づかされる。また、クラウゼヴィッツの妻、マリー夫人への宛てた書簡、手紙なども「戦争論」の理論構築のベースとなっていることも見逃せない点である。 本書を読んでから「戦争論」を読むとより理解が深まると思う。
2003年10月15日に日本でレビュー済み
「戦争論」の著者、クラウゼヴィッツの人生をたどった、きちんとした「論文」。
伝記物にありがちなロマンティシズムに陥らず、著作や書簡に基づいて丁寧に事実を申し述べ、「戦争論」という現代の社会にも大きな影響力を持つ著作が、どのようなクラウゼヴィッツの中で形成されていったかを叙述している。
淡々とした筆致は、一見無味乾燥のようにも思えるが、価値中立に、史的事実がクラウゼヴィッツの人生にどのような影響を及ぼし、かつ、「戦争論」の叙述にどのように影響を与えたのかを分析的に描き出すには適している。
クラウゼヴィッツのパーソナリティに客観的に触れてみたいという人にお薦めする。
また、下手な解説書を読むよりも、難解な「戦争論」の理解の一助になる本だと思う。
伝記物にありがちなロマンティシズムに陥らず、著作や書簡に基づいて丁寧に事実を申し述べ、「戦争論」という現代の社会にも大きな影響力を持つ著作が、どのようなクラウゼヴィッツの中で形成されていったかを叙述している。
淡々とした筆致は、一見無味乾燥のようにも思えるが、価値中立に、史的事実がクラウゼヴィッツの人生にどのような影響を及ぼし、かつ、「戦争論」の叙述にどのように影響を与えたのかを分析的に描き出すには適している。
クラウゼヴィッツのパーソナリティに客観的に触れてみたいという人にお薦めする。
また、下手な解説書を読むよりも、難解な「戦争論」の理解の一助になる本だと思う。