著者の日野巌氏は、本当の専門は植物学らしいです。しかし、植物に関する古典文献の記述を漁っていたところ、動物妖怪の情報もたっぷり集まってしまい、それをひとまとめにしたのが、この「動物妖怪譚」だったみたいです。(植物に関する収集情報は「植物怪異伝説新考」の方にまとめられています)だから、最初に発売された版(大正15年)には「趣味研究」と言う副題も添えられていたようです。
と言う訳で、妖怪全般を公平に語った妖怪研究本なのではなく、若干の偏りも見られます。やや特殊な動物の考察にページを割いていたりもします。
何よりも、本文のメインは、収集した古典文献の抜粋の数々でして、妖怪について記述された古典資料の古文を大量に読む事ができます。おかげで、散在する妖怪資料の原典を一つ一つ揃える手間を省いてくれていると言えるでしょう。各古文の引用文には、ほとんどが、簡単なあらすじも添えられていますので、古文そのものが読めなくても、それなりに内容を理解する事もできます。
この「動物妖怪譚」と同傾向の本として、今野円輔氏の「日本怪談集」がありまして、こちらには、主に幕末以降の幽霊・妖怪譚の原文ばかりが収められていますので、一緒に揃えておいても悪くはないかもしれません。
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動物妖怪譚 上 (中公文庫 B 21-13 BIBLIO) 文庫 – 2006/12/1
日野 巌
(著)
鬼・天狗・河童……古今東西の動物伝説を集め、その起源や歴史的変遷を論じた大正十五年刊の「伝説の大著」が、ハンディに、読みやすくなって甦る!
- 本の長さ327ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2006/12/1
- ISBN-104122047919
- ISBN-13978-4122047914
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2006/12/1)
- 発売日 : 2006/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 327ページ
- ISBN-10 : 4122047919
- ISBN-13 : 978-4122047914
- Amazon 売れ筋ランキング: - 494,700位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 79位中公文庫BIBLIO
- - 623位昔話・伝承
- - 1,091位文化人類学一般関連書籍
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2010年7月22日に日本でレビュー済み
鬼、天狗、河童、人魚、海坊主、雪女・・・
名前だけはポピュラーだけれども、
出典元の古典とか、内容となると全く知らない状態でした。
本書では、
今昔物語、源平盛衰記、古今著聞集、宇治拾遣物語、
東海道名所記、羅生門などの記述が大量に収録されていて
古典好き&怪談好きには興味深い上に面白い内容になっています。
図画も収録されて、雰囲気を味わう事も出来ます。
ただ、確かに面白いのだが、欠点もある。
現代文が少ない分だけ、読み返さないと意味が頭に入ってこないのだ。
そこは、現代意訳されると味わいが失せるので仕方が無い部分だが、
漢字が多い割りにルビが少ないのには閉口した。
ルビさえ多ければ星5つでした。
名前だけはポピュラーだけれども、
出典元の古典とか、内容となると全く知らない状態でした。
本書では、
今昔物語、源平盛衰記、古今著聞集、宇治拾遣物語、
東海道名所記、羅生門などの記述が大量に収録されていて
古典好き&怪談好きには興味深い上に面白い内容になっています。
図画も収録されて、雰囲気を味わう事も出来ます。
ただ、確かに面白いのだが、欠点もある。
現代文が少ない分だけ、読み返さないと意味が頭に入ってこないのだ。
そこは、現代意訳されると味わいが失せるので仕方が無い部分だが、
漢字が多い割りにルビが少ないのには閉口した。
ルビさえ多ければ星5つでした。