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大学という病: 東大紛擾と教授群像 (中公文庫 た 74-1) 文庫 – 2007/7/1

4.5 5つ星のうち4.5 12個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2007/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 346ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4122048877
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4122048874
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 12個の評価

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竹内 洋
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2024年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いまの東京大学経済学部の教員構成を見ると隔世の感がありますが、歴史書として興味深く読めます。

ただ、講座制が厳然として力を持っていた時代とそれが解体された現在とで違いがあるかといえばそうではなく、現在の大学でも同じようなことは起きています。学問上の理念だけではなく好き嫌いも作用してグループが形成され、何らかの出来事を契機に対立が深まります。職業柄、自己正当化のための理論武装をする性質があるので対立は収まりません。どこの大学でも起きているのでしょうが、東京大学経済学部で起きた対立は非常に有名で、それも一つの理由となって、当時、他大学に研究面で後れを取ってしまったという側面もあります。
2008年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は戦前の東京大学経済学部教授の「師弟関係」や「派閥抗争」を描くことによって、東京大学の体質やジャーナリズム界を含めた知的世界を描いた本です。河合栄治郎(自由主義派)、土方成美(日本精神派)、大内兵衛(マルキスト派)、そして大森義太郎(在野の知識人)、どの派閥にも肩入れせずに描かれており、読みやすい本だと思います。

東京大学の権威の裏で、ある意味、人間的な人達が生息しているということがよく分かります。

この本を読めば師弟関係や派閥抗争の問題だけでなく、すでに当時から「大学の没落」や「大学無用論」など、大学に対する批判があったということが分かります。ところが、戦後は、その問題が軍国主義と大学自治の闘いという問題にすりかわり、戦前に指摘されていた問題がうやむやになったということが明らかにされます。

つまり「大学という病」は現在も治っていないという竹内氏の指摘は正しいと言えるのではないでしょうか。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年2月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦前から戦中にかけての東大経済学部の歴史を扱ったもの。法学部からの独立を果たした直後から派閥抗争に明け暮れ、遂には当局の介入を誘発して崩壊していく過程が、豊富な資料に基づき丹念に描かれる。そこから浮かび上がるのは、「教授会による自律的人事」という大学特有の制度のガバナンスシステムとしての不全性であり、また、実質としての研究・学問を犠牲にしてでも形式としての自治を守ろうとする大学人の救いがたい体面主義である。著者の他の著作と同じように、文章や分析に何とも言えない味わいがあり、単純に読み物として面白い。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年11月3日に日本でレビュー済み
 東京大学経済学部を主な舞台に、その創成期から68年大学紛争期に時代を置き、東京大学・文部省・新聞・雑誌、そしてそこで蠢く「学者・インテリ」の余りに人間的な「渡世」と「処世」が、豊富な資料的裏づけを持ちながら展開されている。
 東京大学経済学部教授会内の派閥抗争と「院外団」、そして時世が縦糸・横糸として絡まりながら、名目的なイデオロギー・学説と言ってしまっては身もふたも無いが、後に名を残す学者が、時に攻守を換え三国志もどきの合従連衡も繰り返しながら刻んだ歴史が記述されていく。
 「高名」であろう学者の生態は可笑しくも悲しいが、人と組織そして権力を考える時、何処の世界でも展開されている人間模様が、大学という舞台であるがゆえに膨大な記録が残されていると見る事もできる。
 本書から読み取れる人間模様は、今日もどこかで配役と時代設定・名目を変えながら再演されていることだろう。
 「派閥菌」「派閥病」の感染・発病を回避するために、あるいはせめて重症化を防ぐために一読するのも一法と思われる。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年3月4日に日本でレビュー済み
竹内の著書はこれまで殆んど目を通し、高く評価してきたが、本書だけは首を傾げざるを得ない。
東大経済学部の抗争を総て「人事抗争」の次元にに解消して説明しているが、果たしてそうであったか?そこには権力による学問の自由への介入もあったが、純学理的な論争もあった。権力の介入に際して団結して撥ね返し得なかったことは、政治性の欠如として批判されるべきだろうが、戦前の「講座・労農」や戦後の「宇野派・反宇野」などの争いは、いくら激しく論じ合っても、終ればともに酒を酌み交わすことも出来るものだ。さらには、1960年代末の学生反乱に対する大学の対応まで「学者世界の抗争体質」といったことで整理されては、大切な要素は総て抜け落ちてしまうことにならないだろうか?
東大経済学部は1975年に『東大経済学部50年史』という、謂わば「正史」を出版している。正史の常で、一番重要な処が隠蔽されている可能性が無くはないが、そこに掲載されている厖大な「回顧座談会」は、当事者たちの抗争観を知る上で貴重である。本書と併せて読むことで、バランスを回復することをお奨めしたい。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年1月18日に日本でレビュー済み
大内兵衛教授のエッセイには、労農派の教授事件のことが、大河内一男教授の「暗い谷間の自伝」には、河合栄治郎とのことが書いてある。
戦前、東大経済学部を舞台にした騒動があったことはわかるが、出てくる人は、名前だけしか知らないので、長い間、一体どういうことだったんだろうと気にかかってました。
立花隆の「天皇と東大」を見たが、大部過ぎて、良くわからない。
そんなとき、この本のことを思い出しました。

冒頭に主要登場人物として、顔写真、経歴、主たる役割が書いてあります。これが有用でした。
これにより、ともかくも全体を読むことができ、関係する方々の 「人となり」 も分りました。
自分知識が薄いので、十分読み込めず、著者の意図を理解できたとは思えませんが、長年、気になっていたことの全体像がわかり、とりあえず満足しました。
各人のその後の人生について、もう少し詳しく知りたかったという感じは残りますが、もう古い時代の話ですし、一概に言えることではないでしょうから、これ以上のことは望みません。
(340)
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年1月25日に日本でレビュー済み
 日本の大学史(ひいては教育史)を概観する一冊。

 天下の東京大学の内紛・日常を丁寧に描く。そこから日本の全体像も見えてくる。東京大学のいきさつや日本大学史・教育史に疎い人(つまり自分)にも勧めたい。記述が単調すぎて眠くなるか。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年12月10日に日本でレビュー済み
 「大学神話」の崩壊という事実は、既に創生期の東京大学経済学部にみることができるものであった。「一ノート20年」「半分休講」のエピソードなど、退屈な授業の現状(ある講義では、「承前」という言葉に続いてひたすらノートを読み上げ、しゃれを言う箇所も毎年同じものであったという)や、労農派マルクス経済学者大森義太郎の進退問題に始まり、めまぐるしく進展する学内の派閥抗争等々。その一方で、当時から雑誌ジャーナリズムの知的水準は高いものであったとの指摘は興味深い。最後は、レージャー化した大学教育、「大衆化」した大学教員についての批判を行い、「大学知」への自省を求めている。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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